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イー・モバイル、最大21MbpsのHSPA+を8月上旬に導入
 イー・モバイルは6月8日、下り最大21MbpsのHSPA+規格に準拠したデータ通信サービスを、8月上旬から開始すると発表した。対応エリアや対応端末は、別途発表する。
 同サービスは、国内通信事業者として初めてHSPA+規格を導入するもの。3.5世代の携帯電話サービスとして最速となる、下り最大21Mbpsの高速データ通信に対応する。専用の料金プランとして、2段階定額制の「スーパーライトデータプラン21」と、完全定額制の「データプラン21」を新たに展開。既存の「スーパーライトデータプラン」「データプラン」より最大で1000円高くなるが、「規格上の下り最大通信速度を約3倍としながらも、ご利用いただきやすい料金設定」としている。
 また、携帯電話サービス向けの「データ定額オプション」の下限が値下げされ、月額1000~4980円だったところが月額580~4980円となる。既存ユーザーは7月利用分から自動的に適用される。



UQ、「WiMAX」有料サービス7月開始 3台利用の追加プランも
 KDDIなどが出資するUQコミュニケーションズ(東京・港)は8日、7月に有料サービスを始める高速データ通信「UQ WiMAX」の詳細を発表した。2月26日から試験サービスを無料で提供していたが、パソコンや通信端末などの対応製品が出揃いつつあることから、当初予定通り7月1日に有料サービスに移行する。
 最大40メガビット秒の高速通信が可能で、有料サービスはまず首都圏、中部、関西エリアで開始する。基本となる料金プランは月額4480円の定額制「UQ Flat」で、初期費用は別途2835円。新規ユーザー獲得のため、15日間の無料試用サービス「Try WiMAX」を7月1日から始める。
 また、定額制の追加プランとして、1人の加入者が最大3台まで利用できる「機器追加オプション」を用意する。料金は追加1台あたり200円。2010年1月末までは追加オプションを無料で提供する。10月には24時間あたり600円で利用できるプラン「UQ1Day」も開始する。対応機器があれば、初期費用なしで利用できる。
 同日会見した田中孝司社長は通信エリアの整備状況について「思っていたよりいくぶん少ない。特に関西は穴が開いている」と述べた。ユーザー向けには詳細なエリアを確認できるウェブサイトを公開する予定という。
 現在の無料サービスのユーザーは約8000人で、2009年度末までに数十万規模の加入者獲得を目指す。WiMAXに対応するパソコンは台湾アスースやNEC、オンキヨー、ソニー、東芝、パナソニックなどの主要メーカーが順次発売する見通しだ。



ソニー、ウォークマンのOSに「アンドロイド」を採用へ
 ソニーは携帯音楽プレーヤー「ウォークマン」に、携帯機器向け基本ソフト(OS)「アンドロイド」を採用、2010年にも製品化する。同社はソフトウエアプラットフォームの共通化を進めており、広範囲な携帯機器で同OSを活用するとみられる。オープンな標準ソフトの利点を生かし、開発期間の短縮や、機器の操作性向上で同市場首位の米アップルを追撃する。携帯電話端末以外でのアンドロイド本格採用は初めてで、今回のソニーの選択がデジタル家電向けOSの勢力図に影響を与えるのは必至だ。
 アンドロイドは米グーグルが開発、スマートフォンで採用が進んでいる。ソニー・エリクソンも09年中に製品を投入する。ソニー本体は、「ウォークマン」と簡易型カーナビゲーションシステム(PND)のプラットフォームの統合を目指しており、PNDにもアンドロイドが搭載される見通し。



「ゲーム機値下げなく失望」 活性化期待の米ソフト業界
 ソニーや任天堂などゲームメーカーにソフト会社が業を煮やしている。米ロサンゼルスで2日開幕したゲーム見本市「E3」で、ゲーム機の値下げ表明がなかったためだ。景気悪化で個人消費が冷え込む中、ゲーム市場も不振。値下げは市場のカンフル剤として期待されていただけに、業界内で失望感が広がっている。
 「積極的な値下げに関する話題がなく、失望した」-。ゲームソフト販売世界最大手のアクティビジョン・ブリザードのボビー・コティック社長兼CEO(最高経営責任者)は4日、ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、ソニー、任天堂、マイクロソフトは「E3」で、市場の活性化につながる値下げを表明すべきだったと強調した。
 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の平井一夫社長は3日、「E3」でのブルームバーグとのインタビューで、「PS3」の価格を当面400ドル(約3万9000円)に据え置くと発言。任天堂の岩田聡社長も、今のところ家庭用ゲーム機「Wii(ウィー)」の価格について250ドルから引き下げる計画はないと話した。



W杯出場決定の日本-ウズベク戦、視聴率は24・4%、健闘もドーハの半分
 テレビ朝日系で6日午後10時54分から中継され、日本が本大会出場を決めたサッカー・ワールドカップ(W杯)アジア地区最終予選、ウズベキスタン-日本戦の平均視聴率は関東地区で24・4%、関西地区で19・5%だったことが8日、ビデオリサーチの調査で分かった。
 瞬間最高視聴率は、関東で29・1%、関西では25・5%を記録した。
 日本代表のW杯出場決定に絡んだ過去の平均視聴率は、平成5年10月28日、ロスタイムに同点に追いつかれ、アメリカ大会への出場を逃した「ドーハの悲劇」の対イラク戦(テレビ東京系)が48・1%。
 9年11月16日、フランス大会への出場を決めたマレーシア・ジョホールバルでの対イラン戦(フジテレビ系)が47・9%、
 17年6月8日、ドイツ大会出場を決めたタイ・バンコクでの対北朝鮮戦(テレビ朝日系)が43・4%(いずれもビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録していた。



年収に応じ貸し付け規制、利用者8割知らず 貸金業協会調査
 年収の3分の1を超す貸し付けを禁止する改正貸金業法の「総量規制」を利用者の8割以上が知らないことが日本貸金業協会のアンケートで分かった。改正法は来年6月までに全面施行されるが、利用者が思ったように借り入れできなくなるなど混乱が生じる可能性もある。
 アンケートは昨年11~12月にインターネットで実施した。現在借り入れがある利用者843人のうち、上限金利引き下げを知っているのは33.7%だったのに対し、総量規制を理解している人は15.0%にとどまった。協会は利用者のうち、約4割が総量規制に抵触して追加融資が受けられなくなるとみている。



5月のマネーストック9年ぶり伸び 給付金、預金に?
 日銀が8日発表した5月のマネーストック(旧マネーサプライ・通貨供給量)で、代表的な指標の一つであるM3(現金、要求払い預金、定期預金、譲渡性預金など)は前年同月比1.8%増の1052兆1000億円だった。伸び率は2000年6月以来の高水準。定額給付金の支払いなどで預金や現金が増えたことが影響した。
 内訳をみると、預金は同0.7%増と06年10月以来の高い伸び率。現金の伸び率も同1.1%増だった。「定額給付金が支給された後も使われずに預金や現金として滞留している可能性がある」(日銀)という。企業が手元資金を取り崩す動きを緩めていることも影響したとみられる。
 定期預金などを示す「準通貨」の伸び率は同2.7%増で、約10年ぶりの高水準だった先月と横ばい。個人の安全運用志向を反映した。



家電量販、成長戦略に差 売り場面積、ヤマダやケーズ今期も拡大
 郊外立地を中心に売り場面積を拡大し続けてきた家電量販各社の成長戦略に差が出てきた。最大手のヤマダ電機と5位のケーズホールディングスは2010年3月期も総売り場面積を10%以上増やす。店を大型化し、オール電化などデジタル家電に続く売れ筋商品の品ぞろえを強化する。一方で6位のコジマは上場以来初めて面積が縮小に転じる。業績好調の企業が市場シェアを高める。
 ヤマダは10年3月期に総売り場面積を約1割増やし、単体で150万平方メートルを超える見通しだ。新規出店数は前期比2割減の34店だが、新店の平均規模は、売り場面積を開示している20店の平均で5200平方メートルと、09年3月期実績より約200平方メートル広くする。08年3月期の新店に比べ13%程度大型化する計算だ。



中国政府、PCへのフィルタリングソフト搭載義務付けへ
 中国政府は、7月1日以降に同国で販売されるすべてのPCに、特定のWebサイトをブロックするソフトをプリインストールするよう求めている。Wall Street Journalが6月8日に伝えた。
 フィルタリングソフトの主要開発者は同紙に対し、主な遮断対象はポルノであると語り、政府は若者を「有害な」コンテンツから守るためだと主張していると付け加えた。
 中国の工業・情報化省は5月19日にフィルタリングソフトの義務付けを告知に掲載したが、まだ公開はしていないという。



国債や国際機関債、世界で発行倍増100兆円に
 【ロンドン=吉田ありさ】米国など各国政府が景気対策の財源調達で国債発行を拡大しているのを反映、世界の公的債券の発行額が急増している。今年に入ってからの発行額は前年同期の約2倍、1兆ドル近くに膨らみ、債券発行全体に占める割合は4割強に達した。国債の供給増は長期金利の上昇要因になっており、企業の資金調達コスト増などを通じ景気の回復力を弱めるとの指摘も出ている。
 金融情報会社トムソン・ロイターの集計によると、年初から6月5日までに各国政府や国際機関が発行した公的債券は9852億ドル(96兆9000億円)と前年同期の2.4倍に増えた。債券発行全体に占める割合も前年同期の21%から42%に高まった。



【東京新聞社説】
W杯出場決定 南アでさらなる進化を
2009年6月8日
 確かな手ごたえを感じる勝利だ。サッカー日本代表がワールドカップ(W杯)南アフリカ大会への出場を決めた。代表チームにはぜひ「日本ならではの」サッカーを花開かせてほしい。
 来年、アフリカ大陸で初めて開催されるW杯南ア大会。大詰めを迎えたアジア最終予選で日本代表は六日、ウズベキスタンを破り、開催国以外で最も早く本番への出場を決めた。
 W杯はこれで四大会連続出場となる。悲願の初出場を決めてから十二年。アジアのサッカーをリードする立場となった日本がひのき舞台でどう戦うのか、これはスポーツファンならずとも大いに楽しみなところだ。
 世界の壁が厚いサッカー。日本は二〇〇二年の日韓大会では16強に進んだものの、前回のドイツ大会では一次リーグ敗退にとどまっている。ただ、このところの日本代表はまたひとつステップを上がりかけているようだ。
 世界の強豪と互角に戦うため、サッカー界はずっと日本人の特性を生かしたスタイルを追い求めてきた。スピードと勤勉さを発揮して走り勝ち、相手の個の強さを組織で圧倒するサッカーである。この課題がいま、ようやく形になろうとしているようだ。豊富な運動量と速いパスで相手を崩す一方、個の力も着実に伸ばしてきた現在の代表チームは、まさしく二十一世紀の日本ならではのサッカーをつかみつつあるように見える。
 もちろん代表だけのことではない。日本サッカー全体の前進がその奥にはある。Jリーグの誕生と発展。若い世代からのきめ細かい普及と強化。指導者の育成。全体と将来を見据えた地道な取り組みが土台の厚みを増し、その結果のひとつとして頂点にある代表も成長してきたということだろう。
 南アの本番では、日本らしさをさらに磨いて、岡田武史監督が掲げる「4強」の大目標を目指してもらいたい。それはまた、世界のサッカーにとってもひとつの新たな進化につながっていくのではないか。
 日本の特性を生かし、日本ならではのものを生み出して前進への原動力とする。これはサッカーのみならず、どの分野でも考えるべきことだろう。ことに不況で社会全体が苦境に陥っている中では、「日本らしさ」がさまざまなヒントとなるかもしれない。走り続けるのをいとわず、みんなで次々にパスをつないでいく活力からも学ぶことは少なくないはずだ。
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設備投資の落ち込み最大、09年度15.9% 日経調査、製造業低迷
 日本経済新聞社がまとめた2009年度の設備投資動向調査で、全産業(対象1475社、連結ベース、国内外合計)の当初計画が08年度実績比で15.9%減となった。2年連続のマイナスで、減少幅は1973年の調査開始以来で最大。基幹業種の電気機器や自動車の投資抑制で製造業が24.3%落ち込むのが響く。在庫調整の進展で足元の生産には底入れの兆しも出ているが設備過剰の状況は続きそうで、10年度も本格的な回復は期待できない。
 設備投資の総額は22兆7000億円で前年度に比べ4兆2800億円減る。これまで減少幅が最大だったのは設備過剰が深刻化したバブル崩壊後の93年度で11.8%減。昨年9月のリーマン・ショック以降、需要の急速な落ち込みと資金調達難に直面した主要企業が投資抑制に動いていることが改めて浮き彫りになった。2年続けて減少するのはIT(情報技術)バブル崩壊で景気が低迷した01~02年度以来となる。



設備投資抑制、自動車や電機は1兆円超す 電力は大幅増額
 2009年度の設備投資動向調査では、世界的な需要の急減に見舞われた自動車、電気機器の設備投資が08年度に比べともに約3割減る。減額幅は両業種ともに1兆円を超え、両業種への依存度が大きい素材や機械も前年を大幅に下回る。主要業種が一斉に投資を抑制するなか、電力や鉄道などインフラ関連では大型投資を継続する企業が多い。
 自動車・部品42社の設備投資額は33.3%減の2兆3000億円。販売不振で過剰設備を抱える完成車メーカーがそろって生産能力の増強投資を見送る。トヨタ自動車は10年稼働予定だった米国の新工場の稼働を延期するなど、前年度比4700億円減の8300億円にとどめる。ホンダも埼玉県の新工場の稼働を延期。設備投資は同2000億円減の3900億円に絞り込む。



データセンター、NEC機能強化 「クラウド」に備え
 NECはサーバーなどのIT(情報技術)機器を集積したデータセンターの機能を強化する。全国で約10カ所に「主力データセンター」を置き、省エネ・省スペース化や信頼性向上を集中的に進める。顧客が基幹業務で使うソフトをNECがデータセンターで預かり、月額課金で提供する「クラウドコンピューティング」型サービスを7月に始めるのに備える。
 グループで全国53カ所あるセンターから約10カ所を選び、省エネ・省スペース性能の高いサーバーへの更新、サーバーの運用を効率化するソフトの導入などを進める。九州地方の1カ所は災害発生時などの専用バックアップセンターと位置づける。



電気自動車、給油所で充電・課金実験 今夏にも経産省
 経済産業省は電気自動車の充電拠点の整備に向けて、今夏にも利用者がガソリンスタンドで充電した際に料金を徴収するシステムの実証実験を始める。スタンドの屋根に置いた太陽光パネルでつくった電力を充電に使う実験にも乗り出す。大型駐車場でIT(情報技術)を活用して充電する技術の開発も進め、電気自動車の普及を後押しする。
 ガソリンスタンドではICカードや自動料金収受システム(ETC)を使って、充電した電気料金を徴収できるシステムを開発する。将来的には店員がいなくても利用者がセルフで充電し、料金が支払えるような仕組みをつくる。



村上春樹さん:「1Q84」96万部 大当たり極秘戦略
 村上春樹さんの最新長編小説「1Q84(いちきゅうはちよん)」(新潮社)が爆発的に売れている。5月29日の発売からわずか1週間で同社は第1巻51万部、第2巻45万部の計96万部(6月4日現在)まで増刷。にもかかわらず、第1巻が品切れとなった書店も続出している。出版不況が叫ばれる中、いったいなぜ? その理由を探った。
 東京都千代田区の三省堂書店・神保町本店。売り場には第2巻だけが平積みになっていた。西東京市の団体役員、星川安之さん(51)は既に第1巻を購入。「村上作品は家族や食事、好きな映画のように生きていく楽しみの一つ。生きているって面白いと思わせてくれる。久しぶりの長編だが、根底にあるものは変わっていない。それどころか技術に磨きがかかった」と第2巻を手に取った。
 「話題になっているから来てみた」という茨城県つくば市の大学教員、緒方章宏さん(68)は「先週は両巻ともあったのに……」と、第2巻を購入し第1巻を予約していた。両巻とも税込み1890円だ。
 発売前から書店の期待も高かった。同店では、事前に過去の村上作品をまとめた冊子を配布。担当者は「日本を代表する作家の5年ぶりの長編小説。お祭り状態にしたいと盛り上げました」と歓迎する。
 異例ともいえる現象について、出版ニュース社の清田義昭代表は、発売前から市場が村上さんの新著を渇望する「ハングリーマーケット」を形成していたことを指摘した。「出せば必ず売れる作家だが、今回はタイトルだけを公表、内容を一切紹介しなかった販売戦略が大きかった。(ネット書店大手の)アマゾンが先月20日時点で、国内長編小説としては史上最高の予約部数1万部を記録したことや、発売直前に新潮社が増刷を開始したことが報じられ、話題のキャッチボールが起こった。発売後も品薄感が広がり、読者はどんどん読んでみたくなった」と分析。また、今年2月、イスラエルの文学賞「エルサレム賞」の授賞式での講演が話題になったことも、新作への期待が高まった要因の一つとした。
 版元の新潮社によると、社内でも限られた社員数人しか原稿に目を通さないという徹底ぶり。海外のエージェントの協力も得、ブックフェアでも内容も明かさなかった。同様の例では、郷ひろみさんが、二谷友里恵さんとの離婚の真相を語った「ダディ」(幻冬舎)はミリオンセラーになった。
 だが、担当者は「戦略ではない」と強く否定する。同社から7年前に出版した「海辺のカフカ」では、原稿入手から発売までに約1年の期間を取り、事前PRに時間を掛けた。このため内容が少しずつ漏れ、読者から「予備知識なしに読みたかった」という苦情が寄せられた。そこで、村上さんと話し合って「実験的に」(担当者)今回の手法をとったという。
 ファンの間では続編の期待もささやかれる。同社は「この2冊で完結しています。次があるかどうかはわかりません」と回答する。
 「従来の村上ファン以外も読みたくなる。本を読む層を開拓することにもつながるのではないか」と清田代表が話す「1Q84」、さて出版業界の救世主となるのだろうか。



日経社説 チェンジ!少子化、高齢者に偏る社会保障費を子供にも(6/8)
 足元では少子化の流れが小康にある。昨年の合計特殊出生率は1.37と3年続けて上昇した。2007年までの景気拡大などが寄与したようだが、昨秋からの経済危機でこの基調を長続きさせるのは難しい。
 また人口構造の面では団塊ジュニア世代が30代後半に差しかかった。放っておけば出生率は再び低落傾向に逆戻りするとみておくべきだ。
場当たりでは効果出ず
 その低落を止め、反転させる道のりは険しい。政策面では保育分野の規制改革と予算の拡充が二本柱になる。国、地方自治体とも空前の借金を抱えているなかで財源をどう工面するか、知恵と工夫が試される。
 今年度の補正予算に少子化対策と銘打ったものがある。就学前3年間の子について、今年度にかぎって第1子にも3万6000円の特別手当を各家庭に出す。なぜ1年限定なのか。選挙を控えた与党側のばらまきといわれても反論は難しいだろう。
 昨秋の生活対策でつくった「安心こども基金」は、今補正で約1400億円積み増す。財源は国債発行頼みである。無駄なく有効に使うべきだ。株式会社が経営する保育所が公立保育所と対等に競い合うための助成金など使い道を工夫してほしい。
 元来、少子化に歯止めをかけるための予算を補正に計上するのは筋がとおらない。安定した財源を工面して社会保障制度の一環として給付すべきだ。場当たり的な予算の分捕りは費用対効果の面でも問題がある。少子化対策の財源確保について議論を深めてこなかった結果だろう。
 06年度の社会保障給付費は89兆円を突破した。これがどの世代に向かったか内訳をみると、高齢者関係費が69.8%、育児支援など児童・家庭関係費は4.0%だ。この比率はここ数年、ほぼ固定している。
 高齢者に手厚い社会保障の構造が見て取れる。年金や高齢者医療、介護保険を中心に運営してきたので当然といえるが、今後は少子化対策を第4の柱に据える必要がある。
 将来は消費税の増税分の一部を少子化対策にも安定的に振り向けるのが課題になろう。だがその前にまず、老若で70対4の配分を少し変えれば当面の安定財源につながる。
 3歳未満への児童手当を月1万円に倍増させたのは07年度だ。当時、予算編成でこれが見送られそうになった。財源難を唱える財務省だけでなく、ほかの社会保障予算を削られたくない厚生労働省も慎重だったためだ。最後は少子化対策担当相の粘りで実現したが、1100億円強の公費を算段するのでさえ難渋した。
 高齢人口が膨張しているうえに高齢層は一般に選挙での投票率が高いので、配分の固定を動かすのは政治的に簡単な話ではない。たとえば所得の高い高齢者への年金課税を強化するなど、どの部分が抑制可能なのか、議論を深めておくべきだ。
 道路や地方空港、各地のハコモノ建設など人口減時代にふさわしくない公共事業に費やすお金を少子化対策に回すことも必要だ。各省縦割りの予算編成に、一度決めると変えにくくなる「固定化のワナ」が潜んでいる。モノへの投資からひとへの投資へ、めりはりを利かせた予算編成に向け、政権の手腕が問われる。
 たとえばベビーシッターの料金を所得控除の対象にするなど新機軸を打ち出してはどうか。また政府と民主党の双方が導入の検討を始めた税額控除と給付金とを組み合わせた支援策を、より子育て世代の助けになるよう仕組むのも有効な手立てだ。
民主党は安定財源示せ
 民主党にも注文がある。中学卒業までの子供に月2万6000円を支給する方針だが、07年の参院選マニフェスト(政権公約)で総額4兆8000億円としていた財源をどう工面するのか。政府の無駄を削る、埋蔵金を掘り当てる、では説得力を欠く。財源確保の道筋を示すべきだ。
 住民に身近なところで行政サービスを提供している市区町村も腕の見せどころだ。狭くても安くて使い勝手のよい保育所を増やす、子供の医療費を助成する、子育て世代の雇用の場を広げるため企業誘致に力を注ぐ――。権限と資金を国から移せば、あとは首長のやる気しだいだ。
 住みよく子育てしやすい地域だという評判が広がれば、若い流入人口が増え、税収増につながる好循環が生まれる。子育てのしやすさを地域間で競う時代である。
 財源難のなかで予算配分を組み替えるには、国レベルでは首相、自治体では首長の指導力がいる。そのリード役は少子化担当相である。今、2人目を身ごもっている小渕優子担当相は9月末に出産予定という。夏に向け来年度の予算編成が始まる。身重での陣頭指揮は大変だろうが、存在感を発揮してほしい。
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