((((゜Д゜)))新聞

サイバーエージェント「Ameba」が会員数1000万人を突破
 サイバーエージェントは7月12日、ブログサービスなどを提供する「Ameba」の会員数が7月9日に1000万人を突破したことを発表した。これを記念して「1,000万会員突破!ありがとうキャンペーン」を7月12日から7月27日まで実施する。
 1,000万会員突破!ありがとうキャンペーンでは、コミュニティサービス「アメーバピグ」やペット育成サービス「ブーシュカ」、仮想アイテムプレゼントサービス「Amebaプレゼント」で、それぞれ数種類のキャンペーン限定アイテムを10アメゴールドから販売する。



「ワンピース」の声優逮捕 「入れ墨見せたくて」下半身画像をネット掲載
 インターネット上のブログに自身のわいせつ画像を掲載したとして、警視庁保安課と千住署は12日、わいせつ図画陳列容疑で、東京都新宿区新宿のバー「刀」経営でタレントの今村清憲容疑者(56)=同区新宿=を逮捕した。
 同課によると、今村容疑者は約10年間で400万~500万円をかけて全身に龍や蛇などの入れ墨を施していたといい、「ほぼ完成したので、みんなに見せて自慢したかった」と容疑を認めている。
 今村容疑者は「いまむらのりお」の芸名で、人気アニメ「ワンピース」に声優として出演していたほか、舞台俳優として活動していたという。
 逮捕容疑は、4月26日から6月17日までの間、自身のブログ上に自分の下半身の画像など、わいせつ画像計4枚を不特定多数の利用者が閲覧できる状態にし、都内の男性会社員(37)に見せたとしている。



Twitter、フォロワー数拡大を支援するサービスを検討中か?
 All Things Digitalは米国時間7月9日、Twitterが新たな収益源となる製品を検討していると、同計画に詳しい消息筋の話として伝えた。同報道によると、同製品は、「Promoted Tweeter」のようなものだが、特定のユーザーアカウントをハイライトし、フォロワー数の増大に貢献するという。同製品のビジネスモデルについては、同消息筋もよく分からないとしている。All Things Digitalでは、獲得したフォロワー数に応じて課金するか、Twitterアカウントが得た露出に応じて課金されるのではと予想している。
 All Things Digitalによると、Twitterの広報担当者Sean Garrett氏は、「われわれは、プロモート製品および商用製品の完全なスイートを将来的には持つことになるだろう」と電子メールで述べ、これらの2製品のコンポーネントすべてについて決定がなされているわけではなく、「一部は現在、公にテストされている。また一部はテストがすぐに開始されるだろう。そして、別の一部は、製品に対するフィードバックを得るために外部に話をしている単なるアイデアにすぎない」と続けたという。



自治体のTwitterアカウント調査、茨城県のフォロワー数が2万9000人超
 自治体や企業が参加する「JOIN」(移住・交流推進機構)は12日、自治体のTwitterアカウントの開設状況に関する調査結果を公表した。
 調査はJOINに加盟する42都道府県、927市町村の自治体うち、東日本にある18の自治体から有効回答を集めたもの。このうち、7月7日時点で最もフォロワー数が多かったのは、茨城県うまいもんどころ推進室が運営しているアカウント「umaimon_ibaraki」で2万9265万人。フォロー数も2万9739人で最多だった。
 フォロワー数が2番目に多かったのは、北海道陸別町が運営するアカウント「rikubetsu」で3546人、3番目は青森県が運営する「AomoriPref」で3027人、4番目は長野県企画課ブランド推進係が運営する「nagano_b」で1214人だった。
 自治体のTwitter公式アカウントについてJOINは、「双方向型のコミュニケーションを目指すのか、広報的情報発信ツールとして利用するのか、自治体としての考え方や姿勢が色濃く反映されていくことになりそう」とコメントしている。



Fortuneの「技術分野で最も聡明な50人」にAppleジョブズ氏
 Fortune誌は7月9日、同誌が選ぶ「テクノロジー分野で最も聡明な50人」リストを発表した。Appleのスティーブ・ジョブズCEOなどが選ばれた。
 このリストは、知性だけではなく、影響力も考慮して決定したという。また「今」に焦点を当てているため、引退したビル・ゲイツ氏などは含まれない。
 CEO部門で最も聡明な人物に選ばれたのはスティーブ・ジョブズ氏。iTunes、Pixar、iPhone、iPadでの功績を評価し、「1つの業界を揺るがすのは幸運かもしれないが、(ジョブズ氏は)4つの業界を揺るがした」としている。次点にはAmazonのジェフ・ベゾス氏、Alibaba Groupのジャック・マー氏などが挙がっている。
 デザイナー部門では、iPhoneに携わったAppleのジョナサン・アイブ氏が選出され、次点には「マリオ」シリーズなどを生み出した任天堂の宮本茂氏などが挙げられている。
 また創業者部門ではFacebookのマーク・ザッカーバーグ氏が最も聡明とされ、Salesforce.comのマーク・ベニオフ氏、Googleのサーゲイ・ブリン氏とラリー・ペイジ氏、Twitterのジャック・ドーシー氏らが次点に選ばれた。ハイブリッド部門では「アバター」のジェームズ・キャメロン監督が選出されている。



「誰もいい製品だと思ってなかった」――Microsoft社員がKINを語る
 Microsoftが発売から2カ月足らずでソーシャル携帯「KIN」を開発終了したが、あるMicrosoft社員はこの決定を「一般社員にとって全社的な恥」としている。この匿名の社員はKINについて「そもそも、立ち上げるべき優れた製品だとは誰も思っていなかった」と語っている。しかも社内で行われたKIN立ち上げパーティーには、KINから得た売り上げ以上の費用がかかっていたという。「社員として恥ずかしいし、株主として腹が立つ。コンセプト実証のための製品ではあったが、何かほかのものを立ち上げるべきだった」
 ほかにも現社員や元社員がネットに寄せたコメントによると、KINにかかわっていたとされるアンディ・リーズ氏は「コンシューマー製品も携帯電話も分かっていなかった」という。KINをやめてWindows Phone 7に力を入れるというリーズ氏の決断は「もっと早くするべきだった」と指摘する声もある。しかしWindows Phone 7も「これまでの彼(リーズ氏)の実績からすると、99%の確率で大惨事になる」との意見もある。
 またある関係者はこうコメントしている。「KINが大失敗したのに誰もクビにならないなんて信じられない。数十億ドルが無駄になった。優秀な人材が3年間を費やし、その投資を全く回収できなかった」
 KINの実際の売り上げについては諸説あり、わずか500台といううわさもある。多くても1万台は超えていないようだ。



Twitterアカウントでソーシャル小説が書ける「twitnovels」
 株式会社ハートレイルズと株式会社マリーチは12日、Twitterアカウントを使って小説を投稿・閲覧できるサービス「twitnovels」を開始した。利用は無料。
 Twitterアカウントで「twitnovels」にサインインした上で小説を投稿すると、トップページ上に表示される。他のユーザーは、その小説の好きなページから「別の続き」が書ける仕組み。1ページあたり最大800文字を投稿できる。
 自分が投稿した小説に他のユーザーが「別の続き」を書いた場合、「マイページ」から確認したり、「別の続き」が書かれたページのURLをTwitter経由で通知してもらうことも可能となっている。
 ハートレイルズでは「twitnovels」を全く新しい「ソーシャル」な小説のメディアと位置付け、今後はmixiやFacebookなどのSNSに加え、携帯電話やiPhoneなどへのマルチプラットフォーム対応を図る考え。海外展開も視野に入れ、すでに英語ページも用意している。



「AppleとFacebookは脅威ではない」とGoogle CEO
 Googleのエリック・シュミットCEOは、AppleやFacebookが同社のビジネスを脅かしているとの見方を否定した。
 ほとんどの人は「死ぬまで戦うゼロサムゲームだと思っている」とシュミット氏は7月8日のサンバレーでも1時間のブリーフィングで記者団に語った。Googleの創設者ラリー・ペイジ氏とサーゲイ・ブリン氏も同席していた。
 「インターネットユーザーがFacebookユーザーになったとき、実際は彼らのGoogleでの検索は大きく増えるということを指摘しておく」とブリン氏は語った。
 シュミット氏らは、GoogleがFacebookに対抗する新サービス「Google Me」を開発しているとの報道は認めなかった。Facebookは6年前にスタートし、ユーザーを約5億人にまで拡大した。
 3氏は、混乱の1年間にGoogleにのしかかってきたさまざまな事柄について語った。この1年、同社は不況から脱却し、変化する競争局面や政府当局からの高まる監視、中国での大幅な戦略転換に直面している。
 シュミット氏とGoogleの2人の創設者は、メディア・IT業界幹部がリゾート地サンバレーに集まるAllen & Coカンファレンスの3日目に、記者団に向けて講演した。Appleのスティーブ・ジョブズCEOもこのイベントに招かれたが、出席しなかった。
 かつては同盟していたAppleとGoogleの関係は、両社がスマートフォンやモバイル広告などの市場で競争するのに伴って次第に緊張が高まっている。シュミット氏は昨年、両社の事業が重複しているとの理由からAppleの取締役を辞任した。
 Appleのジョブズ氏は最近カンファレンスで、両社の関係が変わったのはGoogleのせいであり、GoogleがAndroidを開発してiPhoneと競争することを選んだからだと話していた。
 Googleのペイジ氏は8日に、ジョブズ氏の発言は「歴史を少々改ざんしている」と示唆した。
 「われわれはかなり前から、インターネットに接続できて、優れたブラウザを搭載する携帯電話を作ることを考えてAndroidにより組んでいた。そのような製品が市場になかったからだ」とペイジ氏。「われわれが後から参入してきたという言い方は妥当ではないと思う」
 だがシュミット氏は、GoogleとAppleは今もさまざまな事業で重要なパートナーであるとし、AndroidとiPhoneの両方が成功できるほど市場は大きいと強調した。
 Googleは7月15日に第2四半期決算を発表する。同社は昨年およそ240億ドルの売上高を得た。
 シュミット氏は同社の最近のビジネストレンドについて詳しく語らなかったが、経済全般について慎重な見通しを示し、欧米は「アップダウンのある比較的長い回復課程」を経ると指摘している。
 Googleは、Chrome OSは年内投入に向けて順調に進んでいるとしている。同OSは初めNetbook向けに提供されるが、タブレットPCにも採用されるだろうとシュミット氏は言う。これはGoogleがAppleのiPadと競争する上で追い風になるだろう。



電子書籍の「黒船」を迎え撃て 大日本印刷など配信事業加速  国内市場の拡大を見据え、電子書籍の配信に向けた動きが相次いでいる。大日本印刷はインターネットのサイト「電子書店」を10月にも開設し、米インターネット検索大手のグーグルは来年初めに日本語書籍の配信に乗り出す。NTTドコモやソニーなども配信事業への参入を表明しており、遅れていた日本の電子書籍の普及が予想以上に早く進む可能性も出てきた。
 展示会に再び活気
 8日から11日まで東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれた書籍の見本市「東京国際ブックフェア」。電子書籍関連の展示コーナーは端末やサービスの説明を聞く人の波であふれかえった。「こんな光景は見たことがない」と大日本印刷の担当者。出版不況とともに縮小していた展示会が息を吹き返したかのような活気に包まれた。
 大日本印刷のサイト「電子書店」は、米アップルの多機能情報端末「iPad(アイパッド)」はもちろん、携帯電話や各メーカーの電子書籍端末にも対応させる。「特定の端末に限定せず、各社と等間隔で付き合いたい」というのがその理由だ。講談社や岩波書店など大手出版社に協力を呼びかけており、配信書籍は約10万点で立ち上げ、来年中に約30万点とする予定。配信価格は紙の書籍より安い設定にするよう出版社側と協議中で、2015年には電子書籍事業で500億円の売り上げを目指す。
 一方、グーグルは今夏から米国で始める配信サービス「グーグル・エディション」を、ほぼ半年後に日本へ導入する。同社の検索ソフトと連動して電子書籍の一部を無料で閲覧できる「グーグル・ブックス」を既に展開しているが、新サービスでは出版社の同意を得た書籍を有料で全ページ配信する。対応端末は限定せず、配信技術を他社に提供することも検討している。
 調査会社のインプレスR&Dによると、国内の電子書籍市場が14年度に09年度比で2.3倍の1300億円に伸びる見込み。ソニーと凸版印刷、KDDI、朝日新聞社が手を組んだ共同出資会社やNTTドコモ、ソフトバンクも配信事業への参入を表明しており、まさに「アイパッドの発売で一気に火がついた」(出版業界関係者)格好だ。
 共通規格の整備へ
 こうした動きが相次ぐ背景には、米国の市場を握る米アマゾン・ドット・コムとアップルの存在がある。著作者との交渉から自社の端末への配信までを自らのネットワークですべて網羅しようとする「黒船」がやってくる前に、従来の出版流通システムを保った仕組みを国内の電子書籍でも整えたいという思惑が、大手出版社などには強い。
 ただ、電子書籍の端末やサービスによって読める本の分野や規格が違ったり、決済が煩雑になったりすると読者側の混乱を招く恐れもある。出版社や印刷会社は規格や流通の仕組みの整備に乗り出しているが、「いずれはサービスの淘汰(とうた)が待っているのではないか」との指摘もある。(森川潤)



民主、野党と「部分連合」探る 政策協議巡り駆け引き
自民・みんなは慎重
 参院選での大敗を受け、政府・民主党は12日、態勢の立て直しを急いだ。菅直人首相は参院で与党が過半数割れした事態の打開に向け、政策ごとに野党と連携する部分連合(パーシャル連合)を探る。自民党やみんなの党は慎重で、政策協議を巡る駆け引きが始まっている。民主内では首相が続投を明言した枝野幸男幹事長らの責任論が今後強まる可能性があり、執行部は警戒している。
菅首相との会談のため首相公邸に入る民主党の枝野幹事長(12日午前)
 首相は同日午前、首相公邸で仙谷由人官房長官、民主の枝野幹事長、樽床伸二国会対策委員長、玄葉光一郎政調会長らと今後の対応を協議。野党への政策協議の呼びかけなど国会運営や、2011年度予算編成など当面の課題に結束して当たるよう指示した。首相は午前から午後にかけて公邸にこもりっきりだった。
 参院選では民主が44議席にとどまった。連立を組む国民新党は議席を得られず、与党系の無所属の非改選を合わせても与党で110議席と過半数に12議席足りない。与党は衆院で憲法59条に定める再議決が可能な3分の2を持っていないため、参院で多数派工作を進め、過半数を確保しなければ野党の対応次第で法案が一本も通らなくなる。
 民主は国民新との連立を維持したうえで、部分連合の相手としてみんなの党や社民党、たちあがれ日本などを念頭に置く。首相は12日未明の記者会見で「やれるところから政策的に共同作業を進めていく」と表明。仙谷長官は同日午前の記者会見で「政策議論を尽くしてより良い合意形成を生んでいく」と語った。
 野党側は今のところ与党との政策協議には慎重だ。自民党の茂木敏充幹事長代理は同番組で「バラマキの尻ぬぐいに使われては困るので、まずは(民主の)マニフェストの撤回から始めるべきだ」と条件を付けた。
 一方、みんなの党の渡辺喜美代表は午前の記者会見で「アジェンダ(政策課題)が一致すればいい」と含みを残した。ただ消費税増税には反対の立場を貫く構えで、首相が意欲を示す税制の抜本改革に向けた超党派協議は調整が難航しそうだ。
 一方、民主内では惨敗の原因が首相の「消費税発言」にあるとして、小沢一郎前幹事長のグループを中心に、首相の退陣論や執行部の刷新を求める声がくすぶっている。
 首相は12日未明の記者会見で、自らの続投とともに、枝野幹事長についても「これからも職務を全うしてもらいたい」と党内の交代論を退けた。仙谷長官も「厳しい批判を謙虚に受け止め、解決していくことこそが本来の政治だ」と語った。



【東京新聞社説】
与党過半数割れ 『ねじれ』解く知恵絞れ
2010年7月12日
 参院選は与党過半数割れに終わった。衆参で多数派が異なる「ねじれ国会」の再現だ。停滞を避けるには、ねじれを解くために知恵を絞るしかあるまい。
 昨年八月三十日の衆院選で、有権者が自民党から民主党への政権交代を選択してから約十カ月。再び「選挙の夏」がやってきた。
 民主党に政権を託したのは正しかったのか、菅直人民主党新代表は首相にふさわしいのか-。
 有権者がさまざまな思いを、選挙区と比例代表のそれぞれの一票に託したことだろう。
 そして有権者が出した結論は、「与党の過半数割れ」だった。
 ◆誤算だった消費税
 鳩山由紀夫前首相が「政治とカネ」と米軍普天間飛行場の返還問題をめぐる混乱の責任を取る形で突然辞任。参院選勝利を優先した「政権たらい回し」との批判を浴びながらも、後を継いだ菅内閣の支持率は発足当初60%を超えた。
 しかし、高支持率は長くは続かず、厳しい選挙結果になって表れた。その最大の誤算が「消費税」にあったことは、菅首相や民主党が認めている通りだ。
 消費税は歴代政権の命運を決定付けてきた政治的難題である。八百兆円を超える国と地方の長期債務残高を前に、首相が消費税論議の必要性を選挙で訴えた問題意識自体は理解できなくもない。
 ただ、最終的には増税が避けられないにしても、税金の無駄遣いをなくしてからというのが有権者の率直な思いではなかったか。
 消費税問題をいきなり持ち出した唐突さを、有権者は嫌った。
 鳩山前内閣時代を含む民主党政権の約十カ月間も問われた。
 政治主導の政策決定、「コンクリートから人へ」の予算配分、行政の無駄排除、緊密で対等な日米関係など、マニフェスト政策を実現する政権担当能力に、有権者は厳しい中間評価を下した。
 ◆国民本位の協力を
 通常国会終盤には強引な国会運営も目立った。有権者は、そうした民主党の「暴走」に歯止めをかけようとしたのだろう。
 首相は記者会見で「あらためてスタートラインに立った気持ちで責任ある政権運営を続けたい」と続投の意向を表明した。
 とはいえ参院での国会運営は厳しくなり、手を打たなければ、国政の停滞は避けられない。
 予算や条約は参院で否決されても、衆院で可決すればその議決が優先されるが、法案は両院で可決されなければ成立しないからだ。
 二〇〇七年の前回参院選で当時与党の自民、公明両党が過半数を失い、福田、麻生両内閣は国会運営に苦しんだが、それでも衆院では三分の二以上の議席があり、再議決という手段が残されていた。
 今は民主、国民新両党を合わせても衆院の議席は三分の二に満たず、状況は福田、麻生両内閣当時よりも厳しくなっていることは否定のしようがない。
 ではどう打開するのか。
 連立の枠組みを替えるのが一つの手段だが、民主党が連立相手として想定している公明党とみんなの党はいずれも連立を否定しており、現時点では可能性は低い。
 ならば、当面は政策ごとに野党と連携する「部分連合」でしのぐしかあるまい。
 来年度予算編成に向けた本格的な作業が近く始まる。厳しい財政状況下で真に国民に必要な施策をどう実現するかは、与野党の枠を超えて取り組むべき課題だ。財政健全化や年金などの社会保障、普天間問題や「政治とカネ」にどう臨むかも同様である。
 政権交代が当然のように起こる時代では与党が参院では必ずしも多数党となり得ないことを、ここ数回の参院選は示す。
 自民党の谷垣禎一総裁は衆院解散を求める一方、民主党との協議に応じる余地も残したが、野党側も国民のために協力を惜しむべきでないのは当然だ。与野党がともに課題解決の作業を重ねれば、政治は強くなるに違いない。
 その前提として民主党が一致して難局に臨むことが肝要だ。
 参院選結果を受け、小沢一郎前幹事長を支持するグループと「反小沢」派の対立が再燃する兆しがあるが、国民そっちのけの党内抗争は繰り返すべきではない。
 ◆再び「良識の府」に
 「良識の府」と呼ばれ無所属議員の多かった参院も、自民党政権時代を通じて政党化が進み、今では政権の命運をも左右する「政局の府」と呼ばれ始めている。
 その実態が国政停滞の主因となっているなら見過ごせない。
 政党色を薄め、より議員個人の意思を尊重する、採決で党の方針決定に従う「党議拘束」をやめるなどして再び「良識の府」への道を歩み出してはどうか。今回の選挙結果がその契機になるのなら、意義は十分見いだせる。
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(つд⊂)ゴシゴシ…新聞

ゲーム産業を支える産官学のハッピーな関係
 カナダ・バンクーバー地域のゲーム産業を視察して、日本との違いを感じたことの1つは、「知識労働者(Knowledge Worker)」という考え方の定着ぶりである。バンクーバーがゲーム産業のクラスター(集積)地域としてどのように競争力を高めているのかを、このキーワードから読み解いていこう。
ゲーム開発者は知識労働者
 経営学者のP.F.ドラッカーは、「ネクスト・ソサエティ」(ダイヤモンド社)の中で、「知識労働者の特質は、自らを労働者ではなく専門家とみなすことにある」とし、知識労働者に不可欠な2つの教育を挙げている。1つは、知識労働者としての知識を身につけるための学校教育であり、もう1つは知識労働者としての知識を最新に保つための継続教育である。
 日本では、ゲーム産業は「娯楽」や「おもちゃ」という枠組みに入れられることが多い。しかし、現代のゲーム産業は数多くの専門知識で成り立っている。高度な専門教育を受けた知識労働者が求められる知識産業なのである。
 バンクーバーに限らず、日本とカナダのゲーム産業に対する認識の決定的な違いはここにある。カナダの政府関係者は当たり前のように「知識労働者」という単語を使う。少なくともカナダでは、ゲーム開発は単なる「娯楽」に関わる仕事ではない。
専門大学院に企業も協力
 バンクーバーでは、ゲーム産業の強さを維持するためには優秀な教育機関を持ち、高度なスキルを持った人材を育てていく必要があるとの認識が、産官学にしっかりと根付いている。
 その象徴が、2007年にスタートした「Centre for Digital Media」だ。これはゲーム、映画などデジタルメディア教育の専門大学院で、現地の総合大学であるブリティッシュコロンビア大学とサイモン・フレーザー大学、それにエミリー・カー美術大学、技術系の公立職業訓練校BCITの4校の学生が進学する。定員は70人で、専門分野の異なる人材が集まり実践的な教育を受けられる環境が特徴だ。
 もともと、バンクーバー地域最大のゲーム開発スタジオを持つエレクトロニックアーツ(EA)が中心となり、人材育成の必要を行政に働きかけたのがきっかけだった。これを受けて、ブリティッシュコロンビア州政府が06年に約40億円の設立予算を拠出し、この大学院が作られた。現在は行政からの直接的な援助はなく、授業料と企業などからの寄付金によって運営されている。
 現地のゲーム会社やCGスタジオなどに在籍している人材が、教育に深く関わっている点でも特徴がある。特にEAはゲーム開発者を養成するためのカリキュラム開発まで手がけたという。
 家庭用ゲーム機市場の低迷で、最近はバンクーバー地域でも多くのゲーム開発スタジオがリストラを実施しているが、「学生が就職先に困るということはない」とエグゼクティブディレクターのゲリー・シンクレア氏は語る。米ピクサーなど大手CGスタジオが進出したことで、デジタルメディア産業では常に人材が不足しているという。起業支援のプログラムは特に用意していないが、卒業生が設立したベンチャー企業はすでに7社に上っている。
狭い都市だから強い「コミュニティー」
 バンクーバーは都市の中心部がそれほど広くない。ダウンタウンの中心部は徒歩15分程度でほとんど歩いて回れるし、少し離れたところでも地下鉄で30分ほどしかかからない。街中を歩いていて、友人同士が偶然出会って挨拶するといった姿をよく見かけた。これは東京のような巨大都市ではありえないことだ。
 バンクーバーで産業クラスターが発展した理由として、多くの人が挙げるのが「コミュニティーの強さ」だった。お互いがお互いのことを知っている環境では、新しいビジネスを起こすときに協力者や助言役を見つけやすく、リストラ時にはセーフティーネットとしても機能する。
 滞在中に、たまたま「SIGGRAPHバンクーバー支部」という組織の月例会合があったので参加した。SIGGRAPHは米国のCG分野の学会組織だが、独立した支部が北米地域を中心に存在する。SIGGRAPHバンクーバーは月に1~2度の勉強会を行っており、毎回100~150人が参加しているという。その日は映画館を借り切り、映画「アリス・イン・ワンダーランド」のCGによるキャラクターデザイン手法についてメイキング講演が行われ、最後に映画を鑑賞して深夜に終わるという構成だった。
 SIGGRAPHバンクーバーは、現地のCGスタジオやゲーム会社、ベンチャーキャピタリストなどが中心となって運営している。ビジネスや技術の情報を常に交換できるこうした環境が、クラスター地域の下支えとなっている。
産業界が要望したゲーム開発減税
 ブリティッシュコロンビア州は今年2月、ゲーム開発会社向けの新たな減税措置を9月1日に導入すると発表した。同州で「ビデオゲーム開発」に携わる労働者にかかるコストの17.5%相当を減税するという新しい政策だ。
 この減税は、産業界の要望で実現した。ディズニーインタラクティブカナダのハワード・ドナルドソン副社長が地元の主要ゲーム会社13社に呼びかけて「BCインタラクティブ」という経営者団体を組織し、週1回のミーティングで政策提言の素案を作り、行政に働きかけたという。
 カナダ国内では、バンクーバーだけでなく他の都市や州もゲーム開発スタジオの誘致に力を入れている。この10年でゲームクラスター地域として急成長したモントリオールがあるケベック州は、最大37.5%もの給与を直接負担する仕組みを持つ。自動車産業など製造業の業績悪化でトロントが疲弊しているオンタリオ州は今年6月、景気刺激策として仏UBIの開発スタジオに今後10年間で2億6300万カナダドルを投じると発表した。このスタジオは約800人規模で、同社の看板タイトルの1つ「スプリンターセル」シリーズを開発している。
 そのため、ブリティッシュコロンビア州の減税は、他の2州に比べてまだ不十分という意見がある。しかし、北米のゲーム、映画産業の中心地でありベンチャーキャピタルなどの投資も活発なカリフォルニア州に近い西海岸地域という地の利があり、「少なくとも、他の地域と競争できる状態にはなる」と、ドナルドソン氏は期待を寄せていた。
地の利を生む戦略が重要に
 ブリティッシュコロンビア州も90年代までは、大学で専門教育を受けても就職先がなく、多くの優秀な学生が米国に流出していた。しかし、行政もデジタルメディア産業の育成に本腰を入れるようになったことで、米国からゲーム開発者がUターンする現象も起きているという。さらに、移民の条件を緩和するなどして、米国から優秀な人材を呼び込もうともしている。
 ゲーム開発は、本質的には場所を選ばない。人がすべてだ。だからこそ、バンクーバーのように産官学や地域コミュニティーが綿密に連携し、地の利を生み出す成長戦略がより重要になるのである。



与党大敗、過半数割れ…民主40議席台に
 第22回参院選は11日、投票が行われ、即日開票された。
 昨年9月に民主党が政権を獲得して以降、初の全国規模の国政選は、民主、国民新の連立与党が非改選議席を含め参院の過半数(122議席)を割り込み、大敗した。
 民主党は菅首相の設定した勝敗ラインの改選議席(54議席)を下回り、40議席台にとどまった。改選定数1の1人区で自民党に大きく負け越し、選挙区全体でも水をあけられた。
 自民党は堅調で、改選議席(38議席)を超えて50議席台となり、改選第1党になった。
 みんなの党は順調に議席を積み重ね、躍進した。首相は引き続き政権を担う意向を表明したが、民主党では首相と執行部の責任を問う声があがっている。同党は他党に連携を呼び掛けるなど、参院での多数派確保のための動きを始めた。ただ、野党には現状での連携に慎重論が強く、困難な国会運営を強いられそうだ。



消費増税論議、失速の懸念高まる 与党過半数割れで
 参院選で与党が過半数を割り込んだことで、菅直人首相が前のめりで打ち出した消費税増税の議論が失速する可能性が高まった。自民党などが対決姿勢を強めることが確実なためだ。増税で獲得した財源を成長分野に集中投資し、「強い経済、強い財政、強い社会保障」を実現するとした菅首相の「第三の道」路線も停滞を余儀なくされそうだ。
 消費税について、首相は参院選で与野党協議を呼びかけてきた。だが、首相が参考にするとした税率10%を掲げた自民党は「与野党協議は民主党のばらまき政策の撤回が前提だ」(谷垣禎一総裁)と主張。独り勝ちとなったみんなの党も消費税の増税には反対するなど各党の隔たりは大きく、与野党協議の実現は困難な情勢だ。
 また、首相が消費税増税を争点化させたことで厳しい選挙結果になったことを受け、民主党内の増税慎重派が勢いを増せば、論議自体が仕切り直しとなる可能性も十分にある。
 首相は消費税増税と合せて、所得税の最高税率引き上げや法人税率の引き下げにも前向きな姿勢だったが、一連の税制論議に影響が及ぶことは確実。その場合、ただでさえ主要国で最大の借金を抱える日本の財政に対する市場の評価はさらに厳しくなりそうだ。
 政府は7月下旬までに概算要求の基本方針を策定する予定だが、このまま政権運営が不安定化すれば、予算編成作業にも影響が及びそうで、菅首相が“生煮え”で持ち出した消費税問題の代償は大きい。



NEC、人事業務を中国移管 コスト減へ10万人分
まず給与計算や出張費精算
 NECはグループ全体の7割にあたる10万人分の人事関連業務を中国にある子会社に移管する。人件費やオフィス費用などが安い中国に移すことで、該当する業務のコスト半減を狙う。間接業務の中国への移管はソニーやヤマト運輸など国内企業に広がりつつあるが、規模ではNECが最大とみられる。生産や開発などの現地化に加え、間接業務でも中国を戦略的に活用する動きが活発になってきた。
 NECはまず給与計算や出張費の精算などの業務を移管。将来は財形貯蓄など福利厚生制度の利用登録、育児支援制度の申請内容のチェックなども担当させ、人事関連の業務量の4割程度を移す。社印が必要な証明書の発行などは日本に残す。



かつて30兆円市場を誇ったパチンコ業界、淘汰の時代へ
 産業界の規模を表すものに「1兆円産業」という言葉があるが、パチンコ業界もピークだった1995年には市場規模が、30兆円と報じられた。しかしそんなパチンコ業界も、最近ではきびしい状況に直面している。
 6月25日には、現代のパチンコ台の原形とされる「正村ゲージ」を開発したパチンコ店運営会社「正村商会」が、名古屋地裁に破産の申し立てを行うことが明らかになった。同社は、大手パチンコチェーンの出店攻勢によって経営が悪化したとみられている。今やパチンコ業界でも再編が行われる時代となり、大手のみが生き残る状況になりつつある。
 帝国データバンクは2008年1月のレポートで、すでに趣味の多様化によるライトユーザーの減少のほか、貸し付けを年収の3分の1以下と制限する総量規制を盛り込んだ改正貸金業法により、借金をしてまでパチンコ店に通うヘビーユーザーは減少すると指摘していた。
 改正貸金業法は今年6月18日に完全施行され、この指摘が現実化する。ある大手パチンコホール運営会社は今年1月、改正貸金業法が与える影響を試算し、6月の完全施行後、売上高が10%前後減少するという結果が出たという。
 近年のパチンコ業界の一つの大きな転換点となったのは2007年。この年に「パチスロ5号機問題」と呼ばれる規制が行われた。大当たりの連チャンが人気だった4号機パチスロ機が撤去されたことで、射幸性の高いパチスロを好むユーザーの足がホールから遠のいた。
 これによりパチンコホールは、機種入替のために多額の費用負担を強いられたが、金融機関・リース会社の融資意欲も一気に冷え込んだ。見込んでいた新規融資を受けられないといった事態に陥る業者が増え、パチンコ業界の倒産件数が2007年には96件、2008年には92件と高水準で続いた。
 ホール側はファンを呼び戻すため、設置する遊技機をパチスロからパチンコに変更し、また「1円ぱちんこ」など、少ない資金で長く遊べることをうたう低貸玉営業に力を入れる店舗も多く見られるようになった。
 各遊技機メーカーは生き残りをかけて、「北斗の拳」「新世紀エヴァンゲリオン」といった漫画やアニメ、特撮、ハリウッド映画といったキャラクターものから、韓国ドラマ冬のソナタ、歌手の倖田來未などの芸能人を起用したタイアップを多数展開している。芸能界ではタレントの神田うの、伊藤美咲などがパチンコチェーンやメーカーの社長と結婚するなど、華やかな側面も話題となっている。
 その一方で毎年のように、パチンコホールの駐車場の車内に放置された子どもが、熱中症で死亡するといった事故が後を絶たない。パチンコ・パチスロの攻略法や、打ち子、モニターといった名目の詐欺も多発している。パチンコ依存症の問題もある。全日本遊技事業協同組合連合会は、こういった問題に対し、非営利の相談機関のリカバリーサポート・ネットワークの設立を支援するなど対処を行っているが問題は根深い。パチンコが健全な庶民の娯楽となる日は来るのだろうか。


フィギュア付けた男性誌、即日完売 休刊が相次ぐ中、付録付き雑誌だけが大人気
 雑誌業界は1997年をピークに総販売額が減り続け、2010年に入ってからもその傾向は続いており、約60誌が部数の減少や広告収入の落ち込みなどで休刊を発表し、店頭から姿を消した。
 そんな中、好調なのが付録付き雑誌だ。20代の若い女性をターゲットにした宝島社のファッション雑誌「sweet」は、ヤングアダルト・ミセス対象のレディース向け雑誌では、これまで何度も売り上げ1位を記録している。「sweet」は毎号ブランドとコラボしたバッグや小物が付録となっていることで知られている。
 また、昨年11月には、宝島社はコスメティックブランド「イヴ・サンローラン・ボーテ」の付録付きのブランドムックを発売したが、この初版は同社の過去最高となる100万部だった。これに追随した各社は、こぞって「付録」で競い合っている状況だ。
 ネット上では、このような付録付き女性誌の情報交換を行う「フロクナビ」も登場し、多くの読者から口コミが寄せられている。
 最近では男性向け雑誌でも付録付きが増えつつある。美少女情報を紹介した雑誌「電撃G'smagazine」8月号では、美少女キャラクター「ねんどろいどぷち かなで」のフィギュアを付録に付けたところ、数日で売り切れとなった。またこの付録を大量に手に入れるため、同誌を数十冊も購入した男性がネット上で注目を集めた。
 あたかも付録との主従関係が逆転してしまったような雑誌。インターネットや携帯端末の普及により、その存在意義が薄れつつある中、今後の動向に注目したい。



エクソンがBP買収検討か…英紙報道
 【ロンドン=是枝智】11日付の英紙サンデー・タイムズは、米石油大手エクソンモービルが、メキシコ湾で原油流出事故を起こした英BPの買収を検討していると報じた。
 買収総額は最大1000億ポンド(約13・3兆円)にのぼる可能性がある。実現すれば、時価総額が4000億ドル(約35・2兆円)を超える巨大石油会社が誕生するだけに今後の推移が注目される。
 同紙は、オバマ米政権が10日、エクソンモービルや、シェブロンとみられる米石油大手に、BPの買収を阻まないと伝えたことなどを石油業界筋の話として紹介した。ただ、「実際に買収に動くかどうかは確実ではない」としている。
 BPの株価は、事故前と比べて4割以上も値下がりしており、ライバル会社からの買収リスクが高まっていると指摘されている。BPは買収に対抗するため、中東の政府系ファンドなどに協力を求めたとされる。



参院選民主敗北 バラマキと迷走に厳しい審判(7月12日付・読売社説)
 昨年夏の衆院選で政権交代を果たし、その後の政権運営の評価を問う民主党に対し、有権者は厳しい審判を下した。
 11日投開票の参院選で民主党は、菅首相が目標に掲げた改選54議席を大きく下回り、敗北した。千葉法相も落選した。連立与党の議席も、非改選を含め過半数に届かなかった。
 この結果、衆参両院で多数派が異なる「ねじれ国会」になる。民主党は、参院の過半数を確保するため、野党との連立を模索せざるを得ない状況だ。
 菅首相は記者会見で「責任ある政権運営を続けたい」と、続投の意向を表明したが、求心力の低下は否めない。首相を含めた党執行部の責任問題が浮上する可能性もあり、混乱は避けられまい。
 民主党の最大の敗因は、菅首相の消費税問題への対応だ。
 自民党の消費税率10%への引き上げ公約に乗る形で税率引き上げに言及したが、税率アップの狙いや使途などについて十分説明を尽くさず、低所得者対策に関する発言も揺らいだ。
 首相の方針に対して、民主党内から公然と批判が出るなど、党内不一致も露呈した。
 無論、鳩山前首相、小沢一郎・前幹事長の「政治とカネ」の問題をはじめ、米軍普天間飛行場移設問題の迷走、子ども手当などバラマキ政策の行き詰まりなど、前政権の失政も響いた。
 ◆自民が改選第1党に◆
 自民党は、今回の改選議席では民主党を上回った。公募による新人候補の擁立など選挙戦術も功を奏したとみられる。
 もっとも、自民党が本格的に復調したと考えるのは早計だ。
 民主党の敵失に乗じた面が大きく、比例選では民主党に及ばなかった。有権者は、民主党の“独走”を阻む役割を自民党に期待したのではないか。
 みんなの党は、公務員の大幅削減や天下り根絶などを唱えて、2大政党にあきたらない人々の票を吸い上げ、躍進した。
 しかし、今後は、その議席数にふさわしい責任を果たさねばならない。ポピュリズム(大衆迎合主義)的な政策や言動は、改めざるを得ないだろう。
 キャスチングボートを握ることを目指していた渡辺代表は、今回の獲得議席を基に、政局を混乱させることがあってはなるまい。
 ◆消費税協議を進めよ◆
 今回の選挙戦の特徴は、民主、自民の2大政党が、消費税率引き上げという増税論議を避けずに戦ったことである。
 選挙中の本紙世論調査では、税率アップについて3人に2人が「必要」と答えていた。消費増税への理解は着実に進んでいるとみていいようだ。
 菅首相は、選挙戦で消費税を含む税制の抜本改革に関する超党派の協議を呼びかけた。自民党も同種の「円卓会議」を主張した。
 だが、子ども手当などのバラマキ政策を放置し、協議を開始するのは無理がある。これらの政策を見直したうえ、消費税率引き上げに向けて協議を進めることが政治の責任と言える。
 民主、自民両党は互いに歩み寄って協議に入るべきだ。
 普天間問題では、工法決定などの約束期限が8月末に迫っている。日米合意を誠実に履行し、日米関係を修復の軌道に乗せて、11月のオバマ米大統領の来日につなげる努力が欠かせない。
 今回の参院選敗北を受けて、民主党内では、小沢前幹事長支持グループなどが、9月の党代表選に向けて、執行部への揺さぶりを強める可能性がある。
 しかし、首相が、消費税や普天間の問題で示した方針を変更するようなことがあれば、国民の信頼を一層、失うだけだ。
 鳩山前政権から大きく舵(かじ)を切った内政、外交の現実路線は、しっかり堅持すべきであろう。
 民主党は、衆院では絶対安定多数を維持しているが、国民新党を加えても、参院で否決された法案を衆院で再可決するための3分の2以上の議席には達しない。
 この点では、自民党の安倍、福田、麻生の歴代政権よりも、厳しい国会運営が迫られる。
 ◆連立は政策本位で◆
 菅首相は記者会見で、野党との連立を視野に入れ、政策面の協議を行う考えを表明した。
 その際、安全保障政策で隔たりのある社民党との連立が政治を混乱させたことを忘れてはなるまい。連立政権は、基本政策の一致を大前提とすることが肝要だ。
 各野党は、次期衆院選をにらみ、連立政権には参加しないとしている。このため、閣外協力や、法案ごとに協力し合う「部分連合」も追求せざるを得ないだろう。
 菅政権の前途には、臨時国会や党代表選など、多くのハードルが待ち構えている。
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