((((;゜Д゜)))新聞

「ドラクエ9」は作り手の鮮やかな作戦勝ち(COLUMN)
 朝・昼・夜を問わず、電車で移動中に「ニンテンドーDS」を開いている人をさりげなくのぞくと、必ずといっていいほど「ドラゴンクエストIX 星空の守り人(ドラクエ9)」(スクウェア・エニックス)である。人気シリーズの最新作というだけでなく、これまでになかった仕掛けがユーザーを広く長く引き付ける理由になった。
 2005年2月、スクウェア・エニックス・ホールディングスの和田洋一社長は「アジアオンラインゲームカンファレンス」の講演で、重要な発言をしている。
■05年に示されたコンセプト
 「ゲームで大切なのはソフトの入っているディスクではなく、メモリーカードの方」という指摘だ。「私は今、(「プレイステーション2(PS2)」向けの)あるゲームを28時間ほどプレーしているが、このデータが飛んだら泣きます。ディスクはなくても買えばいい。でもメモリーカードは違う」
 家庭用ゲーム機ビジネスは当時も今も、「ゲームソフトを販売して収益を上げる」が基本である。しかしこのとき和田氏は、ゲームの本質にかかわる問題を投げかけた。ゲームの真の価値は、ゲームそのものではなく、ユーザーが自分自身のプレー結果を記録した交換不可能で値段を付けられない「セーブデータ」にあるということだ。
 「ネットワークゲームを考えるときユーザーは何にお金を払うのか。プレーヤーはゲームをプレーして何を得たのか、他の人と友達になって何をしたのかといったことが大切」なのであり、「究極を言えばコンテンツが大切なのではなく、『コミュニティー』が大切なのではないか」と、和田氏は持論を展開した。
 これは、当時のPS2のビジネスの欠点に対する指摘でもある。ユーザーは自分の固有データが詰まったメモリーカードさえ所有していれば、ゲームのディスク自体は中古ショップに販売してしまっても構わない。自分のゲーム体験を再び続けたければ、その中古を買い直せばいいからだ。そのため、ゲームが中古に流れていくのは当然だった。
 そうした状況を打ち破る成功モデルを構築したのが任天堂のゲームボーイ用「ポケットモンスター」だった。ゲームボーイ用のカセットは、ゲーム自体とセーブデータが一体に収録されている。ゲームカセットの中にある「ポケモン」たちへの愛着がカセットの価値を高める。それが大ヒットの要因であり、ゲームが中古に流れるのを抑える効果も上げた。
 任天堂は、この戦略をDSの「nintendogs」「おいでよどうぶつの森」などで積極的に展開し、長期的なブームにつなげた。先の和田氏の発言から4年。ドラクエ9によって、スクエニも初めてそのコンセプトを大成功させることができた。
■ユーザーレビューの分析から学べること
 このコラムで「プロとユーザーで分かれた『ドラクエ9』の評価」を掲載した後に、興味深いデータをいただいた。個人でゲームデザインを研究している下滝亜里氏がまとめたものだ。
 下滝氏は、ユーザー投稿のレビューサイト「mk2」のドラクエ9の201件のレビュー内容を分類して分析した。それにより、ユーザーが何に不満を感じて、何をよい点として感じているかを明らかにしている。好き嫌いといった感覚的な評価を見るのではなく、要素を分類することでゲームシステムのどこにユーザーが着目しているかを浮き彫りにしている。
 このような調査は、「ペルソナ4」(アトラス)など他のロールプレイングゲームでも行われている。特に続編ものを開発する場合、ユーザーが抱く不満を分析をすることでゲームデザインのより的確なプロセスを描けるという想定がある。
 下滝氏がまとめたドラクエ9の良い点と悪い点の上位10位は以下のようになっている。
順位内容1位着せ替えが楽しい・面白い2位音楽が良い3位シンボルエンカウントは良い4位(DSとしては)グラフィックスが良い5位(クリア後の)やりこみ要素が多い6位ムービーが良い7位(武器を強化する)練金の待ち時間がなくなった8位ドラクエらしいストーリー9位呪文が職業固定(スキルのみ引き継がれる)10位歴代のボスと戦える10位魔法のルーラのMP(マジックポイント)消費が0
順位内容1位戦闘のテンポが悪い2位サンディ(登場するユーザーを導く妖精キャラクター)3位セーブ可能なデータが一つ4位キャラメイクのパターン数が少ない5位(これまでのシリーズにあったミニゲーム機能の)カジノがない6位作業的なクエストが多い7位(過去のシリーズにあった)ダンジョンに仕掛けがない8位メニューを開いている時も敵に接近される9位上位職の転職のクエストが面倒10位クエストに面倒なものだけがある・多い
 下滝氏によると、ゲームデザインの評価では、続編の場合は必ず前作と比較される。例えばユーザーは「前作で気に入っていたもの(要素)がなくなると不満になる」という。ドラクエ9の場合も、過去のシリーズや類似のRPGを遊んできたユーザーが不満を述べているケースが少なくない。悪い点の1位、4位、5位、6位、7位、9位といったものがそれに該当すると考えられる。
 また、ゲームとして愛着を感じさせるためのシステムである「セーブ可能なデータが一つ」という点への不満も大きく、3位に位置づけられている。
 この調査から得られる教訓は大きい。ただし、ドラクエ9の評価でもっとも重要な点は、「この分析結果に表れなかった部分」にある。なぜなら、真に新しいゲーム要素は、前作と比較のしようがないからだ。それがわからなければ、今年の夏に起きた社会現象のようなドラクエ9の人気を説明することはできない。
■社会現象になった「すれちがい通信」
 ドラクエ9では、ゲーム内で入手できる「宝の地図」というアイテムを、DSの「すれちがい通信」機能を通じて他のユーザーに渡すことができる。このすれちがい通信ができる場所を求めて、DSを手にした人たちが集まる現象が、この夏に各地で発生した。
 特に有名になったのは、「まさゆきの地図」「川崎ロッカーの地図」といわれるもので、手に入れる方法を求めて、ネット上で様々な情報が飛び交った。人数が多ければ多いほど、珍しい地図を入手できるチャンスが高まるため、大都市圏の大きなイベント会場ではDSを片手に歩く人の姿が数多く見られた。東京・秋葉原のヨドバシカメラの専用コーナー「ルイーダの酒場」にユーザーが集まって黙々と交換する姿も話題になった。
 ドラクエ9は開発遅れで何度も発売延期されたが、結果的に夏の行楽シーズン直前の発売となったことも、すれちがい通信のおもしろさがクチコミで広がる要因になったと考えられる。地方都市では大都市圏ほど人が集まる場所がないので、ブログなどではどうすればいいかが活発に議論されている。
 繰り返しになるが、このすれちがい通信は先に挙げたようなユーザーレビューの評価には姿を現していない。強いて探すとしても「5位 (クリア後の)やりこみ要素が多い」といったあたりが該当するにとどまる。
 ドラクエ9は過去のシリーズとはかなり「異質な市場」を作りだし、それが発売直後にはわからなかった。クチコミでおもしろさが時間差で伝わっていったことで、レビューとの乖離が生まれたと考えることができる。
■ゲーム作品からサービスプラットホームへ
 スクウェア・エニックス・ホールディングスが8月7日に開催した09年4~6月期決算説明会で、和田氏は「(ユーザーは)クリア後に遊ぼうと思ったら手元に置いておかなければならなくなった」と述べ、05年に示したコンセプトの実現をアピールした。中古に流れるソフトの数も限定的であるという。また、「コミュニティーをどのように継続的に刺激していくか」に力点を置いて戦略を展開していることも成功につながったと述べている。
 ドラクエ9は、従来型の「作品としてのゲーム」というより、「ゲームを使ったサービスプラットホーム」の側面を強く持つタイトルであることが、時間が経つにつれて明確になってきた。過去に存在しなかった「遊び」を見いだしたタイトルは、大ヒットするというゲーム業界の法則に当てはまる。
 息の長い販売にも結びついてきており、500万本という過去最大のヒットも現実味を帯びてきた。これは、作り手の側の鮮やかな作戦勝ちと言うべきだろう。



携帯端末3社統合交渉、海外向けも共同開発
 NECと日立製作所、カシオ計算機の3社が、携帯電話機事業の統合交渉の中で、海外向けの端末開発にも共同で取り組む検討を進めていることが、28日分かった。
 人口減少などで国内市場が縮む中、海外市場の開拓で持続的な成長を目指す狙いだ。
 3社は、2010年4月をメドに携帯電話機事業を統合する方針だ。同年には、光ファイバー並みの高速通信が可能になる次世代携帯に関し、通信方式が世界で統一される。海外メーカーも含め、端末の性能や価格の競争が激しくなるのは必至で、3社は共同で生き残りを図る。
 世界市場では、フィンランドのノキアや韓国のサムスン電子など上位5社が占有率の約80%を占めている。日本勢が海外市場に食い込むには、統合などで経営基盤を拡大する必要があるとの指摘が多く、今後、他の端末メーカーでも再編への取り組みが加速する可能性がある。



ソニー、ケータイからBRAVIAへメッセージを送付できるサービス
 ソニーマーケティングは、携帯電話から据置テレビ「BRAVIA(ブラビア)」へメッセージを送信できる「x-Message Board」の提供を開始した。
 「x-Message Board」は、最大30文字までのメッセージを携帯電話からBRAVIA宛に送信できる機能。テレビを家庭内の伝言板のように使えるというもので、BRAVIA向けのサービス「アプリキャスト」の新機能の1つとして提供される。携帯電話は3キャリア対応で、1台1台にニックネームをつけて、「父からのメッセージ」「子供からのメッセージ」を判別できるようになっている。携帯電話側で取得した位置情報も送信でき、テレビ側では地図が表示される。



失業率「年末に6%」の見方 7月最悪の5.7%
 総務省が28日発表した7月の完全失業率(季節調整値)は過去最悪の5.7%となり、雇用情勢の悪化が一段と深刻になってきた。製造業を中心に進んできた雇用調整が小売業など非製造業にも広がりつつあり、失業率は年末には6%台に達するとの指摘もある。雇用対策は30日に行われる衆院選後の政権運営にとって喫緊の課題となりそうだ。
 雇用環境は「過去にないスピードで急速に悪化している」(総務省統計局)。金融危機が深刻になった昨年10月の失業率は3.8%だったが、9カ月で2ポイント近くも上昇した。2000年前後の悪化局面では、失業率が4%台に達してから過去最悪だった5.5%に上昇するまで約4年かかった。雇用の調整弁となりやすい非正規社員の比率が高まったため、失業率が一気に上昇した。



「奴隷状態」監禁18年、米国で29歳女性保護
 【ロサンゼルス=飯田達人】米カリフォルニア州で、11歳だった女性を誘拐し、18年間自宅に監禁した上、2人の子供を産ませていたとして、誘拐やレイプなどの疑いでフィリップ・ガリード容疑者(58)を、誘拐に協力した疑いなどで妻のナンシー容疑者(54)を地元警察当局が26日、それぞれ逮捕した。
 AP通信などによると、2人は1991年6月、ネバダ州境に近いサウスレークタホでバスを待っていた当時11歳の女性(現在は29歳)を車に力ずくで乗せて拉致し、約180キロ離れたオークランド近郊のアンティオクにある自宅裏庭の離れや小屋に監禁。フィリップ容疑者は女性をレイプし、2人の娘を産ませた。3人とも通学や医師の診療を許されず、簡易トイレやシャワーはあったものの「奴隷状態」(地元警察)だったという。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:moblog

Σ(゜Д゜;エーッ!新聞

NEC・日立・カシオ、携帯端末事業統合で調整
 NEC、日立製作所、カシオ計算機の3社が、携帯電話機事業を2010年4月をメドに統合する方向で調整に入ったことが27日、明らかになった。
 実現すれば、国内販売台数の市場占有率は20%を超え、首位のシャープに肉薄する。携帯電話は販売が伸びない一方で、多機能化で開発費用は増える傾向にある。今回の3社の動きが、大規模な業界再編の呼び水となる可能性がある。
 日立とカシオは、04年に携帯電話の開発部門を統合して合弁会社を設けている。NECが携帯事業を分社化して、この合弁会社に合流する案を軸に検討しているほか、3社の生産部門の統合も検討する。新会社の出資比率は、NECが50%超を持つ方向だ。
 統合で開発や材料費を削減し、コスト競争力を大幅に向上させる狙いだ。また、NECは現在、NTTドコモとソフトバンクモバイルに、日立はKDDI(au)に、カシオはauとソフトバンクに、それぞれ端末を供給しており、各社の販路拡大にもつながりそうだ。
 調査会社BCNによると、08年度の占有率は、NECが3位(12%)、カシオが8位(5%)、日立が9位(4%)だ。統合により、2位のパナソニック(17%)を抜き、シャープ(22%)に迫る。
 携帯電話の今年1~6月の出荷台数は、前年同期比36%減の1597万台と低迷している。一方、テレビ放送の受信や電子マネーへの対応など高機能化が加速しており、新機種1台あたりの開発費用は100億円とも言われる。



マイクロソフト、Xboxを値下げ
 【ニューヨーク=蔭山道子】米マイクロソフト(MS)は27日、家庭用ゲーム機「Xbox360」の米国での販売価格を28日から引き下げると発表した。高性能モデル「Xbox360 エリート」を100ドル値下げし、299.99ドルとする。
 これまでの中心モデル「Xbox360 プロ」も50ドル値下げし249.99ドルとする。ただ同モデルは現在の在庫がなくなり次第、販売をやめる。入門者向けのモデルは現行の199.99ドルに据え置く。
 ソニーは先週、「プレイステーション3」を299ドルに値下げすると発表しているが、マイクロソフトの広報担当者、デービッド・デニス氏は、値下げは以前から検討されており、ソニーの値下げを受けた決定ではないと述べた。同氏は、値下げで新たな顧客を獲得し、製造業や小売、ユーザーのために製品モデルの簡素化を図ったと語った。
 同氏は「顧客にとり(購入のための)決定は今よりもずっと楽になる」指摘。価格重視で「Xbox360アーケード」を選択するか、よりハイエンドの「Xbox360エリート」を選ぶかのどちらかになると語った。
 「Xbox360」の米国での売れ行きは、任天堂の「Wii」(249ドル)に次いで2位。ただ、「Xbox360」の売り上げは今年に入り17%増加と、唯一売り上げを伸ばしているゲーム機となっている。



銀行の国債保有、最高水準 6月末の残高111兆円
 銀行に預金の形で集まったお金が国債市場に流れ込んでいる。資金需要の低迷により銀行が運用難に陥っているためで、国内銀行が保有する国債の残高は昨秋から急増、6月末には111兆円台と最高水準に達した。企業や個人への融資金利の基準となる長期金利の上昇を抑える効果がある一方、預金で集めたお金が民間の経済活動に回らない構図も鮮明になっている。
 銀行は預金で集めた資金を企業や個人に貸し出しているが、余った分は有価証券などで運用している。日銀の「民間金融機関の資産・負債統計」(オフショア勘定含む)によると、国内銀行の6月末の預金額は過去最高の約573兆円に拡大。一方、貸出金は約431兆円と3カ月連続で減った。預金から貸出金を引いた「預金超過額」は過去最高の142兆円に達している。この8割程度が国債に回っている計算になる。



倉敷チボリ公園跡、イトーヨーカ堂が開発 アウトレットも併設
 イトーヨーカ堂が昨年末に閉園したテーマパーク「倉敷チボリ公園」(岡山県倉敷市)跡地の開発主体となることが決まった。跡地の有効活用を探っていた地権者のクラボウが27日発表した。ヨーカ堂は2011年冬の開業を目指して大型スーパーのほか、同社初となるアウトレットモールなどを併設した商業施設を開発・運営する方針だ。
 跡地の面積は12万平方メートル。施設の詳細は今後詰めるが、JR倉敷駅前という好立地を生かし、広域から集客できる施設にするため、アウトレットを併設する方向だ。ヨーカ堂はグループで大型ショッピングセンター「アリオ」も運営しているが、運営経験のないアウトレットはノウハウのある外部企業との連携を検討する。
 倉敷チボリ公園は岡山県などが出資する第三セクター方式で1997年に開業した。クラボウは商業施設の誘致を目指し、複数の小売業や不動産会社と協議を進めていたもようだ。



建設受注、7月は44.9%減 過去最大の減少率
 日本建設業団体連合会(日建連)が27日まとめた会員企業49社による7月の建設受注は総額が5932億円と前年同月に比べて44.9%減り、5月に記録した過去最大の減少率を0.5ポイント更新した。前年実績を下回るのは9カ月連続となる。「回復の兆しが見えず、しばらく低い水準が続くのではないか」(日建連)としている。
 景気後退の影響で、民間受注が4095億円で49.7%減。うち非製造業は52.0%減の2795億円で、12カ月連続で前年を下回った。設備投資の抑制が続く製造業は44.2%減の1300億円。官公庁からの受注は20.5%減って1650億円だった。



ソニー銀行、法人向け融資に参入 10月から協調融資に参加
 インターネット専業銀行のソニー銀行は27日、法人向けの融資を始めると発表した。9月1日に法人融資部を設け、10月から協調融資に参加する予定だ。同行は公社債への投資と個人向け融資を主な運用手段としていたが、これに協調融資を加えてリスクの分散と収益基盤の強化を狙う。
 複数の金融機関が共同で融資する協調融資に参加するのが中心で、原則として単独での融資はしないという。比較的リスクの小さい案件から始め、数年後に融資残高を1000億円程度に拡大したいとしている。
 同行は、2009年4~6月期の純利益が前年同期比73.7%減の1億7100万円となるなど苦戦。協調融資は市場の変化の影響を受けにくく、金利や返済期間を貸し手が設定できるため、社債より魅力的な運用手段とみて参入を決めた。



世界の太陽電池市場、20年に10兆円 08年の5倍、民間調査
 民間調査機関の富士経済(東京・中央)は27日、世界の太陽電池市場(金額ベース)が2020年に08年比5倍の10兆円に達するとの調査結果をまとめた。各国・地域が補助金など市場拡大策を整え、普及を後押しする。太陽電池の単価が下がり、世界各地で10年から15年までの間に電力会社の販売する電気の単価と同じになることから、市場拡大が加速すると見込む。
 08年の世界の太陽電池市場は2兆1118億円だった。昨夏からの景気後退などで需要が急減し、足元の市場在庫は膨らんでいる。09年の販売量は08年並みを維持するものの、単価下落で金額ベースの市場規模は23%減の1兆6300億円になる。10年も需要増より単価減の影響が大きく、08年の水準まで回復しないとみている。本格的な市場拡大は11年からになる見通しだ。



アルゼンチン、地デジに日本方式採用へ ブラジル通信相語る
 【サンパウロ=檀上誠】ブラジルのコスタ通信相は26日、アルゼンチンがテレビの地上デジタル放送に日本・ブラジル方式の採用を決めたと語った。ブラジルの各メディアが伝えた。28日にルラ大統領がアルゼンチンを訪問し、フェルナンデス大統領と署名する見通し。今年4月のペルーに続く採用決定で、南米での普及が進みそうだ。
 ブラジルとアルゼンチンは昨年9月に放送技術協力で合意。日本・ブラジル方式の採用が有力視されていた。コスタ通信相は「ほかにもベネズエラが10月にも決定する」としたほか、チリとエクアドルの採用にも期待を示した。
 ブラジルは2007年末、日本以外では初めて日本方式の地上デジタル放送を開始。その後、「日本・ブラジル方式」として周辺国に放送方式の売り込みを図っていた。コスタ通信相は「放送方式の普及は国内のテレビ産業にとって重要だ」と指摘した。



「ポスドク」などの就業支援、12件を補助 経産省
 経済産業省は博士号を取得した若手研究者(ポスドク)などの就業を支援するため、地域の産学連携事業など12件を補助することを決めた。各事業者はポスドクや企業を離職した技術者などを来年3月末まで受け入れ、研修を通じて研究開発などの知識やノウハウを身につけてもらう。
 補助対象となったのは大阪大学や名古屋工業大学、三重県産業支援センターなど。経産省は合計50~60人に研修機会を与えられるとみており、人件費の3分の2以内を補助する。



携帯で漫画を28ヵ国に配信
NTT西日本発の異端児企業(COLUMN)
 固定電話のNTT西日本の100%子会社ながら、携帯電話へ漫画を配信するサービスで、異彩を放っている企業がある。2004年8月に、NTTドコモの「iモード」向けの漫画配信サイト「コミックi」(公式サイト)を開始して以来、翌05年から08年まで過去4年間連続で2ケタ成長を続けるNTTソルマーレだ。
 社名の由来は、イタリア語で太陽を意味する「ソーレ」と、海を意味する「マーレ」を足した造語で、太陽には新ビジネスに賭ける情熱、海には豊かなコンテンツ配信のプロ集団という想いを込めている。
 実際、公式サイトのランキングでは、ドコモの「iモード」では全部で93ある漫画配信サイトのうち、49ヵ月間トップの座にある。同じく127サイトあるau(KDDI)の「EZweb」でも134週間トップにある、知られざる国内最大手の漫画配信事業者なのだ。
 業績は非公開だが、親会社のNTT西日本の経営幹部がポロリと漏らしたところによると、「売上高は約100億円」というから驚く。すでに、海外でもアップルの「App Store」やノキアの「OVI Store」などを通して、28ヵ国に自前の取引システムで漫画を配信する。
 そもそもNTTソルマーレは、02年の設立時より、盛り場の街頭端末から消費者が各種のデータを取得して携帯端末で楽しむというサービスを手がけて権利処理のノウハウをため込んできた。この頃、漫画界の重鎮で恩人でもある本宮ひろ志氏との接点ができた。
 同社の大橋大樹社長は、当時を振り返る。「最初は漫画の編集者が相手にしてくれなかったが、(本宮ひろ志氏をはじめとした)権利者の作家や代理人の方がたは『小さな画面で読むコマ割の紙芝居形式でも、新たな読者の開拓になるなら……』と協力的だった」。
 大ブレークの追い風となったのは、端末の高機能化、通信の高速化、そしてデータ通信のパケット定額制の導入だった。
 現在、取り扱う約2万タイトルのうち、たとえば『北斗の拳』では格闘場面で端末がバイブして“衝撃度”を演出する。ほかには、昔の名作もあれば、若い女性が書店で買いにくいエッチな漫画もある。登録会員は、男性が約30%で女性は約70%。毎月1万円以上使う人が1万人近くもいるという。NTT発の新ビジネスにしては、珍しく有望でニッチな“成長株”である。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:moblog

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。