2つの「Apple」、iTunesとビートルズ

2つの「Apple」、iTunesとビートルズ
 米Appleとビートルズの因縁は深い。ビートルズの管理会社である英Apple Corpsが商標権の侵害を主張し、米Apple Computerに対して最初の訴訟を起こしたのは1978年。3年後に和解に至るが、この時の条件は「米Appleが音楽事業を行わないこと」だった。
 米Appleの社名は、命名した創業者のスティーブ・ジョブズCEOがビートルズファンだからという説もある(ジョブズ自身は明らかにしていない)。だが米Appleと英Appleは、法廷で戦いを繰り返してきた。米Appleが自社製品にMIDI機能などを搭載したのを問題視し、英Appleが「和解条件に違反している」として訴訟を起こしたこともある。
 当然、米Appleが2001年に発売したiPodや、iTunes Music Store(当時)による音楽配信を英Appleが許すはずもない。2003年、英Appleは米Appleに対して英国で訴訟を起こした。
 この訴訟は2007年2月、両社による和解の発表で終結する。「Apple」という名称は米Appleの商標となり、スティーブ・ジョブズCEOは「当社はビートルズを愛しており、彼らの商標に関して対立する関係にあるということはいたたまれないものだった。この件について、前向きで将来についてもいさかいを起こすことのない解決の仕方ができてすばらしい気分だ」とコメントした。
 英Appleも「我々にとって未来は非常にエキサイティングなものになる。Apple Inc.の成功を望んでおり、ずっと平和的な協力関係を継続していきたい」と述べた。こうしたコメントから、ビートルズ楽曲の配信も始まるのでは──と期待した向きは多い。
 ポール・マッカートニーのソロ作品は05年1月には配信がスタートしており、和解成立後の07年6月には、ポールが出演するテレビCMを米Appleが放映している。ジョン・レノン、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターのソロ作品も順次iTunesで配信が始まっており、「ビートル配信が始まる」とのうわさは、iTunesをめぐる季節の風物詩のようなものだった。
 今度こそ──と盛り上がったのが昨年の9月。米Appleのイベントに合わせ、オノ・ヨーコが配信が始まると英メディアに語ったとされるが、結局、この時はなし。それから1年が過ぎ、初代iPodが発売されてからちょうど9年になる11月17日(日本時間)、ビートルズがiTunesにやってきた。
 米AppleはiTunesでのビートルズの配信開始を「忘れられない一日になる」(Tomorrow is just another day)と予告した。それはビートルズを深く愛しながら、ビートルズの会社と戦いを繰り返してきたスティーブ・ジョブズCEOの、素直な喜びなのだろう。



米アップル、ビートルズのアルバム13枚を配信
 【シリコンバレー=岡田信行】米アップルは米西部時間16日朝(日本時間17日未明)、インターネット経由で音楽や映画などを配信している「iTunesストア」で、英人気バンド「ザ・ビートルズ」の楽曲の販売を始めた。オリジナルのアルバム13枚に加え、「ザ・ビートルズ・ボックスセット」(2万3000円)など合わせて17枚を配信。1曲200円の単品販売も始めた。
 「すべてを変えたバンドがiTunesにやって来た」と表示されたアイチューンズのサイトでは、テレビCMや1964年の米ワシントン・コロシアムでのライブ映像なども視聴できる。
 これまでビートルズの楽曲は、メンバーのソロの曲を除けばネットで配信されることが無かった。世界最大級の音楽配信サービスであるアイチューンズに登場したことで、コンテンツ配信におけるアップルの影響力を一層強める形となった。



マイクロソフト日本、韓国NHNと交流型ゲームサイト
 マイクロソフト日本法人(MS)はサイトを通じてユーザー同士が交流する、交流型ゲームサイト事業に乗り出す。韓国ポータルサイト最大手NHNの日本法人(東京・品川)と提携。MSのポータルサイト「MSN」に外部のゲーム会社がゲームを配信できるようにする。両社の会員基盤を活用、先行するヤフーやディー・エヌ・エー(DeNA)を追い上げる。
 来年1月にもMSN上にゲーム専用サイト「MSNゲーム」を開設する。NHNはサイトの運営やゲームの開発を手掛ける。パズル、カード、アクションなど初心者でも楽しめるゲームを提供する。
 サイト上の友人と交流しながら楽しめるゲームを中心に提供する。基本利用は無料だが、ゲームを有利に進めるためのアイテムを有料として収益にする。サービス開始時で外部企業を含め100本のゲーム提供を目指す。アジアなど海外でも両社でゲームサイトを運営することを検討する。
 交流型ゲームは、携帯版でDeNAやグリーが先行。パソコン版ではヤフーとDeNAが共同でゲームサイトを運営している。グリー、DeNAは2000万人規模の会員を抱えている。MSNの利用者数は4000万人、ハンゲームの登録ID数は3600万人に達しており、両社の会員を新サイトに誘導する。



ソフトバンク系、新卒採用説明会のネット配信支援
 転職支援サイトを運営するソフトバンク・ヒューマンキャピタル(東京・港)は、企業の新卒採用説明会をネットで配信するサービスを12月から始める。時間や場所の制約を受けずに学生が視聴できるため、地方や海外に在住の学生にも広く参加を呼びかけられることが特徴。初年度に約200社の配信を見込む。
 配信には米ユーストリームの動画共有サイトを使う。ソフトバンク・ヒューマンキャピタルの専用スタジオで説明会を開き、ライブ配信する。利用料は50万円から。学生は配信中にミニブログ「ツイッター」などで企業に質問でき、サイト上で採用選考に応募可能。
 企業は各地で複数の説明会を開く費用を削減できるほか、配信用の撮影機材なども用意せずに済む。学生は時間を有効に活用できる。説明会参加にかかる交通費や宿泊費など経済的な負担を抑えられる効果もある。




スク・エニ、ソーシャルゲームのプロデューサーを募集中
 スクウェア・エニックスが、ソーシャルゲームやブラウザゲームのプロデューサーを自社の求人ページで募集している。
 仕事内容は、新サービスの立案、既存サービスの運営、開発会社との調整など。オンラインゲームやソーシャルゲーム、Webサービスを「深く利用した経験」がある人が対象で、Webサービスやモバイルゲーム開発のマネジメント経験などがあると望ましいとしている。勤務地は本社オフィスがある東京都新宿。正社員と契約社員を募っている。
 同社はGREEやFacebookで「チョコボとクリスタルの塔」を、Yahoo!JAPANで「戦国IXA」を提供するなど、ソーシャル/ブラウザゲームの展開を加速している。



新星堂、CD試聴機にiPhone
 音楽CD販売の新星堂は店頭の試聴機を米アップルの高機能携帯電話(スマートフォン)「iPhone(アイフォーン)」に切り替える。17日に大阪市内の店舗に設置し、2012年2月までに全国の約170店すべてに導入する。
 アイフォーンの試聴機8台をまず「新星堂天王寺ミオ店」に導入する。1台に新作のアルバムやシングルなど10タイトル程度を収録し、来店客が自由に操作を楽しむことができるようにする。
 試聴機の切り替えと合わせて、アイフォーンを中心に携帯電話の販売も始める。アイフォーンを試聴機に活用するのは珍しいという。
 MM総研(東京・港)によると、スマートフォン契約数は10年度末に携帯電話の総契約数の6%になる見通し。
 アイフォーンで音楽を楽しむ体験を店頭で促すことにより、CDと携帯電話の販売促進につなげる。



王子紙・日本紙、11年3月期の販売見通し下げ 需要低迷で
 王子製紙、日本製紙グループ本社の製紙大手2社が、業績予想の前提となる紙の販売数量見通しを引き下げた。販売価格を含め需要低迷が2011年3月期に2社合計で286億円の減益要因になる見通し。景況感の悪化で広告やカタログ向けの販売が苦戦しているためだ。
 王子紙は今期、期初時点では国内の紙の販売数量を前期比ほぼ横ばいとみていたが、10年4~9月期決算で4%減に引き下げた。日本紙も1.5%増から0.4%減に変更した。需要低迷が王子紙では今期に148億円、日本紙では138億円の減益要因になる。
 日本製紙連合会の統計によると、10年4~9月期の国内の紙の出荷量は前年同期比0.1%減。金融危機後に落ち込み、回復が遅れている。
 王子紙はコスト削減を進め、期初に発表した通期の営業利益見通し(前期比5%減の700億円)を据え置いた。一方、日本紙は燃料コスト削減の設備投資などが遅れた影響もあり、営業利益見通しを3%減の420億円から19%減の350億円に引き下げた。


法人税5%下げ「恒久3%、暫定2%」案浮上
 菅首相が2011年度税制改正で意欲を示している法人税率の5%引き下げについて、減税分のうち2%前後を暫定減税とする構想が浮上していることが、16日明らかになった。財源が確保できる分だけを恒久減税として財政の悪化に配慮する一方、全体では5%の減税を当面実現するのが狙いだ。
 財務省は、法人税の実効税率40・69%のうち国税分(27・89%)を5%引き下げた場合、国の税収が最大2・1兆円減ると見積もっている。5%引き下げのうち3%分に必要な財源は、最大1・3兆円程度になる計算だ。
 残りの2%前後は、暫定減税として3年程度の時限措置とする案が出ている。実現した場合、政府は暫定減税が経済成長に与える効果を見極めたうえで、時限措置を継続するかどうかを判断する。



【産経主張】補正衆院通過 「八方塞がり」打破に動け

 総額5兆円規模の経済対策を盛り込んだ補正予算案は衆院を通過したが、菅直人政権の行き詰まりは目を覆うばかりである。内政外交の懸案に対し、菅首相が先送りの手法をとっていることが「八方塞(ふさ)がり」を招いているといえる。
 自民党は15日、仙谷由人官房長官と馬淵澄夫国土交通相に対する不信任案を提出した。尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件やビデオ流出問題への政府対応が問題であり、責任は重大だと指摘した。公明、共産、みんな、たちあがれ日本が同調した。
 与党が否決したものの、このことが持つ意味は重い。野党が多数の参院で同様の問責決議案が出されれば、可決の可能性があるからだ。内閣の要である仙谷氏への問責が可決されれば国会は空転し、政権は危うくなりかねない。
 各種世論調査で内閣支持率が危険水域といわれる3割を切ってきた。首相はアジア太平洋経済協力会議(APEC)終了後、「私が議長を務めた首脳会議が成功裏に終了した」と述べたが、どれだけの国民がうなずいただろうか。
 この2カ月余り、領海侵犯した中国人船長を釈放し、海上保安庁の巡視船に体当たりした中国漁船のビデオの公開を拒み続けた。日中首脳会談を行うことを最優先した判断だろうが、尖閣諸島に関する日本の主権が危うい状況であることは何も変わっていない。
 米軍普天間飛行場移設についても、首相は月末の沖縄県知事選後に沖縄を訪問する意向を示しているが、日米合意に基づく辺野古移設案を実現する努力はほとんどみせていない。
 オバマ米大統領とは、来春の首相訪米時に日米安保体制強化のために共同声明を発表することを約束したが、問題を先送りしているだけでは展望は開けない。
 加えて、政治とカネの問題をめぐる小沢一郎元代表の国会招致にも応じようとしない。補正予算や財政再建、消費税増税をめぐる野党との政策協議が進展しないのも無理はない。補正への賛成を唱えていた公明党は反対に回った。
 内外ともに危機を抱える日本のかじ取りを民主党が担えない状況は、もはやこれ以上放置できない段階に入ったといえる。
 首相がこの行き詰まりをどう打開するか。問題を放置する限り、現政権継続の是非を国民に問い直すことが必要だろう。
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