「Xperia(SO-01B)」がマルチタッチ対応に加えてAndroid 2.2へアップデート決定

「Xperia(SO-01B)」がマルチタッチ対応に加えてAndroid 2.2へアップデート決定
 先日ソニーグループの携帯電話メーカー、ソニー・エリクソンが公式ブログで「Xperia(SO-01B)」をマルチタッチに対応させる予定であると明かしたことをお伝えしたが、マルチタッチ対応に続いてAndroid 2.2へのアップデートを行うことが明かされた。
 11月10日にAndroid 2.1へのアップデートが行われてから、ほとんど間を空けずに2.2へとアップデートされることになるが、レスポンスが大きく向上することになるため、ユーザーにとっては非常に喜ばしいことだ。
詳細は以下から。
 ソニー・エリクソンのCEO(最高経営責任者)、Bert Nordberg氏の公式Twitterによると、現在発売中の「Xperia X10(日本ではSO-01B)」について、2011年早期にAndroid 2.2へのアップデートとマルチタッチへの対応を実現する予定であるそうだ。
 ちなみにXperia X10に搭載されているディスプレイは、ディジタイザー(コンピューターに位置を指示するための装置)と呼ばれる部品の制約から、今までマルチタッチのサポートが見送られてきたが、技術者たちがディジタイザーのドライバおよびファームウェアのアップデートを新たに開発したことで、完全ではないもののマルチタッチがサポートされることになる予定だ。
 力技のマルチタッチサポートに加えて、短期間でAndroid OSのバージョンアップに踏み切るなど、アップデートに対する執念のようなものまで感じられるソニー・エリクソンだが、昨今の携帯電話業界では2年契約が前提となっていることを考えると、末永く利用できるようになるため、ユーザーにとってこの姿勢は非常にうれしいのではないか。



「アンドロイド」の功罪 スマートフォンに潜むワナ
 KDDI(au)が先週、スマートフォン(高機能携帯電話)の新機種を発売した。ワンセグ放送など日本独自の機能を搭載、事前予約が同社最高の27万台に達した。好調な米アップルの「iPhone(アイフォーン)」に一矢報いたが、新機種の発売を複雑な思いで見守る消費者もいた。
 「基本ソフト(OS)の更新を検討した結果、ハードの仕様上、難しいとの結論に至りました」。今月半ば、KDDIの発表がインターネットを駆け巡った。
 内容は6月に発売したばかりのスマートフォンに関する発表だ。スマートフォンはソフトを自由に更新できるのが特徴なのに、それが難しいという。OSを更新すれば映像の視聴機能が高まるはずだったが、利用者の期待は裏切られた。
 製造したのはどちらの機種も国内携帯最大手のシャープ。スマートフォンの実績もある同社がなぜ更新を断念せざるを得なかったのか。理由は米検索最大手のグーグルが提供する無償OS「アンドロイド」を使っていたからだった。
 無償OSの「リナックス」をベースにしたアンドロイドは無償で使えるため、アップルに対抗する世界の端末メーカーがこぞって採用した。シャープもその一社だったが、OSの機能更新のスピードが速く、商品企画が追いつかなかったというのが実態だ。
 「アンドロイドには良い面と悪い面と両方ある」。今年春までグーグル日本法人社長を務めた辻野晃一郎氏は指摘する。自前主義の日本メーカーはOSまで自社開発した結果、開発投資がかさみ、「ガラパゴス化」を招く要因となった。OSを外部に委託できれば、開発投資を大幅に軽減できるというのが利点だ。
 一方、中枢機能のOSを外部に依存すれば商品開発の自由度は奪われる。シャープの新機種も独自機能を盛り込むため、OSは1つ前の世代を使った。NTTドコモに端末を提供した韓国のサムスン電子が、独自機能よりも最新版の採用を優先したのと対照的だ。
 実は似た現象はパソコン時代にもあった。マイクロソフトがアップルに対抗して「ウィンドウズ」を提唱。メーカーはOS開発の手間が省け、ソフト会社はOSに関係なく開発に専念できた。アンドロイドが注目される理由もウィンドウズと同じ立場にあるからだ。
 しかし「グーグルと我々の戦略は違う」とマイクロソフトのクレイグ・マンディ最高研究戦略責任者は言う。アンドロイドは同氏が推した家電向けOS「ウィンドウズCE」の再来ともいえる。当時はマイクロソフトと組んだ日本企業が技術的に先行できたが、アンドロイドはグーグルのサービスのための受け皿であり、メーカーの取り分は少ないというわけだ。
 ソニーもアンドロイドを使った「グーグルTV」を発売した。だが、ソニー出身の辻野氏は「先行できるのは半年」とみる。では再びOSから開発すべきかといえば、日本企業にその力はないという。だとすれば、グーグルに対し日本の技術の採用を働き掛けていくしか手立てはない。ガラパゴスを脱するには国際標準に乗るのが賢明だが、乗り方を間違えれば、せっかくの優位性も失いかねない。



量販店店頭では購入できない!? 「GALAPAGOS」の思い切った販売 いよいよ12月10日から、シャープのメディアタブレット「GALAPAGOS(ガラパゴス)」が発売される。価格は、5.5型カラーTFTを搭載したモバイルモデルが39,800円、10.8型カラーTFT液晶を搭載したホームモデルが54,800円。シャープでは否定するが、この価格設定は、当然のことながら、iPadを意識したものといえるだろう。
 GALAPAGOSの詳細なスペックについては別稿に譲るが、その一方で注目しておきたいのが、GALAPAGOSの販売戦略である。
 実は、GALAPAGOSは、量販店店頭では直接購入できない仕組みを採用しているのだ。12月3日からの予約開始にあわせて、全国の主要量販店には、GALAPAGOSが展示されることにはなる。年内には全国約1,000店舗の量販店にGALAPAGOSが展示される見込みであり、首都圏であれば、ほぼ主要な量販店で、GALAPAGOSを手にとって見ることができる。
 しかし、その場で購入して、持ち帰ることはできない。購入者は、GALAPAGOSの売り場に設置されている購入申し込み用紙に必要事項を記入。そこにクレジットカードでの支払い条件を指定して、シャープに郵送する。シャープから受注完了のメールにより受注が完了。その後、基本的には2日間程度での発送が可能になると見ている。
 購入者は、GALAPAGOSの初期設定、無線LAN設定を行ない、送られたきたユーザーIDとパスワードを入力して、端末を登録する。さらに、ストアを利用するためのクレジットカード登録を行なう。これによって、GALAPAGOSが初めて利用できるようになる。
 一方で、インターネットでの購入も可能だ。郵送よりも、むしろこちらの購入の方が多いかもしれない。
 同社の「シャープメディアタブレットストア」サイトから、購入申し込み手続きをし、そこで同様にクレジットカードによる支払いを設定すれば、あとの流れは購入申込書の郵送パターンと同じだ。
 このように、シャープからの直販に限定したのが、GALAPAGOSの販売モデルということになる。
 品薄の際に、量販店店頭の「在庫あります」の表示につられて、衝動買いをしてしまったという経験を持つ読者もいるだろう。ニンテンドーDSやiPadなどのモバイル型の製品では、特にそうした傾向が強かった。
 だが、GALAPAGOSでは、こうした店頭での衝動買いといったケースは無くなり、さらに、量販店店頭を訪れた人にとっては、一度自宅に帰ってから、量販店でもらった購入申込書に記入するか、インターネットに接続して購入するということになるため、余計に一手間かかる。
●なぜ、シャープは直販限定としたのか?
 では、なぜ、シャープは販売モデルを、直販限定としたのか。
 シャープのネットワークサービス事業推進本部・新井優司副本部長は、「GALAPAGOSは、単に端末を売るという販売モデルではなく、サービスを含めて提供する製品。これまでの端末以上に、ユーザーオリエンテッドな端末として提供したいと考えている。シャープとお客様がより密接な関係を構築し、シャープ側からもさまざまな情報を発信し、利用を支援し、活用面での利点を提供していきたい。新たな端末を提供するために用意した、新たな販売モデルである」と位置づける。
 ユーザーとの緊密な関係を構築するには、当然、メーカー直販の方が優位である。日本のPCメーカーにも、販売方法をメーカー直販に限定して、ユーザーサポートの充実ぶりを前面に打ち出す仕組みを構築している例がある。GALAPAGOSが目指す日本のユーザーが求める手厚いサポートを実現する上では、最も適した販売モデルといえるかもしれない。
 そのほかに、直販モデルの一般的なメリットとして、在庫管理がしやすく、店頭における不良在庫が発生しにくい、量販店同士の価格競争などを背景として発生する価格下落が起きにくいという点がある。また、流通関連コストも削減できる。
 シャープにとって初めてのサービス融合型端末であり、結果として販売台数を予測しにくいこと、また戦略的な価格設定を行なったことなどを含めると、こうした点も直販モデルに限定した理由の1つと言えそうだ。
 そして、ネットウォーカーでの経験も、今回の販売モデル構築に活かされていることになるだろう。
 量販店では、配布した購入申し込み書からその配布店舗が特定でき、取り次ぎ手数料が量販店に支払われる仕組みだ。また、アプリケーションランチャーの最下部に用意された表示エリアには、取り次いだ店舗のアイコンが用意され、店舗のお得情報などが配信されることから、これを活用した集客メリットも期待できる。
 シャープでは、当面、この仕組みを維持する計画で、量販店を通じた具体的な販売計画はないとする。
 量販店が力を注ぐのは、利益率が高い製品、手離れのいい製品というのがセオリーだ。GALAPAGOSのこの仕組みが、量販店からどう評価されるかが、量販店がGALAPAGOSに本気になるのかどうかのバロメータにもなる。
 なお、今後も見込まれる米国における販売については、直販モデルに限定するかどうかは未定だという。
●さまざまな観点で進化するGALAPAGOS
 GALAPAGOSのブランドの前には、「進化する」という文字を付け、広告展開などでも、当面は「進化する GALAPAGOS」という表記を行なう。
 例えば、GALAPAGOSでは当面、電子書籍端末という切り口で展開し、TSUTAYA GALAPAGOSで提供されるサービス開始時2万冊、年内3万冊という書籍をラインナップすることを訴求する。だが、その後の方向性として、映像、ショッピング、教育、ヘルスケアなど、生活に深く関わる各種サービスをプッシュ型で提供する考えを示している。
 また、シャープのGALAPAGOSにはウェブ閲覧端末としての機能も搭載。さらに、ソフトバンクから発売されるGALAPAGOS「003SH」のように、電話、メール、ワンセグ、おサイフケータイ機能を搭載したように、GALAPAGOS端末の広がりといった進化もある。
 「端末とサービスが融合した点がGALAPAGOSの特徴。これまでは製品開発が完了し、発売日を迎えると、商品企画の担当者は、それで仕事が終わったという感覚を持つが、GALAPAGOSに関しては、むしろこれからが勝負という意識が強い。いつも発売日直前に感じる、仕事が終わったという感覚は一切ない」と、松本チーフが語るのも、進化を標榜するGALAPAGOSならではのものだろう。
 コンテンツの配信内容や仕組みが今後進化するというのは、まさにGALAPAGOSが実現する「進化」である。そしてマーケティングや販売方法についても、今後は進化が検討されることにはなるだろう。
 発売日の完成状態だけでなく、今後、どんな「進化」を遂げるのかが、GALAPAGOSの注目点だといえる。
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