(゜A゜;)ゴクリ新聞

エルピーダとシャープ、次世代メモリー共同開発
 エルピーダメモリとシャープは新型の半導体メモリーを共同開発する。新しいメモリーは携帯情報端末などに使うNAND型フラッシュメモリーを情報処理の速さや消費電力の少なさで上回る。2013年をめどに実用化し、端末の使い勝手を大幅に向上させる狙い。次世代メモリーは東芝や韓国サムスン電子なども開発している。今回新たに日本の大手電機が量産を視野に手を組むことで開発競争が本格化する。
 携帯情報端末で高精細の動画など大容量データを扱う消費者が増加。メモリーには読み書き速度の向上や電力消費の低減が求められている。一方、NAND型フラッシュなど従来のメモリーは、性能を上げるための回路線幅の微細化が2010年台半ばで限界を迎えるといわれる。次世代メモリーの開発競争の行方は、半導体業界の勢力図を大きく変える可能性がある。
 エルピーダとシャープが開発するのは抵抗変化式メモリー(ReRAM)。理論上はNAND型フラッシュの1万倍の速さで情報を書き込めるという。書き込み時の消費電力も減らせる。
 シャープが持つ材料技術や製造方法に、エルピーダの微細加工技術を組み合わせる。独立行政法人の産業技術総合研究所、東京大学、半導体製造装置メーカーも開発に参加する。
 近く産総研の研究拠点、つくばセンター(茨城県つくば市)で試作品開発を始める。回路線幅で現在の主要メモリーに匹敵する30ナノ(ナノは10億分の1)メートル台の微細化技術を使う。早ければ11年中に材料や主要な製造技術にめどをつけ、13年にはサンプル品を出荷して量産を始める計画だ。課題である製造コストの大幅な削減にも取り組む。
 実用化できればエルピーダの生産拠点で量産に入るとみられる。シャープの携帯電話や多機能携帯端末への搭載を目指し、他の電機メーカーなどへの外販も検討する。
 新型メモリーを使うと、家電メーカーは電力消費が少なく、データを高速でやり取りできる携帯情報端末の開発が可能になる。通信状況によってはフルハイビジョンの映画を数秒でダウンロードしたり、待機時の使用電力をほぼゼロにしたりするなどの効果が期待できる。
 次世代メモリーでは、東芝が立体構造の新型フラッシュの開発を急ぐ。サムスンは事業規模の大きさを生かし、ReRAMのほか、読み書き速度が速いPRAM(相変化メモリー)、書き換え回数に制限がないMRAM(磁気記録式メモリー)などを幅広く開発している。半導体業界では開発競争を優位にするための合従連衡も進みそうだ。



次世代メモリー、開発競争激化
 次世代メモリーの開発競争が激しさを増してきた。エルピーダメモリとシャープが抵抗変化式メモリー(ReRAM)の共同開発に乗り出すほか、東芝や韓国サムスン電子、米インテルなど国内外の半導体大手が複数の技術の実用化を急いでいる。現行メモリーの技術進化が限界を迎える2010年代半ばには、次世代メモリーを搭載した携帯情報端末が消費者の手に届く可能性がある。
 開発競争の背景には、スマートフォンやタブレット型パソコンなど携帯情報端末の市場爆発がある。13年には米アップルのiPadやタブレット型パソコンなど世界の携帯情報端末市場が、10年に比べ約5倍の7000万台に膨らむとの予測がある。
 携帯情報端末の普及は、映画や音楽などをネットから手軽にダウンロードし、大量に保存するための半導体メモリーの高性能化を要求する。
 だが、現在の主流であるDRAMやNAND型フラッシュメモリーは半導体素子の構造上、微細化技術の進化の歩みが、あと数年もすれば止まってしまう。そのため各社は代替品の開発に躍起になっている。携帯情報端末の市場爆発に合わせようと、13年を次世代メモリーの市場投入のひとつのターゲットとして見据えている。
 電源を落としてもデータを保存できる不揮発性、高速でのデータの読み書き、低消費電力――。微細化に耐えられるのに加えて、この3点が次世代メモリーの性能として挙げられる条件だ。
 エルピーダとシャープが手を組み開発するReRAMは、不揮発性メモリーながら高速動作が可能で次世代メモリーとして有力候補。まずはパソコンや携帯情報端末で一時的に情報を保存する「キャッシュ」で活用。将来的にはNAND型フラッシュの置き換えを狙える潜在能力を持つ。
 実はエルピーダが開発しているのは、ReRAMだけではない。DRAMの置き換えを想定して、PRAM(相変化メモリー)の研究にも注力する。構造上の問題から一時は断念したと伝えられたが、ReRAMと並行して開発を水面下で進めていることがこのほど分かった。
 東芝は主力のNAND型フラッシュの技術限界を突き破る。「ポストNAND」計画として、3次元の新構造NAND型フラッシュの研究開発を進めている。平面状ではなく立体的に半導体を高集積化するという大胆な発想だ。四日市工場(三重県四日市市)で建設する予定の新製造棟の第2期で量産する検討をしている。
 次世代メモリーでの覇者を狙うサムスンは、あらゆる有望技術の開発を並行して進める。すでにPRAMは携帯電話のプログラム格納用として量産を始めた。さらに磁気でデータを記憶するMRAMを開発し、高速動作が可能で大容量の記憶もできる製品の実用化を狙う。エルピーダが挑むReRAMも手掛け、東芝の3次元NANDと真っ向からぶつかる「VNAND」と呼ばれる次世代メモリーの開発にも着手している。



ソニー、非接触ICカード事業で米社と提携
 ソニーは12日、電子マネーや個人認証などに使う非接触ICカード事業で、同事業の米大手であるHIDグローバル(本社カリフォルニア州)と提携したと発表した。両社のICカードを使えるパソコン用の読み取り装置を共同開発し、2011年中に世界で発売する。国内が中心だった非接触IC事業の海外展開を加速する。
 非接触ICカードは専用の読み取り装置にかざすと、無線で情報をやりとりする。ソニーとHIDは複数の無線規格に対応するパソコン内蔵用の読み取り装置を開発し、パソコンメーカーに採用を呼びかける。
 ソニーは独自開発の非接触技術「フェリカ」を使ったICチップを電子マネーや電子乗車券のカード、携帯電話向けに供給し、国内で業界標準を握っている。HIDとの提携で読み取り装置を普及させ、出遅れていた海外展開を急ぐ。HIDはソニーと別のIC技術を使ってサービスを提供しており、特に社員証向けに強みを持つという。



DeNA、米ゲーム開発会社を買収 最大342億円で
 ゲームサイト運営のディー・エヌ・エー(DeNA)は12日、携帯電話向けゲーム開発の米エヌジーモコを買収すると発表した。買収額は最大4億300万ドル(1ドル=85円換算で約342億円)。スマートフォンの需要が世界的に拡大すると判断、同市場向けの開発ノウハウを持つ米社を買収して海外展開を加速する。
 買収は子会社を通じて11月9日付で実施する予定。この時点でエヌジーモコの株式100%を3億300万ドル(約257億円)で取得する。その後、米社の2011年12月期の業績が想定を上回った場合に最大1億ドル(約85億円)を買収対価として追加で支払う。
 買収には手元資金の109億円に加え、DeNAの普通株や新株予約権をあてる。エヌジーモコが米アップルのスマートフォン「iPhone」向けなどに展開するゲームサイトと、DeNAが日本で運営する携帯向けサイト「モバゲータウン」を連携させて、国内外のゲームコンテンツを相互に提供できるようにする。



CCC、中古本チェーンのテイツーと資本業務提携
 カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は12日、中古本チェーン大手のテイツーと資本業務提携すると発表した。テイツー創業者の資産管理会社などから発行済み株式の14.07%を取得し、第2位株主となる。CCCは運営するDVDレンタル・書店チェーン「TSUTAYA」で中古本販売を拡大する一環として、テイツーからノウハウを導入する。中古本を融通し合うなど商品調達でも協力する。
 ジャスダック上場のテイツーは中古本チェーン「古本市場」を全国で116店舗展開。
 CCCは9月からTSUTAYAの直営3店舗内で中古本販売を始めた。TSUTAYAは書店チェーン最大手で、中古本は集客面で新刊本と相乗効果が高いと判断、5年後をめどに中古本の取り扱いをフランチャイズチェーン(FC)を含む200店舗(全店舗の約14%に相当)まで広げる計画だ。



円高に脅えない日 痛み超え絶えざる革新
 「過度の為替変動は望ましくない」。8日、7カ国(G7)の財務相・中央銀行総裁はこう確認した。だが12日の円相場は再び1ドル=81円台に突入。この水準では製造業の海外移転が止まらない。逆風下で雇用を支える「強いものづくり」を育てるために今何をすべきか。挑戦が始まった。
10年先の商品
 パナソニックは2010年度の研究開発投資を前の年度から730億円積み増して5500億円にする。8月に日本経済新聞が主要企業約250社を対象に行った調査の中で、増額幅はトップ。現在主力のAV機器ではなく、太陽電池など環境エネルギー分野に集中投資する。
 同社はインドなどでの生産・販売を急ピッチで拡大しており、白物家電などの国内生産縮小は避けられない。それでも日本でものづくりを続けるための条件を大坪文雄社長は「不連続の連続」と定義する。「技術革新」という不連続を連打し続ける。しかも「新しい土俵、新しいビジネスをつくる」ような革新をだ。
 五感処理研究グループ――。パナソニックの先端技術研究所にある同グループは人間の五感が求める「10年先の商品」を探る。
 真に革新的な製品が生み出せれば、業績は為替変動に左右されない。
 国内生産の80%を輸出するマツダ。日本で最も輸出比率が高い自動車メーカーは、15年度までに輸出比率を85%に引き上げようとしている。国内に踏みとどまるカギは小型車から大型車まで主要部品を「相似形」にする「コモンアーキテクチャー(共通設計)」と呼ぶ革新。設計の簡素化で部品会社の負担を軽減した上で、各社に「新興国並みの価格」を求める。
 実現すれば、為替の変動に左右されない収益体質にたどり着く。もう円高に脅(おび)える必要はない。
 急激なユーロ高が進んだ07年。独フォルクスワーゲン(VW)は12月期決算で前期比50%増にあたる約41億ユーロ(約4600億円)の純利益を計上した。VWはなぜ為替変動に強いのか。
 独国内で造るのは、ユーロ高で値上げしても海外で売れる「アウディ」など高級車。一方、低価格が生命線の小型車は東欧や中国で造る。このバランスが為替変動の衝撃を吸収する。
 VWは1994年に週休3日制の導入で従業員の年収を15%減らし、06年には2万人を削減した。痛みを伴う改革を経て「為替フリー」の均衡点に到達した。
 日本はまだこの均衡点に届いていない。国内の自動車生産が1000万台を突破した80年から30年。今も1100万台規模の生産能力を抱え、5割前後を輸出に頼る。値上げしても売れる高級ブランド車種はまだ少なく、ブラジル、中国など新興国での生産台数もVWに及ばない。だが均衡点を目指す動きはある。
「超国籍化」
 「グローバルな規模で生産の最適化を進める」(トヨタ自動車の豊田章男社長)。トヨタはこれから5年以上をかけて体質転換に挑む。生産担当の新美篤志副社長は「新興国で供給力を拡大し、先進国では市場構造に合わせた生産体制にする」と話す。
 日産自動車は主力車「マーチ」の国内生産を全量タイに移し、スズキはインド第3工場の建設を決めた。スズキのインド生産能力は13年に日本を超える。
 為替フリーの均衡点に至る過程で余剰の設備や人員を削る痛みは避けられない。だがそれは単純な空洞化を意味しない。
 「企業が海外投資を増やして超国籍化すれば、やがて国内経済も活性化する」(同志社大学の林敏彦教授)。一時の痛みを避けて、円高に脅え続けるのは得策ではない。
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