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カシオ、日立、NECの合弁会社の勝算は 山崎社長に聞く
 6月1日に、カシオ日立モバイルコミュニケーションズとの統合により生まれ変わったNECカシオモバイルコミュニケーションズ。NEC、カシオ、日立製作所の携帯電話事業が1社になり、この新会社の下で端末を開発する。新会社はどの方向を目指すのか。NEC出身の山崎耕司社長に話を聞いた。
NECにないものを持つ2社と合弁
――ようやくカシオ日立と事業を統合し、新会社としてスタートした。3社の合弁によって期待できるシナジーについて改めて聞きたい。
 カシオ日立との話がまとまるまで、NECは様々な会社との統合を検討してきた。他社と一緒にやるからには、かなりの痛みを伴う一方で、絶対に成功しなくてはならない。下手な統合をして失敗でもしたら、二度とはい上がれなくなるとの覚悟があった。
 カシオは耐水性・耐衝撃性に優れた携帯電話の「G’zOne(ジーズワン)」やデジタルカメラ「EXILIM(エクシリム)」といったブランドを持ち、海外への確固とした販路を持つ。さらにKDDIとの関係が強固だ。NECはかつてCDMA2000系の携帯電話を手掛けようとして、あきらめた経緯がある。NECが持っていないものが、カシオにはあった。
 日立には技術力とブランド力がある。夏商戦にKDDIが発売する「beskey(ベスキー)」は、日立らしい家電文化から生まれたモデルといえる。NECではデザインの視点からキーの設計を考えるが、「使う人の視点」はあまり無かったかもしれない。beskeyのように文字入力のしやすさからキーを取り換える発想は思いつかなかった。家電を作ってきた日立だからこそ生まれた製品と言える。
 合弁により、日立の技術力とアイデア、カシオの耐水性・耐衝撃性とブランド力に、NECの通信技術やデザイン、薄型設計という長所を組み合わせて、水平展開をしていきたい。
KDDI向けは機種数増を目指す
――これまでカシオと日立が展開してきたKDDI向けラインアップはどうするのか
 KDDIはシャープや京セラ、東芝、ソニー・エリクソンなど、サプライヤーが多い。その中でカシオや日立の商品バリエーションは少なかったとみている。
 機種数の少なさは、開発陣を強化すれば解決できるだろう。EXILIMケータイをNECの技術力によってさらに薄型化するなどの取り組みを強化したい。
 NECはKDDIと、次世代携帯規格「LTE」のインフラ構築で付き合いがある。KDDIのサプライヤーの中でポジションを拡大していきたい。
ドコモ向けは3Dとスマートフォン
――主力となるNTTドコモ向け端末の方針は。
 1つは画像系の強化がある。今後は3次元(3D)がはやると思っている。これに備え、液晶や画像処理に力を入れる。
 もう一つがスマートフォン。すべての携帯電話がスマートフォンに置き換わるわけではないが、取り組みは重要だ。
 スマートフォンの拡大で期待しているのが端末を「安く作れる」という点だ。現在はほとんどのスマートフォンは海外メーカーが納入しているが、開発コストの低い端末を作るため、我々も手掛ける必要がある。
 その中では、現行の携帯電話が使うプラットホームではなく、米グーグルの「Android」などのスマートフォン系のプラットホームを活用するだろう。これなら安価に端末を開発できるだけでなく、横展開も可能になる。
 ドコモの端末ラインアップでは、富士通の「らくらくホン」が全体の15%のシェアを持っている。こういった安価でシンプルで使いやすい機種をAndroidで開発することも考えている。
ソフトバンクは通話特化型端末で勝負
――ソフトバンクモバイル向けはどうか。
 米アップルの「iPhone」が圧倒的に売れており、国内メーカーはシャープが有力だ。安価モデルはパナソニックモバイルコミュニケーションズや韓国・サムスン電子に加えて、夏商戦に中国のZTEが参入してきた。
 ここでは「740N」、「741N」といった子ども向けや通話特化型端末で勝負していきたい。NTTドコモ向けに提供している高機能携帯電話はプラットフォームが変更になったため、ソフトバンクモバイルに横展開しにくくなってきた。従来の通話特化型だけでなく、今年度中にほかの通信事業者向けに開発したスマートフォンを横展開して、ソフトバンクモバイルに納入していきたい。
SIMロック解除にも対策を用意
 ――6月には携帯電話機のSIMロック解除に関するガイドラインが決まろうとしている。この方向はメーカーの追い風になるのか
 メーカーとしては、本音はなかなか言いにくい。ただ、ビジネスにはなると思っている。ドコモもソフトバンクモバイルも、SIMロック解除に対応できる端末を用意しなくてはいけない。
 ここで重要になるのが740Nに代表される通話とSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)しかできない電話機だ。これならSIMロックを外しても大きな影響は出ない。音声だけしか扱えず、1人当たりの平均月額収入(ARPU)も高くないので、通信事業者も導入しやすいのではないか。
3年後は国内シェア1位目指す
――先日の夏商戦向け新製品発表会では「新会社が目指すもの」として2年以内に「驚きのある製品」、3年で国内シェア1位、4年で出荷台数2000万台、8年で5000万台、年数は明示しないが最終的には1億台という目標を明確に掲げていた。その狙いは。
 あれは私の思いを話したものだ。ただし決して思いつきの数字ではない。
 3社統合の準備の中で社内を見ていると、デザインチームや研究所に、これまでの体制にはなかったものが生まれつつあるように感じた。これが驚きのある製品につながる要素だが、製品に落とし込むまでには、これから1年半から2年近くかかってしまう。
 3年で国内シェア1位は簡単ではないが、実現不可能な目標でもない。700万台後半を確保し、他社からユーザーを奪えれば達成できる数字だ。国内で1位を奪えないようでは海外に進出する資格はない。
 海外でまず注力するのが北米市場だ。さらにCDMA2000のネットワークがあるメキシコと豪州が続く。ただし日本市場にそれらの市場を足しても2000万台には届かない。欧州のテレフォニカなどを加えることで達成していきたい。
 5000万台を目指すにはインドや中国を攻めていく必要があるだろう。8年先は遠すぎるが、4年を過ぎたあたりを想定しておきたい。5000万台の販売台数があれば、他の海外メーカーとも対等に話し合える立場になるだろう。
従業員が輝ける環境を整える
 かつてNECが中国に進出しようとしていた際、テレビのドキュメンタリー番組に取材されたことがあった。最近、当時のビデオを見返してみたら、生き生きとした表情をしている自分を見つけた。
 自分はかつて「こんなケータイを作りたい」という願いで仕事をしてきた。同じように、従業員が輝いてケータイを開発できる環境を整備するのが経営者の使命だと感じている。
 そんな環境で作ったケータイこそが、ユーザーから支持される。数字は後からついてくるのだ。夢を持っていないと、従業員がワクワクして働けない。その意味でも目標数字を掲げておくことは重要なのだ。



浜崎あゆみがソフトバンクCM出演決定! Twitterで孫社長に直談判「犬のお父さんと共演したい」
 6月4日の深夜に信じられないサプライズが発生した。なんと、コミュニケーションサービス『Twitter』で歌手の浜崎あゆみさんが、ソフトバンクモバイル代表取締役社長・孫正義氏に「犬のお父さんと共演したいでございます」と直談判。なんと、テレビコマーシャル出演の確約をもらったのだ!
 事の発端を説明しよう。浜崎さんは『Twitter』で孫社長に「始めまして、浜崎あゆみと申します。孫さんーっっっ犬のお父さんと共演したいでございます」とメッセージを書き込み。それに対して孫社長は「やりましょう」と即答したのである。
浜崎さんといえば、アジアの歌姫として有名な美人歌手。最近はSMAPの香取慎吾さんがソフトバンクモバイルのテレビコマーシャルに出演しているが、浜崎さんが出演することにより、新たなソフトバンクユーザーの獲得に貢献しそうである。
 これに対しては他の『Twitter』ユーザーたちもびっくりしているようで、突然のサプライズに喜んでいるようである。もしかすると、どんどんこのようなサプライズが孫社長の周囲で発生してくるかもしれない?



「電子書籍は5年以内に紙の本を超える」とソニー幹部
 ソニーの電子書籍事業部社長スティーブ・ハーバー氏は、「5年以内にデジタルコンテンツの売り上げが物理コンテンツより多くなる」と考えている。音楽、写真のデジタル化と同じパターンが、書籍市場で起きているという。ソニーは、電子書籍市場は「引き返せない段階」を過ぎたと考えており、ハーバー氏は出版社にパラダイムシフトが起きていると説いている。
 また同氏は、iPadのような多機能タブレットと、ソニーの「Reader」のような電子書籍専用リーダーの共存は可能としている。「多くの人が携帯電話で写真を撮っているが、高画質の写真が撮りたいときはカメラを使う」のと同じように、電子書籍デバイスでも柔軟な使い分けがなされるとみている。
 ソニーは年内に日本国内でReaderを発売する予定。またKDDI、凸版、朝日新聞と電子書籍会社を設立する。



「ONE PIECE」(ワンピース)58巻、初版は歴代記録更新の310万部
 4日に発売となった「ONE PIECE」(ワンピース)コミックス第58巻だが、初版は310万部に。
これは、同57巻の300万部を上回るもので、またしても日本出版界全体での歴代最高記録を塗り替えた。



夢も不況に勝てず 宝くじ販売、9年ぶり1兆円割れ
09年度、家計悪化響く
 全国の自治体が2009年度に発行した宝くじの販売総額は、08年度に比べ5.3%減の9875億円にとどまったことが分かった。1兆円割れは00年度以来9年ぶり。宝くじは不況に強いとされてきたが、08年秋のリーマン・ショック後の家計の急激な悪化が響いた。
販売額が9年ぶりに1兆円を割り、宝くじも不況に勝てなかった(5月12日、東京・銀座)
 宝くじを販売する全国の都道府県と政令指定都市でつくる全国自治宝くじ事務協議会(事務局・東京都)によると、購入者が一つのくじで買う枚数を減らしたり、長年の宝くじファンだった高齢者が購入を控えたりするなどで、09年度の販売総額が減少した。バブル経済崩壊後の05年度に記録した販売総額のピーク(1兆1047億円)に比べて、1割以上減少している。
 宝くじは自治体の財源の一つだが、税収との二重の収入減に陥っている。このため、全国の自治体は10年度、1等の当せん確率を高めた新型くじを売り出す予定。当せん金額を抑える一方、チャンスを身近に感じられる新商品で購買層を広げたい考えだ。
 宝くじは販売額の約50%を当せん金に使い、約10%を経費に充てる。残り約40%は自治体の収益金となり、自治体の貴重な財源だ。ただ、宝くじを巡っては、政府の行政刷新会議が5月に実施した事業仕分けで、官僚OBが在籍する法人にお金が流れていることが問題視され、総務省が所管する日本宝くじ協会などの関連事業が「廃止」と判定されている。



「菅さんはつぶやいていません」 菅新首相名のツイッター書き込み頻発で民主党
 民主党は5日、ミニブログ「ツイッター」で菅直人新首相(党代表)名の書き込みが頻発していることについて、「なりすましの書き込みであり、本人とは何らかかわりがない」と注意を呼びかけた。



台湾IT企業 iPad型端末に続々参入
 台湾のIT(情報技術)各社が相次いで「iPad(アイパッド)」型の多機能携帯端末や電子書籍用端末に参入している。パソコン大手の宏碁(エイサー)などのほか、台達電子のように端末市場に新規参入する動きも出てきた。台北市で開催中の「台北電脳展(コンピューテックス台北)」では、各社が新端末でしのぎを削っている。
 パソコン中堅の微星科技(MSI)が今年7~9月に欧米や台湾で発売する「WindPad(ウインドパッド)」は米マイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ7」を搭載した。画面は10型で価格は499~699ドル(約4万6千~6万5千円)。10~12月にはOSに米グーグルの「アンドロイド」を搭載した製品も発売する。
 パソコン世界2位のエイサーは今年10~12月にiPad型の端末をまず米国、ドイツ、中国で発売。パソコン大手の華碩電脳(アスース)も来年1~3月に「EeePad(イーパッド)」の販売を始める。
 電子書籍用端末の競争も激化しており、エイサー、アスースなどのほか、電子機器の電源で世界首位の台達電子は年内に発売する8型と13型のカラー液晶パネルを使った端末を出展した。台湾各社が自社製品を市場に迅速に投入できるのは、日米欧企業の電子端末を生産する台湾EMS(電子機器の受託製造サービス)の存在が大きい。
 今年のコンピューテックスには中国メーカーのiPad型端末も登場。ウィンドウズ7を搭載した漢王科技(北京市)の「TouchPad(タッチパッド)」で、生産は台湾のEMSに委託している。



性描写規制、否決へ 都議会、民主など反対多数
 悪質な性描写のある漫画などの販売方法を規制する東京都の青少年健全育成条例改正案について、都議会は「表現の自由を侵す恐れがある」などとする民主、共産などの反対多数で否決する見通しになった。都は漫画などの18歳未満の登場人物を「非実在青少年」と表記するなど批判のある表現を直して9月以降に再提出する方針。
 改正案をめぐっては、石原慎太郎都知事も「非実在青少年」などの表記の不適切さを認めているが、「議会が部分修正すればよい」と表明。知事与党の自民、公明は最大会派民主と共同した修正案作りを模索してきた。
 ただ、民主は「知事が不備を認めている改正案は一度撤回し、都が修正すべきだ」と提出側の責任を主張。このまま都と議会が譲らず会期末の16日を迎え、民主など知事野党が現在の案を反対多数で否決する公算が大きくなった。石原知事は否決後の再提出の考えを示している。
 条例改正案は、悪質な性描写がある漫画を書店で別の陳列棚に置くことなどを業界に求めている。漫画家らは「萎縮につながる」「表現の自由を侵害する」などと反発している。



ハンガリーが財政再建策 東欧に危機飛び火か
 ハンガリーの財政赤字が拡大する可能性が高まり、同国政府は週明けにも新たな財政再建策を公表する見通しになったと、ドイツ通信などが4日伝えた。欧米の金融市場では、ギリシャに端を発した欧州の財政危機が東欧に飛び火することへの懸念が広がり、対ドルでのユーロの急落につながった。
 政府関係者によると、今年の同国の財政赤字は国内総生産(GDP)比7%以上になる見通しとなり、前政権の推計(3・8%)を大幅に上回りそうだという。
 ハンガリーのオルバン首相の報道官は4日、社会党前政権時代に財政データが改竄(かいざん)されたと表明。これに対し、社会党関係者は反論した。
 金融市場ではハンガリーの通貨フォリントも対ユーロで大幅下落し、1年ぶりの安値をつけた。



「イラ菅」に不安 米紙、外交は未知数
 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は4日、菅直人新首相について、「イラ菅」と呼ばれる短気な人物でもあり、米軍普天間飛行場の移設問題でオバマ政権が日本政府に再び圧力をかければどのような反応を見せるか不安が残ると報じた。
 同紙は、菅氏は厚生・福祉問題では実績があるが、外交問題での手腕は未知数だと指摘。今後、普天間問題で日米共同声明の履行に沖縄県民が激しく抵抗するのは確実で、政治パフォーマンスにたけた菅氏が実際に履行に踏み切るかどうか「疑問が残る」とした。
 さらに米コロンビア大のカーチス教授の「菅氏は良好な日米関係を望むだろうが(米にとって)鳩山氏よりはるかに厳しい交渉相手」とのコメントを紹介した。



【ウォールストリートジャーナル社説】資源新税導入議論に見るオーストラリアの転換点
 オーストラリア政府が提案する鉱物資源業界の「超過利潤(もうけすぎ分)」への課税をめぐり、議論は過熱する一方だ。同政府は、納税額に関して「根本的に不誠実」として鉱物資源会社を批判。これに反論する資源各社は、政府の統計データを「恥ずべきもの」と称している。こういった堂々巡りの議論で見落とされている重要な問題がある。30年にわたって自由主義的経済政策を享受してきた先進国、オーストラリアは、自由市場「香港」を目指すのか、あるいは社会主義国「フランス」に近付こうとしているのかということだ。
 この数週間の発言を聞く限り、ラッド首相率いる労働党政権はフランス国旗を掲揚し始めたようだ。同首相とスワン財務相は、鉱物資源会社が「超過利潤」を得ており、「相応な額」を国に戻すべきと主張。階級間の対立という観点から40%の課税案を繰り返し説明している。それはつまり、いくら以上の利潤が「もうけすぎ」なのか、政治家が担ったこともない重労働の対価を誰が受け取るべきか、といったことを決定する権限は政府にある、ということだ。
Reuters
ケビン・ラッド豪首相
 民間企業に勤めたことのある人なら、これはおかしいと思うはずだ。だが心配はいらない。オーストラリア政府には、このような提案はそれほど悪いアイデアではないと、指摘するヘンリー財務次官のようなエコノミストやキャリア官僚がいる(同次官は両方を兼ねる)。今月初め、ヘンリー次官は、政府の課税方針の論拠でもある、自らの経済モデルを概説し、「超過利潤税は正しく設計されれば増収につながるとともに、対内投資も増やす」と主張した。
 ヘンリー次官が説いた経済モデルはいくつかの前提に基づいている。まずはオーストラリアの資源は、市場とは関わりなく固有の価値を有するという考えだ。この価値は、企業が掘り出して供給することで付加する価値とは区別される。また同次官は、政府がすでに開始されたプロジェクトに関して遡及(そきゅう)的に税制を変更しても、今後のプロジェクトが資金を調達しようとしたときに民間投資家や銀行が調達コストを引き上げることはないと見込んでいる。また企業は、成功したプロジェクトへの40%課税と同じように、失敗したプロジェクトに関する減税案を重視することも想定している。そしてもちろん、政府がきちんとすべてのバランスを保ち、投資の流れが継続することも前提としている。
 もちろん現実はその通りにはいかないだろう。資源各社は課税案が実施されればどの程度のダメージを被り、事業運営にどの程度の調整が必要となるかを明らかにしようと必死だ。英豪系資源大手BHPビリトンは、南オーストラリア州オリンピックダム鉱山の200億ドル(約1.8兆円)規模の拡大計画を見直しており、株主配当を引き下げる可能性がある。豪フォーテスキューは西オーストラリア州の2件の鉄鉱石採掘プロジェクトを一時的に凍結した。クィーンズランド州の液化天然ガス大規模プロジェクトの延期も決まった。課税案が発表されてからオーストラリアドルは急落している。偶然でないことは明らかだ。
 資源各社は、この激しい攻防から一歩も引かない構えだ。新税導入がオーストラリアの産業と国家としての競争力にどれほど大きな影響を及ぼすかを説明する大々的なメディアキャンペーンを開始した。BHPビリトンのジャック・ナッサー会長は、5月に入ってから株主に送った書簡でいみじくも指摘している。「危険なのは、ほかの国から、オーストラリアは安定性と競争力が後退し、長期投資には向かない国だと思われてしまうことだ。これが現実となれば、強力な経済基盤の構築を目指してきた長年の国民の努力が水泡に帰すことになるだろう」
 ラッド政権は、この種の客観的で合理的な活動を「脅しのキャンペーン」と呼ぶ。とんでもないことだ。鉱物資源業界は、世界同時不況のなかオーストラリアを支え続け、18年連続のプラス成長のけん引役にもなってきた。この辺境の国が80年代以降、国際競争を戦い、有能な人材と資本を引き付けてきたのも鉱物資源業界のおかげだ。労働・自由いずれの政権であっても、その事実は変わらない。ラッド首相は、身内の労働党ですら長年疑問視してきた考えを押し通そうとしているのだ。
 一般的なオーストラリア国民なら、こういった姿勢がこの数週間のラッド首相の支持率急落の要因であることを知っているはずだ。5月28日、政府は国民に新税の支持を呼びかける大がかりな宣伝キャンペーンを発表した。新税を支払うのはほかでもない納税者だ。
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E3接近=任天堂にはビッグサプライズも
 ゲーム業界にとって最大のイベント「E3」(Electronic Entertainment Expo)の開幕が迫っている。今年はロサンゼルスで6月15-17日の日程で行われる予定だ。毎年9月ごろに開催される東京ゲームショウに独自イベントの兼ね合いもあって不参加の任天堂 も、E3には出展するため、注目度は高い。
 今年のE3の目玉のひとつは、任天堂の次世代携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS(仮称)」だろう。同社は6月19日より、DSシリーズの値下げを行う。「E3」で次世代機のお披露目を終えたあとということで、買い控えを懸念してのものだが、次世代機への自信の高さもうかがえよう。
 「3DS」はすでに業界初の「3D対応の携帯ゲーム機」として話題を集めているが、エース経済研究所の安田秀樹アナリストは「機器メーカーなど周辺取材をしているが、情報統制が過去の任天堂ゲーム機の例にないほど厳しい。3D以上に大掛かりなサプライズが残されているとみるのが適当だろう」とする。
 04年に「ニンテンドーDS」を発表したときも、「2画面の携帯ゲーム機」との開示にとどめていたものを、04年E3でタッチパネルなどの詳細を公表した経緯がある。もともとE3はサプライズ発表の場でもあり、任天堂が何かしらの用意をしているとみるのは自然だ。
 任天堂については携帯ゲーム機の「3D対応」などわずかな情報が提供されているだけで、「世界的なビッグタイトルを開発中」とのうわさがあるほかは目立った情報が出ていない。ただ、任天堂の据え置き型ゲーム機「Wii」に注目してみると、販売台数は10年3月期で世界累計販売台数は7000万台を超えたものの、前期比20%減の2053万台で、10年3月末の時点で世界累計販売台数が1億台を突破した「DS」シリーズの同13%減の2711万台と比較しても、伸びの鈍化が目立っている。
 また、売上高からみると、携帯型が同10%減の3808億円に対し、据え置き型は同38%減の3784億円と大幅に減少。昨年9月にスリム型を発売したソニーの「プレイステーション3」に対抗するための不本意ともいえる値下げが響いた。今後の販売台数に懸念が残るうえ、売上高も大幅に縮小していることから、企業としても顧客としてもテコ入れが望まれる。これまで据え置き機ではマイナーチェンジをしてこなかった同社だけに、据え置き機の新たな情報も期待したいところだ。



ソニー、E3で「PSP2」の発表を取りやめか?11年以降発売か 「期待に水を差す結果のシナリオ」も
 根強くうわさされるのがソニーも携帯機「PSP(プレイステーション・ポータブル)」の新型を発表して対抗するというもの。しかし、ここにきて業界では「今年のE3での発表は取りやめたようだ」との声が聞かれている。いわゆる「PSP2」は、もともとE3で何らかの発表を行う予定だったものの、水面下で発売シーズンを11年以降にする形で先送りしたために今回のE3での発表スケジュールからは外れた、という見方だ。ソニーからの正式なアナウンスはないためうわさの域を出ないが、期待に水を差す結果が待ち受けているシナリオも事前に想定しておきたい。
 一方、日本で苦戦しながらも、グローバル市場では任天堂に次ぐシェアを持つマイクロソフトの「XBox360」では、「NATAL」(ナタル)に対応するラインアップを発表する予定だ。任天堂の「Wii」がリモコン型のモーションコントローラーでシェアトップの座を奪回してから、各社とも直感でゲーム操作を行うインターフェースに注力しているが、昨年のE3で公開されている「NATAL」は、ユーザーの体の動きを認識してゲーム操作を可能にするもので、操作するコントローラーのようなものは存在しない。新たな突破口となりうるか注目だ。
 ただ、世界的にみてコンピューターゲーム市場は規模が縮小傾向にある。こうしたなか、各ゲーム会社がシフトしつつある携帯ゲーム機の分野では、「iPhone」など米アップル社の携帯端末が登場し、ハードメーカーの任天堂や、ソニー、マイクロソフトにとって、視界は良好といえないだろう。国内外を問わず、ゲームソフトメーカーも、「iPhone」や「iPad」への参入に前向きで、勢力図にも変化が訪れる可能性が高い。



DeNA、PC向けソーシャルゲームポータル「Yahoo!モバゲー」は10月スタート!
 「モバゲータウン」を運営している株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)は、品川インターシティにて、ソーシャルゲームデベロッパーを対象にしたプライベートフォーラム「モバゲーオープンプラットフォームForum2010」を開催した。
 DeNAの代表取締役社長兼CEOの南場智子氏や、ヤフー株式会社の代表取締役社長井上雅博氏らが登壇し、ヤフーとDeNAが提携して展開するPC向けのソーシャルゲーム専門新プラットフォーム「Yahoo!モバゲー」の概要や、DeNAの今後の事業展開などを紹介した。会場には、多くのデベロッパーが参加し、会場の両脇にずらりと立ち見が出るほどの盛況だった。
 「オープン化して4カ月、ユーザーさんはオープン化の前よりもハッピーになった」とDeNA代表取締役社長兼CEOの南場智子氏は笑顔で報告した。これまで携帯ゲームのポータルサイト「モバゲータウン」を中心に事業を拡大してきたDeNAは、2010年に「モバゲーAPI」をオープン化してソーシャルゲームへ舵を切った。フォーラムの冒頭、南場氏は、オープン化の結果が予想以上だと語った。
 オープン化以来、「モバコイン」というモバゲータウンのゲームマネーは急激な伸びで拡大しており、月の売り上げが1億円を超える企業が複数現われている。今回のフォーラムでは、さらなる展開として「X-device(クロスデバイス)」、「X-border(クロスボーダー)」という2つの戦略が提示された。「携帯を超える」と南場氏が言うこのキーワードは、携帯、スマートフォン、PC、タブレットなど、複数のデバイスでユーザが楽しめるようなゲームのシームレス化を目指すというもの。IDを共有したり、APIやライブラリを整備していくことで、多言語にも対応した世界規模の市場に日本のポジションを築いていくという壮大な構想だ。
 日本において戦略の目玉となるのは、今年の4月に発表された「Yahoo!モバゲー」だ。「これまで日本でだけ、なぜPC向けのソーシャルゲームが携帯向けほど拡大していないのか? それはヤフーとモバゲーが組んでいなかったからです」と南場氏は語る。
 世界市場では5月にiPhone/iPad向けのゲームポータルサイト「Mini Nation」をスタートして、日本で人気の携帯向けソーシャルゲーム「怪盗ロワイヤル」の海外版「Bandit Nation」などをサービスしている。他にも3Dアバターなど、モバゲーで人気のある要素をiPhone向けに最適化して提供している。日本でPCの市場形成を目指すのとは逆に、世界では、英語圏のスマートフォンや中国の携帯市場など、これから拡大が予想されるなモバイル市場へ勝負を挑んでいく。
■ 「Yahoo!モバゲー」と「モバゲータウン」が連動した形で遊べるゲームを提供
 「Yahoo!モバゲーは略すとヤバゲーになるため、ずっと(仮)がついていましたが、もう諦めました。この名前で皆さんに親しんでいただきたい(笑)」と語ったのは、ヤフー株式会社代表取締役社長の井上雅博氏。井上氏は、「Yahoo!モバゲー」でソーシャルゲームに参入する意気込みと意義をヤフーの側から説明した。
 現在、世界のソーシャルゲーム市場は4,000億円ほどに成長しており、今後も高い成長が見込まれている。だが、そのなかでモバイルの占めるシェアは、アメリカでは8%、イギリスでは12%にすぎない。中国でも1億人いるというソーシャルゲームユーザーの大半はPCのユーザーが占めている。しかし日本では、ソーシャルゲームはイコール携帯ゲームというほどにモバイルが主流だ。
 井上氏は、日本にも潜在的にはPCのソーシャルゲーム市場があるのではないかと言う。携帯のソーシャルゲームは10代から20代の若者がメインユーザーだが、海外ではソーシャルゲームのユーザーは30代から40代と少し年齢層が高い。年齢層が高いと、それだけ1人当たりが使う金額は大きくなるので、日本でもPCのソーシャルゲームのプラットフォームが作れたら、マーケットとして期待が持てるのではないかというのが、今回ヤフーが提携を進めた理由だ。ヤフーとしては、日本におけるPC向けソーシャルゲームの中核を担うプラットフォームになりたいという野望もある。
 サービスが始まると、「Yahoo! JAPAN」のTOPページや「Yahoo!メール」、「Yahoo!メッセンジャー」、「Yahoo!ゲーム」にソーシャルゲームのアクティビティやフィードが表示されるようになる。また、ローンチ時期に合わせて、TVCMも含めた総額10億円規模のプロモーションを行なう予定だ。
 DeNAの守安氏は「ソーシャルゲーム市場の成長は予想以上」と言う。1年前にオープン化を決めた頃には、3年程度で1,000億円規模の市場になるだろうと想定していた。しかし、その目標は2010年度中には越えていきそうだ、と守安氏。「スマートフォンやPCのユーザーをきっちりと取りこめていけば、普通に見積もって2,000億円、うまくいけば3,000億円というマーケットができるのではないか」と予想している。2009年度の、家庭用ゲームのソフトウェアのみの市場が約3,200億円なので、「2、3年後には家庭用ゲームとソーシャルゲームの市場規模が同じくらいになっているのではないか」と語った。
 だた、ソーシャルゲーム市場を拡大してくためには、その地盤となるコミュニティの成長が重要だ。「単純にトラフィックをぶつければ成長できるという簡単なものではなく、いかにユーザーのニーズにあったコミュニティを提供できるかが重要」と守安氏。そのためには、すでに出来上がっている「モバゲータウン」のコミュニティと、「Yahoo!モバゲー」のコミュニティを連動したゲームを提供して欲しい、と参加したデベロッパーに訴えた。モバゲーの3Dアバターを使った、PC向けのソーシャルゲームもすでに複数のタイトルが開発をスタートさせているらしい。



富士フイルム、デジカメ開発集約 携帯用部品参入
 富士フイルムはデジタルカメラの開発部門を再編する。宮城県にあるデジカメ本体の開発・購買部門を7月に、レンズ開発拠点を置くさいたま市に移転する。デジカメの中核部品である光学レンズの開発と、画像センサー開発や本体設計を密接に連携させる体制を整え、製品の競争力強化につなげる。開発機能の一体化などを契機に、携帯電話用カメラモジュール(複合部品)事業にも参入する。
 現在、レンズの開発・生産は全額出資子会社のフジノン(さいたま市)が担い、デジカメ本体の製品開発、購買、品質保証の本拠は宮城県大和町にある。既にフジノンを7月1日付で本体に統合することを決めており、同時にデジカメの開発機能を集約する。レンズ設計にデジカメ開発部門が深く関与するなど、技術者間の連携を深め、開発効率を向上させる。



中国銀聯カード決済使わないで!米ビザ要請
 【北京=幸内康】クレジットカード世界最大手の米ビザが、中国のカード決済機関「中国銀聯」との提携カードについて、8月以降、中国国外では銀聯の決済システムを使わないよう加盟金融機関に要請した。
 欧米や中国のメディアが4日までに報じた。
 カード利用の際にビザが1~2%の外国為替手数料を取るのに対し銀聯は無料なため、利用者は銀聯で決済する傾向にある。ビザの異例ともいえる要請は拡大する銀聯に収益基盤を脅かされかねないとの危機感があると見られる。
 銀聯は中国人民銀行(中央銀行)の傘下にあり、中国国内のカード決済業務を独占している。銀聯は海外進出にも積極的で、約90か国・地域以上に独自ネットワークを拡大している。



英が高速鉄道計画見直し、日立への発注白紙か
 【ロンドン=是枝智】英国内で幹線鉄道の旧式車両を高速鉄道車両に切り替える政府の計画について、ハモンド英運輸相が白紙に戻す可能性が高まっていると、4日付の英紙フィナンシャル・タイムズが報じた。
 その場合、優先交渉権を得ていた日立製作所などの企業連合への発注はキャンセルされる見通しだ。受注総額は75億ポンド(約1兆円)にのぼる大型事業だけに、日立には打撃となりそうだ。
 高速鉄道計画では、日立連合が最大1400両の車両の販売と、20~30年間の保守業務を担う予定だった。しかし、景気低迷などを受けて今年2月、前政権が計画の見直しを表明していた。新政権は3日に別の新型車両導入計画の凍結を決めており、日立が関与する計画も影響は避けられない見通しだという。



アナリストが読む菅政権の隠れたリスク
 菅直人氏が衆参両院の指名を受け、第94代首相に就任する運びとなった。市場では菅新首相のこれまでの言動などから、「財政再建」「円安」「金融緩和」が新たな経済政策のキーワードになるとの見方が多い。だが、有力エコノミストらが今週に入って出した関連リポートからは、新政権の別の断面も見えてくる。
 クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミストは4日付けのリポート「新政権を不安定化させる3つのリスク要因」で、財政再建路線には危うさがつきまとうと指摘する。新政権は消費税の早期増税を排除しないスタンスを明確にする可能性があるが、それは同時に「より大きな政府を志向する」というメッセージにほかならない。だが、こうした路線が国民からの理解を得られるかどうかは不透明なうえ、高所得者優遇の性格がある消費税増税に賛成する層と、民主党の支持基盤には大きなギャップがある。このため、「新政権による消費税早期増税論には政情不安定化のリスクが内包されていると考えるべきであろう」としている。
 「円安」と「金融緩和」も一筋縄ではいかない恐れがある。第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミストは4日付けのリポート「菅直人首相の経済政策見通し~問われる財政再建の本気度合い~」で、「菅首相の志向として円安という考えはあるのかもしれないが、そのファクターが相場形成で大きな支配力を持っている訳ではない」とクギをさす。実際、菅氏による1月7日の「円安」発言のあと、円相場は一時1ドル=93円台まで下落したが、持続性はなかったという。また、菅氏が推進する意見を持っているとされるインフレターゲットについても、「当面は、日銀に対して次々にアイデアを出させるためのたたき台」として利用する可能性があるものの、「先行き原油高騰などが進み、コストプッシュ・インフレの現実味が高まる」ような状況になれば、柔軟に路線を変更すると熊野氏は予想する。
 そもそも、足元の政治状況をかんがみると、菅氏が政策にじっくり取り組む余裕があるかどうもかも不透明。日興コーディアル証券の末沢豪謙チーフストラテジストは4日付けの「菅政権誕生へ、短命政権に打ち止めを」で、「7月11日に参院選投開票、8月末が米軍普天間飛行場移設詳細決定期限、9月には民主党代表選と新首相が乗り越えなければならないハードルは多い」と指摘する。当面の政治的な課題は「ひとまず参議院選挙を勝ち抜いて、政権基盤をしっかり強化できるかどうか」(熊野氏)。そこを乗り越えた場合でも、民主党内には「構造改革と対米外交」、「社会安定と多方面外交」と重視する政策が異なる2つのグループが存在するため、最大公約数的な政権運営を続けない限り、「政権の安定性を維持することはかなり困難になる」(白川氏)懸念がある。
 7月の参院選後には連立政権が新たな形となる可能性も浮上している。モルガン・スタンレーMUFG証券のロバート・フェルドマン経済調査部長は3日に「参院選予測:政策転換は期待薄くも可能性あり」というリポートを配布した。7月の参院選での民主党の獲得議席は93~107と現在の116議席を下回り、国民新党も議席を減らす可能性があると分析。さらに、衆議院の連立議席は313と参議院で否決された法案を再議決して成立させるには不十分で連立組み替えの必要性が生じる。フェルドマン氏は最も可能性が高いのが「民主党+公明党+新党改革(民公改)」で、「政治的なハードルを乗り越えれば、民主党+みんなの党(民みな)の連立もあり得る」と予想する。政策面では「民公改」の場合、さほど大きな変化はなさそうだが、「民みな」なら「政策は市場寄りの生産性向上策に大きく振れ、日銀に対して積極的な金融緩和を促す圧力が高まる可能性がある」としている。



【東京新聞社説】
漫画性描写規制 仕切り直して論議を
 どぎつい子どもの性描写がある漫画などの販売を規制する東京都青少年健全育成条例改正案をめぐり、都議会での賛否が割れている。「表現の自由」を守りつつ規制できるよう知恵を絞り直せ。
 子ども相手の強姦(ごうかん)や近親相姦といった性的な暴力や虐待が、社会的に許されるかのように描いた漫画やアニメ、ゲームソフトは子どもの目に触れないよう遠ざけておきたい。そんな親心をくんだのが都側の改正案だ。
 過激な性描写の悪影響から子どもを守りたいのは市民共通の思いだが、最大限尊重されるべき表現の自由が侵されかねない方法では理解は得られまい。「創作活動を萎縮(いしゅく)させる」と漫画家や出版業界が反発するのもうなずける。
 改正案の趣旨はこうだ。服装や所持品、学年、背景などから十八歳未満と分かるキャラクターの性行為を「みだりに性的対象として肯定的に描写し、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を阻害する」作品は、成人コーナーに並べて子どもに販売しないよう事業者に自主規制を求める。
 さらに「強姦など著しく社会規範に反する行為を肯定的に描写した」作品が一般の書棚に並んでいれば、都は「不健全図書」に指定して成人コーナーに移動させ、子どもへの販売を禁じるという。
 異論が噴出したのは、読み手の主観に左右されがちな性描写そのものをベースに販売規制の網を掛けようとする仕組みだからだ。
 登場人物の年齢をどう見分けるのか。容姿やせりふ、場面はどのようにでも描くことができる。作品を読んだ未熟な子どもが行為をまねたり、性意識がゆがめられたりする恐れがあると都側は強調するが、その科学的根拠はない。
 「みだりに」「肯定的に」「健全な判断能力」「著しく社会規範に反する」など条文にはあいまいな文言が目立ち、恣意(しい)的な運用も懸念される。
 都側はそんな表現規制を安易に持ち出す前に、既に定着している不健全図書指定制度で対応すれば足りよう。子どもの性的感情を刺激したり、残虐性を助長したり、自殺や犯罪を誘発する作品はとうに規制対象なのだから。
 ただ、漫画家や出版業界も表現の自由を享受するためにこそ、商業主義を排して都側と議論を深めてほしい。身の回りにあふれる性描写について、大人が学校や家庭、地域で子どもとコミュニケーションを図り、耐性を養う環境づくりも大切だろう。



【産経主張】菅新首相 国の針路正し危機打開を ばらまき政権公約を撤回せよ
 第94代首相に指名された菅直人氏には国家の針路を正し、国難を打開することを強く求めたい。
 8カ月余りで崩壊した鳩山政権は迷走を続け、国益を大きく損なった。国民は民主党政治は信頼に値しないと突き放した。
 副総理・財務相として内閣に参画していた菅氏は、こうした危機に手をこまねいていたのではなかったか。所管外とはいえ米軍普天間飛行場移設問題に関与しようとしなかったのは、待ちの姿勢と批判されても仕方ない。
 これからは国家と国民の平和と繁栄に関する最高の責務を負うこととなる。「この国を立て直すのが第一の仕事」と語ったように国政への信頼を取り戻すことに全力を挙げなくてはならない。
 ◆小沢氏は完全退場を
 菅氏は官房長官に仙谷由人国家戦略担当相、幹事長に枝野幸男行政刷新担当相を充てる方向で調整している。打破すべきは小沢一郎幹事長への権力集中に伴って続いてきた独裁的な党運営である。小沢氏と距離を置いていた人材を内閣と党の中枢に据え、小沢氏の影響力を排除することは当然である。
 小沢氏は政治とカネをめぐる問題で国民の信を失ってしまったことを潔く認め、鳩山由紀夫首相を見習って、政界からの引退を決断すべきである。
 菅氏は党の政策調査会復活も掲げた。政調会長を閣僚として処遇したいとも述べた。二重権力と呼ばれた政策決定システムを刷新する姿勢を貫いてもらいたい。
 国を立て直す最重要課題の一つが、鳩山政権によって破綻(はたん)寸前まで悪化した財政の再建にあることは明らかだ。ユーロ不安で政府債務の信用リスクが問われている中、債務残高の対GDP(国内総生産)比が181%と先進国で突出している日本は、常に経済崩壊に直結する金利急騰リスクにさらされているからである。
 菅氏も財政再建に意欲を示した。だが、問題は今月中に策定する財政健全化目標でどこまで具体的道筋を示せるかだ。そのカギを握るのは消費税である。
 消費税率見直しの4年間凍結を主張していた鳩山首相は退陣した。議論はしやすくなるが、参院選を控えて与党内に反対論が根強いうえ、菅氏自身が引き上げの必要性を表明するだけでその時期や幅に言及していない。
 財政健全化目標は基礎的財政収支の赤字削減にしろ債務残高対GDP比圧縮にしろ、中期と長期の目標数値を示さねばならない。その目標実行の担保として、消費税を中心とした増税の具体的スケジュールは不可欠なのだ。
 増税したとしても医療・介護など成長分野に支出し、税収増によって財政を再建するという菅氏のバラ色の手法も疑問が残る。その効果が上がるまで財政破綻は待ってくれないし、机上の計算が一つ狂えば目も当てられまい。
 まず、ばらまき政権公約を撤回し、増税を堅実な財政健全化につなげる。それが成長の阻害要因を取り除く最大の政策である。菅氏は鳩山政権で国家戦略担当相、財務相として成長戦略の迷走と財政悪化に深くかかわった責任をもっと自覚せねばならない。
 ◆郵政法案合意は問題
 菅氏は国民新党との連立継続を決めたが、郵政民営化に逆行する郵政法案について「速やかな成立を期す」と確認したことは問題だ。首相として最初の政策判断が問題の法案にゴーサインを出すものでは、政治の方向性が変わらないことを印象づけるだけだ。
 亀井静香郵政改革・金融相との協議では、社民党も入った昨年9月の3党合意を引き継ぐことも確認した。連立離脱した社民党に引き続き政権への協力を求める布石だろう。
 だが、連立離脱の原因となった普天間問題で社民党が辺野古移設に同意することはあり得まい。安全保障政策の明確な不一致が残っているのになぜ連携なのか。「選挙至上主義」は残念だ。
 それより、日米合意に沿って8月末までに代替施設の位置や工法を確定する作業に全力を挙げるべきだ。沖縄の強い反対の中で難しい作業だが、米国との約束を果たし同盟を堅持せねばならない。
 不安材料は、北朝鮮による拉致問題への対応だ。拉致実行犯である辛光洙(シン・ガンス)容疑者らの釈放嘆願書に菅氏が署名したことがあるからだ。個別名まで確認する余裕はなかったなどと釈明しているが、明確に謝罪すべきだ。対北制裁問題で毅然(きぜん)とした姿勢を示すかどうか注視したい。
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