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ライバルはモバゲーでもGREEでもない--mixiアプリの真の狙いとは
 「ソーシャルプラットフォームはみなさんが思っているよりも早く、世界的な競争に巻き込まれますよ」――ミクシィ取締役で、mixi事業を統括する原田明典氏はこう断言する。国内ではモバイルSNS最大手のモバゲータウンや、急成長中のGREEと比較されがちだが、その目に映っているのは3億人のユーザー数を誇るFacebookや中国Renren Network(人人網、旧Xiaonei Network(校内網))との戦いだ。
 そこで強みとなるのが、PCサイトとモバイルサイトの両方で開始したmixiアプリだという。開発者はmixi上でウェブアプリを公開し、mixi内の友人同士でコミュニケーションを図りながらサービスを楽しんでもらう。ソーシャルアプリと呼ばれるこういったサービスはFacebookが先行しているが、PCと携帯電話の両方で利用できるのはmixiが初めてとのこと。
 ミクシィはmixiアプリを通じてどのような世界を作りだそうとしているのか。ソーシャルアプリを成功させるコツはどこにあるのか。原田氏に話を聞いた。
――mixiアプリモバイルが10月27日に公開されました。どのようなことができるようになりますか。
 すでに公開しているPC版のmixiアプリとほぼ同じことができます。Flashが使えるので、PC版と似たような体感を味わえます。特にモバイル版だからといって、大きな制限があるわけではありません。
 むしろ、モバイルのほうがソーシャルアプリとは相性が良いと思っています。人との交流が中心になりますので、大きな画面も必要なく、深いゲーム性より1分以内に何ができるかがわかることのほうが重要です。従来のオンラインゲームとは真逆の存在だと思います。
 なぜかというと、例えばリアルの友人が10人いて、全員で楽しめるようなゲームといえば、トランプくらいのものです。もしくは温泉宿での卓球のように、すぐ楽しめるシンプルさが必要になるんです。
――逆に、携帯電話だからこそできることは。
 GPSが利用できるAPIは用意しています。今後、デバイスに特化したAPIも1年以内に用意していくつもりです。
 また、課金APIも11月上旬に公開します。これはPC版よりも先にモバイル版で利用できるようになります。mixi内の仮想通貨「mixiポイント」をパートナー向けに開放し、アプリ内で有料コンテンツを提供できるようにします。PC向けにもできれば年内には出したいですね。
――ソーシャルアプリを設計する上で、開発者はどういった点に気を配ればよいのでしょうか。
 たとえばほかのユーザーのプロフィール画面を常に表示するだけでも十分意味があると思います。何の交流もなかったとしても、ほかのプレーヤーの存在を意識できれば「一緒にやっている」という感覚が生まれる。もしくは、一緒に何かをしないとゲームがうまく進行しないような要素を入れてもいいでしょうね。
 そういう意味では「足あと」も重要な要素なんです。GREEの田中社長には「足あとはもう古い」というようなことを言われたようですが、例えばサンシャイン牧場で「友人が自分の牧場に水やりをしに来てくれた」というようなことも、1つの足あとですよね。コミュニケーションというとテキストを打つとか、コメントを書き込むとかいったことを想像しがちですが、そうではなくて、友人を感じることができるかどうかが重要で、軽いふれ合いが大切になってくると思います。
――mixiモバイルアプリの開発者としてはどういった企業が出てくるでしょうか。
 モバイルのソーシャルアプリを、少なくとも1000万人規模のユーザーで提供している例は世界でまだありません。一見簡単そうですが、なかなか難しいんですよね。
 いまPC版で人気の出ているソーシャルアプリプロバイダーは海外企業が中心です。彼らは(Facebookなどで経験を積んでいるので)リアルの人間関係を前提とした「ソーシャル」というものがどういうものかをよくわかっているんです。
 例えば今mixiアプリで人気の「サンシャイン牧場」も、オンラインゲームとしてみればただ作物を植えているだけかもしれない。でも、そこに実際の人間関係が加わることで面白くなる。
 ただ、こういった知見がある海外のプロバイダーは、まだモバイルに関する知見を持っていません。
 逆に、国内のプロバイダーはソーシャルの良さについて研究中です。しかし、モバイルに対する知見は持っている。
 市場はものすごく大きいので、ミクシィとしてはまず多くの企業に参加してもらえるように、積極的に呼びかけていく方針です。
――市場の見通しは。
 モバイルのほうがソーシャルアプリの市場規模は大きくなると思います。ユーザーの利用度も大きいですからね。それを我々がコントロールしようとしたら間違いで、コントロールできないような大きさになっていくでしょう。
 我々は勝手に大きくなっていくであろうパンドラの箱を開いて、あとはひたすら開発者やユーザー、mixiアプリをメディアとして活用する一般企業の支援をしていくことになると思います。
 開発者に対してはデータベースの作り方やAPIの使い方に関するコンサルティングをするほか、収益化の手伝いやマーケティングの支援もしていきます。mixi内で良いアプリを宣伝するほか、ユーザー動向をもとに開発に生かせるような情報をフィードバックしたり、mixi外のメディアにおいてミクシィとアプリ開発者が一緒にマーケティングしたりすることが考えられます。また、出資も含めた経営支援もしていきます。
 ここまでやらないと、なかなか開発者の方に来てもらえないのではないかと思っているんです。とにかく、参入する上でネックになることはすべて我々のほうで肩代わりしていこうと考えています。
――ライバルのGREEは10月26日、PC版サイトを一言コメントを中心としたデザインに変えました。
 モバイルで展開しているサービスと、リニューアルしたPC版に一貫性がないですね。PCとモバイルの両方から使うユーザーはあまりいないのではないかと思います。下手すると、PC版のソーシャルグラフと、モバイル版のソーシャルグラフは違うものになるかもしれません。
 我々の場合、PC版とモバイル版の両方を利用する人、あるいはいずれかだけ利用する人も、皆交流して欲しいという思いがあります。そこが違いますね。
 もちろん、各デバイスならではの体験があってしかるべきだと思います。たとえば農場を育てるゲームで、北海道に行かないと手に入らないアイテムなどがあってもいい。ただ、自分の友人がPC、携帯電話、あるいは別の端末からアクセスしていても、人間関係としては1つですよね。大事なのはつながっているということであって、相手がどのデバイスからつながっていても、それは構わないんです。
 デバイスによってサービスが全然違って、ただ相手が同じ、ブランドが同じというだけでは利用されないのではないでしょうか。
――モバゲータウンは、mixiアプリと同じくOpenSocialベースのオープン化計画を進めています。開発者の奪い合いにはなりませんか。
 どちらのプラットフォームに対してアプリを先行リリースするか、という点で奪い合いはあるかもしれませんが、どちらかといえば相乗効果が生まれると考えています。
 開発者にとって、サービスの出し先はほかにもたくさんあるんですよね。ただ、ほかに出すとなるとまったく違う手法や人員を用意しないといけないのに対して、mixiとモバゲータウンであれば、同じOpenSocialを採用しているので共通リソースが使える。モバゲータウンがオープン化することで、「どうせmixiにも出そうと考えていたんだから、いっちょやるか」という意志決定が増えると思っているので、基本的にウェルカムです。
 mixiはリアルの友人関係が基本ですが、モバゲータウンはバーチャルなコミュニケーションゲームなので、コアバリューが少し違うんですよね。そういう意味では、同じゲームでもモバゲータウン版とmixi版で少し面白いポイントを変えていただかないといけない。となると、ますます重複しない。
 むしろ、ゲームなど違う産業にいる開発者をソーシャルアプリの世界に来ていただくように、ディー・エヌ・エー(DeNA)と一緒にやっていけると考えています。
――しかし、売上ベースでみるとモバゲータウンやGREEに引き離されていますよね(※編集部注:2009年3月期におけるmixi事業の売上高は112億円。DeNAのモバゲータウン事業は196億円、GREEは2009年6月期で139億円)。
 mixiアプリで十分巻き返せると考えています。たとえ市場全体からプラットフォーム提供者のミクシィが得る割合は少しだとしても、市場全体が大きく成長するからです。
 そこでいかにミクシィへの実入りを大きくするかといえば、市場への貢献度を高めるしかないんですよ。我々の利益ばかり考えると市場が大きくなりません。発想はいかに市場を大きくするか、そして世界と戦っていくかです。
――ミクシィは中国上海に100%子会社の上海明希網絡科技と、パートナーが全出資持分を持つ上海蜜秀網絡科技を設立していますが、今後、中国でも同じようなサービスを展開していく考えはありますか。
 ……1つ言えることは、我々や業界の人たち、ユーザーが予想しているよりもおそらく早く、ソーシャルプラットフォームは国際競争に突入します。日本も例外なく巻き込まれます。
――それはソーシャルプラットフォーム間の競争ということですか。
 そうですね。ただ、戦略はあります。詳しくはまだ言えませんが、モバイルを含めたインターネットを日本の代表的な産業に育て上げていくことは、我々の世代の使命だと思っています。新しい産業が国際競争力を持って日本経済の一役を担うようにならなければ、世界における現状の日本のポジションを維持することはできないでしょう。日本が資源を持たない国であるということに、何も変わりはないわけですから。



【産経主張】読書週間 秋の夜長に感じ考えたい
 秋の澄んだ空気が、「明窓浄机(めいそうじょうき)」という言葉を思い起こさせ、読書に好適の季節が到来したことを告げる。いま、読書週間の最中である。
 先ごろ発表された平成20年度の「国語に関する世論調査」(文化庁実施)報告書によれば、1カ月に何冊本を読むかとの問いに、「読まない」と答えた人が46・1%にも上った。14年度調査に比べて約9ポイントも増えており、国民の「読書離れ」が急速に進んでいることがうかがえる。
 国会は平成17年に「文字・活字文化振興法」を制定し、読書週間スタートの日の毎年10月27日を「文字・活字文化の日」と定めた。また昨年には、平成22年を「国民読書年」とする決議も採択している。国民が新聞などの活字にもっと親しみ、読書への意欲を高められるよう、国を挙げての取り組みが行われているのだ。
 最近は読書離れもさることながら、読書の形態も著しく変化している。若者世代を中心にした「ケータイ小説」の流行などはその典型例で、携帯電話で“本を読む”というスタイルは、「読書」のイメージを一変させた。
 ケータイ小説の文章については一概には論じられないとしても、豊かで伝統的な国語とはかけ離れた粗雑なものが目につく。携帯電話ゆえの制約からだろうか。
 「文字・活字文化振興法」にも「国語が日本文化の基盤である」と明示されている通り、読書の意義については何より、文化を育てていくような美しい国語との出合いが強調されるべきである。
 とくに子供には、そんな意義を見失わない読書習慣を身につけさせたい。例えば「卓袱(ちゃぶ)台」や「手塩にかける」といった、日本の文化や習俗に根ざしながらも今では消えつつある言葉や慣用句に数多く触れさせることも重要だ。
 未知の言葉に出合った子供はそこで活字を追う目を止め、さまざまに想像し、考え、感じるだろう。感性や読解力というものは、そうした経験の積み重ねによって磨かれるものに違いない。
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