Y(゜Д゜)Y新聞

ニコニコ動画モバイル、auの「Wi-Fi WIN」に対応
 ニワンゴは、動画共有コミュニケーションサイト「ニコニコ動画(ββ)」の携帯向けサービス「ニコニコ動画モバイル」において、無線LAN経由でEZwebを利用できるauのサービス「Wi-Fi WIN」に対応した。
 「Wi-Fi WIN」は、auの携帯電話に搭載された無線LAN機能を介してEZwebを利用できるサービス。現時点での対応機種は2009年夏モデルの「biblio」のみ。これまで、EZweb向け「ニコニコ動画モバイル」は、他キャリア版と異なり、Flashを利用してボタンを連打して動画を再生する“手回し式”となっていたが、8月31日からは、Wi-Fi WIN対応機種であれば、無線LAN経由で動画の連続再生が可能になる。
 無線LAN経由でアクセスすることから、ニワンゴでは「パケット通信料も無料になる」としている。



三菱ふそう、日産ディーゼルがバス事業統合
 三菱ふそうトラック・バスと日産ディーゼル工業は31日、バス事業を統合することで合意したと発表した。製造、販売部門を含め、全面的に統合する。国内バスメーカーでは日野自動車といすゞ自動車が製造部門のみを統合している。三菱ふそうと日産ディーゼルが事業統合することで、国内のバスメーカーは実質的2陣営体制となる。
 同日、両社が統合交渉を進めることで覚書を結んだ。両社がバス事業を分離して統合、共同出資会社を設立する。日産ディーゼルは埼玉県上尾市の工場でのバス製造をやめ、三菱ふそうの富山市の工場に集約する方針だ。
 三菱ふそうは独ダイムラー、日産ディーゼルはスウェーデンのボルボの傘下にある。両社は2007年から相手先ブランドによる生産(OEM)供給を段階的に進めるなど、提携関係にある。
 ブランド別の国内商用車メーカーの大中型バスのシェアでは、三菱ふそうが27.5%の2位、日産ディーゼルは12%で4位。統合によりシェアは約40%となり、日野自・いすゞ連合を追走する。



特番は日テレ系が高視聴率 「24時間テレビ」の人気引きずる
 30日に放送した日本テレビ系「24時間テレビ32愛は地球を救う」(午後8時5分~55分間)の平均視聴率が関東地区で31・1%、関西地区で28・7%を記録したことが31日、ビデオリサーチの調べでわかった。マラソンランナーのイモト・アヤコは番組内にゴールできなかったものの、番組をバトンタッチされた「ZERO×選挙2009第1部」(30日午後9時~90分間)の平均視聴率は関東地区で26・4%、関西地区で28・5%をマークした。
 そのほかの選挙特番では、NHK総合「衆院選2009開票速報」は、関東地区では同日午後7時55分~65分間が平均視聴率24・7%、関西地区では同日午後10時~50分間が同19・0%で最高だった。
 またテレビ朝日系「選挙ステーション2009第2部」(同日午後10時~90分間)の平均視聴率は関東地区で12・0%、関西地区で13・5%、TBS系「乱!総選挙2009・第2部」(同日午後9時30分~120分間)の平均視聴率は関東地区で9・5%、関西地区で8・5%、フジテレビ系「FNNスーパー選挙2009 審判の日」(同日午後9時30分~120分間)の平均視聴率は関東地区で8・5%、関西地区で6・9%、テレビ東京系「ニッポン戦略会議~あすへの提言~・第1部」(同日午後7時57分~231分間)の平均視聴率は関東地区で2・4%、関西地区で1・6%だった。



LG、15インチ有機ELテレビを11月に発売
 韓国のLG Electronicsは8月30日、15インチ有機ELテレビを9月に発表することを明らかにした。商用モデルではこれまでで最大という。
 自己発光素材を使ったアクティブマトリックス方式有機EL(AMOLED)ディスプレイは、バックライトが必要な液晶ディスプレイよりも画質が高く、消費電力が少なく、薄型だ。
 だが有機ELディスプレイは高額なため大量生産には至っておらず、市場では比較的安価な液晶ディスプレイが優勢だ。有機ELはハイエンド携帯電話分野には進出しているが、この技術をPCやテレビに応用するためのコストはまだ非常に高い。
 ソニーは2007年後半に世界初の有機ELテレビを発売したが、その後まだ新しいモデルを出していない。
 LGは声明文で、15インチAMOLEDテレビを9月に独ベルリンで開かれる家電展示会IFA 2009で発表すると述べている。このテレビは韓国で11月に、2010年に他地域で発売されるという。
 LGによると、調査会社DisplaySearchの予測では、有機ELテレビの出荷台数は2011年に32万台、2013年に233万台に達するという。
 「遠くない将来に40インチ級(有機EL)製品を発表する計画だ」とLG幹部は語っている。



7月新設住宅着工は‐32.1%、建設工事受注額は最大の下げ幅
 国土交通省が発表した7月の新設住宅着工戸数は、前年比32.1%減の6万5974戸となり、8カ月連続で減少した。季節調整済み年率換算は74万6000戸だった。
 分譲マンションの着工は3961戸と過去最低の水準を更新したほか、大手50社の建設工事受注額は前年比42.8%減と過去最大の下げ幅となるなど、厳しい状況が続いている。
 住宅着工は持ち家、貸家、分譲住宅ともに減少。なかでも分譲マンションの着工水準の低さが目立ち、国土交通省では、在庫調整局面が続いていることも、新規着工の抑制要因になっていると分析している。
 今後の新設住宅着工戸数について、国土交通省では「先行きは雇用・所得環境の悪化から、当面は厳しい状況が継続する」とみている。



au、ニュース速報「EZニュースEX」のEZweb版
 KDDI、沖縄セルラー、テレビ朝日、朝日新聞社は、情報配信サービス「EZニュースEX」EZweb版の提供を9月1日から開始する。
 「EZニュースEX」は、「EZニュースフラッシュ」の内容を拡張したニュース・情報配信サービス。一斉同報配信機能「BCMCS(Broadcast/Multicast Services)」と、緊急地震速報などで導入されている一斉配信機能「ブロードキャストSMS(Broadcast SMS:BSMS)」を利用し、速報性の高いニュースが提供される。「biblio」「T002」で利用可能で、今後対応端末が拡大される予定。



米地方紙発行のフリーダム・コミュニケーションズ、破産申請へ
 ウォールストリート・ジャーナル紙は30日、米カリフォルニア州の新聞・テレビ放送会社フリーダム・コミュニケーションズが今週、破産を申請すると報じた。
 同社はJPモルガン・チェース、サントラスト、ユニオン・バンク・オブ・カリフォルニアなどの債権銀行と債務再編で合意。破産保護の下で経営を続けるという。
 同社はカリフォルニア州の地方紙オレンジ・カウンティー・レジスターなど日刊紙30紙以上を発行しているほか、テレビ局8局を所有している。



首相、自民党総裁辞任を正式表明 「解散時期間違ってなかった」
 麻生太郎首相は31日、自民党本部で記者会見を開き、歴史的惨敗に終わった衆院選の責任をとって党の総裁を辞任することを正式に表明した。首相は衆院選の結果について「全国で応援してもらった有権者の方々に大変申し訳ない。速やかに開かれた総裁選を行い、新たなスタートを切るべきだと思っている」と語った。同時に衆院選の敗因や今後の党運営の方針を検討する場を設定する意向も示した。
 総裁選の時期については「拙速に総裁が選ばれることは党の再生にとってよくない」と述べ、特別国会での首相指名選挙後に行うべきとの考えを示唆した。自身の総裁選への立候補に関しては「今の段階では全く考えていない」と語った。
 麻生太郎首相は31日、自民党本部での記者会見で、衆院選の敗因について「格差の問題など社会問題に効果的に対応できない自民党政治への不満があった。私自身への不満が党内外にあった」と語った。7月までずれこんだ衆院解散の時期に関しては「景気対策を優先させた判断は間違っていなかった」と述べた。



自民党総裁選、「9月28日投開票」で調整
 自民党は31日の役員会で、麻生太郎首相(党総裁)の後継総裁を選出するための総裁選を「9月18日告示―28日投開票」の日程で実施する原案を決めた。9月4日に全国幹事長会議を、8日に両院議員総会をそれぞれ開いて日程を正式決定したい考えだ。
 ただ、9月中旬にも召集される首相指名選挙のための特別国会で、自民党としては麻生氏に投票することになるため、党内では反発や総裁選の早期実施を求める声がくすぶっている。



自民党総裁選、調整続く 「ポスト麻生」舛添・石原氏ら浮上
 自民党は31日、衆院選大敗を受け、麻生太郎首相の後継総裁選びを本格化した。石破茂農相が総裁選出馬について「皆さんと相談しないといけない」と意欲をにじませたほか、舛添要一厚生労働相、谷垣禎一元財務相、石原伸晃幹事長代理らも候補に浮上している。ただ党所属衆院議員が公示前の約4割に激減した衝撃は強く、総裁選の時期や手法をめぐる調整は難航する可能性もある。



民主党勝利「明治維新と戦後復興に並ぶ」 豪紙が報道
 【シドニー=高佐知宏】31日付の豪有力紙オーストラリアンは1面で大きく民主党の「地滑り的勝利」を伝え、今回の政権交代を「明治維新と戦後復興に並ぶ出来事」と解説した。
 この中で同紙は「(次期首相となる)鳩山氏の大衆迎合的な経済政策は危険を伴う」と述べ、民主党政権が市場経済から一定の距離を置く可能性を示唆。日豪間の懸案である経済連携協定(EPA)交渉については「鳩山氏が貿易の完全自由化に踏み切るとは考えにくい」としながらも「妥結に向け多少、譲歩するかもしれない」との見方を示した。
 外交面では「米国からより独立した立場をとるだろう。豪州とは緊密な関係が続く」との見方を示した。



民主、社民・国民新と連立協議へ 特別国会、9月半ば
 民主党は31日、衆院選での勝利を受け、政権移行作業に着手した。鳩山由紀夫代表は同日中に社民、国民新両党などとの連立政権協議を呼びかける意向。特別国会は9月14日の週になる見通しで、首相指名選挙による鳩山内閣発足後、直ちに予算や外交、教育の基本方針を策定する「国家戦略室」を設置。衆院の正副議長や常任委員長などの選出に向けた各派協議会も週内に開始する方針だ。
 鳩山氏は31日朝の報道各社のインタビューで、社民、国民新両党との連立協議について「両党がどのようなことを望み、共同して行動できるかを見定めながら、最終的な結論をできるだけ早くつくり上げていきたい」と表明。新党日本にも「当然協力関係の中で行動していただけると思っている」と語った。民主党は同日午後に党本部で鳩山氏ら幹部が今後の人事や政権移行の進め方について協議する。



次期参院選、小沢氏に実権 引き続き選挙担当
 民主党の鳩山由紀夫代表は31日午前、9月中旬の政権発足に向けて閣僚と党執行部人事に着手した。小沢一郎代表代行を引き続き党の選挙担当ポストに充てる意向で、来年夏の次期参院選でも小沢氏が選挙対策の実権を握る。ともに党を支えてきた菅直人代表代行と岡田克也幹事長も重要閣僚か党の要職に起用する方針だ。「子ども担当相」の新設のほか、民間からの閣僚起用も検討する。
 鳩山氏は31日朝の報道各社のインタビューで、小沢、菅、岡田各氏の処遇について「中心的な役割をこれからも果たしてほしい」と表明。「能力が最大限発揮できるような形で仕事をしてもらいたい」とも語った。
 閣僚人事を巡り、民主党内では当初、官房長官や財務相、外相など主要閣僚を先に内定し、「政権移行チーム」で組閣構想を練る案が検討されていた。しかし、鳩山氏はインタビューで「(9月中旬にも想定される)首相指名の前後に一気につくり上げていきたい」との考えを示した。
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(゜Д゜;)y─┛~~新聞

ピッチのウィルコムが大ピンチ 社長更迭も前途多難(COLUMN)
 ピッチのウィルコムがピンチだ。国内で唯一、PHS事業を手掛けるが、契約数の減少に歯止めがかからない。26日には、筆頭株主である投資ファンドの米カーライルにより、喜久川政樹前社長が事実上解任され、経営も迷走している。来月にも開始される次世代通信サービスに賭けるが、その前途は多難だ。
PHSを愛する男
 日本の通信業界を代表する“名物”社長は静かにその職を辞した。記者会見も開かれず、短いプレスリリース一枚が発表されただけだった。喜久川氏は副会長に退き、ソニー出身の久保田幸雄氏が後任に就く。
 「PHSを心から愛する男」。業界関係者は、トレードマークのるスキンヘッド姿でウィルコムを引っ張ってきた喜久川氏のことをこう呼ぶ。
 早稲田大学卒業後、第二電電(現KDDI)に入社。その後、ウィルコムの前身であるPHS事業のDDIポケットに出向する。京セラとカーライルがDDIを買収し、ウィルコムと名を変えた後も残った。平成18年10月には、NTTや電力系事業者が相次ぎPHS事業から撤退する中、日本で唯一のPHS事業者となったウィルコムの社長に43歳の若さで就任する。
 出足は好調だった。音声・データ通信の定額プランや、17年に発売した国内初のスマートフォン(高機能携帯電話)「W-ZERO3」が好調で、社長就任から半年後の19年4月には、新規契約数から解約を引いた純増数が500万件超を記録した。
携帯各社が猛攻撃
 しかし、好調は長くは続かない。ウィルコムの強みである音声とデータの定額サービスを照準に、携帯電話各社が猛烈な攻撃を仕掛けてきたことから、ウィルコムの契約件数は減少に転じる。
 攻撃の口火を切ったのはソフトバンクモバイルだ。19年1月に月額980円の安さで午前1時から午後9時まで契約者同士の通話が無料になる「ホワイトプラン」を開始。月額2900円で24時間無料で通話できるサービスを展開していたウィルコムに強烈な打撃を与えた。ソフトバンクはその後、契約純増数で首位をひた走ることになる。
 データ通信でも携帯各社の猛攻を受けた。先行するウィルコムに対し、19年後半までに携帯各社も相次ぎ月額5000円程度の定額サービスを開始。通信速度も毎秒3メガ(メガは100万)ビット超と、数百キロビットのウィルコムよりも大幅に速く、顧客の流出が加速した。
 さらに新参組のイー・モバイルが20年7月に、データ通信サービスを契約すれば小型パソコンを事実上無料でもらるキャンペーンを開始。ウィルコムもPHSの通信機能を搭載し、パソコン同レベルの機能を持つ小型携帯端末「ウィルコム D4」を発売したが、圧倒された。
起死回生なるか
 ウィルコムが、起死回生を賭けるのが10月に商用サービスを開始する次世代無線通信サービス「XGP」だ。19年12月にNTTドコモやソフトバンクと競り合いの末に、総務省から事業免許を取得した。XGPは毎秒20メガビットの高速通信が可能な技術で、速度の遅さに泣き続けたウィルコムにとり待望の切り札だ。
 だが、見通しは楽観できない。同じ高速無線通信ではKDDI系のUQコミュニケーションズが7月からすでに商用サービスを開始。さらに、来年には携帯各社が、毎秒100メガビット超の高速通信サービスを始める。ウィルコムは、両者の間で埋没しかねない危険性がある。
 XGPのもう一つの狙いだった海外展開でも、最有力市場と目された中国で政府がXGPの基盤技術であるPHSではなく、携帯電話を重視する姿勢を表明する誤算に見舞われた。
 5月には喜久川社長が当時の鳩山邦夫総務相らと中国を訪問し、現地企業とXGPの共同研究を行うことで合意したが、どれだけ市場に食い込めるのか、不安は尽きない。
業を煮やしたファンド
 PHS事業が先細りし、XGPの先行きも不透明となるなか、業を煮やしたカーライルの下した決断が、人事の刷新だった。
 喜久川氏の後任の久保田氏は、カーライルの強い意向で社長就任が決まった。カーライルの安達保氏自らが会長に就くことからも、そのいらだちがうかがい知れる。
 人事が公表された際、今春にも実施されると報じられていたカーライルによる増資がいまだに行われていないことも明らかになった。増資はXGPのインフラ整備に必要な資金の調達が目的とされてきた。
 「ウィルコムに追加出資するため、カーライルが米国の親会社を説得する材料として今回の人事刷新を断行した」との見方がもっぱらだ。
 ただ、ファンドであるカーライルは、投資回収のため、いずれかのタイミングでウィルコム株を売却する。「追加投資のかさむXGPサービスにどこまで本気で取り組むつもりかわからない」と、その真意をいぶかる声もある。
 ウィルコム側は今回の人事について、「XGP開始に向けた経営の強化策」と強調。副会長に退いた喜久川氏も「引き続き経営に参画する」と説明する。
 だが、XPGサービスが伸び悩めば、カーライルが早々に見切りをつけ、売却による投資回収を急ぐ可能性も否定できない。ピッチを愛した喜久川氏が心血を注いできたウィルコムは、まさに正念場を迎えている。



日経社説 変化求め民意は鳩山民主政権に賭けた(8/31)
 政権交代の是非が最大の焦点となった第45回衆院選は、民主党が圧勝した。来月中旬にも召集される次期特別国会で鳩山由紀夫民主党代表が新首相に選ばれる。有権者は「変化」に賭け、民主を中心とする新政権に国政のかじ取りをゆだねた。
 1955年の結党以来、ほぼ一貫して政権の座にあった自民党は、衆院でも第2党に転落し、下野する。2005年の前回衆院選と立場が逆転する歴史的な惨敗を喫し、議席数は過去最低となった。麻生太郎首相は党総裁を辞任する意向を表明した。自民と連立を組んできた公明党も大幅に議席を減らした。
初の本格的な政権交代
 93年に細川非自民連立政権が誕生した時とは異なり、今回の衆院選は第1党と第2党が入れ替わる形の本格的な政権交代である。現行憲法下で選挙による本格的な政権交代は初めてのことだ。
 選挙戦は野党の民主が終始、優勢を保つ異例の展開になった。事前の情勢調査で「民主圧勝」の予測が出ていたとはいえ、結果は衝撃的である。小選挙区、比例代表のいずれも民主が自民を圧倒した。小選挙区では民主の新人や元職が自民の大物を破り、続々と勝ち名乗りを上げた。有権者の関心は高く、投票率は前回(67.51%)を上回る見通しだ。
 自民は4年前の郵政選挙で圧勝したが、党則を理由に小泉純一郎首相が1年で退任し、後を継いだ安倍晋三、福田康夫両首相はともに1年で政権を投げ出した。07年の参院選で大敗し、参院第1党の座を民主に明け渡した。その後は衆参ねじれ国会の運営に苦しめられた。
 昨年9月の総裁選で「選挙の顔」として選ばれた麻生首相は、リーマン・ショックを契機とする経済・金融危機への対応を最優先し、景気対策に取り組んできた。だが自らの失言や政策決定の迷走で内閣支持率は低迷し、党勢回復のきっかけをつかめぬまま、衆院議員の任期満了直前に解散に追い込まれた。
 半世紀余り続いた自民党政治への飽きとともに、前回の衆院選以降に顕著となった自民の統治能力の劣化が有権者の離反を招いたといえる。年金の記録漏れ問題などの行政の不祥事が相次いで表面化した。前回選挙では小泉首相の郵政民営化への執念が有権者の共感を呼んだが、小泉氏の退任後は、なし崩し的に構造改革路線の転換が進んだ。
 民主は現状に不満を持つ層を広く吸収して、政権交代への期待を高めるのに成功した。マニフェスト(政権公約)では「官僚丸投げの政治」からの転換を掲げ、政治主導を前面に打ち出した。行政刷新会議を新設して予算の無駄を徹底的に排除するなどの、既得権益に切り込もうとする姿勢が支持されたとみられる。
 民主は政府と与党の二元的な政策決定の仕組みを改め、内閣の下に一元化する方針を打ち出している。政権の司令塔となる国家戦略局をはじめ法改正が必要な構想も多く、軌道に乗せるための現実的な工程表が要る。統治機構の改革への有権者の期待にこたえるには、鳩山氏が強い指導力を発揮して政権の課題を明確にし、閣僚や副大臣に能力のある政治家を配することが不可欠だ。
 新政権は発足後直ちに来年度予算編成に取り組まねばならず、政権公約を実現する力が試される。政権公約には月額2万6000円の子ども手当などの目玉政策を列挙したが、財源の裏づけははっきりしないままだ。鳩山氏は民主の政策に欠けている日本経済の成長戦略や財政再建目標などの中・長期ビジョンについても、所信表明演説などできちんと説明する責任を負っている。
 民主は社民、国民新両党との連立政権を目指す方針だ。外交・安全保障政策では社民と大きな溝がある。連立を優先するあまり、政策面で安易な妥協をせぬよう求めたい。
自民は解党的出直しを
 来月下旬には国連総会などの重要な外交日程が目白押しだ。それまでに新内閣を発足させなければならず、政権移行の時間は極めて限られている。鳩山氏は記者会見で、首相指名後に閣僚人事を決める考えを示したが、官房長官などの主要閣僚は速やかに内定し、準備を急ぐ必要がある。自民も政権交代が円滑に進むよう協力しなければならない。
 かつてない敗北となった自民の今後はいばらの道だろう。党の有力者の落選が相次ぎ、人材難は深刻である。政党助成金が大幅に減るのは避けられず、党財政にも甚大な影響が及ぶのは必至だ。
 この機会に党組織や候補者選考方法などを抜本的に見直し、新たな党の姿を探るしかない。麻生氏の後継を選ぶ総裁選で党の再建策を徹底的に議論し、有権者の信頼を取り戻すよう努めるべきだ。政権交代可能な二大政党制を定着させるために、自民は文字通りの「解党的出直し」に取り組む覚悟が求められている。
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