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ソーシャルゲームが促すゲーム業界の1つの時代の終焉(COLUMN)
 11月9日、世界のゲーム産業の行方に大きな影響を与えるだろう2つの企業買収が発表された。その1つが、「Facebook」に代表されるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)向けにソーシャルゲームを展開する英Playfishを、ゲーム業界大手の米エレクトロニックアーツ(EA)が3億ドルで買収したという発表だ。
 もう1つは、「iPhone」などのスマートフォンを中心とする携帯電話向け広告サービスで急成長している米AdMobを、米グーグルが7億5000万ドルで買収するという発表である。
 何よりも驚かされるのは、新市場の拡大とともに企業が成長する速度感だ。Playfishの設立は07年、AdMobは06年。どちらも、設立3年以下にも関わらず、買収額は驚くほど高額だ。
 両企業とも、日本市場との関わりがまだあまりないため、その意味がわかりにくい。今回は、Playfish買収の背景と影響を考える。
■Facebookのアプリ戦略で急成長
 Facebookは04年のサービス開始からわずか5年で、3億人ものアクティブユーザーを持つまでの規模に拡大した。Playfishは、07年にFacebookがオープンソーシャルアプリ化戦略を開始した際に、いち早くゲームを展開して成功を収めた1社である。
 Playfishのゲームコンテンツは、アドビシステムズのFlashをベースにウェブのみで完結するため、Flashに対応するプラットフォームが登場するたびにアプリ提供の市場が広がった。最近では「MySpace」などのSNSのほか、iPhoneや米グーグルの携帯プラットフォーム「Android(アンドロイド)」など携帯向けにも進出している。
 ゲームメディアInside Social Gamesによると、Playfishのタイトルは12日現在で5980万人のユーザーが遊んでおり、ここ2カ月間だけで1000万人以上の新規ユーザーを獲得した。1位のZyngaの1億8700万人には大きく水をあけられているが、Facebookにアプリを展開しているゲーム会社の中では2位に付ける。
 現在は10タイトルのゲームがあり、いずれも数百万人規模で遊ばれている。最も人気があるのは、2165万人のユーザーを集める「Pet Society」だ。ペットを育てるゲームで、基本的なプレーは無料。キャラクターのアイテムなどを販売するアイテム課金方式で収益を上げている。
■チープなゲームが人気を集める理由
 Playfishのゲームは決して質が高いとはいえない。ゲームに目の肥えたユーザーから見ると、何でこんな大したことのないゲームが、6000万人近い数のユーザーに遊ばれているのかと、首をかしげたくなるようなゲームだらけだ。チープなグラフィック、できることの制限の多さ、ゲームとしての完成度の低さなど、あげつらえばきりがない。
 しかし鍵となるのは、FacebookというSNSとひも付けされて、自分の友だちを巻き込めば巻き込むほど、キャラクターのポイントが増えるなどのメリットが得られる「ネズミ講」的な性質にある。
 ユーザーはゲームのなかで他のプレーヤーに対し、自分のペットと会ってくれるようにお願いしたり、アイテムをプレゼントしてお返しに何かをもらったりという形で遊ぶ。ゲームを通じて他のユーザーとコミュニケーションすることが前提のシステムとなっている。
 これらのゲームは一人で遊んでも、あまり面白いものではない。既存の家庭用ゲーム機で一般的なゲーム文法とは異なり、大規模オンラインRPGのようなタイプとも違っている。既存の方法論で作られたゲームは、Facebookではそれほどヒットしない。
 しかし、チープなゲームであっても急成長するこの分野に着目して買収に踏み切ったのが、業績面で苦しみ始めたEAだったというわけだ。
 これは、かなり皮肉めいている。Playfishのクリスチアン・セゲルストレールCEOは巨大化した家庭用ゲーム機向け市場には将来性がないと断言しており、昨年11月にロンドンで行われたセミナーでは「EAは死にかけた恐竜だ」とまで言っていたからだ。
■家庭用ゲーム機向けから軸足移すEA
 9日の買収発表と同時に発表されたEAの09年7~9月期決算は、純損失3億9100万ドルと振るわなかった。ジョン・リッチェルトCEOは、決算発表のなかで「パッケージソフトの年間販売は、北米で12%、欧州で13%減少する」と厳しく予想している。
 一方で、携帯電話、アイテム課金型、月額課金型、広告型といった新たなデジタルビジネスについては、今後数年間は年率20%かそれ以上で成長するとの予測を示し、「EAとしてのあり方を明快にしなければならない」と語った。 これらの新規市場が世界のゲーム産業に占める割合は、「5年前には10%以下だと考えていたが、現在は35%と見積もっている」とも述べた。EAはこうした市場の変化を受け、大型タイトルを除くゲームの開発を事実上凍結し、来年3月末までに世界で1500人のスタッフを削減するという。これにより年間1億ドルの経費を削減する。
 この大規模なリストラを通じて「企業を変換させる」(リッチェルトCEO)ために、目玉として打ち出したのがPlayfish買収だったようだ。
■3億ドルの買収金額は高いか安いか
 EAは、もともとM&Aを通じて大きくなってきた企業だ。
 過去には世界初の大規模オンラインRPG「ウルティマオンライン」を開発したOriginや、「シムシティ」を持つMaxisを買収している。最近も、07年には「バトルフィールド」シリーズを持つD.I.C.E.を2300万ドル、北米のRPGのトップ企業Biowareを8億6000万ドルで買収した。08年には「グランドセプトオート」シリーズを持つTake-Two Interactive Softwareを、20億ドルをかけて株式公開買い付けで買収しようと試みて、断念している。
 その一方、買収したがその後に収益が上がらないスタジオは、即解散させてしまうという側面があることも知られている。EAは今回の決定で、中小型のタイトル開発を100本規模で中止するつもりと考えてよい。
 では、Playfishはそれを補う以上の戦力となりうるのか。高成長が期待できるとはいえ3億ドルという買収金額は高すぎる気もするが、逆に安いと指摘するアナリストもいる。
 Game Briefのニコラス・ロベル氏は、「Playfishが今年7500万ドルの売上高を上げる」との最新の噂を引用しつつこう分析している。
 7500万ドルをプレーヤー(5000万人で計算)一人あたりに換算すると年1.5ドルになる。仮に料金を払うユーザーがもっと少なく全体の5%だと見積もると、一人あたりで年30ドル、月間では2.5ドル。これだけで7500万ドルに到達する。この計算は妥当といえないか?
 約6000万人というユーザー数はそれほどの価値を持つのだ。3億ドルを投資しても十分回収できると、EAは皮算用しているのだろう。
■ゲーム業界の1つの時代が終わる
 EAは企業戦略を決定的に変えた。パッケージ型の家庭用ゲーム機向けの急回復は短期的にはないと見切り、ネットワークサービスを中心とした事業を収益の柱にすべく事業構造をシフトさせると決断したのだ。
 これは、家庭用ゲーム機市場に大きなインパクトを与えるだろう。EAのラインアップは今後、多様性がなくなり続編ものへのさらなる依存が進むと予想される。それは家庭用ゲーム機市場の魅力をさらに薄れさせ、新規ユーザーの流入を減らす結果を引き起こすはずだ。
 ゲーム業界が1つの時代から別の時代に変わろうとする動きが決定的な形で表に出始めた。



10月の米ゲーム関連売り上げは19%減 ゲーム機値下げの効果薄
 10月の米国のビデオゲーム機器・ソフトの売り上げは19%減少して10億7000万ドルとなった。業界が1年で最も重要な商戦に向かう中で、悩ましい数字だ。調査会社NPDが11月12日に報告した。
 ビデオゲームはかつて不況の影響を受けにくいと考えられていたが、この1年は厳しい状況にある。以前好調だった音楽ゲーム分野は衰退し、支出を切り詰める消費者にお金を出させるような人気作はほとんど出ていない。
 10月の米ゲーム機売り上げが23%減少したことから分かるように、家庭用ゲーム機の値下げもほとんど影響しなかった。
 「消費者がまだ戻ってきていないのは明らかだ」と投資会社Wedbush Morganのアナリスト、マイケル・パッチャー氏は語る。「ゲームソフトは良かったが、ハードの売れ行きは驚くほど低調だ」
 月間販売台数では、任天堂のWiiが1位に返り咲いた。先月はソニーのプレイステーション 3(PS3)が1位に急浮上した。
 Wiiの10月の米国での販売台数は50万7000台で、それにPS3(販売台数32万1000台)、MicrosoftのXbox 360(25万台)が続く。ソニーは、前年比で伸びているゲーム機はPS3だけだと主張している。
 それでもビデオゲーム業界には明るい材料もある。Activision Blizzardは12日、「Call of Duty:Modern Warfare 2」が発売初日に記録的な売り上げを達成したと発表した。



5歳と7歳の声で音声読み上げ 「VOICEROID 月読アイ」「ショウタ」
 ソフトウェアの開発などを行うAHS(東京都台東区)は、5歳の少女の声でテキストを読み上げる音声合成ソフト「VOICEROID 月読アイ」と、7歳の少年の声の「VOICEROID 月読ショウタ」を12月4日に発売する。各9800円。2本セットの「VOICEROID 月読ショウタ 妹パック(アイちゃん付き)」は1万7800円。
 エーアイが開発した音声合成エンジン「AI Talk」を活用。子どもの声をベースにした合成音声で「驚くほど自然に話す」という。



ソフトバンクが電報参入 「115番」利用、NTTに対抗
 ソフトバンクが電報事業に参入する。総務省の認可が下り次第、早ければ2010年早々にサービスを始める。新サービスは同社電話サービスの利用者が「115番」に電話をかけるだけで使える点が特徴。NTT以外の事業者で115番を使った電報サービスを提供するのはソフトバンクが初めて。安価な料金を打ち出してNTT独占の現状に風穴を開ける。
 電報サービスの市場規模は現在、約520億円。ピーク時に比べて大幅に減少したが、企業を中心に慶弔用などで底堅い需要がある。03年4月の信書便法施行により、現在はNTT以外にもKDDI子会社など12社の事業者が電報サービスを提供しているが、NTTが依然として9割強のシェアを握る。



ソニー、データ拠点集約 15年メド、世界2大センターに
 ソニーは社内情報システムの運用拠点を集約する。現在は世界の約60拠点で生産管理や製品の受発注などに関連したデータを管理している。2015年をメドにアジアと欧米で大規模なデータセンターを1つずつ整備し、各地の機能を統合する。インターネット経由で必要なソフトを活用する「クラウドコンピューティング」の登場を機に、社内情報システムを再構築する動きが今後広がりそうだ。
 アジアではシンガポールに開設した大規模データセンターを活用して域内の拠点に分散している機能を集約する。日本では東京都と愛知県の拠点を12年3月までに閉鎖して機能を移管。中国、インド、東南アジアなどの機能も段階的に移し、現在は約40カ所あるデータセンターやサーバールームを10年代半ばまでに原則1カ所に減らす。
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