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電子書籍の流通支配に出版社はいかに立ち向かうべきか(COLUMN)
 米国では「電子出版バブル」という新しいネットバブルが起きている感がある。アマゾン・ドット・コムの「Kindle(キンドル)」という牙城にアップルが「iPad」で挑もうとしており、メディアも両社の覇権争いに興味津々である。しかし、端末の競争やユーザーの使い勝手ばかりに目を奪われてはいけない。コンテンツである書籍を提供する出版社の視点から見ると、まったく違った風景が見えてくる。
■電子出版のメリット
 米国では、ユーザーから見たキンドルのメリットとして3つが指摘されている。無線通信によるダウンロードの簡便性、端末の使い勝手(読みやすさなど)、そして書籍の価格の安さである。
 それでは、コンテンツを提供する出版社にとってのキンドルのメリットは何か。それは、ユーザーがコンテンツの対価を払うということに尽きる。これはある意味ですごいことである。
 ネット上には違法コンテンツや無料コンテンツが氾濫し、パソコン経由でネットを利用する多くのユーザーにとっていまやコンテンツは「タダで当たり前」となっている。これに対し、アップルの「iPhone」などの携帯端末上では、対価を払う習慣がだいぶユーザーに根付いたが、キンドルは電子出版という世界で同様のことを実現したのである。
 アップルのiPadでは、書籍だけでなく様々なコンテンツを利用できるが、そこでもユーザーは対価を払うようになるのであろう。キンドルやiPadが本格的に普及すれば、ネット上が無法地帯から市場に進化するのである。
■電子出版のデメリット
 それでは、出版社にとってのキンドルのデメリットは何であろうか。
 1つは、書籍の価格の低下である。例えば、米国での書籍の平均価格はハードカバーで25ドル、ペーパーバックで13ドルだが、アマゾンはベストセラーの電子書籍の標準価格として9.99ドルを目指している。
 理屈の上では、印刷や配送といったコストがかからない分、電子書籍の価格は紙の書籍に比べて安価になるはずである。しかし、出版産業全体の収益悪化が止まらないなか、各出版社としては電子書籍にも多くの収益を見込み、少しでも高い価格に設定したいと考えるのが当然であろう。
 そこで第2のデメリットが生じる。電子書籍の流通を担うアマゾンが、価格設定権をはじめとして圧倒的に強い立場にあり、コンテンツを提供する出版社の側は弱い立場に置かれるのである。米国ではそれを象徴する出来事が最近実際に起きた。
 アマゾンが設定している9.99ドルという電子書籍の標準価格に対して、大手出版社の英マクミランが反乱を起こしたのである。自社の新作書籍のキンドルでの販売価格について、標準価格を拒否して12.99~14.99ドルの範囲で自ら価格を決定できるように要求した。
 この両社の交渉が決裂すると、アマゾンは何とネット通販とキンドルの双方でマクミランの書籍の販売を停止した。この対応には批判が集まり、2日後にはようやくマクミランの主張を受け入れて販売を再開した。しかし、マクミランのような大手出版社でさえこのような苦労を強いられるのだから、中小出版社はアマゾンの条件に従うしかないであろう。
 これがコンテンツビジネスの現実である。リアルの世界であろうとネット上であろうと、流通を支配した者が圧倒的に強い立場を占めるのである。ちなみに、流通を支配する側が購入者情報を独占している点でも、出版社の側は不利である。
■コンテンツへの愛や理解がない
 そして第3のデメリットは、ネット上でのコンテンツ流通を担う側にコンテンツに対する愛や理解が欠如していることである。一例を挙げよう。マクミランの書籍の販売を再開した際、アマゾンは以下のような発言をしている。
 「マクミランの主張する価格は電子書籍としては不必要に高いと確信しているが、同社は出版している書籍について独占的な立場にあるので、主張を受け入れることにした」
 「私たちは、他の出版社はマクミランのような行動を取らないと信じている。また、他の独立系出版社や出版社に属しない作家がこれをよい機会と捉え、魅力的な値段の電子書籍を代替的な選択肢として提供すると信じている」
 これらの発言からアマゾンは、自らが価格を決める権利があり、かつユーザーは価格が安い方を好むと判断していると推測される。しかし、活字文化という大事な文化を支える書籍についてもユーザーは価格が安いものを選ぶと決めつけるのは、いかがなものだろうか。例えばTシャツやテレビなどのモノならばそうだろうが、文化については若干違うのではないだろうか。
 もちろん、アマゾンだけを非難する気はない。アップルも音楽について同じようなことをしてきたし、グーグルなどもコンテンツを搾取してきた。要は、ネット上のプラットフォームレイヤーでコンテンツの流通独占を獲得したネット企業の行動原理は、マスメディアやコンテンツ企業といったコンテンツレイヤーとは明らかに異なるのである。
■日本の出版社が取るべき道とは
 日本の書籍には再販価格維持制度があるので、米国のように流通を担う側が電子書籍に安い定価を当てはめることはすぐには難しい。また、iPadが参入することで流通側での競争が起こり、出版社は価格などの流通条件の設定において多少は有利になるであろう。
 しかし、それでも電子出版において出版社が弱い立場に置かれるのは変わらない。だからと言って電子出版を避けていても、本の売り上げは落ちる一方である。出版社はこれからいよいよ厳しい状況に置かれるのである。
 それでは出版社はどうすべきか。電子出版に対応する最善策は、ネット上での流通への影響力を高めることである。米国の大手出版社4社などが、活字版「iTunes Store」の開設を目指したプロジェクトを進めているのが、その典型である。
 もちろん出版社は、電子出版への対応を考えるのと同時に、自らのビジネスモデルを進化させなければならない。無料コンテンツが氾濫するなかではコンテンツの質が高いだけでなく、コンテンツの出口に関するビジネス戦略が重要になる。また、紙ばかりに依存できない以上、作者(権利者)との関係における出版社の存在価値を再定義・明確化することも不可欠である。
 その意味で、多くの出版社で組織される「日本電子書籍出版協会」の活動は重要である。出版社の既得権益の維持ではなく、業界としてのネット流通への進出やビジネスモデルの進化が議論される場としなくてはならない。
 米国では第2次ネットバブルの際、無料モデルを喧伝する「ウェブ2.0」に踊らされてマスメディアやコンテンツ企業が戦略なくネットに進出したが、結局ネット企業に搾取されただけで、ジャーナリズムや文化の衰退を招いた。電子出版バブルに踊らされて出版社がその二の舞となり、活字文化が衰退するような事態にならないことを期待したい。



住商、JCOMにTOBで調整…KDDIに対抗
 住友商事がケーブルテレビ(CATV)国内最大手の「ジュピターテレコム」(JCOM)への持ち株比率を3分の1超に引き上げるため、株式公開買い付け(TOB)を行う方向で最終調整に入った。
 住商はJCOM株を実質27・7%保有する第2位株主。KDDIが米系企業からJCOM株を大量取得して筆頭株主になるため、住商はTOBにより、持ち株比率を事実上、経営権を握ることができる3分の1超に高めて対抗する構えだ。
 住商は、自社の映画、放送・通信ビジネスの中核であるJCOMが、他社の戦略に左右される事態は避けたい考え。週内にも株式買い付け価格などを決め、TOBに踏み切る意向だ。
 KDDIは先月、JCOMの実質的な筆頭株主である米メディア複合企業「リバティー・グローバル」から同社の子会社を買収する形でJCOM株の37・8%を約3617億円で買い取ると発表。金融庁からTOBルールに抵触する恐れがあると指摘され、出資比率を3分の1以下にする方向だが、それでも住商を上回る筆頭株主となる見通し。



携帯OS「シンビアン」、普及団体がソースコード公開
 携帯電話向け基本ソフト(OS)で世界最大のシェアを持つ「シンビアン」の普及団体、シンビアン・ファンデーションはOSの設計図に当たるソースコードを公開したと発表した。端末メーカーなどに採用を促し、米グーグルの無償OS「アンドロイド」や「リナックス」陣営に対抗する。
 シンビアンはノキアが2009年2月に買収した同名の英企業が開発したOSで、グーグルの無償OSに対抗してシンビアン・ファンデーションがオープンソース化を進めていた。公開は10年半ばを予定していたが、スタッフや加盟企業の努力で大幅に早まったという。同団体の開発者向けサイトで無償で入手できる。応用ソフトの開発支援ツールなども提供する。シンビアン・ファンデーションには携帯電話事業者やソフトウエア会社など世界の150社以上が加盟している。



レコチョク、会員100万人 6割が10~20代
 携帯電話向け音楽配信最大手のレコチョク(東京・渋谷、今野敏博社長)が昨年12月に導入した会員制サービスの登録者数が100万人を突破した。会員の属性も明らかにし、10~20代の若年層が6割に上ったほか、性別では女性が63%を占めた。同社は会員限定の無料動画などを拡充し、利用者の囲い込みを急ぐ。
 レコチョクの登録無料の会員制サービスは楽曲配信サービス「着うた」などを購入するごとにポイントが付く仕組み。一定のポイントがたまると、曲と交換できる。販売促進に向け、会員限定のアーティスト動画なども配信し、2月上旬からは人気アイドルグループ「AKB48」の動画も追加した。今後も常時4~5組の限定動画を配信する考え。



「トヨタの電子制御に不具合」米公聴会議題に
 トヨタ自動車製の乗用車を巡り米下院が今月10、25の両日開く公聴会で、「電子制御(ETC)システムの不具合による急加速」が新たに主要議題となる見通しであることが、8日明らかになった。
 トヨタは電気系統の不具合はないとの立場を崩していないが、米当局は徹底調査の構えだ。公聴会での論議次第で、トヨタが新たな対応を迫られる可能性が出てきた。
 トヨタは米国で、アクセルペダルの不具合を理由に8車種221万台をリコール(回収・無償修理)したほか、ハイブリッド車の新型「プリウス」でもブレーキの不具合でリコールする方針だ。しかし、これとは別に、トヨタ車が突然、急加速するとの苦情が相次いでいる。米国では「長期間、幅広い車種で急加速の苦情が寄せられながら、トヨタは原因の特定を含め実態の把握に至っていない」との指摘が多い。
 公聴会では、米調査会社「セーフティー・リサーチ・アンド・ストラテジーズ(SRS)」が証言を予定している。同社の資料によると、「アイドリング状態やブレーキに足をかけた状態から急加速したとの苦情がある。アクセルペダルの不具合やフロアマットの交換などでは説明できない」としている。
 さらに、急加速の苦情に対して、トヨタが2002年に電子制御を調整する改良を行っていたことを問題視している。SRSは「急加速がエンジンの電子制御のプログラミングによって起きると、トヨタが認識していたことを示す」と主張している。
 一方のトヨタは「主張の根拠が不明なのでコメントできない」と話している。



コスモ石油が風力発電 荏原の事業買収、国内117基引き継ぐ
 コスモ石油は風力発電事業に参入する。荏原の子会社で国内風力発電4位、エコ・パワー(東京・品川)の株式を3月下旬に取得し、すべての風力発電所の運転を引き継ぐ。ガソリンなど石油製品の国内市場は縮小傾向が続く見通し。石油元売り大手の間で、新エネルギーを収益源に取り込む動きが広がってきた。
 荏原はエコ・パワー株式の96%を保有しており、全株式をコスモ石油に無償に近い額で譲渡する。コスモ石油はエコ・パワーが抱える100億円程度の負債を引き受ける。
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