(((゜Д゜;)))新聞

今のウィルコムだから作れた大胆すぎるスマートフォン「HYBRID W-ZERO3」(COLUMN)
 ウィルコムは11日、マイクロソフトの最新OS「Windows Mobile6.5」を搭載する新しいスマートフォン「HYBRID W-ZERO3」(シャープ製)を発表した。注目は従来のPHSに加えてW-CDMA(HSDPA/HSUPA)にも対応した「スマートフォン版ドッチーモ」に仕上がっている点だ。ウィルコムのデータ通信企画室室長である須永康弘氏に話を聞いた。
 携帯電話各社の新製品が発表されるなか、トリを飾ったのはウィルコムだ。経営的には苦しい状態に置かれているが、かつて勢いがあったころを思わせる魂のこもった製品が登場する。
■「スマートフォンの父」がこだわったこと
 今回、開発を担当した須永康弘氏は一貫してW-ZERO3シリーズを手がけてきた日本のスマートフォンの父といえるような存在。新製品を開発するにあたって意識せざるを得なかったのはアップル「iPhone」の存在だ。須永氏が語る。
 「スマートフォン市場はiPhoneの影響が大きく、アップルを中心としたトレンドができつつある。ウィルコム単体では体力が続かないので、ワールドワイドの仕様に乗るべきだと判断した。Androidも選択肢にあったが、いまならWindows Mobile 6.5で戦えると判断した」
 新製品はこれまでのW-ZERO3シリーズの反省点が十二分に生かされている。HYBRID W-ZERO3はまず、見た目が一般的なスライド式の携帯電話と変わらないようになった。これまで採用してきたQWERTY配列のキーボードは影も形もなくなっている。
 「日本のユーザーを考えると、やはり通勤電車のなかでも使えるように片手で操作できることが重要。そのため、QWERTYではなくテンキータイプを選択した」
 開発段階ではQWERTYとテンキーの両方を持つ「Advanced W-ZERO3es」を小型化する方向も探ったが、今回は割り切ってテンキーのみにしたという。世界のスマートフォンを見渡すと、かつてのW-ZERO3のように本体をスライドさせてQWERTYキーボードを出し、横画面にするものが増えている。だが、須永氏はあえて縦画面にこだわったという。
 「iPhoneの爆発的なヒットにより、スマートフォンの世界では縦画面のコンテンツが一般的になろうとしている。そこであえてHYBRID W-ZERO3では縦画面での操作性を重視した」
■「Windows Live」に積極対応
 HYBRID W-ZERO3はテンキーだけでなくタッチパネルでの操作も可能だ。さらに「Xcrawl(エクスクロール)」と呼ばれるカーソルキーにより、画面のスクロールやカーソル移動を容易にした。
 Windows Mobileはユーザーインターフェースが使いやすいとはいえず、それはバージョンが6.5になってもすべて改善されているわけではない。しかし、ウィルコムとシャープではオリジナルのユーザーインターフェースを開発して、初心者でも使いやすいようにできるだけの配慮をしたという。
 もう1つ、ウィルコムが力を入れたのが「Windows Live」のサポートだ。Windows Liveはマイクロソフトが提供するオンラインサービスで、メール、ブログ、メッセンジャーが利用可能となっている。また「My Phone」というサービスにより、本体に保存した連絡先や予定表、写真データなどを自動的にバックアップし、パソコンからも閲覧・編集できるようになっている。
 「他社にはない試みとして、Windows Liveへのアクセス専用キーをつけた。現在、Windows Liveメールのアカウントを簡単に取得できるような仕組みをマイクロソフトにお願いしている段階だ」
 これにより、従来のPHSのメールアカウントに加えて、Windows Liveメールが使え、しかも、プッシュで届くようになるという。もちろん、パスワードやIDの設定は不要となる見込みだ。
■SIMロックフリーでGSMモジュールも
 HYBRID W-ZERO3はPHSでありながら、W-CDMA網にも対応する。ウィルコムはNTTドコモの回線をMVNO(仮想移動体通信事業者)として借り受けて「WILLCOM CORE 3G」という高速データ通信サービスを提供しており、このネットワークを使う。
 ただ、PHS自体も「W-OAM typeG」と呼ばれる高度化通信規格に対応し、「速度が遅くて使えない」という従来のウィルコムPHSのイメージを払拭する仕様になっている。
 さらにHYBRID W-ZERO3は無線ルーター機能も備える。無線LANの電波を周辺に飛ばし、パソコンや「ニンテンドーDS」「プレイステーション・ポータブル(PSP)」といった携帯ゲーム機をインターネットにつなげることも可能だ。
 まず第1は、W-CDMA用のSIMカードスロットにロックがかかっていない点。これにより、国内であれば、WILLCOM CORE 3Gだけでなく、NTTドコモやソフトバンクモバイルの通信用SIMカードも利用することができる(イー・モバイルは1.7GHz帯のため非対応)。
 2つめとして、PHS用の「W-SIM」と呼ばれるカードのオプションとして、GSMが使えるカードを用意した。HYBRID W-ZERO3にW-SIM型のGSMモジュールを挿せば、海外ではGSM対応スマートフォンになるのだ。
 前述のとおり、SIMカードスロットにはロックがかかっていない。つまり、現地キャリアが発売するプリペイドのSIMカードを挿入すれば、現地の電話番号が使えるということだ。GSMモジュールとプリペイドのSIMカードがあれば、現地の安価な電話代で話せるわけである。
■プレスリリースにも出ていない驚きの仕掛け
 さらにここからはウィルコムのプレスリリースにもない情報だが、背面パネルを開けると、なんとSIMカードスロットに2枚のカードを挿せるようになっている。中国など海外市場では2枚のSIMカードを使える携帯電話が売られているが、日本メーカー製では間違いなく「初」といえるだろう。
 これが便利なのは特に海外での利用時だ。SIMカードスロットは1つめはデータ通信用、2つめは通話用という役割になっており、例えば、1つめに現地の高速データ通信用のSIMカードを挿し、2つめの通話用にはNTTドコモやKDDI(au)、ソフトバンクモバイルなど普段使用しているSIMカードを挿す。これによりHYBRID W-ZERO3が1台あれば、海外での通話を国際ローミングとして受け、さらにネットへのアクセスは現地のSIMカードで安く抑えるという離れ業が可能になる。
 海外出張が多いユーザーにとっては、パソコンがなくても手軽に安く仕事をこなせる重宝な存在となるだろう。
 今回用意されたW-SIM型のGSMモジュールを海外で利用可能なSIMカードと組み合わせることで、海外のGSMエリアでの利用が可能となる。このモジュールはPHSが普及する中国ではすでに商用化されているものだ。須永氏は言う。
 「今後、中国のTD-SCDMAモジュールも登場する可能性がある。メーカーにとっては、海外展開しやすい製品になっている」
■「誰もが満足できるスマートフォン」を
 ウィルコムは現在、次世代PHSと呼ばれていた高速通信サービス「XGP」を広げつつある。本来ならば、XGP対応のスマートフォンを出すべきところだが、「発熱やコストの問題もあり、パフォーマンスがついてこない」(須永氏)ことから、搭載が見送られた。その結果、W-CDMA/HSDPA対応になったのだという。
 ここまでをみると、HYBRID W-ZERO3はもはやPHSというより、ハイスペックな携帯電話用端末という印象である。
 ユーザーからすると、高速なHSDPAで接続できるなら、そちらを使い続けたいし、海外で現地キャリアが使えるなら、それで通信費を安く抑えたい。結果として、ウィルコムにはあまりメリットがないようにも思えるが、実際はどうなのか。
 「とにかく既存のPHSユーザーを逃したくないという思いがあって、誰もが満足できるスマートフォンを作りたかった。安価に使いたいという人であればPHS網だけを使えばいいし、速度を求めるなら3G接続を選んでもらえればいい」
 誰もが満足できるスマートフォンを実現するため、初期のW-ZERO3シリーズユーザーから要望の声があったブルートゥースやGPS(全地球測位システム)にも対応した。500万画素のカメラも実装した。
 気になる月額料金は後日発表となる予定だが、「既存のW-ZERO3シリーズを使っているユーザーが乗り換えても高くはならない設定にする」(須永氏)という。つまり、PHSとW-CDMAの両方を使っても、単純に2つの料金プランの合算とはならないようだ。
■今のウィルコムだからこそ実現
 今回のHYBRID W-ZERO3は、通信キャリアとしてはかなり思い切った商品である。経営状態が厳しいなかで「もはや、失うものは何もない」(ウィルコム関係者)という崖っぷちに立っているからこそ、実現できたように感じる。
 前モデルの「WILLCOM 03」「WILLCOM D4」といった商品からは、「ウィルコム魂」みたいなものが伝わってこなかった。しかし、今回のHYBRID W-ZERO3はガジェット好きがうなるようなスペックに仕上がっている。
 SIMロックフリーという仕様は、大手3キャリアが導入できるわけもなく、今のウィルコムだからこそ踏み切れた。開発元であるシャープは大手3キャリアすべてに納入するトップメーカーだけに、社内がSIMロックフリーの導入に相当難色を示したようだが、ウィルコムの強い思いによって製品化に至った。
 iPhoneや「Android携帯」に脚光が当たる一方で、すっかり影が薄くなっているWindows Mobileを採用したことが強いて言えば弱点だが、HYBRID W-ZERO3が日本に新たな市場を作る可能性は大いにありそうだ。



家電組み立て世界最大手、液晶4位を合併 鴻海が「7兆円企業」に
 【台北=新居耕治】電子製品の生産受託(EMS)世界最大手の台湾・鴻海グループは14日、液晶パネル世界4位の奇美電子を吸収合併すると発表した。携帯電話機、液晶テレビなど家電製品の組み立てに加え、部品生産にも本格参入する。鴻海と奇美の売上高を合計すると6兆8000億円弱(2008年)で、日本の家電大手や韓国のサムスン電子と肩を並べる企業グループが誕生する。日韓米などの有力企業との競争激化や合従連衡の動きが強まりそうだ。
 株式交換方式で奇美を合併するのは鴻海グループ傘下の中小型液晶パネルメーカー、群創光電。奇美株2.05株に対し、群創が新たに発行する株式1株を割り当て、群創を存続会社にしたうえで社名を奇美電子に変更する。来年5月1日付で新会社に移行する予定。
 群創は中小型パネルを生産し、主にモニター向けに出荷してきた。一方、奇美は液晶テレビなどに使う大型パネルが主力。群創は液晶パネルの品ぞろえを大型に拡大し、パネルで世界3位に浮上することを目指す。



米ニューズ、グーグルへの配信「中止」 数カ月内にも
 米メディア大手ニューズ・コーポレーションは数カ月以内にも米グーグルの検索サービスから系列メディア企業のニュースを引き揚げる方針を明らかにした。英紙テレグラフ(電子版)が13日伝えた。ネット事業の収益拡大に悩む他社に同調を呼びかける考えだ。
 ニューズでデジタル部門トップをつとめるジョナサン・ミラー氏が、モナコの業界イベントで「(検索・閲覧できなくするのは)数カ月先、あるいは数四半期先のこと」と話した。同社のマードック会長が9日、傘下企業のニュースをネット上で自由に検索・閲覧できないようにする考えを表明。具体的な実施予定などが注目されていた。
 グーグルの「グーグル・ニュース」の対象から外れるにはグーグル側に要望を通知すればいいが、検索対象から外れると、自社サイトへのアクセス数が減少する恐れが出てくる。ミラー氏は、ニューズの単独行動は難しいと認めたうえで、ニュースの有料化に向けて「ニューズが(他社を)主導する」と述べた。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:moblog

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。