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日経電子版、スマートフォン向けアプリケーション投入
 日本経済新聞社はインターネットで情報提供する「日本経済新聞 電子版」を電子書籍端末やスマートフォン(高機能携帯電話)で簡便に読めるよう対応する。朝夕刊のほぼすべての記事を読み込み、横組みの文章形式で閲読できるほか、写真や関連図表などにも対応する。
 対応するのは、米アップルの携帯電話「iPhone(アイフォーン)」向けで、近く専用アプリケーションを提供する。シャープが12月に発売する高機能電子書籍端末「GALAPAGOS(ガラパゴス)」にも、定時に記事を自動配信する。
 いずれも、利用には電子版の有料登録が必要。



8月20.2% 携帯販売台数に占めるスマートフォンの割合 ゲームなどソフト充実
 全国の家電店2370店の販売動向を調査するBCN(東京・千代田)によると、8月の携帯電話販売台数のうち20.2%がスマートフォン(高機能携帯電話)だった。月次で初めて2割を超えた7月に続き、高水準を維持している。
 インターネットが快適に使え、ゲームなど専用ソフトも充実してきたことが追い風だ。ソフトバンクが売り出す米アップル製「iPhone(アイフォーン)」に対抗し、4月にドコモがソニー・エリクソン製の「エクスペリア」を投入して客層が拡大。6月末にはKDDIも参入し、消費者の選択肢も増えてきた。
 ただ、一般の携帯は縮小傾向にある。8月の携帯販売全体の台数は前年同月比で微減。全体のパイは変わらず、消費者が一般機種から移行しているともいえそうだ。



韓国勢、まず携帯で攻勢 知名度高め家電売り込み
 【ソウル=尾島島雄】韓国LG電子の再参入は日本の薄型テレビ市場の規模拡大が見込めることに加え、携帯電話の販売を通じて一定のブランド力と知名度を獲得できたと判断したためだ。
 LGエレクトロニクス・ジャパンは2006年からNTTドコモを通じて携帯電話を販売する。デザイン性の高い製品を投入、若年を中心に支持を集め累計販売台数は約400万台となった。
 携帯は持ち歩くため、販売の増加はブランドの広告・宣伝効果に直結する。若年層が使う数少ない高額商品で買い替え頻度も比較的高い。ブランドの浸透にも向くという。デザインを武器に「韓国製品は低価格一辺倒」との先入観も崩した。
 こうした手法で世界の電気製品市場を席巻したのが韓国サムスン電子だ。欧州などでマーケティング費用を携帯に集中投下。サムスンの携帯に親しんだ消費者がデジタルカメラや薄型テレビ、パソコンなどを購入する波及効果につながった。
 「まず携帯から」という韓国流のマーケティングは、携帯の世界市場で大きく出遅れている日本企業にとっては採用しにくい手法といえる。



KDDI脱皮 ブランド再興 12月新体制 「au」てこ入れ
 稼ぎ頭の携帯電話事業「au」がスマートフォン(高機能携帯電話)の出遅れで低迷するKDDIの次期社長に、田中孝司専務が12月1日付で就任する。デザイン性の高い端末や「着うた」など相次ぐヒットで、首位のNTTドコモを追撃したかつての勢いが完全に消えたKDDI。3位ソフトバンクの猛追に青息吐息の状況のなか、田中氏は「巻き返し」への道を探る。
 ◆ソフトバンクの影
 「従来型の携帯電話に固執してしまった」
 10月に設立10年の節目を迎えるKDDIで9年余りにわたりトップの座を維持した小野寺正社長兼会長は、今月10日の社長交代会見でそう反省の弁を述べた。新しい端末とサービスで常に若者の脚光を浴びた過去の成功体験を脱することができず、米アップル製の「iPhone(アイフォーン)」の大ヒットで市場が拡大するスマートフォンへの対応で後手に回った。
 2010年3月期決算では連結営業利益でもソフトバンクに追い抜かれ、11年3月期の予想も4450億円と、ソフトバンクの予想の5000億円を下回り、その差はさらに広がる見通しだ。
 8月の携帯電話の累計契約数シェアはKDDIの28%に対し、ソフトバンクは20.2%と初めて2割を超え、背中をとらえつつある。
 ◆「突破力」に期待
 田中氏は「競争の変化に対応できるよう新たなKDDIをつくっていきたい」と強調。中長期経営ビジョンの策定を急ぐが、端末メーカーもKDDIについて「姿が見えない」(大手電機メーカー)などと冷めた見方に変わり厳しい情勢だ。
 「ソフトバンクの猛追をかわすには新たなブランドイメージの確立が急務」(MM総研の横田英明アナリスト)だが、会長にとどまる小野寺氏の下で、スマートフォン戦略を立て直せるか、田中氏の手腕が試される。
 また、KDDIは電力系の光ファイバー事業の買収やケーブルテレビ(CATV)事業者に相次ぎ出資したが、その強みを生かし切れていない。JPモルガン証券の佐分博信シニアアナリストは「移動・固定通信と放送を融合させたサービスを、一般のユーザーが分かる形で早く具体化すべきだ」と注文する。
 争奪戦の末に住友商事とKDDIが大株主となったジュピターテレコム(JCOM)と、KDDIが07年に連結子会社化したジャパンケーブルネット(JCN)のCATV2社の経営統合も懸案。JCOMの森泉知行社長は「年内には方向性を出したい」とするが、決着に至るまでには曲折も予想される。
 田中氏が新社長に抜擢されたのは、高速無線通信「WiMAX(ワイマックス)」事業をゼロから立ち上げるなどした“突破力”を評価されたため。この突破力で経営を再び成長軌道に戻せるか、注目される。



【武富士破綻】“武井商店”私物化のツケ 独立路線で孤立、支援なく
 会社更生法適用を申請する見通しとなった武富士は、創業者の故武井保雄氏が一代で築き上げた。不祥事が相次ぎ、“武井商店”と揶(や)揄(ゆ)された創業家による私物化が厳しい批判を受けたが、影響力を保持するため、「独立路線」に固執。他の消費者金融大手が次々と大手銀行グループの傘下に入る中、手を差しのべる支援先はなく、ついに経営に行き詰まった。
 更生法申請の報道で、多数の報道陣が詰めかけた東京都新宿区の武富士本社。玄関フロアには、巨大な武井氏の肖像画が掲げられている。
 ある幹部は「私が幸運だったのは、生前の武井氏に接する機会があったことだ」と、自慢げに言ってはばからない。
 武井氏が平成15年に同社に批判的な記事を書いたフリージャーナリストの自宅盗聴を指示したとして逮捕され、16年に懲役3年(執行猶予4年)の有罪判決を受けた後も、社内には信奉者がいまなお多い。
 武富士は盗聴事件のほか、法令違反にあたる取り立てで金融庁から処分を受けるなど、不祥事が続出。社会的な批判を受け、平成16年6月に松井証券前専務の元久存氏を社長に招(しょう)聘(へい)し、創業家の保有株を売却するなど改革に取り組んだ時期もあった。
 しかし、元久社長はわずか9カ月で退任。20年6月には武井氏の次男の健晃氏が副社長に就き、実権を握るなど、脱創業家は見せかけに終わる。
 消費者金融を取り巻く経営環境が悪化する中、アコムは三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)の傘下に、プロミスも三井住友FGに入り、リストラなどによる生き残りを目指している。
 武富士をめぐっても、みずほFGなどによる買収観測が何度も浮上したが、「不祥事体質に二の足を踏んだ」(メガバンク関係者)という。何よりも、「創業家が“よそ者”の干渉を拒んだ」(業界関係者)とされる。
 結局、メーンバンクの後ろ盾もなく、資金調達で頼っていた外資系金融機関にも見放された。創業家の呪(じゅ)縛(ばく)を明確に断ち切らない限り、再建に向けた支援スポンサーを探し出すのは難しそうだ。



ガリバー エコカー補助終了後を予測 新車10~20%減、中古車横ばい
 ガリバーインターナショナルの調査部門、ガリバー自動車研究所は27日までに、エコカー購入補助金が終了した影響で乗用車の新車販売が10月以降、前年比で10~20%落ち込む一方、中古車は前年並みを維持するとした市場予測を発表した。
 同研究所によると、8月の新車販売実績は補助金終了前の駆け込み需要で前年同月比40%増となったが、補助金が完全に終わった10月は10%減となるほか、11月から来年2月まで20%程度の減少が続くと予測。一方で中古車は9~11月まで2%減となるが、12月からは前年同月並みで推移すると予測している。
 参考としたのが補助金終了で新車販売が激減したドイツの例だ。ガリバーでは「集客効果があった補助金が終了したことで、新車販売は厳しい状況になる」と分析している。
 補助金終了後は中古車の割安感が見直されると予想されていたが、今回の予測で「前年並み」にとどまったのは、新車販売の落ち込みで下取りも減り、中古車市場に出回る車の量の減少につながることも影響しているようだ。



太陽誘電、DVDなど記録媒体の生産能力4割減
安価品に押され、4~9月は最終赤字28億円
 太陽誘電は27日、DVDやCDなど光記録メディア(光ディスク)の生産能力を4割削減すると発表した。光ディスク事業は世界需要の減速に加えアジア新興勢との競争が激しく、採算が悪化している。生産能力の削減に伴い、従業員の一部はほかの事業に配置転換する。光ディスク事業の構造改革で91億円の特別損失を計上し、2010年4~9月期の連結最終損益が28億円の赤字(前年同期は14億円の赤字)になる見通しだ。従来予想は45億円の黒字だった。
 同日記者会見した外丸隆取締役は「市場が縮小する中、台湾などの安価な製品に押されている」と説明。生産体制の見直しで12年3月期に同事業の黒字転換を目指す。
 全額出資の光ディスク製造子会社、ザッツ福島(福島県伊達市)の生産能力を月1億1000万枚から同6500万枚に引き下げる。在庫の大幅圧縮も進める。本社の開発部門とザッツ福島を加えると、光ディスク事業に携わる従業員は現在約500人。このうち約25%をコンデンサーなどの事業に配置転換する。光ディスク事業の従業員数のピークだった08年3月期に比べると約45%縮小することになる。
 太陽誘電は国内でDVD、CDを生産している唯一のメーカーで、10年3月期の光ディスク事業の売上高は268億円。ただ市場縮小や価格競争の激化、さらには他社からの受託生産の減少、急速な円高が加わり収益力が低下。同事業は2年連続の赤字だった。
 11年3月期通期の業績見通しについては「11月の4~9月期決算の発表時に公表する」(外丸取締役)としている。
 日本記録メディア工業会の予測によると、代表的な光ディスクである追記型DVD―Rの12年度の世界需要は43億7200万枚。09年度実績(推定)に比べ17%減少する。採算改善に向け、業界では自社生産から撤退・縮小し外部委託する動きが広がっている。



円高が奪う企業の体力 生産・雇用、海外に流れる
 「不況といってもいい」。エルピーダメモリの坂本幸雄社長は頭を抱える。汎用メモリー(DRAM)の9月前半の価格は、直近の高値をつけた5月から2割下落した。米欧のパソコン需要が弱く、値下がりに歯止めがかからない。
輸出・生産鈍る
 「需要回復のテンポが緩んでいる」。石油化学工業協会の高橋恭平会長(昭和電工社長)は警戒感を強める。8月は食品包装材などに使う低密度ポリエチレンの輸出量が、前年同月に比べて1割減った。中国の買い控えが響いたという。
 企業部門の改善にブレーキがかかり始めた。世界経済の減速が輸出や生産を鈍らせる。日本が景気回復局面に移行してから1年半。その重要なエンジンが変調をきたしつつある。
 「10月の国内販売台数が9月より2~3割落ちてもおかしくはない」。日産自動車の田川丈二執行役員はこう話す。7日のエコカー補助金終了前に膨らんだ駆け込み需要の反動減も、自動車メーカーには重い。
 深刻なのは円高の影響だ。製造業の2010年度下期の平均想定為替レートは1ドル=90円50銭。日本総合研究所の試算によると、85円で推移すれば営業利益を約1割押し下げる。
 液晶パネルで韓国サムスン電子と競合するシャープ。片山幹雄社長は「円高・アジア通貨安が問題だ」と訴える。韓国ウォンの対円相場は金融危機前の最高値から45%下落した。液晶パネルは年率2割のペースで値下がりするだけに、輸出価格の上昇が日本企業の致命傷になりかねない。
 8月の産業用大口電力需要は前年同月比12%増で、9カ月連続のプラスとなった。だが設備投資に連動する契約電力は減少が続く。東京電力は「円高もあって増産投資に動けない企業が多い」と分析する。
 10年度の平均円相場は現時点で90円。史上最高値(79円75銭)をつけた1995年度の96円よりも高い。企業の円高耐久力が増しているのは確かだが、今回の方が厳しい消耗戦を強いられるとの声も出ている。
 円高は中長期的にも日本経済に打撃を与える。経済産業省が8月に実施した緊急調査によると、85円の水準が続けば「生産工場や開発拠点を海外に移転する」と答えた製造業が4割に達した。行き着くところは生産と雇用の空洞化だ。
コスト削減限界
 「現地生産を進める」。スズキの鈴木修会長兼社長の視線はインドに向かう。ハリヤナ州マネサールの第2工場が稼働する12年には、インドの年産能力が日本を抜く。第3工場が動き出す13年には、最大170万台の生産体制が整う。
 不二サッシはビル用サッシの生産を海外に移管する。千葉工場(千葉県市原市)の規模を縮小し、マレーシア工場に受注の一部を回す計画だ。吉本直史社長は「国内ではコストの削減に限界がある」と語る。
 高い法人税、厳しい規制、動かぬ政策……。日本で事業を展開する企業のコストやリスクは高い。「ここに急速な円高が加われば、臨界点を超えた企業の海外移転が加速する」と野村証券の木内登英氏は言う。
 「個別テーマについても対話をお願いします」。21日、東京・大手町。日本経団連の中村芳夫副会長・事務総長は、就任のあいさつに訪れた民主党の岡田克也幹事長に頭を下げた。地球温暖化対策などで企業に余分な負担をかけないでほしい――。中村副会長の真意はそこにあった。
 6年半ぶりの為替介入で、円高の進行にはひとまず歯止めがかかった。しかしビジネス環境の劣化が止まったわけではない。企業は国の対応を待たず、自力で海外に向かい始めた。国内の生産や雇用を守る成長戦略を急がなければ、日本経済は立ち行かなくなる。



日本は成長促す政策を 日米財界人会議・米側議長に聞く 規制・高コストへの対応必要
 菅改造内閣が発足し民主党の新成長戦略が実施段階に入った。新戦略を米経済界はどう評価しているのか。日米財界人会議のジョン―ルック・ブテル米側議長に聞いた。
 ――日本市場での事業環境を高めるためにどんな改革を求めますか。
 「まず政治の安定だ。それなしに改革はできない。具体的には金融改革、規制改革、保健・医療改革、移民政策が課題だ。我々は日米政府に規制改革協議の再開を促している。米側にも改革すべき規制がある。経済規模で中国が日本を抜いたというが世界1、2位を占めるのはやはり日米だ」
 ――政策への注文は。
 「何と言っても成長を促す政策が重要。この20年間、日本経済はほとんど成長していない。これだけの経済大国は成長なしでは持続できない。財政や税制で具体策を言う立場にないが、成長なしにはうまくいかない」
 「長期の課題は先進国で最も早く高齢化が進んでいることだが、それに即した戦略がみえない。(財政支出で)高齢者を助けるだけでなく総合的な解決策がいる。人口動態の変化でどんな市場が生まれ、誰がその需要を満たすのか。日本が失ったのは新しいものを生み出す力だ。携帯電話の多機能さは断トツだが、そのほとんどが国内でしか通用しない。グローバルに何かを動かす力を発揮してほしい」
 ――両国企業がウイン―ウインの関係を強めるのに必要な工夫は。
 「米企業は日本市場のレベルの高さをじっくりと勉強すべきだ。参入のしやすさは中国やシンガポールの方が上だが、日本は高い技術水準を持つ。環境・エネルギー分野で日米企業が互いに補完する余地も大きい」
 ――医療分野の課題は何ですか。
 「国の規模を考えると日本は病院が最も多い国の一つ。それぞれが分断されているのでコストが高い。病院を閉鎖するのが政治的に難しいのは理解するが、政府はなぜ医療が高コスト構造なのかを考えてほしい」
 「(心臓ペースメーカーなどで)メドトロニックと競合する日本企業は8年前も今も1社だけ。中国企業は2社から12社に増えた。高齢化が加速し、高い品質を求める日本市場の成長力は大きいのに新規参入がない。理由は簡単だ。規制、高コスト構造、市場の分断に政府は対応すべきだ」
 「風土の問題もある。米国と違って若い医師が先輩教授に気兼ねせずに技術開発のアイデアを企業に持ち込んだり、ベンチャーキャピタルに資金提供を打診したりするのが難しい。医師と企業が協力して新技術を生み出すには、きちんとした報酬制度も必要だ」
 ――財界人会議の米側参加者は最高経営責任者(CEO)が減っている。
 「日本への関心の低下ではない。逆だ。通商摩擦が過去のものになり、米企業は日本を熟知する各社幹部に協議を委ねている。一時期は会議への参加を見合わせたボーイングやゼネラル・エレクトリック(GE)などは私が議長になり、再び知日幹部を参加させた。私も日本の政策当局と頻繁に折衝し、結果をワシントンに持ち帰ったりする。以前の議長はそこまでできなかったと思う」



金ジョンウン氏、大将昇進…朝鮮中央通信
 【ソウル=仲川高志】朝鮮中央通信は27日発の記事で、北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記が、将兵計40人を大将、上将、中将などに昇進させる命令を下した、と報じた。
 大将となった6人の中には、金総書記の後継者として有力視される三男の金ジョンウン氏(27)や、金総書記の実妹、金敬姫(キムギョンヒ)・党軽工業部長の名前が含まれている。
 北朝鮮メディアが、金ジョンウン氏について報じるのは、これが初めて。



低迷百貨店 復活の成否占う「銀座」の挑戦(9月28日付・読売社説)
 長期低迷にあえぐ百貨店業界が、再生に向けて動き出した。
 日本を代表する商業地の東京・銀座では、三越銀座店が今月、改装オープンし、競合店を巻き込んだ顧客争奪戦が幕を開け、大阪でも増床計画が本格化している。
 しかし、低価格志向を強める消費者にアピールできず、「構造不況」に陥った百貨店の復権は、容易ではない。消費を上向かせ、景気回復の足がかりとするためにも各社は、消費者を引きつける新たな店舗像を追究してほしい。
 三越銀座店は売り場面積を1・5倍に拡大し、高級感を前面に出しながら、30~40代の顧客の取り込みを目指す。注目したいのは、社員が独自に商品を仕入れる売り場を大幅に増やしたことだ。
 品ぞろえなどを有名ブランド任せにする手法が百貨店の個性を奪い、顧客離れにつながった。
 そんな反省を生かし、売れ残った時のリスクを覚悟しても自前の商品力を高めようという考えだ。2年前に統合した相手の伊勢丹が得意なやり方を取り入れた。
 三越の動きに対抗し、松屋銀座店は、近くの商業施設に若い女性を狙った衣料品、雑貨などの売り場を開設した。松坂屋銀座店も、若者向けブランドを集めた売り場を10月に設ける。
 H&Mやユニクロなど低価格ながら流行に敏感な若者向け衣料品店が銀座にも相次いで進出している。新興勢力に百貨店がどこまで対抗できるかも注目点だ。
 ただ、地方では大型ショッピングセンターなどに顧客を奪われ、百貨店の閉鎖も目立っている。全国の売上高は10兆円近かった1991年に比べ、今は7兆円を下回る水準まで落ち込んでいる。
 ここ数年、生き残りをかけた大手の合従連衡で「メガ百貨店」が次々に誕生した。高級志向の三越伊勢丹に対し、そごう・西武が生活密着を目指すなど戦略の違いが鮮明になってきたが、統合効果が上がっているとは言い難い。
 流通業界では、多様化する消費者の好みを反映し、専門店や量販店、通信販売などが勢いを増している。百貨店は、もはや立地の良さや広い売り場面積、老舗の看板などだけで、消費者の心をつかむことはできまい。
 重要なのは、単なる価格競争とは一線を画し、百貨店自らが新たな消費様式や文化を発信し、顧客が足を運びたくなるような刺激的な空間を作り上げることだ。「殿様商売」の意識を改革できるかどうかが改めて問われよう。
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