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ピッチのウィルコムが大ピンチ 社長更迭も前途多難(COLUMN)
 ピッチのウィルコムがピンチだ。国内で唯一、PHS事業を手掛けるが、契約数の減少に歯止めがかからない。26日には、筆頭株主である投資ファンドの米カーライルにより、喜久川政樹前社長が事実上解任され、経営も迷走している。来月にも開始される次世代通信サービスに賭けるが、その前途は多難だ。
PHSを愛する男
 日本の通信業界を代表する“名物”社長は静かにその職を辞した。記者会見も開かれず、短いプレスリリース一枚が発表されただけだった。喜久川氏は副会長に退き、ソニー出身の久保田幸雄氏が後任に就く。
 「PHSを心から愛する男」。業界関係者は、トレードマークのるスキンヘッド姿でウィルコムを引っ張ってきた喜久川氏のことをこう呼ぶ。
 早稲田大学卒業後、第二電電(現KDDI)に入社。その後、ウィルコムの前身であるPHS事業のDDIポケットに出向する。京セラとカーライルがDDIを買収し、ウィルコムと名を変えた後も残った。平成18年10月には、NTTや電力系事業者が相次ぎPHS事業から撤退する中、日本で唯一のPHS事業者となったウィルコムの社長に43歳の若さで就任する。
 出足は好調だった。音声・データ通信の定額プランや、17年に発売した国内初のスマートフォン(高機能携帯電話)「W-ZERO3」が好調で、社長就任から半年後の19年4月には、新規契約数から解約を引いた純増数が500万件超を記録した。
携帯各社が猛攻撃
 しかし、好調は長くは続かない。ウィルコムの強みである音声とデータの定額サービスを照準に、携帯電話各社が猛烈な攻撃を仕掛けてきたことから、ウィルコムの契約件数は減少に転じる。
 攻撃の口火を切ったのはソフトバンクモバイルだ。19年1月に月額980円の安さで午前1時から午後9時まで契約者同士の通話が無料になる「ホワイトプラン」を開始。月額2900円で24時間無料で通話できるサービスを展開していたウィルコムに強烈な打撃を与えた。ソフトバンクはその後、契約純増数で首位をひた走ることになる。
 データ通信でも携帯各社の猛攻を受けた。先行するウィルコムに対し、19年後半までに携帯各社も相次ぎ月額5000円程度の定額サービスを開始。通信速度も毎秒3メガ(メガは100万)ビット超と、数百キロビットのウィルコムよりも大幅に速く、顧客の流出が加速した。
 さらに新参組のイー・モバイルが20年7月に、データ通信サービスを契約すれば小型パソコンを事実上無料でもらるキャンペーンを開始。ウィルコムもPHSの通信機能を搭載し、パソコン同レベルの機能を持つ小型携帯端末「ウィルコム D4」を発売したが、圧倒された。
起死回生なるか
 ウィルコムが、起死回生を賭けるのが10月に商用サービスを開始する次世代無線通信サービス「XGP」だ。19年12月にNTTドコモやソフトバンクと競り合いの末に、総務省から事業免許を取得した。XGPは毎秒20メガビットの高速通信が可能な技術で、速度の遅さに泣き続けたウィルコムにとり待望の切り札だ。
 だが、見通しは楽観できない。同じ高速無線通信ではKDDI系のUQコミュニケーションズが7月からすでに商用サービスを開始。さらに、来年には携帯各社が、毎秒100メガビット超の高速通信サービスを始める。ウィルコムは、両者の間で埋没しかねない危険性がある。
 XGPのもう一つの狙いだった海外展開でも、最有力市場と目された中国で政府がXGPの基盤技術であるPHSではなく、携帯電話を重視する姿勢を表明する誤算に見舞われた。
 5月には喜久川社長が当時の鳩山邦夫総務相らと中国を訪問し、現地企業とXGPの共同研究を行うことで合意したが、どれだけ市場に食い込めるのか、不安は尽きない。
業を煮やしたファンド
 PHS事業が先細りし、XGPの先行きも不透明となるなか、業を煮やしたカーライルの下した決断が、人事の刷新だった。
 喜久川氏の後任の久保田氏は、カーライルの強い意向で社長就任が決まった。カーライルの安達保氏自らが会長に就くことからも、そのいらだちがうかがい知れる。
 人事が公表された際、今春にも実施されると報じられていたカーライルによる増資がいまだに行われていないことも明らかになった。増資はXGPのインフラ整備に必要な資金の調達が目的とされてきた。
 「ウィルコムに追加出資するため、カーライルが米国の親会社を説得する材料として今回の人事刷新を断行した」との見方がもっぱらだ。
 ただ、ファンドであるカーライルは、投資回収のため、いずれかのタイミングでウィルコム株を売却する。「追加投資のかさむXGPサービスにどこまで本気で取り組むつもりかわからない」と、その真意をいぶかる声もある。
 ウィルコム側は今回の人事について、「XGP開始に向けた経営の強化策」と強調。副会長に退いた喜久川氏も「引き続き経営に参画する」と説明する。
 だが、XPGサービスが伸び悩めば、カーライルが早々に見切りをつけ、売却による投資回収を急ぐ可能性も否定できない。ピッチを愛した喜久川氏が心血を注いできたウィルコムは、まさに正念場を迎えている。



日経社説 変化求め民意は鳩山民主政権に賭けた(8/31)
 政権交代の是非が最大の焦点となった第45回衆院選は、民主党が圧勝した。来月中旬にも召集される次期特別国会で鳩山由紀夫民主党代表が新首相に選ばれる。有権者は「変化」に賭け、民主を中心とする新政権に国政のかじ取りをゆだねた。
 1955年の結党以来、ほぼ一貫して政権の座にあった自民党は、衆院でも第2党に転落し、下野する。2005年の前回衆院選と立場が逆転する歴史的な惨敗を喫し、議席数は過去最低となった。麻生太郎首相は党総裁を辞任する意向を表明した。自民と連立を組んできた公明党も大幅に議席を減らした。
初の本格的な政権交代
 93年に細川非自民連立政権が誕生した時とは異なり、今回の衆院選は第1党と第2党が入れ替わる形の本格的な政権交代である。現行憲法下で選挙による本格的な政権交代は初めてのことだ。
 選挙戦は野党の民主が終始、優勢を保つ異例の展開になった。事前の情勢調査で「民主圧勝」の予測が出ていたとはいえ、結果は衝撃的である。小選挙区、比例代表のいずれも民主が自民を圧倒した。小選挙区では民主の新人や元職が自民の大物を破り、続々と勝ち名乗りを上げた。有権者の関心は高く、投票率は前回(67.51%)を上回る見通しだ。
 自民は4年前の郵政選挙で圧勝したが、党則を理由に小泉純一郎首相が1年で退任し、後を継いだ安倍晋三、福田康夫両首相はともに1年で政権を投げ出した。07年の参院選で大敗し、参院第1党の座を民主に明け渡した。その後は衆参ねじれ国会の運営に苦しめられた。
 昨年9月の総裁選で「選挙の顔」として選ばれた麻生首相は、リーマン・ショックを契機とする経済・金融危機への対応を最優先し、景気対策に取り組んできた。だが自らの失言や政策決定の迷走で内閣支持率は低迷し、党勢回復のきっかけをつかめぬまま、衆院議員の任期満了直前に解散に追い込まれた。
 半世紀余り続いた自民党政治への飽きとともに、前回の衆院選以降に顕著となった自民の統治能力の劣化が有権者の離反を招いたといえる。年金の記録漏れ問題などの行政の不祥事が相次いで表面化した。前回選挙では小泉首相の郵政民営化への執念が有権者の共感を呼んだが、小泉氏の退任後は、なし崩し的に構造改革路線の転換が進んだ。
 民主は現状に不満を持つ層を広く吸収して、政権交代への期待を高めるのに成功した。マニフェスト(政権公約)では「官僚丸投げの政治」からの転換を掲げ、政治主導を前面に打ち出した。行政刷新会議を新設して予算の無駄を徹底的に排除するなどの、既得権益に切り込もうとする姿勢が支持されたとみられる。
 民主は政府と与党の二元的な政策決定の仕組みを改め、内閣の下に一元化する方針を打ち出している。政権の司令塔となる国家戦略局をはじめ法改正が必要な構想も多く、軌道に乗せるための現実的な工程表が要る。統治機構の改革への有権者の期待にこたえるには、鳩山氏が強い指導力を発揮して政権の課題を明確にし、閣僚や副大臣に能力のある政治家を配することが不可欠だ。
 新政権は発足後直ちに来年度予算編成に取り組まねばならず、政権公約を実現する力が試される。政権公約には月額2万6000円の子ども手当などの目玉政策を列挙したが、財源の裏づけははっきりしないままだ。鳩山氏は民主の政策に欠けている日本経済の成長戦略や財政再建目標などの中・長期ビジョンについても、所信表明演説などできちんと説明する責任を負っている。
 民主は社民、国民新両党との連立政権を目指す方針だ。外交・安全保障政策では社民と大きな溝がある。連立を優先するあまり、政策面で安易な妥協をせぬよう求めたい。
自民は解党的出直しを
 来月下旬には国連総会などの重要な外交日程が目白押しだ。それまでに新内閣を発足させなければならず、政権移行の時間は極めて限られている。鳩山氏は記者会見で、首相指名後に閣僚人事を決める考えを示したが、官房長官などの主要閣僚は速やかに内定し、準備を急ぐ必要がある。自民も政権交代が円滑に進むよう協力しなければならない。
 かつてない敗北となった自民の今後はいばらの道だろう。党の有力者の落選が相次ぎ、人材難は深刻である。政党助成金が大幅に減るのは避けられず、党財政にも甚大な影響が及ぶのは必至だ。
 この機会に党組織や候補者選考方法などを抜本的に見直し、新たな党の姿を探るしかない。麻生氏の後継を選ぶ総裁選で党の再建策を徹底的に議論し、有権者の信頼を取り戻すよう努めるべきだ。政権交代可能な二大政党制を定着させるために、自民は文字通りの「解党的出直し」に取り組む覚悟が求められている。
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