(゜Д゜)y-~~~新聞

ドコモの開放戦略 勝算は 「軒先貸し」に潜む危うさ(COLUMN)
 NTTドコモがシャープやパナソニックなど日本の家電・半導体メーカー5社と携帯電話の基幹ソフトの統一に乗り出した。動画や音楽の再生機能を共通化し、次世代端末に搭載する。米アップルに対抗し、オープンな技術基盤を広める狙いだが、「ガラパゴス」と呼ばれる閉そく状況を果たして打ち破れるのか。
 「各社が共同することが大切。日本メーカーの国際競争力もつけられる」。ドコモの山田隆持社長は先週、2009年度決算の発表で基幹ソフトを統一する意義をこう強調した。各社バラバラな開発体制では技術基盤が広がらず、コスト的にも海外メーカーに負けてしまうというわけだ。
 実は同じせりふを10年前にも当時の立川敬二社長が言っていた。第3世代携帯電話や「iモード」の技術規格をまとめ、海外の通信会社にも出資し、採用を働きかけた。だが、結果は大幅な投資損。海外戦略の失敗はかえってガラパゴス化を促す結果となった。
 一方、勝ち組のアップルはどうか。携帯分野は新参者だが、ネット音楽配信を武器に「アイフォーン(iPhone)」で参入。iモードに代わる事業モデルを見事に世界へ広めた。
 ドコモもアップルも唯我独尊的な会社だが、ドコモがメーカーやコンテンツ会社を囲い込んだのに対し、アップルは世界の通信会社と組み、情報配信基盤も開放して成功した。山田社長がことあるごとに「今度は皆さんと手を携えていく」と言うのはそのためだ。
 特にドコモは今年末、世界に先駆け「LTE」と呼ばれる次世代高速データ通信端末を投入する。第3世代携帯やiモードと同じ過ちを繰り返さぬようにという思いがある。
 しかし、今回集まったメーカーの顔ぶれには不安もある。ドコモに端末を納める国内メーカーで、かつての「電電ファミリー」ならぬ「ドコモファミリー」といえる企業ばかりだ。半導体メーカーもルネサスエレクトロニクスと、「オールジャパン」で固めている。
 アップルが奪ったのはドコモのiモードだけではない。ソニーも「ウォークマン」の携帯音楽プレーヤー事業を「iPod」に奪われた。ソニーエリクソンは主にKDDI(au)に端末を供給するが、もしドコモが本当にアップルに対抗するなら、ソニーもメンバーに加わるべきである。
 もっともドコモが新しい基幹ソフトに社運をかけているかといえば、それにも疑問符が付く。先月発売したスマートフォンの「エクスペリア」(ソニーエリクソン製)は米グーグルの基本ソフト「アンドロイド」を使用。5月発売予定のアップルの新端末「iPad(アイパッド)」にも通信回線を提供する計画だ。
 世界の各社と協調するドコモの戦略はオープンには違いないが、一歩間違えば、同社に追従してきた国内メーカーの居場所を奪いかねない。山田社長は「次はiモードメールをスマートフォンに対応させる」というが、軒先を貸して母屋を取られぬよう、周到なかじ取りが求められる。



米航空2社が合併承認 世界最大手が誕生へ
 米航空3位のユナイテッド航空の親会社UALと同4位のコンチネンタル航空がそれぞれ2日、取締役会を開き、両社の合併を承認した。米メディアが報じた。3日にも正式発表する。当局の承認が得られれば、最大手のデルタ航空を抜き、世界最大級の航空会社が誕生する。合併後の社名はユナイテッドとする。
 米航空会社は競争激化や燃料費高騰で苦戦しており、両社は合併で経営効率化を進め、勝ち残りを目指す。今後、世界規模で航空再編が加速する可能性がある。
 米航空大手は新ユナイテッド、デルタ航空、アメリカン航空、USエアウェイズの4社体制となる。
 合併後の本社は、現在ユナイテッドが本拠を置くシカゴとし、会長に同社の最高経営責任者(CEO)のティルトン氏が、CEOにはコンチネンタルCEOのスマイゼック氏が就く。



社債保証の基金創設へ…ASEANプラス3
 【タシケント=五十棲忠史】東南アジア諸国連合・日中韓(ASEANプラス3)財務相会議が2日、ウズベキスタンの首都タシケントで開かれ、「東アジア経済は、世界で最初に健全な回復を見せ、世界経済の牽引(けんいん)役を担っている」とする共同声明を採択し閉幕した。
 会議では、社債市場を活性化させて中長期の投資資金を呼び込むため、7億ドル(約660億円)の基金を創設することが決まった。民間企業がアジア諸国で発行する現地通貨建ての社債に保証を付ける。投資家が社債を購入しやすい環境を整え、企業の新興国への投資を促進させる。7億ドルのうち、日本は2億ドル(約190億円)を国際協力銀行が出資する。また、2011年5月までに、域内の経済状況を監視・分析するための調査機関をシンガポールに設置する方針も確認した。



露とノルウェー40年の争いに幕…海域境界
 【モスクワ=山口香子】ロシアとノルウェーは約40年前から争ってきた、石油や天然ガスが豊富なバレンツ海の境界を画定することで基本合意した。
 メドベージェフ露大統領が4月27日、訪問先のオスロでストルテンベルグ・ノルウェー首相と会談した際、同海域を両国がほぼ同じ面積で分割する境界線を引くことで一致した。
 ロシアとノルウェーは同海の約17万5000平方キロ・メートルの海域について、1970年ごろから自国の権益を主張し対立してきた。この歴史的な合意は、北極圏のエネルギー開発という戦略的な利益を重視し、両国が歩み寄ったものだ。
 露紙コメルサントによると、バレンツ海の係争海域には、推計で地球上の原油埋蔵量の1%があるとされる。この開発についてメドベージェフ大統領は「(ノルウェーとの)合弁事業による開発が最善だ」と述べた。
 北極圏では近年、開発技術の発達や温暖化の影響で氷が解けたことにより、周辺国が資源開発の動きを活発化させている。海域の分割をめぐる争いに終止符を打つことで、ロシアとノルウェーの資源の共同開発に弾みがつく可能性がある。
 ロシアは旧ソ連時代から自国に有利な境界を求めていた。海域をほぼ二等分する今回の合意はロシア側が妥協したことを示し「ロシアの新しい柔軟路線の一環」(英紙フィナンシャル・タイムズ)との指摘もある。
 ロシアは最近、ポーランドやウクライナなど近隣諸国との友好関係を強化する動きを見せている。



ギリシャ、財政再建の前途多難
 ユーロ圏と国際通貨基金(IMF)がギリシャ支援で最終合意し、欧州経済を揺るがしたギリシャ問題は大きな節目を迎えた。
 ただ、放漫財政を放置し続けたギリシャに対するユーロ圏各国の姿勢は厳しい。一方で、支援と引き換えに大規模な財政赤字削減という痛みを強いられるギリシャ国民の怒りも激しく、財政再建の前途は多難だ。
 ギリシャのパパンドレウ首相は2日の臨時閣議で、「年間600億ユーロ(約7・4兆円)を借り入れる必要がある。ギリシャにとって犠牲は大きいが、破産は避けなければいけない」と国民に理解を求めた。
 独仏などユーロ圏各国にとって、今回の金融支援は国内世論向けに支援を正当化する必要があり、苦渋の決断でもあった。厳しい財政再建を迫ったのもこうした背景がある。
 ギリシャのメディアが「ナイフと贈り物」と称した今回の支援策と引き換えに、ギリシャでは付加価値税(VAT、日本の消費税に相当)の税率引き上げや80万人にのぼる公務員の年収の最大約3割削減が行われ、年金の受給額も最大30%カットされる見通しだ。
 欧州連合(EU)は当初、ギリシャの2010年の経済成長率をマイナス0・3%と見込んでいた。しかし、消費の落ち込みでマイナス4%に悪化する見込みだ。
 EUの執行機関・欧州委員会のバローゾ委員長は2日、「財政再建策に合意したことを歓迎する。信頼できる中身であり、ユーロ圏の安定に資するものだ」との声明を発表した。
 だが、首都アテネでは、「IMFは出て行け」などの横断幕を手に激しいデモが連日繰り広げられている。5日には官民の労働組合による24時間ストライキが予定され、国民の抵抗は激しい。
 これに対し、最大の負担国となるドイツでも、国会議員から「ギリシャをユーロ圏から追放しろ」と過激な声が上がるなど、支援への批判は強い。国内世論に配慮し、民間にも10億~20億ユーロを負担してもらう方向で調整しているほどだ。
 今回の支援には、「通貨ユーロを守る」(メルケル独首相)という重要な狙いがあるが、ポルトガルなど財政が悪化するユーロ圏の他国に影響が波及する懸念が残り、ユーロが安定するかは不透明だ。
 泥縄式に支援を続けていけば、金額は5000億ユーロ(約62兆円)規模に達するとの見方もあり、ギリシャ支援の成否は、ユーロ圏の信認維持に向けた試金石となりそうだ。



記者の目◇富士通、ガバナンスと業績は別物か
 富士通の業績が急回復している。4月30日に発表した2010年3月期の連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が前の期比37%増の943億円。最終損益は930億円の黒字と、前の期から2000億円超の改善だ。IT(情報技術)システムで約1300億円の営業利益を稼ぎ出したうえ、携帯電話やパソコンも黒字を確保した。何よりも半導体など電子部品の赤字が631億円縮小した。野副州旦元社長との辞任を巡る争いが混迷しているが、ガバナンスと業績は別物なのだろうか。
 「構造改革の効果もあり、業績はかなり改善してきた」。同日の決算会見で、加藤和彦最高財務責任者(CFO)はこう総括した。製造業や金融はIT投資を手控えているが、官公需や医療などの顧客を手堅く取り込み、本業は高水準の利益を維持する。さらに富士通の業績を不安定にしてきた電子デバイスは87億円の赤字と大きく改善。「改革効果に加え、下期以降は需要が戻ってきた」(加藤CFO)ためだ。
 11年3月期も回復は急ピッチだ。営業利益はほぼ2倍の1850億円を計画。前期に計上したファナック株などの売却益(約900億円)が無くなっても、純利益は2%増の950億円を見込む。電子デバイスは黒字化し、システム事業は増益の予想だ。
 同日、会見した山本正已社長は野副元社長の問題に関し「大変ご迷惑をおかけした」と陳謝したうえで、「業績への懸念をもたれるかもしれないが、本業については全く問題ない」と話した。その言葉通りの業績回復だ。社長辞任を巡る混乱と、その後の開示情報の訂正を考えれば、富士通のガバナンスに及第点は出せない。前期の利益だけを見ればガバナンスに多少の問題があっても、業績とは関係ないということになる。
 前期の決算を詳細に見ると興味深い点がある。1つはキャッシュフローの改善だ。純現金収支は3000億円弱の黒字と、一年前より2700億円改善した。半導体の最先端製品を台湾企業に委託生産する方針を決め、1000億円単位の投資が必要な半導体のリスクと決別した。東芝などに売却したハードディスク駆動装置も同様だ。絶え間ない投資競争が必要な電子部品事業の抜本改革で、本業で稼いだ資金が手元に残るようになった。
 これによって財務が改善した。余剰資金を借金返済に回した結果、有利子負債は5774億円と1年間で3060億円減少した。手元資金と差し引いたネットの有利子負債は1572億円にまで減少。財務体質は極めて良好となった。
 「だいぶ分かりやすい会社になっただろう」。辞任前の野副元社長は富士通の現状をこう説明していた。電子部品からITシステムに経営の軸足を移すというシンプルな改革を実行したのは野副元社長だ。通信機器メーカーとして出発した富士通は伝統的に生産現場の力が強いといわれる。これまでは社内の反発を懸念してか改革は遅れがちだった。それを野副元社長が次々と実行に移した。10年3月期に業績が回復し、財務体質が改善した理由の多くは野副時代の改革に求めることができる。
 山本社長は「改革のスピードは緩めない」として改革路線を継続する考えを示し、ネット経由でサービスなどを提供する「クラウドコンピューティング」で世界市場の開拓を進める方針だ。しかし、辞任問題の真相が何であれ、野副時代のスピード経営は過去の富士通に足りなかったのは事実だ。ガバナンスが業績にどの程度、影響するのかは現時点では分からない。野副元社長以上に改革のスピードを上げ成長を加速させることを、株式市場は富士通に求めている。



中国新聞社説
憲法と国民投票 暮らしを通し考えたい'10/5/3
 政治や経済を動かす「大きな人間」は、時として戦争をやろうとする。だが、それを実際にやらされるのは「小さな人間」だ―。
 先日、作家の沢地久枝さんが広島市での講演で紹介した故小田実さんの言葉である。同じ昭和一けた生まれで、憲法を守る「9条の会」を一緒に立ち上げた。
 「大きな人間」たちのつくった国民投票法が18日に施行される。衆議院なら100人以上、参議院では50人以上の議員がそろえば憲法改正案を発議できる。両院それぞれで3分の2以上の賛成を得られれば国民投票にかけられ、過半数の賛否で決まる。
 もとより憲法は不磨の大典ではない。改正要件を定めた96条を置いているように、時代に合わせた見直しが必要なこともあろう。
 その具体的な手続きを盛り込んでいるのが国民投票法である。ただあいまいな点も目立ち、未完成の感は免れない。
 最大の問題が「投票総数の過半数が賛成なら国民の承認とする」としていることだ。最低投票率の定めがないので、投票率が40%にとどまれば全有権者の20%余りの賛成でも改憲が可能になる。
 有権者の年齢を「18歳以上」とした点も、合意が得られているとはいえない。一般の選挙や民法の成年年齢である「20歳以上」との整合性を問う声もあるからだ。
 さらに、政党などが行う有料の意見広告については期間を除いて規制を設けていない。広告量によって国民の判断が左右されかねない事態も想定されそうだ。
 これらは法成立時に「法施行までに必要な検討を加える」と付帯決議された。だがほとんど議論は進まず今日に至っている。日本弁護士会連合会が施行延期を求める会長声明を出したのも、こうした事情を受けてのことだろう。
 国民の側も、いま直ちに憲法を改正すべきだという差し迫った事態ではない。ならば、ここは立ち止まって問題点を一つ一つ整理していくべきではないか。
 もちろん、それは憲法を考える必要がないということではない。
 3年前、国民投票法を成立させたのは戦後体制からの脱却をうたう安倍政権だった。しかし同じ年の参院選では惨敗。争点に掲げようとした改憲論議もいまひとつ深まらなかった。
 昨年の政権交代で発足した鳩山政権はどうだろう。護憲の立場の社民党が与党に入り、憲法論議が活発化するムードはない。衆参両院の憲法審査会も休眠状態が続くなど事実上の棚上げだ。
 保守色を強める自民党は参院選をにらみ、民主党との違いを鮮明にしようとしている。旗揚げした二つの新党も憲法改正を基本政策に挙げる。この先、憲法論議が浮上する可能性もあろう。
 「小さな人間がみんなで嫌だと言えば、大きな人間は何もできない」と小田さんの言葉は続く。憲法は遠い存在でなく、日々の暮らしの中に生きている。それを変えるかどうかの鍵を握るのは私たちにほかならない。
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(#゜Д゜)/新聞

アジア家電、日本に攻勢 国内メーカーに再編圧力
ハイアールが洗濯機2割安、LGも専用機種
 アジアの電機大手が日本市場に攻勢をかける。白物家電で世界最大手の中国・海爾集団(ハイアール)は日本で一般的な中・大型の洗濯機や冷蔵庫を日本メーカーより1~2割安い価格で発売する。韓国・LG電子も2011年度に日本専用の洗濯機を投入する。価格競争力のあるアジア勢は、品質でも日本勢に急接近しており、日本の消費者が低価格志向を強める今が好機と見ている。アジア勢の攻勢は大手5社以上がひしめく国内電機市場の再編を加速する可能性がある。
 ハイアールは5月末に容量9キログラムの全自動洗濯機を日本で発売する。日本メーカーの同クラス製品と比べ1万円程度安い6万円台とする予定。秋には日本向けにデザインした中型冷蔵庫を1、2機種を投入。価格は日本メーカーより1~2割安くする。
 大手の家電量販店やホームセンターで販売し、メーカー保証期間は日本メーカーと同じ1年とする。故障対応などのアフターサービスは提携している三洋電機の子会社が担当する。
 同社は今シーズンからプロ野球、埼玉西武ライオンズのスポンサーになるなど、2010年度は広告宣伝費を前年度比3割増やした。10年度の日本での売上高は前年度比3割増の100億円を目指し、13年度には200億円以上に引き上げる。
 ハイアールの世界売上高は09年が約182億ドル(約1兆7100億円)。冷蔵庫、洗濯機はともに生産台数で世界首位。家庭用エアコンも3位につけている。
 韓国のLG電子は日本専用機種の開発に着手した。日本で人気の斜めドラム式の大型洗濯機を投入する。11年度上期中の発売に向け販売チャネルも拡大する。現在取引している大手家電量販店3社以外の数社と交渉に入った。
 携帯電話では台湾のHTCが4月末、ソフトバンク向けに有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)を搭載した最新型の高機能機「Desire」を発売した。同社はNTTドコモにも高機能機を供給しており、09年度は国内高機能携帯市場で11%のシェアを獲得、米アップルに次ぐ2位につけている。
 日本の白物家電の09年度の国内出荷額は前年度比3.5%減の約1兆9800億円の見通し。エ今後も人口減で市場縮小が続く見通しだ。09年度4~12月期、日本メーカーの白物家電部門の営業損益は5社中2社が赤字とみられ、成長市場の新興国でもアジア電機大手に出遅れている。
 08年には三菱電機が洗濯機事業から撤退。09年には東芝グループが、冷蔵庫など主要製品の国内での生産をやめたが、まだ再編は不十分との見方が強い。
 新興国市場で力をつけたアジア電機大手が日本の家電市場に攻勢をかけることで販売競争は一段と激化し、国内家電メーカーの再編が進む可能性もある。



DeNA、SNS向けゲーム開発者の中途採用140人
 携帯電話向け交流サイト(SNS)運営のディー・エヌ・エー(DeNA)は、SNS向けのゲーム開発者を中心に採用を増やす。中途採用で140人程度を採用する。ゲームの企画・デザインや、サーバーやネットワークシステムの開発力を強化する。2010年度採用はすでに入社した新卒社員が約60人。これに加え140人規模を中途採用し、年度全体で200人とする。09年度の採用は約50人だった。



三洋、電池分野に2000億円投資 12年度までに量産
 三洋電機が2012年度までの3年間に充電池と太陽電池分野で2000億円前後の設備投資を計画していることが明らかになった。経営資源を成長分野の環境エネルギーに集中する。親会社のパナソニックとの重複事業を段階的に解消し、事業効率を改善。12年度の連結営業利益(米国会計基準)を09年度推定の約2.8倍の900億円まで引き上げる計画だ。
 11日に発表する10~12年度の中期計画に盛り込む。3年間の設備投資は総額で2900億円程度とする予定で、約7割を充電池と太陽電池の生産能力拡大などに充てる。10年度までの3カ年計画では両分野に約1900億円の投資を見込んでいた。
 環境対応車用の充電池では現在主力のハイブリッド車向けに加え、プラグインハイブリッド車や電気自動車向けのリチウムイオン電池も12年度までに量産を始める方針だ。
 兵庫県加西市の生産拠点などを増強し、環境車用の充電池で20年度に世界シェア40%を目指す。携帯電話やパソコンなど民生用リチウムイオン電池は高容量商品を開発する。
 大阪府貝塚市や島根県雲南市で製造している太陽電池も生産能力を拡大し、住宅向けを中心に販売を増やす。主力の「HIT太陽電池」では光を電力に変える効率を現在の20%から10年度中に21%に改善する。
 充電池や太陽電池を組み合わせてクリーンエネルギーの効率的な活用策を提供するソリューション事業も拡大する。米国など海外展開も検討中で、15年度に1000億円規模の事業に育てる。




自衛隊機の民生転用検討、量産で調達費圧縮
 防衛省は、自衛隊航空機を民間転用する検討に本格的に着手した。
 量産効果による調達費の縮減と、近年の防衛費削減で苦境に立たされた国内の防衛産業を活性化する狙いだ。企業、関係省庁、有識者らによる検討会の報告書を8月までにまとめる予定だが、課題も山積している。
 ◆防衛産業「保護」◆
 北沢防衛相は4月23日の検討会の初会合で、「民間転用が進めば、生産基盤や技術基盤の維持・強化、装備品の価格低減に相当寄与する。武器輸出3原則をしっかり守りながらも、新しい道は十分模索できる」と期待感を表明した。
 民間転用を目指す航空機としては、国外での需要も見込み、武器輸出3原則に抵触しないものに限る。具体的には、航空自衛隊の次期輸送機XC2、海上自衛隊の次期哨戒機XP1、救難飛行艇US2などが候補だ。XC2は貨物機、XP1は旅客機など、US2は消防飛行艇や多目的飛行艇への転用を想定していて、フィリピンなど島嶼(とうしょ)国での活用も見込まれる。
 自民党政権当時からの課題だった防衛装備品の民間転用の検討が進んでいる背景には、防衛予算縮減が続き、防衛産業からの撤退を余儀なくされる企業が増えていることがある。民主党としても、防衛予算を増やせる財政状況にないことから、民間転用の可能性を探りたい事情がある。



経済閣僚、新幹線・原発の海外売り込みに汗
 鳩山内閣の経済閣僚が大型連休中に相次ぎ外遊し、日本企業が得意とする新幹線などの高速鉄道や原子力発電などを各国政府に売り込んでいる。
 JR東海など関連業界も同行し、官民一体の受注活動で、先行するフランス、韓国などライバル勢を巻き返す狙いがある。
 ◆新幹線◆
 経済産業省によると、世界の鉄道などの社会基盤(インフラ)整備の投資額は、2030年までに推定41兆ドル(約3850兆円)に達する。温室効果ガスを排出しない原発や、輸送効率が高く、景気対策にもなる高速鉄道の建設計画が増えているためだ。
 日本のリニアモーターカーや新幹線の輸出を目指して訪米した前原国土交通相は30日の記者会見で「政府と業界が一体で取り組まなければ、優れた技術でも採用されない」と力説した。
 米国は、高速鉄道11路線、総延長1万3700キロ・メートルを130億ドル(約1兆2200億円)かけて整備する計画だ。このため、日本政府は4月、米国を念頭に、国際協力銀行が先進国の高速鉄道に融資できるように政令改正をした。さらに、今月9~12日にはラフード米運輸長官を日本に招いてリニアモーターカーや新幹線に試乗してもらう。
 しかし、前原国交相の会見に同席したJR東海の葛西敬之会長は「日本の取り組みは、他の国に比べて相当遅れている」と指摘。JR関係者も「日本勢は米国で1路線も落札できないかも」と危惧(きぐ)する。
 例えばフロリダの高速鉄道計画には22社が名乗りを上げているが、前原国交相は「5~6か国ぐらいと思っていた。高速鉄道ビジネスの熾烈(しれつ)さを垣間見た」と述べた。フランス、ドイツが官民一体の売り込みで先行し、中国も低価格の高速鉄道の輸出を目指している。
 ◆原発◆
 上海万博の開幕式に出席した仙谷国家戦略相は2日にベトナムへ移動、4日まで同国の閣僚らに原発や高速鉄道などを売り込む。原発4基の建設計画のうち2基は潜水艦の配備とセットで売り込むロシアの受注が確実で、残りを日仏韓の3か国が争うとみられる。日本は、鳩山首相がズン首相に親書を送ったが受注できるかどうかは分からない。
 一方、成功例は、インドの次世代電力網「スマートグリッド」を活用した都市開発(総事業費約1200億円)だ。直嶋経産相は30日、日本企業連合と地元州政府の覚書調印式に同席し、「成功モデルをアジア全体に広げたい」と訴えた。
 だが、受注を増やすには、政府支援ばかりでなく、フランスのような、原発建設から運転、燃料の供給と再処理まで一括して手掛ける体制作りが必要だ。日本もインフラを整備するメーカーと、運営、管理する鉄道会社や電力会社などの連携強化が求められる。



パチンコ攻略法商法、求人広告偽装型が増加 相談は5年前の11倍
 「絶対にもうかる」と称してパチンコの攻略法を売りつける悪質商法をめぐり、求人広告と思って申し込んだら保証金などを支払わされたという被害相談が5年前の11倍に急増していることが2日、国民生活センターの調べで分かった。これまでパチンコ攻略法商法の主な標的はパチンコ愛好家だったが、近年は簡単に稼げる副業として、初心者を誘うケースが目立つという。業者が返金に応じない例もあり、センターは注意を呼びかけている。
 全国の消費生活センターに寄せられたパチンコ攻略法商法をめぐる被害相談は平成21年度、過去最高の3909件(暫定値)にのぼった。うち求人を装った手口は1298件(同)で、16年度の113件から5年間で11倍に増えている。
 この手口は、店や機種をPRするスタッフなどの募集名目で、一般の求人情報を掲載する広告やメールマガジンなどを利用。応募者に対し、指定する台を打てば必ず大当たりするなどと勧誘するが、その際、登録料や保証金として数十万円を支払わせる業者もあるという。



生保契約高、個人向け1000兆円割れ 20年ぶり
 生命保険46社が保有する個人向け保険の契約高が2月末時点で前年同月末比2.6%減の999兆2426億円となり、約20年ぶりに1000兆円を割り込んだ。少子高齢化などが響き、主力の死亡保険の販売が低迷しているためだ。
 生命保険協会によると、個人保険と個人年金保険の保有契約高(46社合計)は1月末時点で1000兆4686億円だった。2月末も死亡保険を含む個人保険の減少に歯止めがかからず、1989年12月末以来の1000兆円割れとなった。
 2月末の契約高の内訳をみると、個人保険は前年同月末比4.1%減の905兆9370億円。変額年金保険などの個人年金保険は4.8%増の93兆3056億円となった。公的年金への不安から個人年金保険の販売は伸びているが、個人保険の落ち込みを補いきれていない。
 ただ個人保険の契約件数は3.4%増えた。契約高が小さい医療保険やがん保険などの販売が増えていることが影響しているようだ。



電機業績、回復は本物か 中国の成長持続カギ 日立製作所会長 川村隆氏
 電機や自動車など国内企業の業績回復が鮮明だ。中国をはじめとするアジアの内需がけん引役になっている。今後はどうなるか。日立製作所の川村隆会長に展望と課題を聞いた。
 ――2010年度も製造業の業績は伸びるとの見方が多いようです。
 「中国や東南アジア向けの需要が好調だ。日立でいえば、エレベーターや建設機械などインフラ関連の製品に引き合いがなお強い」
 「ただ、注意してみているのが中国だ。沿海部だけでなく内陸部でもマンションの空きが目立ち始めたというし、元の切り上げの問題も気になる。東南アジアでは政情不安に揺れるタイの経済が元通りになるのに何年もかかるかもしれない」
元の上昇に備え
 ――中国の通貨切り上げを日本企業はどの程度意識していますか。
 「業績予想の中に厳密に落とし込んでいることはない。だが、どの企業も今後起きる可能性のあることに対し、備えはあるはずだ。日本は1964年の東京五輪からプラザ合意まで約20年かかったが、中国は08年の北京五輪から通貨切り上げまでそんなにはかからないと思っている」
 「仮に、切り上げがあっても、中国で生産して売る分には影響ない。内需は強い。全体でマイナスになる企業もあるだろうが、インフラ関連や半導体のハイテク部品、高付加価値の素材などは日本からの輸出が増える可能性もある」
 ――鉄鉱石など資源高も深刻です。
 「中国や新興国の成長が止まらない限り、鋼材価格などの値上がりにつながるような資源高は続く。製品のつくり方を抜本的に見直すとか、他の企業と協力して大量に資材調達するとかしか今は方法がない」
 ――アジアは長期的に魅力がある。経営の現地化は進んでいますか。
 「いろいろな面で見直しが進んでおり、例えば成長力のある市場で意思決定をしていく動きが強まるだろう。先進国企業は中国にみな注目している。少しでも早く市場に投入したり、消費者の要求を把握したりするためだ」
 「日立の場合、ハードディスク駆動装置事業の本社機能や工場をすべてシンガポールなどに移した。今後も様々な事業で同じようなことが起きる。アジアの人材を広く登用することも増える」
 ――日本企業は金融危機から2年間、投資を控えがちでした。
 「企業の設備投資や研究開発費は少なくとも金融危機前の水準に戻ると思う。ただ、中身は変わっていく。全体の比重は日本より、アジア諸国・地域にかかる。インドやその先にある中東市場の拡大を考えたら、東南アジアか中国で営業拠点などの整備が必要だ。日本はファーイースト(極東)すぎる」
日本は新産業で
 ――となると、日本はどうなりますか。
 「中長期的に新しい需要や産業をつくる必要がある。省エネや環境、高度医療が有望な分野だ」
 「例えば日立は今後、社会イノベーションと呼ばれる分野に力を入れていく。IT(情報技術)と社会インフラを融合した事業ということだ。具体的にはスマートグリッド、医療機器、高速鉄道がそれだ」
 「特に医療に期待している。最先端の治療機器の開発にめどがついた。それを起点に日本に長期滞在型の医療設備をどこかに整備し、航空やホテル、娯楽産業などと協力してアジアや中東などから富裕層を日本に呼び込む。そうすれば1つの産業ができる。多くの業種を巻き込むだけに、政府のリーダーシップも求めていきたい」



日経社説
投資の拡大に動き始めた米欧日の企業
 金融危機後にリストラを優先してきた先進国の大企業が息を吹き返している。各国の景気刺激策に助けられたほか、中国など新興国の需要取り込みにも成功している。
 調査会社トムソン・ロイターによれば、米主要企業500社の2010年1~3月期の純利益が前年同期に比べ50%強増え、リーマン・ショック前に最も利益が多かった07年4~6月期の4分の3の水準まで回復したもようだ。
 インターネットや携帯電話を使った消費の伸びに支えられた米IT(情報技術)企業は、現金などの金融資産も潤沢だ。インテルをはじめとするIT大手8社の手元資金は、今年3月末に1200億ドル強(11兆円)と1年間で約3割増えた。
 企業は蓄えたお金を、企業買収や設備投資など成長戦略に使い始めた。米国ではヒューレット・パッカード(HP)が携帯電話製造パームの買収を決めた。欧州でも1~3月期に前年同期比61%増益だった独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が、中国で総額60億ユーロ(7500億円)の投資に踏み切る。
 大型連休のさなかの日本は、休日返上で工場を稼働させる企業が出始めた。合理化一辺倒だった1年前とは様子がかなり違う。設備の稼働率が着実に上がっていけば投資や雇用の増加に結びつき、本格的な景気の回復も視野に入る。
 京セラが10年3月期に絞った設備投資を今期は6割近く増やす。日本企業のあいだにも投資が拡大に転じる兆しはある。対照的に雇用は「国内を今以上に増やすつもりはない」(TDK)など、多くの企業の声はまだ慎重だ。
 日本経済は緩やかな回復を示してはいるものの、エコポイント制度などによる需要の押し上げ効果は一巡してきた。鉄鋼大手が鉄鉱石の価格上昇を理由に業績予想を公表しなかったように、資源価格の高騰も経営者を慎重にさせる一因だ。
 11年3月期に16%の増収を計画するコマツは、売上高に占めるアジアやアフリカなどの比率が7割に迫る。こうした新興国は日本企業が収益をあげる市場として一段と重みを増すが、競争相手は一足早く投資を拡大させている。
 新興国に強い韓国サムスン電子の1~3月期の純利益は、前年同期の7倍弱の3兆9900億ウォン(3300億円)。シャープの今期1年間の純利益予想の6.5倍強だ。日本企業が成長戦略を定め、競争相手との差を縮めるためにすばやく動くことが景気回復のうえでも欠かせない。
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