(゜Д゜;)新聞

「アプリ」関連、個人に人気 携帯・ネット向け成長期待
 新興3市場は停滞が続いている。前週は日経ジャスダック平均株価と東証マザーズ指数が年初来安値を更新。売買も低水準が続く。手掛かり材料が少なく、盛り上がりを欠く新興市場で「アプリ」関連銘柄が個人投資家の人気を集めている。
 アプリとは、アプリケーションソフトの略称。携帯電話で利用できるゲームやスケジュール管理などで、有料・無料の様々なソフトがある。
 アプリ関連銘柄が人気化したのは今月19日。NTTドコモが、iモードが使える従来型の携帯電話で、個人や企業が開発したアプリを取り込めるサービスを今秋から始めるとの報道がきっかけ。NTTドコモが携帯電話で使えるアプリを増やせば、関連銘柄の収益が拡大するとの思惑が株式市場に広がった。
 インターネット上で友人と一緒に遊ぶ「ソーシャルアプリ」などを手掛けるアクセルマークは株価が急騰。27日終値は18日終値に比べ2倍近くになった。
 音楽配信サービスを展開するエムティーアイも7%上昇。PER(株価収益率)が8倍弱とネット関連銘柄の中では相対的に低いことに加え「従来型携帯電話で蓄積した収益モデルをいかせるとの期待が高まった」(中堅証券)ようだ。
 もっとも、アプリ関連銘柄の人気が持続するかどうかは不透明だ。「外部環境に左右されにくく、値動きが軽いため消去法的に買われている」(証券ジャパンの大谷正之調査情報部長)面がある。人気化している銘柄には業績の裏付けが乏しい企業もあり、買い一巡後は利益確定売りに押される可能性もある。



米で中高年の交流サイト利用急増 昔の友人と連絡
 米民間調査団体ピュー・リサーチ・センターが27日発表した調査で、米国でフェースブックなどの交流サイトを利用する中高年層が急増していることが分かった。同センターは、定年退職を控えて昔の友人らと連絡を取りたい人や、子供や孫の世代との交流を望む人などが利用を始めているのではないかと分析している。
 調査は4月29日から5月30日にかけてインターネット利用者1756人を対象に実施した。50~64歳で交流サイトを利用したことがあると答えた人は47%と昨年4月に比べ1.9倍に増加。65歳以上でも26%と倍増した。簡易ブログ「ツイッター」の利用も50~64歳では5%から11%、65歳以上では3%から5%に増えた。
 30~49歳の交流サイト利用は61%、18~29歳では86%に上った。ツイッターの利用者は30~49歳が16%、18~29歳が27%だった。
 同センターのマッデン研究員は、中高年層は健康上の不安を抱えていることも多く、関連情報を得るために交流サイトを利用している可能性もあると指摘している。



Google、ソーシャル技術の新興企業Angstroを買収
 米Googleが、米Slide、米Jamboolに続けて、またソーシャル関連企業を買収した。ソーシャル情報サービスの米Angstroが8月26日(現地時間)、Googleに買収されたことを公式ブログで明らかにした。買収総額など詳細は公表していない。
 Angstroは2007年創業の、カリフォルニア州パロアルトに拠点を置く非公開企業。創業者は、W3CでWeb標準策定に参加した経験を持つベテラン技術者のロヒット・カーレ氏と、米Yahoo!で「Fire Eagle」などのソーシャル系新サービス開発に従事したことのあるサリム・イスライム氏。Facebook、LinkedIn、Twitterなど複数のソーシャルサービスのデータからユーザーに必要な情報を抽出して提供するサービスを手掛けている。カーレ氏は「Google Alertsで企業家のアダム・ラフキンを指定すると、配信されてくる情報の95%が映画監督のラフキンだった」という経験から、ユーザーのソーシャルグラフに沿った情報提供サービスを開発したという。
 カーレ氏は「Angstroでのわれわれの仕事は終わるが、オープンで相互運用可能なソーシャルネットワーク実現への戦いは始まったばかりだ。わたしはGoogleでこの戦いに取り組むことを楽しみにしている」とブログに書いている。
 Google自身は認めていないが、同社は独自のソーシャルネットワーク「Google Me」を構築中とうわさされている。ソーシャル系企業を活発に買収しているほか、OpenIDのジョゼフ・スマー氏やクリス・メッシーナ氏など、オープンソース系の人材を立て続けに採用している。



インデックス・ホールディングス、アトラスを吸収合併
当面、ゲームはアトラスブランドでリリース
 株式会社インデックス・ホールディングスは、株式会社アトラスと株式会社インデックスの2社を吸収合併すると発表した。
 インデックスはインデックス・ホールディングスの連結子会社であり、アトラスはインデックス・ホールディングスの100%子会社だったが、今回の吸収合併により両社は解散となり、インデックス・ホールディングスが吸収合併存続会社となる。
 インデックス・ホールディングスは、現在グループ再編を行なっており、重点事業への絞り込みの課程でノンコア事業の整理および売却を行なってきた。その中で、重点事業の1つとしてゲームが存在し、これに経営資源を集中させ、グループ経営資源の有効活用を行なうために統合したとしている。
 同社、広報IR担当によれば、アトラスのゲームについては「当面は“アトラス”のブランドで発売すると聞いている」としている。家庭用ゲームに関して“アトラス”ブランドで発売を継続する一方で、先日発表された「ペルソナ3」のソーシャルゲーム化など、アトラスのIPを活用し、インデックスの強みを活かす形で展開を図っていくものと見られる。



Mozilla、Android版ウェブブラウザ「Fennec」α版を公開
 Mozillaは27日、Android端末およびNokia N900向けのウェブブラウザー「Fennec」のアルファ版を公開した。Android版の対応OSはAndroid 2.0以上。
 Fennecは、Mozillaがモバイル端末向けに開発しているウェブブラウザー「Firefox mobile」のコードネーム。次期バージョンの2.0からAndroid端末も対応機種として開発を進めている。
 アルファ版には、複数のFirefoxのブックマークや履歴などを同期させる「Firefox Sync」の機能を搭載した。また、ウェブページのレンダリングと操作系のプロセスを分離することで、ページのロード中やJavaScriptの動作中などでもユーザーの操作に素早く反応できるようになるとしている。



YouTube、メジャーリーグ全試合の映像を配信開始
 YouTubeは30日、MLBアドバンスト・メディア株式会社とパートナーシップを締結し、米メジャーリーグ(MLB)の映像配信を開始した。全試合のノーカット映像に加え、ハイライト映像、歴史的な名シーンをYouTubeの「MLBJPチャンネル」で配信する。動画の視聴は無料。今シーズンの試合は、終了後36時間以内に視聴できるようになる。



漫画「ワンピース」が初の4週休載 新シリーズへの充電期間
 集英社の漫画誌「週刊少年ジャンプ」で連載されている尾田栄一郎さんの人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」が、9月6日発売号から4週にわたって休載する。30日発売の同誌で発表された。集英社によると、同作が4週にわたって休載するのは初めてで、物語が新シリーズに移行するための「充電期間」という。
 尾田さんは、30日発売号の巻末で、同誌で長期連載されていた、うすた京介さんの人気ギャグ漫画「ピューと吹く!ジャガー」が完結したことに触れ、「うすたさーん連載お疲れさんでしたー!そして僕は遊ぶのです!やっほーい!!!」とコメントしている。
 ワンピースは、「海賊王」を目指す主人公のルフィが仲間たちと海を冒険する物語。単行本はシリーズ累計1億9500万部以上を数え、アニメや映画化もされるなど国内外で幅広い支持を集めている。



和歌山県ついに人口100万人割れ 近畿6府県で初
 和歌山県の1日現在の推計人口が99万9834人となり、100万人を下回ったことが30日、県調査統計課のまとめで分かった。昭和30年の国勢調査で100万人を突破以降は大台を割り込んだことはなく、近畿2府4県では唯一。
 県は人口減に歯止めをかけるため、施策を展開するが、目に見える成果は挙がっていない。県は「残念だ。いろいろな施策を組み合わせ効果的な政策を検討していきたい」としている。
 県によると、8月1日現在の推計人口は前月比263人減、前年同期比では6508人減。県の推計人口は57年の109万521人をピークに、平成8年以降は14年連続で減少傾向が続いている。昨年4月と今年4月との比較では、市町村別で人口が増加していたのは岩出市だけだった。
 こうした状況が続くなかで、県は人口減を食い止めるためさまざまな対策に取り組んでいる。
 18年度から自治体と地域住民組織が連携してIターン希望者の受け入れを促進、これまでに150世帯294人を招いた。企業誘致でも、全国最高レベルの最大100億円の奨励金制度を創設。今年度は5社を誘致している。また、育児支援として第3子以降3歳未満児の保育料を原則無料にする「紀州3人っこ施策」なども行っている。



ファミコン世代”の8割が「現在もゲームで遊ぶ」 ケータイゲームが主
 「ファミコン世代」を対象に東京工芸大学が実施したアンケート調査によると、約8割が「現在もゲームで遊んでいる」と回答したことが分かった。
 携帯電話によるインターネット調査で、小学校から高校生のころにファミコンで遊んだことのある全国の35~44歳の男女1000人を対象に実施。「現在もコンピューターゲームで遊んでいる」と答えた人は79.2%で、ファミコン世代にとってゲームが生活に広く浸透していることがうかがえる結果となった。
 現在もゲームで遊んでいると答えた792人に、現在遊んでいるゲーム端末の種類を複数回答で聞いたところ、「携帯電話」が71.8%で最も多く、次いで「ニンテンドーDS」シリーズの59.2%と携帯型のゲーム端末が上位に入った。「パソコン」が43.2%で、任天堂の「Wii」が39.8%、ソニーの「プレイステーション3」は37.8%だった。
 また、「久しぶりに遊んでみたいファミコンゲームは?」との質問には、アクションゲームの名作「スーパーマリオブラザーズ」が50.3%で1位。2位はパズルゲームの「テトリス」で43.3%だった。



【サッカー日本代表】日本代表新監督にザッケローニ氏
 サッカー日本代表の岡田武史前監督の後任人事を進めていた日本サッカー協会は30日、新監督にイタリア人でイタリア1部リーグ(セリエA)前ユベントス監督のアルベルト・ザッケローニ氏(57)が就任することを明らかにした。同氏は31日に就任の記者会見を行う。



日銀、資金供給30兆円に…臨時会合で決定
 政府と日本銀行が30日、足並みをそろえ、急激な円高・株安による景気の下ぶれを抑えるための具体策を打ち出す。
 日本銀行は30日午前、臨時の金融政策決定会合を開き、追加の金融緩和策を決めた。一方、政府も追加経済対策の基本方針の決定を1日前倒しして30日午後に行う。政府・日銀が協調し、景気を下支えする姿勢を明確に示す。
 日銀が決めた追加緩和策は、年0・1%の固定金利で金融機関に貸出期間3か月の資金を提供する「新型オペ」(公開市場操作)に、新たに6か月の資金を10兆円追加し、資金供給規模を現在の20兆円から30兆円に増やすというものだ。
 日銀の白川方明総裁は30日中に菅首相と会談し、決定について説明する。30日午後には記者会見を開き、追加緩和の理由や景気認識について説明する。
 日銀が臨時会合で追加緩和策を決めたのは、中東発の金融不安で円高が進んだ「ドバイ・ショック」直後の昨年12月1日以来。日銀はこの臨時会合で資金供給規模10兆円の新型オペ導入を決め、今年3月17日に規模を20兆円に上積みした。日銀の追加緩和はそれ以来、約5か月ぶりとなる。
 今回も新型オペを拡充する。市場に潤沢な資金を供給するとともに、より長い期間の資金も供給し、長めの金利を押し下げる狙いがある。円高の要因である日米の金利差の縮小を抑えることで、円相場を押し下げる効果があるとみている。
 一方、今回の臨時会合で、年0・1%の政策金利は政策委員9人の全員一致で据え置いた。新型オペの拡充には須田美矢子審議委員が反対した。
 会合後の公表文で、日銀は景気の現状について「緩やかに回復しつつある」との判断を維持した。ただ、為替相場や株価が「不安定な動きを続けている」と指摘し、米経済の先行き不安も強調。急速な円高・株安と米経済の減速が企業業績や消費者心理に悪影響を与え、景気を冷やしかねないとの警戒感を反映させた。
 日銀に対しては、菅首相が27日、「機動的な金融政策の実施を期待する」と、追加の金融緩和を求める異例の発言を行った。さらに同日、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が追加緩和に踏み切る可能性を示唆したことで、日米の金利差がさらに縮小し、円高が進む恐れが強まっていた。



政府・日銀・労使による「成長戦略会議」新設へ
 政府が30日午後発表する追加経済対策の基本方針の概要が明らかになった。
 関係閣僚と日銀総裁、産業界と労働界代表らをメンバーとする「新成長戦略実現推進会議」を新設し、経済政策を幅広く議論する体制を整える。財源は、2010年度予算の「経済危機対応・地域活性化予備費」の残り9200億円を9月中に活用する。今後の景気動向を踏まえ、補正予算の編成も検討する。
 政府は当初、31日に発表する予定だったが、日銀の追加金融緩和に合わせて、前倒しで決めることにした。具体策として、省エネ住宅に対するエコポイント制度や長期固定型住宅ローン「フラット35S」の金利優遇措置の12月末の期限延長などによる消費刺激策、若者を試験的に雇用する企業に助成金を支給する「トライアル雇用制度」の拡充などの雇用対策を盛り込む。
 一方、財政出動を伴わない規制緩和策も推進する。国内で働く外国人専門家の在留期間延長を始め、都市再生や住宅、環境・エネルギー、医療・介護、観光振興などの分野を対象に経済の活性化を図る。
 


「AMD Radeon」に AMD、ATIブランドを統合
 米AMDは8月30日、ATIブランドをAMDブランドに統合すると発表した。GPU「Radeon」など、ATIの製品は年内にAMDブランドに移行。今後は「AMD Radeon」になる。
 AMDは2006年、カナダのGPUメーカーだったATI Technologiesを買収。GPUなどのグラフィックス関連製品はATIブランドで販売してきた。
 ブランド統合について、AMDのジョン・ヴォルクマン副社長は「私たちのブランドは一つになり、世界中でブランド認知を向上させることができる」とコメント。「ATIというブランドには別れを告げますが、その精神はAMD RadeonやAMD FireProグラフィックス製品、VISIONテクノロジープラットフォーム、さらには近く発表予定のすべてのAMD Fusion APUの中に生き続ける」と述べている。



【産経主張】政権交代1年 未熟さが作り出した惨状
 昨年8月30日の衆院選で民主党が308議席を獲得し、政権交代を実現してから1年が経過した。政権が交代することに意味はあるが、今の日本の惨状の多くは、政権担当能力が欠如している政党が国政を担ったことによるといえる。
 ばらまきによるポピュリズム政治、急激な円高に何ら有効策を打てないでいる対応のまずさ、米軍普天間飛行場移設問題の迷走と日米同盟の空洞化などをみれば、政権交代に裏切られた思いを抱く国民も少なくないだろう。
 外交・安全保障の基軸を共有してこなかった、この国の二大政党制が、いかに問題をはらんでいたか。自民党政治を踏襲しないとした民主党は未熟さを直視し、国益と国民の利益を実現する現実路線に大きく転換することが求められている。
 だが、その民主党の代表選は、不毛な選択ともいえる様相を見せている。
 ばらまき政治の張本人であり、政治とカネの問題で開き直っている小沢一郎前幹事長と、参院選大敗の責任を取らずに政治空白をつくり上げている菅直人首相との一騎打ちの構図は、日本を再生する道をふさいでいる。
 なぜ候補は、この2人だけなのか。とくに、検察審査会で刑事責任の有無が検討されている小沢氏は、候補者としての適格性が疑われる。それぞれの支持勢力は、何の疑問も抱かずに代表選へ臨む愚かさに気付くべきだ。「恩返し」などの発言には耳を疑う。
 多くの失政の一方、予算執行のあり方に迫った事業仕分けは注目を集めた。不十分な知識による独断的な結論や、パフォーマンス先行の印象を与えた点は問題だが、予算の使い方を公開の場で議論する手法は、国民と政治の距離を近づけたともいえる。
 しかし、どのような国家戦略に基づいて予算を配分するかという根本は定まっていない。「政治主導」の象徴ともいえる国家戦略室を、菅首相は提言機関に格下げした。国をどうするかを明確にしない限り、この政権の政治主導は空回りを続けるだろう。
 参院選で勝利した自民党も、政権復帰が近づいたとは言い難い。受け皿となるよう信頼回復に全力を挙げるしかない。健全な保守勢力を再結集する核となることに強く期待する。

(#゜Д゜)/新聞

東京ゲームショウに出展する企業、しない企業
 日本のゲーム業界にとって最も忙しい9月がやってくる。8月31日に開幕する日本版ゲーム開発者会議「CEDEC」から始まって、9月16~19日の「東京ゲームショウ(TGS)2010」、さらに任天堂が単独開催する9月29日の「任天堂カンファレンス」まで、約1カ月に渡ってゲームの最新情報を発信するイベントが続くからだ。
 なかでもメーンイベントは、東京ゲームショウだ。7月1日時点の主催者発表によると、出展予定は138社・団体で、総ブース数は昨年実績を約50上回る1410小間を見込んでいる。韓国、台湾、中国などアジア企業の参加が増えているという。
 だが世界的にみれば、展示会としての東京ゲームショウは大きな岐路に立たされている。これまでのような開催スタイルをどこまで維持するかを問い直す時期にあるといっていいだろう。
 例えば、現在発表されている展示会フロアには、日本を代表するソーシャルゲームのプラットフォーム企業であるディー・エヌ・エー(DeNA)、グリー、ミクシィの名はない。以前出展していたNTTドコモなどの携帯電話会社も見当たらなくなった。もちろん、任天堂は今年も出展しない。国内主要企業が出展メリットを見出せなければ、地盤沈下は避けようがない。
来場者と実際のユーザーにズレ
 そもそもTGSは、家庭用ゲーム機向けゲームソフトの最新情報をユーザーに直接発信する場としてスタートした。第1回が開催された1996年当時、日本の家庭用ゲーム機市場は絶頂期を迎えつつあり、新作ゲームの情報を求めるユーザーのニーズは高かった。そのため、BtoCの機能に重点が置かれ、そのコンセプトは今も続いている。
 家庭用ゲーム機向けゲームは、ゲームショップや家電量販店などを通じてパッケージソフトを販売するBtoBtoCのビジネスである。そのため出展する企業にとってTGSは、製品のプロモーションが主な狙いとなる。来場したユーザーのクチコミや各種メディアの報道によって期待を煽り、秋冬商戦の発売日につなげる。事実、09年も延べ18万人以上の来場者を集めており、一定のプロモーション効果があるのは間違いない。
 ただ、来場者の属性を細かくみると、ゲーム企業の現在のニーズに合致しているか疑問な点もある。一般日来場者の地域属性は東京都内と神奈川、埼玉、千葉、茨城の4県で8割超を占め、他の地域はわずか13.3%に過ぎない。これは会場が幕張メッセ(千葉県)であることを考えれば当然ともいえるが、首都圏への依存度は高い。また、男女比も男性が73.9%、女性が26.1%と偏りがある。
 これをグリーが発表している地域別のユーザー属性と比較するとおもしろい。8月13日に開示した2010年6月期決算説明会資料によると、首都圏のユーザーは33%で、それ以外が67%。男女比も男性が52%、女性が48%で、TGSに来るユーザーとはかなり違いがある。
展示会よりテレビCM
 インターネットや携帯電話を基盤とするゲームサービスは、そのサービス自体をメディアとして使い、直接ユーザーに情報を送ることができる。05年前後には、パソコン系オンラインゲームの新興企業が続々とTGSに出展したこともあったが、現在はハンゲームのNHNなど日本でシェアを持つ企業はほとんど出展を見送っている。新規ユーザーに接触する最初のステップとしては、リアルなイベントより手っ取り早いテレビCMに資金をつぎ込むのが最近の傾向だ。
 ビデオリサーチコムハウスの調査によると、今年7月のテレビCM広告主ランキングは、関東、関西、名古屋地区とも花王、サントリーに続く3、4位にグリーとDeNAが入った。テレビCMで全国のユーザーにリーチし、自社メディア、自社サービスに直接呼び込む戦略がはっきり見て取れる。
 家庭用ゲーム機企業でさえ、その手法が主流になりつつある。最たる企業が任天堂で、サイト情報の充実ぶりは先端を走っている。「社長が訊く」のような自社製品のセルフインタビューや各種カンファレンスの中継、迅速な資料公開など、他媒体を必要としない量の情報がサイトから入手できる。
 各種ゲームサイトがTGSに合わせて、高画質なプロモーション動画を公開する例も増えている。今年は、3次元(3D)立体視やモーションコントローラーなどがTGSの目玉になるだろうが、これらはむしろ例外で、ゲームの内容を理解するだけであれば、展示会場に足を運ぶ必要性は年々低下している。
商談機能を競う世界のゲーム展示会
 では、TGSに今後求められる役割はあるのだろうか。一つ言えることは、BtoB機能へのいっそうのシフトであろう。
 BtoCイベントとしてスタートしたTGSは、長年この機能が脆弱だった。海外からビジネス目的で来日するゲーム企業の関係者は毎年多いのだが、彼らが商談をする場がそもそもなく、だれがいつ来場しているのかという正確な情報もなかった。カナダ、英国、韓国など各国政府の支援事業でTGSに出展する企業も増えているが、展示ブースでは商談にならず日本企業の情報さえ得ることができないとの不満もよく聞く。
 今、世界のゲーム展示会は、即効性のあるビジネスミーティングの場としていかに優位かを争う競争に入っている。ゲーム産業において世界同時開発、世界同時流通が一般化しつつあるためで、TGSの出遅れは相対的にも目立つ。
 海外の商談会でこのところ特に存在感を高めているのは、年3回行われる「Game Connection」だ。ドイツで8月、フランスで11月、米国ではゲーム開発者会議(GDC)に合わせて3月に開催されており、その他の地域にも提携先を広げつつある。登録するだけで自動的に30分単位のミーティングスケジュールをセットしてくれるシステムなど利便性の高さが評価され、今年3月のGDCでは158社、600人が参加した。
 海外のある政府系団体は「TGSにお金をかけて出展しなくても、GDCに出れば日本企業ともビジネスミーティングの場を持つことができて効率がいい」と語り、今年のTGSへの出展を見送っている。
今年の成功が重要に
 もちろんTGSも手をこまぬいているわけではなく、今年は「ビジネスマッチングシステムの強化」を打ち出した。ビジネス展示用小ブースの「ビジネスソリューションコーナー」には約40社の出展があり、ミーティング専用に用意した「ビジネスミーティングコーナー」には約20社が登録した。また、日本、中国、台湾、韓国の経営者がアジア戦略について討議する「アジア・ゲーム・ビジネス・サミット」を開催するなど、アジア市場重視の姿勢も打ち出している。
 会期中に行われるカンファレンス「TGSフォーラム」には、ミクシィ、グリー、グーグル、NTTドコモなど、出展社ではない有力企業が多く登壇するという逆転現象が起きている。これらの企業が講演だけでなく、ビジネスの場として参加したいと感じられるようなTGSに変えていくことが必要だろう。TGSの効用を世界に認知させ日本のゲーム産業の盛り返しにつなげていくには、今年の成功がなにより重要になる。



ウォークマン、「悲願」のアイポッド超えへ 8月の国内販売  携帯音楽プレーヤーの8月の国内販売台数で、ソニーのウォークマンが米アップル社の「iPod(アイポッド)」を抜く見通しであることが29日、市場調査会社の調べで分かった。携帯音楽プレーヤー市場は平成13年の投入以来、アイポッドの独壇場だったが、後塵(こうじん)を拝してきたウォークマンが初めて「悲願」のトップを奪う。
 市場関係者は、「iPhone(アイフォーン)」などのスマートフォン(高機能携帯電話)の登場で携帯電話で音楽を聴く層が増え、アイポッドの伸びが鈍化する一方で、音楽専用端末として音質を売りにするウォークマンの人気が高まっていると分析する。
 市場調査会社のBCNによると、8月の携帯音楽プレーヤー国内市場は第1週にウォークマンが46.7%を記録し、アイポッドの45.7%を上回って首位に立った。第3週は47.4%とさらに市場シェアを上げ、「この流れが続く」(道越一郎アナリスト)見通し。
 アイポッドは、一時はシェアが80%に迫る「独り勝ち」の状態だった。これに対し、ソニーは10年に投入したデジタル用「ウォークマン」が、ソニーの独自規格にしか対応しないなど、低迷した。
 しかし、ウォークマンは16年以降、操作性を改善したうえ、ネット接続など多機能化を進めるアイポッドとは違う「音楽専用プレーヤー」に特化した販売戦略を取り、徐々に支持を回復してきた。
 歌に合わせて歌詞が確認でき、スピーカーがセットのものもある現行の「Sシリーズ」モデルは、同じ容量のアイポッドに比べて1万円前後安いこともあって中高生に人気。21年8月には、1週間だけアイポッド超えを果たした。
 高機能携帯電話に負けじと、携帯音楽プレーヤー市場は前年比1割近く拡大しており、「純粋に音楽だけを楽しむ層を開拓できている」とソニーは自信を深める。ただ、アップルは毎年9月にアイポッド新商品を投入している。「新製品待ちの買い控え」(道越アナリスト)との観測もあり、勝負は予断を許さない。



きょうにも追加緩和…日銀総裁、前倒し帰国
 日本銀行は29日、臨時の金融政策決定会合を30日に開き、追加の金融緩和に踏み切る方針を固めた。
 政府が31日にも決定する追加経済対策の基本方針に歩調を合わせる。急激な円高による景気の下ぶれを抑えるため、追加緩和により政府と一体となって経済を下支えする。日銀の白川方明総裁は30日、臨時会合後に菅首相と会談し、日銀の景気認識や金融政策運営について説明する方針だ。訪米中だった白川総裁は、当初の予定を1日前倒しして、29日夕に帰国した。
 追加緩和策としては、年0・1%の固定金利で金融機関に資金供給する「新型オペ」(公開市場操作)の貸出期間を現在の3か月から6か月に延長するほか、資金供給の規模を20兆円から30兆円に増やすことを軸に検討する。
 日銀は足元の景気情勢について「緩やかに回復しつつある」と判断してきたが、米経済の減速と円高の進行で、景気の先行きに対する警戒感を強めている。また、米連邦準備制度理事会(FRB)が追加緩和に踏み切れば、日米の金利差が縮小し、円高が一段と進みかねない。日銀は追加緩和で金利を押し下げ、円高に歯止めをかける狙いもある。



レクサス、スペインのデザイナー起用などでテコ入れ 販売目標届かず
 トヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」が30日、平成17年の国内登場から、まる5年を迎える。累計販売台数は当初目標(年5万台)の約6割。同社はブランドイメージが浸透していないことが原因とみる。25日にはスペインのデザイナーを起用した特別仕様車を発売し、来年前半にはレクサス初の小型ハイブリッド車(HV)を投入。多彩な新車で購買層拡大へ巻き返しを図る。
 レクサスは、トヨタが1989年に米国でスタートした高級車ブランドで、現在、約60カ国で展開。高品質と信頼性、販売店のきめ細かな接客が高く評価され、海外調査会社の高級車ブランドイメージ調査では常に上位にランクされている。日本では平成17年8月30日に販売を開始。セルシオ、ソアラなど人気上級車種を「レクサス」ブランドに統一し、高級車路線を前面に打ち出した。
 だが、国内販売最多台数は19年の3万5千台。大原一夫常務役員は「輸入車の顧客層を取りたかったが、まだ、期待できるレベルではない。日本の高級車市場の壁は厚かった」と話す。
 20年は世界同時不況の影響で2万6千台だったが、21年は2万8千台。今年1~6月累計は1万9千台と回復傾向をみせている。
 回復の原動力となったのは、昨年から投入された新車だった。21年にレクサス初のSUV(スポーツ多目的車)の「RX」や「IS」のオープンカー仕様、初のHV専用車「HS250h」を発売。セダン中心から品ぞろえを増やし、新たな顧客層を開拓した。
 これまで、日本の高級車市場はメルセデス・ベンツ(ドイツ)とBMW(同)の2強がシェアを占めてきた。だが、21年の日本国内の販売台数は、BMWが前年比19%減の約2万9千台、ベンツも同22%減の約2万8700台、レクサスは同8%増の約2万8千台と、ほぼ肩を並べた。
 大原常務役員は「(デザイン性に優れた)感性に訴える車を出し、購買層を広げたい」と、意気込む。今後、週末などを中心に大型商業施設で展示商談会を開き、ブランドイメージの定着に力を注ぐという。
 8月以降の急激な円高を背景に、ライバル2社は販促キャンペーンに出るとみられる。レクサスはHVを含む多彩な車種構成で需要をどれだけ掘り起こせるかが課題となる。



温暖化ガス排出量、大企業に上限
取引制度の環境省原案、輸出企業は緩和
 政府が地球温暖化対策として導入を検討する国内排出量取引制度の原案が29日、判明した。大企業ごとに温暖化ガス排出量の上限を設けるほか、発展途上国や中小企業を支援して排出を減らした分を自社の削減分と見なすことを一部認める。国際競争にさらされる業種には排出枠を上乗せして削減の負担を軽減する措置も導入。企業活動への影響を緩和する方策を盛り込み、排出削減につなげる。
 国内排出量取引制度は、企業が経済活動を通じて温暖化ガスを減らす制度。先の通常国会で廃案となった地球温暖化対策基本法案に創設が盛り込まれていた。政府は秋の臨時国会に法案を再提出する方針。法案では法律の施行から1年以内に同制度の具体的な設計をまとめるとしてあり、環境省が法案の成立をにらみ、今年4月から作業を進めていた。
 原案は31日に開く中央環境審議会(環境相の諮問機関)の有識者委員会で示す。制度案を年内に固め、経済産業省などを加えた閣僚委員会を開いて正式に決める方向だ。
 原案では排出量の上限を設けるのは一定量以上の温暖化ガスを排出する大企業とした。国内企業が工場などから出た二酸化炭素(CO2)などの量を国へ報告する「温暖化ガス排出量報告制度」などを参考に、上限を決める。排出量取引の開始は2013年度とした。



ドコモの敵を日本通信が取る
両社が急接近した本当の理由
 NTTドコモにとって、正しく“渡りに船”の急展開だった。
 8月23日、通信ベンチャーの日本通信は、世界中で売れている米アップルの高機能携帯電話iPhone4用の「SIMカード」を発表した。
 iPhone4は、国内ではソフトバンクモバイルと回線契約をすることが義務づけられている。だが、国外で買ってきたSIMフリーのiPhone4に、26日から日本通信が出荷を開始するSIMカードを差し込めば、ソフトバンクよりもネットワークの品質がよいドコモの回線でiPhone4の機能をフルに使えるようになる。
 たとえば、ソフトバンクは国内でiPhone4を販売するに当たり、通信ネットワークに過度の負担をかけないために、「テザリング」(iPhone4をPCのモデムとして使ってインターネットに接続すること)の機能をはずしていた。
 だが、日本通信のSIMカードであれば、ドコモの3Gネットワーク(FOMA網)が使えるので、海外のiPhone4同様に、手持ちのPCと連携しながら、本来の機能を楽しむことが可能になる。
 じつは、ドコモは、今年の5月5日、大型連休最後の日に大きな決断をした。というのも、アップルの多機能データ通信端末のiPadが、当初予想していたSIMフリーの端末ではなく、ソフトバンクからSIMロックされた状態で独占的に発売されるという情報が入ったからだった。
 このとき、本社に集合した山田隆持社長以下のドコモ役員は、iPadと一緒に使うことが可能な「携帯型無線LANルーター」の増産を決定した。これは、NTTブロードバンドプラットフォームが企画した小型中継機で、ドコモの夏商戦で市場に投入された。
 このルーターを使えば、ドコモの3.5世代携帯電話網(HSDPA)と、全国各地にある公衆無線LAN(WiFi接続)のいずれかの電波をキャッチして、受信状況に応じてネットワークを切り替えられる。ターゲットは、ズバリiPadの通信料金の獲得だった。
 そして、ドコモは、iPadを自ら販売することを希望していたので、海外と同じ仕様のSIMフリー端末に対する準備を水面下で進めていた。と同時に、アップルの機器に適合するSIM(マイクロSIM)も2万枚以上手配していた。結局、無用となったSIMは、今回、ドコモが日本通信に貸与するという格好で、iPhone4用のSIMとして復活した。
 両社が急接近した理由は、通信キャリアであるドコモ側が、自分たちの回線を借りて商売している日本通信のようなMVNO(仮想移動体通信事業者)のサービスに対する見方を改めたからだ。
 匿名が条件のあるドコモ幹部は、きっぱりとこう語る。「少し前まで、MVNOは、自分たちの畑(既得権益)を荒らす存在だと敵視していた。だが、ドコモが逆立ちしてもできないことが可能な日本通信と連携すれば、結果的にドコモの回線契約数を増やしてくれる」。
 かねて日本通信の三田聖二社長は、「端末と通信回線を選べる自由な市場をつくるべき」と主張してきた。快進撃を続けるソフトバンクにとっては、手強い“連合軍”の誕生である。



クール・ジャパン 海外の人気を成長に生かせ(8月30日付・読売社説)
 海外での日本ブームは「クール(かっこいい)・ジャパン」と呼ばれている。これを企業の海外進出につなげることに、もっと知恵を絞りたい。
 日本のアニメや漫画は海外の若者から絶大な人気を得ている。ファッションの注目度も高い。すしなどの和食は「健康にいい」と好評だ。
 しかし、その人気が、必ずしも日本の関連産業の海外展開に結びついていない。アニメ産業は中小零細企業が圧倒的で、繊維産業の輸出も伸びていない。世界で急増する和食レストランも、その多くが日本人以外の経営だ。
 日本がせっかくの人気を経済成長に生かせないのとは対照的に、アジア各地で存在感を増しているのが韓国である。
 経済産業省の報告書によると、香港、バンコク、シンガポールなどのCD・DVD売り場は、韓国ドラマや韓国人歌手らのKポップがあふれている。中国では「韓国のユニクロ」と言われるファッション企業が売り上げを急速に伸ばしている。
 韓国ドラマが人気を得ると、韓流スターの着こなすファッションを売り込み、「韓国ブランド」の向上をテコに、韓国製品の売り上げにつなげる――というビジネススタイルを、官民挙げて築きつつあるようだ。
 日本は、海外で「クール」ともてはやされることに満足して、ビジネスに生かす発想と努力を欠いていたのではないか。
 経産省が6月、クール・ジャパンを日本経済活性化の起爆剤の一つと位置づける「文化産業立国戦略」を策定したのも、そうした反省に立ったものだろう。
 戦略では、海外展開に必要なノウハウも資金も不足している中小企業を対象に、商品開発から海外での販売契約まで一貫して支援する仕組みを整えることを盛り込んだ。着実に実施してほしい。
 政府は従来、クール・ジャパンの関連産業の育成は経産省、文化交流は外務省、和食の海外PRは農林水産省という具合に、各省庁が縦割りで対応してきた。
 これでは、「日本製イコール高品質」というブランドイメージが確立する欧米市場はまだしも、成長著しいアジア市場は韓国勢に席巻されかねない。
 韓国に倣い、省庁別でなく、ファッションと映画、食文化と漫画といった分野横断型の連携を強化すべきだ。省庁の“垣根”が依然高いなら、閣僚など政務三役が政治主導で進める必要があろう。

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