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ドコモの新機種、苦手の若い女性ユーザー層にもリーチ(COLUMN)
 2年前に「905iシリーズ」が大ヒットしたNTTドコモ。当時導入された割賦販売制度によってユーザーの多くは2年間の分割払いに縛られてきたが、その「2年縛り明け」が近い。今冬から来春にかけてNTTドコモはどのような商品戦略で臨もうとしているのか。
 NTTドコモは10日、2009年度冬春モデル19機種と新サービスを発表した。新機種のなかでも、とりわけ脚光を浴びたのが富士通製端末だ。
■新たな使い方提案するセパレートケータイ
 プライムシリーズの「F-04B」は、昨年の展示会で参考出展したセパレート型のコンセプトモデルを見事に製品化したものだ。
 タッチパネルを備えるディスプレー部分とキーボード部分がワンタッチで分離され、画面を操作しながら通話したり、画面を机の上に置いて手元でフルキーボードを使って文字を打ったりと、様々な使い方が考えられる。カメラは12メガピクセル。ワンセグやおサイフケータイなどあらゆる機能を詰め込み、スペック的に妥協がない点も評価できる。
 もちろん2つの筐体を重ね合わせれば、通常のスライド端末としても使える。「昨年参考出展したモデルはマグネットで2つの筐体をつなげていたが、磁気が本体に影響を与える問題があった。それでは製品化が困難なため、スイッチ式の接合部を設けた」(富士通開発担当者)という。
 ディスプレー部側にアンテナ、ワンセグ受信部、SIMカードスロット、おサイフケータイ、バッテリーなどすべての機能を納めている。そのためキーボード部分よりもかなり重く、スライド端末として使うと若干バランスが悪い。それぞれの筐体にバッテリーを備え、全体としてやや重い点も気になるが(片方のバッテリーが消耗したら、もう一方から補完充電できる機能がある)、新たな使い方を提案しているだけに、かなり人気が出そうだ。
 富士通の他の3機種はいずれも防水機能を備える。「F-01B」は12メガカメラとタッチパネル、「F-02B」は香水をつけられる機構を搭載する。「F-03B」は13.9ミリと薄型で高級感を訴求するなど、それぞれターゲットをしっかりと絞り込んでいる。
■「難関」企画を実現したシャープ
 一方、「SH-01B」で12メガカメラ、「SH-03B」でQWERTY配列のキーボードを搭載するなどハイスペック路線を維持しながら、若い女性向けにも力を入れたのがシャープだ。
 「SH-04B」では、背面が溶け出したチョコレートそっくりという大胆なデザインを採用した。底面部分もチョコレートの包み紙をモチーフにしたデザインになっており、世界観の徹底ぶりは半端ではない。
 「SH-05B」では、雑誌「セブンティーン」の人気モデルとコラボレーションし、3色用意した本体カラーがいずれもピンクという常識外れの商品展開を実現させた。
 NTTドコモのデザイン担当者は「SH-05Bのピンク3色はスタイルシリーズの特徴を象徴的に示したという意味もある。NTTドコモは若い女性層へのアプローチが苦手ということもあり、逆に製品化にゴーサインが出やすかった」という。
 チョコレートデザインのSH-04Bは限定1万3000台と携帯電話の生産ロット数としてはあり得ないほどの少量生産だ。また、ピンク3色というカラー展開は、他のメーカーやキャリアでも一度は「企画書」として上がるが、開発担当者に確信があっても上層部のOKが出ずに断念する定番アイデアでもある。
 そんな難題であっても、いまのNTTドコモとシャープという最強の組み合わせであれば、多少の障害はものともせずに製品化にこぎつけられるようだ。
■初のサムスン端末は高スペック志向
 今回の発表では、韓国サムスン電子が初めてNTTドコモ向けに端末を投入することも注目された。
 「SC-01B」はマイクロソフトの最新OS「Windows Mobile6.5」を搭載するQWERTYキーボードのスマートフォンだ。ソフトバンクモバイル向けにも似たようなデザインのスマートフォンを供給するが、NTTドコモ向けは画面部分がタッチパネルになっている。
 また、搭載するWindows Mobile6.5のエディションも「プロフェッショナル」である(ソフトバンクモバイル向けは「スタンダード」)。「ドコモのユーザーは、スマートフォンに高いスペックを求める傾向が強い」(サムスン関係者)というスタンスが、供給する端末のバージョンの違いに表れているのだろう。
■GPS連携で「iコンシェル」改善
 一方、新サービスでは、移動中に5分間隔で位置情報を自動的に取得してネットワークに送信する「オートGPS」機能が面白そうだ。情報提供サービスの「iコンシェル」と連携し、居場所に合わせて電車の運行状況や天気、観光・グルメ情報などを適切にユーザーに通知できるようになるという。
 NTTドコモの山田隆持社長は、昨年の就任当初から携帯電話による「行動支援サービス」に力を入れると語っていた。「アラジンの魔法のランプ」のようにユーザーの願いを叶えてくれる存在、というわけだ。
 これまでのiコンシェルは住所や興味のあることなどを登録しておくと、関連する情報が降ってくるという単純な仕組みだった。実際に使ってみると、例えば登録した電車の路線で遅延が発生すれば、路線の近くにいなくても立て続けに遅延情報を送ってくる。あまりのうるささに、「ひつじのしつじ」という画面上のキャラクターがコンシェルジュというより「電車の時刻表マニア」に思えてしまうほどだ。
 だが、オートGPS機能の採用により、今後はより最適な情報を配信できるようになるだろう。終電アラームや局地的な降雨をカバーする気象情報なども配信するという。
■フェムトセルはまだ様子見でいい?
 NTTドコモのもう1つの目玉が、「マイエリア」だ。ついにフェムトセル基地局が実用化され、自宅に基地局を設置できるようになる。
 ただし、そのメリットは今のところ、「自宅で高速パケット通信ができる」「家族が自宅にいることを確認できる『イマスカ機能』が使える」という2つしかない。今後は自宅内の家電を操作するといったことができるようになるだろうが、現状では月額980円(「ファミ割MAX50」などを組み合わせると半額)を支払うまでのサービスには至っていないように感じる。
 しかも、フェムトセルは法律上「基地局」として取り扱われ、申し込みから利用開始まで約6週間かかるという。申し込み後、ドコモの調査員が自宅に来て電波の環境を確認した後、総務省に手続きを行い、再度、自宅に作業員が来て、基地局を設置するという流れ。実際にユーザーがやる作業はほとんどないのだが、設置に伴う手続きに4週間の期間が必要なため、これだけの時間がかかってしまう。
 また、基地局であるため、ユーザーが引っ越しする際もフェムトセルを新居に勝手に持って行くことができない。移転する際は同じく、手続きが必要になるとされている。導入に時間がかかる割にはメリットが少ない「マイエリア」は、サービス内容がより拡充されるまで様子見でもいいかもしれない。
■3キャリアの勝負はどうなる
 NTTドコモの発表により、主要3キャリアの冬から春にかけてのラインアップが出そろった。
 NTTドコモに関しては、やはり幅広いユーザー層をしっかりと網羅しているように思える。セパレートタイプのF-04Bは、かつて90Xシリーズを好んで買っていた機能やスペック重視のユーザーに響く商品に仕上がっているし、シャープの若い女性向け商品は、ドコモがこれまで不得意としてきたユーザー層を振り向かせるだけの魅力がある。
 2年前に「P905i」が大ヒットした経験から抜け出せないパナソニックモバイルコミュニケーションズは今回も「P-01B」で同じようなWオープンスタイルを出してきた。
 ユーザーは保守的で同じスタイルや操作性を選ぶ傾向が強いと言われる。P-01Bはヒンジ部分がスッキリとし、テンキー部分がタッチパッドになるなど着実に進化している。ただ、パナソニックの場合、もう少し攻めの姿勢が出てもいいのではないかとも感じる。折りたたみを主力とするNECも同様だ。
 その点、富士通は薄型でも防水にし、デザイン面でも力を入れるなど、パナソニックやNECのユーザー層の興味を引く商品となっている。さらなるシェア変動があってもおかしくない状況だろう。
 NTTドコモと同じ10日に発表したソフトバンクモバイルは、「無線LAN」という独自の戦略に打って出たが、ネットワークのトラフィックを回避させる意味合いが強く、料金的なメリットも少ない。ユーザーがどこまで魅力を感じるかは未知数だ。無線LAN対応の高スペックモデルよりも、パナソニックやシャープが手がける低価格モデルの方が間違いなく売れるはずであり、今後も「iPhone」と低価格モデルという2極化が進んでいきそうだ。
 すでに商品が店頭に並んでいるKDDI(au)は、カシオ計算機とシャープ製が主力で、そこに京セラやソニー・エリクソンがどれだけ食い込んでくるかが見どころだろう。他の2社と比べると、新規顧客を獲りにいくという姿勢が相対的に薄く、既存のauユーザーに機種変更したいと思わせる「守り」に重きを置いた商品群といえるだろう。
■他社から顧客を奪える強力モデルは一握り
 端末メーカーのマルチキャリア展開が一般的になるなか、他キャリアからユーザーを獲ってこられるほど強力で個性的モデルは、全体を見渡しても富士通のF-04B、アップルの「iPhone 3GS」くらいだろう。
 KDDIに限らず各キャリアとも、かつてのように「他社から顧客を奪う」ラインアップを組むのではなく、「いかに既存顧客を他社に逃さないようにするか」を優先した端末作りに傾斜しているように感じる。
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