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中国版「おサイフケータイ」利用者不在の陣取り合戦(COLUMN)
 中国では最近、携帯電話を使った電子決済機能、いわゆる「おサイフケータイ」の規格を巡る通信キャリアと金融機関の主導権争いが激化している。少額決済での利用が今後大きく伸びると見込んだ各社が、それぞれの規格を中国での業界標準(デファクトスタンダード)にしようと躍起になっているからだ。
■前哨戦で早くも火花
 中国携帯最大手のチャイナモバイルは10月13日、自社のおサイフケータイの規格概要を発表した。2010年5月に開幕する上海国際博覧会(上海万博)で携帯端末を使った決済サービスを本格導入し、敷地内でのチケット購入や飲食などの決済をすべて携帯でできるようにするという。
 ライバルのチャイナユニコムも当然、準備を進めている。同じ上海で日本の「モバイルSuica」にあたるような交通系サービスを開始すると打ち上げるなど、一歩も引き下がらない様子だ。
 決済インフラを握っている金融機関も黙っていない。クレジットカードやデビットカードで最大手の中国銀聯は、銀行向けの決済専用端末を開発すると発表した。通信キャリアが携帯ユーザーの囲い込みにより攻めようとしているのに対し、銀聯は大手金融機関と組んで決済インフラから自社規格を浸透させる戦略だ。いずれも携帯端末を使った少額決済市場での主導権を握ろうとした動きだ。
■主導権争いに勝者はいるのか
 問題は、主導権争いをしている企業が、いずれも他社と互換性のない規格を市場の標準にしようとしていることだ。
 チャイナモバイルは、将来主流となりそうな近距離無線通信技術の新規格「NFC(Near Field Communication)」とは一線を画し、携帯電話に内蔵して端末認証や情報管理に使う「Simカード」に通信機能を集約する「RFID-Sim」方式を採用した。NFCとは異なり、携帯端末のSimカードを取り替えれば、どの携帯でも利用できるようになる仕組みだ。一方のチャイナユニコムはNFCを採用し、端末にICチップを外付けしたりする方式を予定している。
 どちらも自社サービスの利用者数を武器に、決済系のインフラを握っている金融機関から主導権を奪おうとしていることに変わりはない。ところが銀聯のような金融機関は、既得権益を手放すわけにはいかないと言わんばかりに、通信キャリアとの協力に消極的だ。
 銀聯とチャイナユニコムは11月26日、オンライン決済や情報サービスなど幅広い分野で提携する文書に調印した。これには携帯による決済サービスでの事業協力も含まれているが、包括提携の一部にとどまっており調整は難航するだろうとも予想されている。
 本格的におサイフケータイサービスを展開するには通信系と決済系の協業が不可欠で、既得権者同士の意地の張り合いに勝者はない。当面は落としどころを探るためのにらみ合いが続きそうだ。
■日本の経験に学べ
 通信キャリアや金融機関がそれぞれの規格で業界のデファクトスタンダードを狙うのは結構だが、規格が乱立すれば戸惑うのは利用者だ。システムや読み取り装置、対応する携帯端末にかかる投資も莫大になる。おサイフケータイ先進国である日本では、システムを開発したNTTドコモが市場を育てるために、KDDIやソフトバンクなど他のキャリアにも規格や「おサイフケータイ」という名称をライセンス供与した。規格を一本化したことでサービス提供者や金融機関、インフラ業者も参入しやすくなり、消費者も利便性を享受できた。だからこそ市場が飛躍的に拡大したのだ。
 中国もこの日本の経験に学ぶべきだ。不毛な規格争いや利用者の囲い込みは、市場立ち上げの妨げにしかならない。どの規格が最終的に標準となるのかはともかく、通信キャリアが金融機関としっかり協力関係を築かないと市場の育成もおぼつかなくなる。
■インフラ整備が急務
 現在、中国ではクレジットカードが7000万枚、デビットカードに至っては15億枚も発行されている。ところが、それらのカードに対応したPOS(販売時点情報管理)対応機は、全国で200万台しかない。つまり、消費者のニーズにインフラが追いついていないのが現状だ。
 どのスーパーでもレジの前に買い物客の長い列ができているし、公共料金の納付ネットワークも貧弱だ。その意味で、おサイフケータイの市場ニーズは非常に大きいといえよう。
 普及のためには、セキュリティーの確保や関連法の整備など、消費者が安心して決済サービスを使える環境づくりも急務になる。特に今の中国は、携帯を使った詐欺事件が頻発したりモラルに欠けるサービス事業者が存在したりしており、消費者がおサイフケータイを常時使う環境にない。規格や決済インフラの共通化や消費者の安心を担保する法律の整備なしでは、おサイフケータイが決済システムの一翼を担うという将来像も絵に描いた餅に過ぎなくなる。



ビール販売、アサヒが世界4位と提携 まず香港で
 ビール国内首位のアサヒビールは同業世界大手、カールスバーググループ(デンマーク)と海外販売で提携する。今月からまず香港でカールスバーグの営業網を活用し「スーパードライ」を販売、今後は他の国や地域でも提携拡大を検討する。国内飲料業界ではサントリーホールディングスも米ペプシコと組み今年から順次、中国全土で飲料を販売する。飲料各社は海外の成長市場の開拓を急いでおり、世界的な合従連衡が加速しそうだ。
 カールスバーグはビールの販売量で世界4位。売上高は約1兆600億円とアサヒの約4分の3の規模。両社に資本関係はなく、今回初めて業務提携する。



韓国の貿易黒字、過去最高に 09年、対日赤字も19%減少
 【ソウル=山口真典】韓国知識経済省が2日発表した2009年の貿易収支(暫定値)は409億8000万ドル(約3兆8100億円)の黒字だった。前年は11年ぶりに赤字となったが、逆に09年は黒字幅が過去最高を記録した。輸出は金融危機の影響で前年比14%減少したが、輸入が原油価格下落や内需不振により26%減少した。対日貿易赤字が前年比19%減の264億ドルに改善。対中国の黒字は308億ドルと同2倍以上に膨らんだ。
 輸出品目別では鉄鋼や機械、自動車などが軒並み20%以上落ち込んだが、船舶と液晶部品は増加。半導体や自動車部品も中国の需要好調で小幅な減少にとどまった。対日貿易は農水産物や無線通信機器の輸出が増えたうえ、半導体製造用装置や家電用電子製品の輸入が30%以上減り貿易赤字が改善した。



日本経済再生 デフレ退治に全力投球せよ(1月3日付・読売社説)
 日本経済は、金融危機と世界不況の嵐をひとまず乗り切ったが、今度はデフレの冷たい霧に包まれてしまった。中長期的には、少子高齢化や人口減少による経済規模の縮小という難題も控えている。
 安定成長の軌道に乗るか、それともデフレの圧力に屈して下り坂に迷い込むか。日本経済は岐路に立っている。政府・日銀は、政策を総動員してデフレを克服し、活路を開かねばならない。
 ◆格安競争に潜むワナ◆
 政府は、2001年3月にデフレを認定した後、脱却宣言を出せないまま、昨年11月に再認定した。実際には、銀行破綻(はたん)が相次いだ金融不況から約10年、慢性デフレに沈んだままと言っていい。
 とりわけ最近は、スーパーや量販店に1000円を切るジーンズが並び、飲料や持ち帰り弁当、牛丼チェーンなど食料品にも“格安戦線”が急拡大している。
 消費者はできるだけ安く買いたいと考え、企業は売り上げ回復のため値下げする。それぞれにとっては合理的な行動が、デフレを悪化させる要因となる。
 値下げ競争が激しくなると、企業は採算が悪化して利益が減る。このため、リストラや給与カットが広がり、さらに消費を冷やす悪循環が起きる。
 経済統計を見ると、消費者物価の大幅な下落が続く一方で、労働者の月給はここ1年半、前年より減り続けている。
 物価は安くなっても、それ以上に給料が下がり、リストラや倒産で多くの人が職を失う……。そんな「デフレスパイラル」が起き始めていないか、警戒が必要だ。
 ◆需要は35兆円足りない◆
 デフレには、需要不足、金融収縮、通貨高の3大原因があり、今回は日本経済全体で35兆円もある需要不足が主因と見られる。
 一昨年からの世界同時不況で海外需要が急減し、輸出企業を中心に、大幅な減産と雇用カットが加速した。輸出はアジア向けを中心に回復してきたが、ショック前のピークの7割ほどしかない。
 設備や従業員を追加してまで増産する企業は少数派で、設備投資と雇用は回復が遅れている。新卒者の就職内定率は高校、大学とも記録的に落ち込み、就職氷河期の再来も心配だ。
 過度の円高は、輸出産業を追い込み、輸入品の価格下落でデフレを悪化させる。政府は、市場介入をためらうべきではない。
 持ち直してきた景気も、今年は景気対策の効果が薄れ、腰折れする懸念がある。当面は景気浮揚に即効性のある公共事業などでテコ入れを続けるべきだろう。
 だが鳩山内閣は、「コンクリートから人へ」の政権公約にこだわり、来年度予算の公共事業を大幅に削った。これは、基幹産業が乏しい地方には特に打撃となる。
 鳩山内閣は、子ども手当などの家計支援で、内需を刺激するとしている。だが、家計へのばらまきは貯蓄に回り、消費されにくい。景気対策として、効果的な予算の使い方とは言えまい。
 財政は危機的だが、景気下支えの緊急措置として一定の国債増発もやむを得ない。増発による長期金利の上昇を防ぐために、日銀も国債買い入れの増額など、量的金融緩和の拡大で協調すべきだ。
 財政出動だけで需要不足は穴埋めできない。企業が利益を上げ、それが従業員の給料や設備投資を増やす。そんな自律的成長を回復せねばならない。アジアなど外需の成長を取り込まないと、内需も頭打ちになる。
 ◆企業と家計を元気に◆
 鳩山政権は、家計重視を掲げているが、企業を力づける政策は、あまりに手薄だ。
 国際的に高い法人税実効税率の引き下げは、競争力強化のため、いずれ必要だろう。環境や省エネなど成長分野の研究・開発を後押しする施策も引き続き重要だ。
 介護など高齢社会で伸びる事業の支援や規制緩和も新たな雇用を生み出す。
 企業にも問題はある。いざなぎ景気を超えた長期好況で企業は巨額の利益を得たが、従業員への配分を抑えたため、消費は盛り上がりを欠いた。労働分配率を高め、内需の成長を後押しすれば、企業にもプラスになろう。
 家計は、財政危機や医療、年金に対する不安から、過剰な貯蓄を抱えている。これも消費を冷やす要因である。社会保障費などの安定財源は消費税のほかにない。
 景気回復後の消費税率引き上げを含め、財政再建計画を定めて将来不安を和らげるのも、広い意味での景気対策と言えよう。
 与党内には、利子をゼロにするかわりに相続税を免除する「無利子非課税国債」構想もある。国は利払い負担なしで家計の“眠れる資金”を活用できる。経済立て直しに役立ててはどうか。
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