(ノ゜Д゜)八(゜Д゜)ノ新聞

LTEの台頭で急失速したWiMAX陣営のジレンマ
 米国ではここ数年、次世代無線ブロードバンドの担い手として「WiMAX」が期待されており、WiMAX広域事業者のクリアワイヤが世界最大規模のWiMAXネットワークを建設してきた。ところがそのWiMAX陣営が、携帯電話事業者などが始めたLTE(long term evolution)ネットワークの整備によって揺れ動き始めている。米政府が無線ブロードバンド整備に力を入れるなかで、混迷の色を強めている米国のWiMAXはどこに向かおうとしているのか。
 米国では2年ほど前から、携帯業界第3位のスプリント・ネクステルとクリアワイヤが中心となり、WiMAX広域ネットワークの整備を進めてきた。クリアワイヤはニューヨーク市街、ロサンゼルス、ボストン、デンバー、ミネアポリス、サンフランシスコ湾岸地域、マイアミなどの主要都市でサービスを展開し、2010年第1四半期の契約数は97万1000加入となった。
 当初は無線インターネットサービスが中心だったが、スプリント・ネクステルは6月にWiMAXベースの携帯端末「HTC EVO(イーボ)4G」を発売し、モバイルサービスとの融合を具体化させている。米CATV最大手のコムキャストや業界2位のタイムワーナー・ケーブル(TWC)はクリアワイヤのWiMAXサービスの再販を進め、WiMAXの宅内小型基地局(フェムトセル)も販売している。クリアワイヤは10年末までに人口カバー率1億2000万を目指している。
 一方、米国の大手携帯電話事業者の多くは、第4世代(4G)の次世代無線ブロードバンドサービスで、LTEを採用しようとしている。米国で9280万加入の契約数を誇る業界トップのベライゾン・ワイヤレスは、10年末までに25都市でLTEサービスを開始する。携帯業界2位のAT&Tモビリティも11年末から12年にLTEサービスを始める計画を明らかにしている。各社とも当初はノートパソコンなど移動データ端末向けだが、13年ころには携帯電話型の端末を展開すると予想されている。
 クリアワイヤとスプリント・ネクステルは当初、WiMAXの商用サービスで約3年先行し、後を追ってくるであろうLTE陣営に対して競争を優位に展開する計画だった。そのために電話、テレビ、インターネットの「トリプルプレー」サービスで電話会社と競合するCATV事業者を仲間に引き入れ、WiMAXサービスの再販を拡大した。さらに加入者を増やすことで機器メーカーにWiMAX端末の開発を促し、スマートメーター(電力遠隔検針)をはじめとする多彩な用途の開拓も進めていた。
 下り方向で最大毎秒100メガビットが可能な次世代規格「WiMAX2」に早期に移行し、通信速度面でLTE陣営を突き放す戦略にも力を注いでいる。10年4月にはイスラエルのアルバリオン、米インテル、米モトローラ、韓国サムスン、中国ZTEなどのWiMAX関連メーカーが中心となり、WiMAX2を振興する団体「WiMAX2 Collaboration Initiative(WCI)」を発足させている。
全米ブロードバンド計画がLTEへの投資を促進
 しかし、ここに来てWiMAX陣営に厳しいニュースが飛び交っている。まずWiMAX機器の認定や互換性検査を行う「WiMAXフォーラム」が、6月にオフィスを1カ所閉鎖した。WiMAX機器の開発を進めていた中小メーカーが急速にLTE端末に流れ、同団体がメンバーの減少に直面しているためだ。
 一方WiMAX技術の支援を続けているインテルが、7月初めに台湾の「WiMAXプログラムオフィス」の閉鎖へ動いていることが明らかになった。全地域にWiMAXブロードバンド網を整備し、モデルケースとして注目を浴びてきた台湾だけに、業界内に動揺が走った。
 既に述べたように、米国ではクリアワイヤがWiMAXネットワークの整備を続けており、着実に加入者を獲得してきた。では、なぜWiMAX離れが急速に始まったのだろうか。その契機となったのは、3月に発表された「全米ブロードバンド計画(National Broadband Plan=NBP)」である。
 NBPではむこう10年間で500MHzもの帯域を無線ブロードバンド整備に割り当てる案が示された。米連邦通信委員会(FCC)は4月上旬に発表した「The Broadband Action Agenda」の中で、テレビ放送業界から120MHz分の周波数帯域を確保し、12年あるいは13年に競売にかける計画を公開している。6月28日には、無線ブロードバンド拡大を指示する「メモランダム」にオバマ米大統領が署名している。
 米政府が無線ブロードバンドを支援する姿勢を強く打ち出したことで、米国の携帯電話業界は一斉に無線ブロードバンド投資へと動き出した。ベライゾン・ワイヤレスとAT&TモビリティはLTEへの投資を積極的に打ち出し、中堅の携帯電話事業者は政府の無線免許競売によるLTE用周波数の確保に期待を広げている。ベライゾン・ワイヤレスは地方でのLTEインフラ整備にも眼を配り、地方携帯電話事業者にLTE無線免許のサブライセンスを組み合わせたローミング契約を提案している。連邦政府の強力な支援を追い風にしたLTE陣営の動きが活発化したため、WiMAX陣営の劣勢は誰の目にも明らかになってきた。
クリアワイヤはTD-LTEに移行する算段か
 ではクリアワイヤとスプリント・ネクステルはどうするのだろうか。業界内では様々な憶測が飛び交っている。
 クリアワイヤは数年先にWiMAXを捨て、中国などが導入を進めているTD-LTE方式への移行を狙っているとうわさされている。もし世界最大の広域事業者であるクリアワイヤがWiMAXを捨てるのであれば、同陣営には大きな痛手となる。スプリント・ネクステルには、11年から始まる米国の電波競売で業界4位のT-モバイルUSAと共同でLTE用無線周波数の応札に走るといううわさがある。
 こうした米国のWiMAXを取り巻く状況は、当然日本の無線ブロードバンド業界にも影響を与える。日本でもUQコミュニケーションズなどがWiMAXによる無線ブロードバンドサービスを始めているが、数年後に世界の大勢がLTE側に傾くなら、サービスのあり方を見直す必要に迫られるかもしれない。現在進行中の、無線ブロードバンドを視野に入れた電波再編作業にも影響が及ぶだろう。
 これからの通信サービスは、複合化の時代に入る。消費者はサービスを提供する事業者に「いつでも、どこでも、好きなコンテンツを、好きな伝送路で」利用できる環境を求めており、今後もその傾向が強まる。大手通信事業者はこうした理想的な通信環境を目指すに当たって無線ブロードバンドを柱として位置づけている。今後の通信サービスを設計するうえで、WiMAXがこれまで歩んできた道のりは、どのような教訓を通信事業者に残すのだろうか。



薄型・大容量「Xbox」好調 6月ゲーム販売、売上高は6%減少
 米国の6月のゲーム市場(ハード、ソフト、付属品)全体の売上高は前年同月比で6%減少し11億ドル(約960億円)にとどまった。
 米市場調査会社NPDグループが15日発表したところによると、米マイクロソフトの「Xbox360」は前年同月比88%増の45万1700台。従来よりも薄型で容量の大きいハード・ドライブを搭載した機種の投入が寄与しXbox360の販売台数は年末商戦以外では2007年9月に次いで過去2番目の高水準となった。
 任天堂「Wii」の販売台数は16%増の42万2500台。ソニーの「プレイステーション3(PS3)」は85%増の30万4800台。任天堂の「DS」の販売は3割強減少した。同社が裸眼で3D(3次元)映像を楽しめる「ニンテンドー3DS」を発表して購入が控えられた。同社は3DSを11年3月期末までに発売する見通し。
 ゲームソフトの販売は15%減の5億3100万ドル。ソフト制作会社は7~12月(下期)まで主な新作ソフトの投入を控えているため、ヒット商品の品ぞろえが比較的少なかったのが影響した。



TOPIX、日経平均との乖離拡大 輸出企業の牽引が目立つ
 国内の主要銘柄で構成する日経平均株価と東証1部全銘柄の株価水準を示す東証株価指数(TOPIX)とで数字の開きが大きくなっている。日経平均をTOPIXで割った倍率はそれまでの10倍台から11倍台に広がり、16日時点で10カ月連続で11倍台となった。日経平均が業績回復が続く輸出関連企業の値動きに敏感なのに対し、銀行、非製造業など内需関連銘柄の影響が強いTOPIXの動きが鈍いためで、輸出関連企業が日本産業を支えている構図が株価から浮かび上がる。
 日経平均は自動車や電機など主要225銘柄で構成され、輸出関連の比重が大きい。一方、TOPIXは東証1部全銘柄の時価総額をもとに算出される。銀行株の他、非製造業、中堅企業の動向が影響する。
 日経平均をリードする輸出関連の業績が平成20年秋のリーマン・ショック後に急回復する一方、内需関連企業は回復が遅れ、TOPIXの動きを引き留めた。16日の日経平均はリーマン・ショックの影響で乱高下する直前の水準から77%回復したが、TOPIXはこの間、71%の回復にとどまる。ただ米ダウ工業株30種平均は90%回復しており日本株の回復は弱い。
 日経平均とTOPIXの拡大は、輸出産業の業績回復に連動して広がってきた。
 日経平均がバブル崩壊後の最安値(7054円98銭)をつけた21年3月は両者の開きは10・02倍だった。その後、製造業を中心に回復が進み、日経平均が1万1000円に向け上昇していた今年1月には11・64倍にまで急拡大、その後11倍台で推移し、16日も11・19倍だ。
 「輸出産業の好転がいずれ内需に波及し、拡大は修正される」(日興コーディアル証券の長谷川浩ストラテジスト)との意見もあるが、両者の広がりについて「国内産業が構造転換を怠ってきたツケが顕在化した」との指摘もあがっている。
 内需関連企業の業績回復の遅れは深刻だ。みずほ証券リサーチ&コンサルティングによると22年3月期決算企業のうち輸出を手がける企業が多くを占める製造業の経常利益は81・0%増だったのに対して、内需中心の非製造業(金融除く)は3・0%減に落ち込んでいる。
 また、三菱UFJモルガン・スタンレー証券によると輸出などを手がける製造業の社員1人が生み出す実質GDPは1970年代から伸び続けているが、内需型企業は60年代半ばからほぼ変わらないといい、内需産業の強化が遅れている分を、輸出型産業が埋め合わせていることを裏付ける。 今後の展望について、市場関係者の間には「TOPIXはあまり上昇せず乖(かい)離(り)が続く」という声は多い。
 政府はアジア戦略やインフラ輸出などを柱にした新成長戦略を閣議決定した。日本経済の停滞は、内需型産業からグローバル産業への転換が解決策になることを2つの株価指標が示している。



手のひらスパコンに道 富士通など、新材料実用化へ
 丸めて持ち歩ける多機能端末や、スーパーコンピューター並みの処理能力がある省エネ携帯端末――。革新的な商品に道を開く次世代炭素材料「グラフェン」の実用化へ向け、富士通やNTT、NECが相次ぎ加工技術を開発した。グラフェンを機器の心臓部となる電子素子に応用し、微細加工が限界に迫る主力材料のシリコンではかなわない機能を引き出す。

 グラフェンは炭素原子が超微細な網目状に連なったシート材料。曲げても伸ばしても破れない。シリコンに比べ電気が100倍流れやすく、超高速トランジスタの材料に有望だ。大規模集積回路(LSI)なら電力損失も従来の10分の1~100分の1になる。日米欧などが技術開発を競うが、実用的なシートが作れなかった。
 富士通は厚さが原子1個分ほどに相当する0.34ナノ(ナノは10億分の1)メートルの、極めて薄いグラフェンのシートを均一に作る技術を開発した。直径20センチメートルの基板上に積むことに成功。網目構造の一部がそのまま微細な回路になり、大量のデータを高速でやり取りできる。

 NTTはグラフェンの厚みを調整する手法を開発した。スパコンなどを構成する多数の基板が、極薄のグラフェンに置き換わる可能性がある。



【産経主張】国家戦略室 国づくり投げ出す格下げ
 外交・安全保障や予算の骨格づくりなど、国のかたちをつかさどる機関を縮小してしまい、菅直人首相は今後、どうやって国家ビジョンを描いていくつもりなのか。
 民主党政権で政策調整の司令塔と位置付けられていた国家戦略室の機能を縮小し、首相への助言機関の一つに格下げすることである。
 「国家戦略局の設置」は、民主党が昨年の衆院選で示した政権構想の中でも、政治主導を実現する重要な柱だったはずだ。
 うまく機能すれば、中長期的な視野に立った政策を官邸主導で展開することが期待された。
 鳩山由紀夫前政権下で、戦略室が当初期待された機能を果たしていなかった問題はある。だが、統治機構に関する基本的な考え方を安易に変更してしまうこと自体が民主党主導政権の戦略のなさを露呈している。
 戦略室を縮小する理由の一つは、戦略局への格上げなどを図る政治主導確立法案が先の通常国会で成立せず、衆参両院にねじれが生じた中で成立のメドが立たないことだという。
 法案は、戦略局を法律的に位置付け、官房副長官を現在の3人から1人増やして局長に充てるほか局長の下に「国家戦略官」を置くことなどを盛り込んだ。だが政府・与党は通常国会での成立に全力を注いだとはいえまい。
 鳩山政権発足時から、当時の藤井裕久財務相は「予算編成権はあくまでも財務省にある」と主張した。岡田克也外相は「外交・安全保障の基本は戦略局構想に入っていない」と述べていた。
 戦略局の位置付けが閣内でもバラバラだったことに、問題の根幹がある。さらに、首相官邸に強力な権限を集中させられなかったことは鳩山前首相に加え、初代国家戦略担当相を務めた菅首相自身の指導力不足の責任が大きい。
 戦略室は平成22年度予算の基本方針に関与したものの、その役割は十分だったとは言い難い。向こう3年間の予算の大枠となる「中期財政フレーム」や「財政運営戦略」をまとめたものの、説得力のある内容にはほど遠かった。
 国家戦略の不在が政権を迷走させ、統治責任を果たせずにいる現状をよく考えてもらいたい。日本をどうするかの戦略と政策体系をまとめ、党派を超えて国益を実現することに、菅政権の歴史的使命があるのではないだろうか。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:moblog

(ノ゜Д゜)八(゜Д゜)ノ新聞

ジョブズ氏「迷惑かけた」 iPhone4受信問題で陳謝
米アップル、対策にケース無料配布
 【シリコンバレー=岡田信行】米アップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)は16日、受信トラブルが問題となっている高機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)4」について「ユーザーに迷惑をかけた」と陳謝した。問題を引き起こさないための対策として、ケースを無料配布すると発表した。一方、「問題はスマートフォン共通で業界の課題」として設計ミスは明確に否定した。
 米カリフォルニア州クパチーノ市の本社で記者会見したジョブズCEOは、「我々は完全ではない。電話も完全ではない。でも、ユーザーすべてをハッピーにしたい。それが我々の思い」と発言。他社での実例をビデオで紹介しながら、iPhone4の販売台数が300万台を超えたことや、受信トラブルで苦情が寄せられた比率が0.55%と少ないことなどを指摘し、多くのユーザーの支持を得ていることを強調した。
 本体外側にアンテナを配した独特のデザインを採用したiPhone4は、ユーザーが本体左下部を手で強く握ると受信感度が落ちるとの苦情が相次いだ一方、ケースで覆うなどすれば問題を軽減できるとも指摘されていた。



日経BP社、iPad向けに雑誌・書籍を有料配信
 日経BP社は16日、米アップルの多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」など向けに9月から自社の雑誌や書籍を有料配信すると発表した。まず週刊ビジネス誌「日経ビジネス」などの約7誌や100タイトル前後の書籍を用意する。販売点数は順次増やす。
 無料で配信するソフト「日経BPストア」を使い販売中の刊行物について検索や購入、閲覧ができる。サービス開始時に購入できる雑誌は「日経エレクトロニクス」「日経ウーマン」「日経トレンディ」など。
 アップルの高機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)」にも配信する。年内にも米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載した端末用のソフトも用意する予定だ。年内に10万人のソフト利用者獲得を目指す。



英ソニー・エリクソン2期連続黒字 4~6月13億円
最終損益、端末の平均価格上向く
 【フランクフルト=下田英一郎】欧州携帯電話機大手の英ソニー・エリクソンが16日発表した2010年4~6月期決算は、最終損益が1200万ユーロ(約13億円)の黒字となった。前年同期は2億1300万ユーロの赤字だった。1~3月期に発売したスマートフォン「エクスペリア」の販売が好調で、端末の平均販売価格が上昇し収益が改善。ユーロ安も追い風となり、2四半期連続の最終黒字を確保した。
 売上高は4%増の17億5700万ユーロで、スマートフォンの売り上げが5割に達したという。端末の販売台数は、エクスペリアを軸に高機能機種に絞り込んだため、前年同期比で2割減の1100万台だったが、1~3月期比では5%増えた。端末の平均販売価格は160ユーロと前年同期比で31%増、1~3月期比でも19%上向くなど、商品戦略の見直しが収益力の向上につながった。
 同社は08年から年間8億8000万ユーロの支出削減を目指したコスト改革に着手。今年6月末までに4000人の従業員を削減し、全従業員を7800人までスリム化したことも明らかにした。
 バート・ノルドベリ社長は日本経済新聞のインタビューに対し「現在2%の営業利益を早期に10%まで引き上げる」と強調。来年以降、新たなコスト削減計画に着手する考えも示した。人員削減については「これ以上進める考えはない」とした。経営基盤強化のための他社との提携の可能性については「コメントできない」と述べた。



ホンダ、販売テコ入れへ400人出向 今秋販社に
 ホンダは、エコカーに対する新車購入補助金の支給優遇策が期限を迎える9月末以降の販売減をにらみ、今秋にホンダ本体の社員約400人を全国の系列ディーラーに大量出向させることを決めた。9月末以降、国内新車販売の大幅減が予想されているため、販売店の営業スタッフを支援し、販売減を食い止めたい考えだ。
 ホンダの本社(東京・港)に勤務する社員や、埼玉県和光市に勤務する国内営業担当の社員が主な出向対象となる。出向先はホンダが出資する直営の販売会社。全国に約30社、計約700店舗ある。ホンダが出資をしていない地場資本の系列ディーラー(約1500店舗)は、出向対象にしない。
 まず、9月1日付で国内営業担当の社員を70人、11月1日付で残りの330人を出向させる。期間は原則3年だが、本人の希望も考慮して延長も可能とする。
 400人を系列ディーラーに大量出向させるのは極めて異例。主な対象となるホンダ本体従業員約6000人の約7%に当たる。
 ホンダは10月以降の国内新車販売が最大で3~4割落ち込むと見ている。このため営業要員を増やしテコ入れする必要があると判断、ホンダ本体から系列ディーラーへの大量出向を決めた。
 さらに今後、少子化が進むことで国内新車市場の縮小は避けられず、国内事業も縮小傾向になる見通し。それに伴い、ホンダ本体の社員のスリム化を進める意味合いもあるとみられる。



記録媒体のブランド統一 三菱化学メディア
 三菱化学メディア(東京・港)は、記録媒体などのブランドを「Verbatim(バーベイタム)」に統一する。国内で年間約1億枚販売する「MITSUBISHI」ブランドの光ディスクを2010年中をメドに切り替える。売上高の9割を占める海外ではバーベイタムを利用しており、ブランドを統一する。
 三菱グループ内の取り決めで、MITSUBISHIの利用は光ディスクに限定されている。DVDなど光ディスクの市場は縮小に転じており、外付けハードディスク駆動装置(HDD)や小型メモリーカードなどの拡販のためブランド戦略の見直しが迫られていた。バーベイタムは親会社の三菱化学が1990年に買収した米社のブランド。



台湾TSMC、半導体新工場に8000億円超投資
主要2工場では2割増産
 【台北=新居耕治】世界最大の半導体受託生産会社(ファウンドリー)である台湾積体電路製造(TSMC)は16日、主要2工場の生産能力を年末までに2割増強すると発表した。パソコンや携帯電話機向けの大規模集積回路(LSI)需要が急拡大していることに対応する。2012年稼働の最新鋭工場への投資総額が3000億台湾ドル(約8100億円)以上に達することも明らかにした。

 生産能力を増強するのは台湾北部の新竹、南部の台南の2工場。ともに生産効率が高い直径300ミリのシリコンウエハーを使う工場で、合計で20万枚の月産能力を年末に24万枚にし、11年末には30万枚に拡大する。

 16日に着工した台湾中部、台中市の新工場は12年1~3月期の一部稼働を目指す。300ミリウエハーを使用、最先端製品である回路線幅が28ナノ(ナノは10億分の1)メートル以下のLSIを量産。15年初めまでには月産能力を10万枚超に拡大する。

 TSMCは今年の設備投資額を前年比8割増の48億米ドル(約4200億円)と計画していたが、既存工場の増強などに伴い上積みする構え。
 TSMCは世界のファウンドリー市場で5割弱のシェア(09年、売上高ベース)を握り、米国などのファブレスメーカーのほか、米インテルや富士通などからも生産を受託している。大規模な設備投資で半導体製造装置や部材を提供する日本メーカーは需要増が期待されるが、日本の総合半導体メーカーにとっては、ファブレスメーカーとの競争がさらに激しくなりそうだ。



消費税発言「間違えた」 伊誌に菅首相
 菅直人首相は16日発売のイタリア左派系誌エスプレッソのインタビューに答え、参院選前に消費税引き上げについて発言し、結果的に与党敗北につながったことについて「間違えたと認める。今からみると一番いい時期を選んだのではないことに気が付いた」と、自らの判断の誤りを認めた。
 また、親交が深いイタリアのロマーノ・プローディ前首相(欧州委員会前委員長)の言葉を使い「難しいのは権力を得ることでなく、それを維持すること」と語った。
 一方で、首相就任前に財務相として、財政赤字の深刻さや日本がギリシャのようになる危険性を感じたとも強調。日本の赤字が「工業国の中で最も高い水準で、(欧州で財政状況の悪い)イタリアよりも高い」として、消費税引き上げ論議の必要性を強調した。
 インタビューは11日の参院選直後に行われた。



海外経済減速が「優良投資先」演出 円高で日本経済曲がり角
 16日の東京外国為替市場などで一時、1ドル86円台に進行した円高の背景には、海外経済の減速への警戒感がある。米国では前日に経済見通しが下方修正され、中国では4~6月の国内総生産(GDP)の伸び率は減速がはっきりとしてきた。また欧州経済も回復の道筋を描けていないのが現状だ。こうした動きは日本を比較的優良な投資先として浮かび上がらせ、投資家を円買いに走らせている。ただし円高は日本の輸出に対しては逆風であることも事実で、日本経済の緩やかな成長は曲がり角を迎えている。
 16日の東京外国為替市場などでは円買いの動きが広がった。その要因とされるのが海外経済のスローダウンだ。
 日本の主要輸出先となっている中国では14日に発表された4~6月期のGDPが投資家心理を冷やした。実質での伸び率は前年同期比10・3%と、1~3月期の11・9%から低下した。米国でも米連邦準備制度理事会(FRB)が今年の実質GDP成長率の予測を下方修正したほか、欧州でもギリシャなどの財政不安を発端として、金融危機が起こりかねない状態だ。
 特に中国では景気過熱への警戒感が強い。不動産価格は2009年6月にはリーマン・ショック後の下落基調から抜け出し、今年2月からは前年比2ケタ増の伸びが続く。景気過熱を抑えようと、政府が住宅ローンの厳格化や開発業者への貸し出し規制、また元相場を弾力化させるなどの対応策を打ち出していて、それが成長の鈍化につながった格好だ。
 海外経済の減速は日本を相対的に優良な投資先にみせる。市場では「日本は金融危機のダメージが欧米に比べて小さく、企業収益も伸びている比較的優良な市場。このことが円買いを呼び込んでいる」との声が出ている。
 ただ、こうした動きは円高基調を生み出し、日本企業の輸出競争力を弱める一面もある。海外経済の弱体化自体も日本にとっては製品の買い手を失うマイナス要因だ。
 大和総研の熊谷亮丸(みつまる)シニアエコノミストは「中国をはじめとする海外経済がスピードダウンすると、緩やかな成長を続けてきた日本経済が踊り場入りするリスクがある」と指摘する。
 好調な海外経済を追い風にしてきた日本経済は先導を失いつつある。



トヨタとテスラ、2012年に米でEV販売
 【ニューヨーク=小谷野太郎】トヨタ自動車と米電気自動車(EV)メーカーのテスラ・モーターズは16日、トヨタのスポーツ用多目的車(SUV)「RAV4」をベースにしたEVを、2012年に米国で販売することで正式に合意したと発表した。
 既に試作車1台は完成し、テスラが走行試験などを実施している。テスラは年内にトヨタにも試作車を提供し、耐久性などの評価試験を進める方針だ。



8月中ごろに選定へ 携帯マルチメディア放送事業者
 原口一博総務相は16日、放送行政をテーマに都内で講演し、2011年春をめどに開始予定の携帯端末向けマルチメディア放送の事業者選定に触れ、「8月中ごろには結論を出したい」と述べ、具体的な選定時期を初めて明言した。
2陣営、実現性アピール 携帯マルチメディア
 マルチメディア放送にはNTTドコモと、KDDIを中心とする2つの陣営が参入を申請しているが、総務省は1陣営にだけ放送免許を与える方針を打ち出している。
 当初、7月中にも事業者が決まるとみられていたが、「十分に論点を検証する必要がある」(同省地上放送課)として、21日にも両陣営を呼んで非公開のヒアリングを行う。原口総務相は「透明性、公正性の観点に立って事業者を選定したい」との考えを強調した
 また、来年7月に予定されている地上デジタル放送への完全移行について、会場から「延期を求める声がある」との質問が出たが、原口総務相は「デジタル放送は国民にとってインフラであり、世界で地デジの導入競争をしている点から考えても選択肢はない」と説明し、延期の可能性を否定した。



日経社説
米金融規制改革の狙いは分かるが  難航していた米国の金融規制改革法案が成立することになった。銀行がリスクの高い取引に手を出すのを抑制し、金融危機の再発を防ぐことを狙った。危機防止は世界共通の課題だが、金融規制は国ごとの市場や取引のあり方を踏まえる必要があることは再確認しておくべきだ。
 ざっと2千ページにのぼる今回の法案は、細目を詰めるために500余りの規則を作る必要があるが、目標はとてもはっきりしている。リーマン・ショックのような金融危機を2度と起こさないようにすることだ。
 預金を預かり決済という金融のインフラを担う銀行が、リスクの高い取引による損失で経営を揺さぶられるような事態を防ぐ。ボルカー元連邦準備理事会(FRB)議長の主張した「ボルカー・ルール」が、法案の基本的な哲学となっている。
 世界恐慌後の1933年に成立したグラス・スティーガル法は、銀行と証券の分離という米国の金融制度の大枠を定めた。80年代以降の急速な金融の進化を受け、その仕組みは99年に撤廃された。ところが、銀行と証券の業務が複雑に融合するのに既存の金融規制や監督が追いつけず、今回の金融危機が発生した。
 今回の金融規制法案はグラス・スティーガル法を単純に復活させるものではないが、金融機関の活動にタガをはめる。金融界の反発は大きく調整には時間を要した。例えば銀行によるヘッジファンドなどへの投資も全面禁止するのではなく、銀行の中核的自己資本の3%までという制限付きで認められた。
 大手金融機関の経営が悪化した場合、「大きすぎてつぶせない」事態となり結局は公的資金で救済してきた。法案では円滑に破綻処理できる仕組みを作った。規制当局を束ねる金融安定監視評議会も創設し、FRBの監督権限を広げ強めた。
 大規模な金融危機が多くの米国民の生活を台無しにした。公的資金を使い救った大手金融機関は今や高収益をおう歌する。今回の法案は米国の金融システムを立て直そうとしたものではあるが、同時に国内のそんな空気も色濃く反映されている。
 国際的に金融規制見直しの動きが広まるなか、今回の法案は大きな一石を投じようとしている。ただ米国では直接に市場を通じた金融が中心なのに対し、日本は銀行による貸し出しが主体であるなど、日米では金融の仕組みが大きく異なる。
 米国と同じ規制を機械的に取り入れるのではなく、金融危機の再発を防ごうとする今回の法案を貫く精神こそを参考にすべきだろう。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:moblog

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。