┌(゜Д゜)┘新聞

ラジオが変わる!? ――「新規」や「復活」のリスナー続々
ソーシャルメディア×ラジオによる新たな需要掘り起こし
 「途切れないし、音質がいい」――。
 「IPサイマルラジオ」というサービスをご存じだろうか。筆者がこのサービスを利用してみた感想だ。簡単に言ってしまうと、インターネット経由でAMラジオやFMラジオが聞けるサービスである。学生時代の頃、AMラジオを、勉強をしながら毎晩のように“ながら聴取”したのが思い出される。今は、仕事をしながら、同じパソコンから流れてくる音声コンテンツを“ながら聴取”できるのである。
そもそもラジオの状況はどうなっている?
 「radiko.jp(ラジコドットジェーピー)」は2010年3月15日からパソコン向けに開始したIPサイマルラジオの実用化配信試験で、東京と大阪の民放ラジオ局が共同で設立したIPサイマルラジオ協議会が提供している。同年5月にはiPhone(アイフォーン)向けアプリ、同年7月にはAndroid(アンドロイド)向けアプリを提供開始していることから、スマートフォンでも聞けるようになっている。同年8月時点で、週間延べリスナー数は、300万人に達しており、実用化配信実験終了時期も3カ月延長になったことから、好調ぶりが伺える。 ちなみに、同月でiPhone向けアプリは累計約65万ダウンロードされていることから、iPhone の出荷台数を仮に230万台(一部報道機関発表、2009年度末)とすると、3~4人に1人は利用している計算になる。
 インターネットや携帯電話経由で楽曲が簡単にダウンロードできるし、ラジオ受信端末の国内出荷台数が減ってきている現在、ラジオの実態はどのようになっているのだろうか。ここ1年間におけるラジオの聴取変化は、「3カ月以上利用していない」、「1年前と比べて利用時間は減少した」ユーザーで見ると、10代と20代のラジオ離れが明確になっている。
 ラジオはリスナーが減り、さらには広告の費用対効果という面でもインターネットから見劣ることから、ラジオの広告費は1999年の2043億円から、2009年には1370億円と、3割以上も減少している。この状況が影響して、2009年度末決算ではラジオ局の半数近くが赤字になっている。
 経営状態がよくないラジオ局に対して、さらなる向かい風が吹こうとしている。アナログ方式の既存ラジオは、地上テレビ放送とは異なり、2011年以降もアナログラジオ放送が維持される。ただ、遅かれ早かれ、アナログの設備更新は到来し、その際には莫大な費用と、それに対応するための時間がかかる。果たして、既存のラジオ局はこの状況に耐えられるのだろうか。恐らく、破綻するラジオ局も出てくるだろう。
 しかしながら、ラジオに対して追い風が吹き始めている事実もある。
 筆者も恥ずかしながら、冒頭でも触れた「radiko.jp」が開始されるまで、ラジオを20年近く聴いていなかった。が、自分が利用している端末で、簡単にラジオが聴けるということを知って、ウェブサイトにアクセスしてしまった。それ以来、パソコンで仕事をする際には、たまに聴くようになっている。筆者のような、久しぶりにラジオを聴いたリスナーを、「復活リスナー」と呼ぶ。この数は順調に増えているようだ。
 IPサイマルラジオ協議会は2010年4月に実施したアンケートによると、「久しぶりにラジオを聴いた」ユーザーが約34%、「初めてラジオを聞いた」ユーザーが約10%存在したとのこと。新たなラジオ聴取ユーザーの開拓にも少なからずつながっているのである。
 さらに、おもしろい傾向も見て取れる。10代において、1割程度がラジオの聴取が増えている。関係者へのヒアリングなどでも聞かれるのが、インターネット上で音楽やタレントなどの検索を行う10代が、その検索結果としてラジオにたどり着くケースがあるようだ。若年層のラジオへの接触者が増えるのは、ラジオ聴取未経験者のボリュームによるところもある。
 例えば10代~20代のラジオ聴取未経験者は英国では5%、米国で1%に対して、日本は40%程度と、そもそもラジオに触れたことがないユーザーの母数が多いという調査結果もある(総務省「『ラジオと地域情報メディアの今後に関する研究会』報告書」)。そのため、上記のようにインターネットで検索して、その流れでついつい今まで触れたことがないラジオのスイッチをつけてしまった、という若年層が出現しているのだ。
 このように、ラジオとインターネットサービスが絡まることで、新たな需要ができたのは、暗い話が多かったラジオ業界にとって、久しぶりの明るい話題ではないだろうか。
“ラジオ番組”の新しい聴取方法の出現
 ラジオは、放送波を使った“ラジオ放送”を意味することが多いが、この放送を聴くためには、ラジオ受信端末(それもアナログ受信機)が必要である。ここ数年は、車載用ラジオの比率が高くなるばかりで、全体の国内出荷台数も減少してきている。また、ラジオ受信端末があったとしても、都市部を中心に住宅の高層化などで、ラジオの受信障害により聴けない場合が多い。
 そのような難聴取を解消することを背景に、インターネットを活用したサイマル放送が開始された。主要なサービスとして前述の「radiko.jp」のほかに、コミュニティFMの自主制作番組を流す「SimulRadio(サイマルラジオ)」、デジタル放送のサイマル放送(TBSラジオ系「OTTAVA(オッターヴァ)」、文化放送系「超!A&G+(ちょう!エーアンドジープラス)」、ニッポン放送系「Suono Dolce(スォーノ・ドルチェ)」)がある。
 「SimulRadio」は、国内外で聴ける放送である。そのため、東京にいながらにして懐かしの田舎のラジオを聴いたり、札幌や沖縄などのラジオを聴いて地元の気分を味わったり、あるいは海外赴任中のリスナーがホームシックにならないために日本のラジオを聴いたりすることもできる。
 デジタルラジオはそれぞれが専門性の高い番組を提供している。「OTTAVA」はクラシックを中心に24時間放送を提供しており、気に入ったコンテンツがあればウェブサイトから購入できる。「超!A&G+」はアニメやゲーム、「Suono Dolce」は丸の内発のラブソングを中心としたラジオ局である。
 ちなみに、「radiko.jp」は一般的なインターネットラジオとは異なり、県域免許を取得しているラジオ局が、地上波ラジオ放送をコマーシャルも含めた形で同時に流している。そのため、広告主との契約や権利処理の状況、あるいは在京・在阪局が、地方局に対して番組販売を行っていることにより、既存のビジネスモデルを壊すことができない。今は聴取者のエリアをIPアドレスにより判別することで聴くことができるラジオ局を制限し、既存のラジオ放送と変わらないようにしている。
 広告費が収入の大半を占めているラジオ。このラジオがリスナーを増やしたいのであれば、既存のビジネスモデルを維持したままでは、先行きが不透明である。例えば、日本国内のエリアの問題もあるが、さらに海外でも聞けるようになればビジネスチャンスの拡大につながるかもしれない。今後取るべきビジネスモデルをしっかりと見極める必要があるだろう。
ユーザー参加型で広がる可能性
 自分のパソコンで、仕事や勉強をしながらでも、“ながら聴取”ができる使い勝手の良いラジオ。今後、このラジオの利用を増やすためには、ラジオにさらなる魅力を持たせたり、ラジオの何か古臭さを感じさせるイメージを払しょくさせたりする必要がある。でなければ、将来的にラジオ聴取者はますます高齢化し、“ラジオ”=“高齢者メディア”となってしまう可能性さえある。映像を視聴するのが疲れるから高齢者にはラジオが向いている、といった指摘もあるが、広告を主体とした既存のビジネスモデルでは、高齢者がターゲットのメディアでは広告費もつきにくくなるだろう。
 しかしながら、通勤中に若者がiPod(アイポッド)などの音楽プレーヤーやiPhoneを使うのは今では自然な姿である。また、職場においては、若年だろうが中高齢だろうが、音楽を聴きながら仕事をしている人も多い。つまり、音声コンテンツを聴くという習慣が若年層にないわけではない。その音声コンテンツにさえ魅力を感じてもらえれば、ラジオに目を向けてもらうことも可能である。
 ラジオ局に対して、電話やハガキ、メールなどで、新曲のリクエストをしたり、自身の経験談を語ったりしたことがある方々もいるのではないだろうか。さらに、自分のリクエストや体験談などが取り上げられると嬉しくなりもする。このように、ラジオはテレビや新聞などとは異なり、パーソナリティやDJ(ディスクジョッキー)との直接的なコミュニケーションがしやすい、リスナー参加型のメディアである。
 “参加者の情報発信が作り出すメディア”を“ソーシャルメディア”と定義づけるならば、このリスナー参加型のラジオも、“ソーシャルメディア”に近しいと言ってよい気がしてくる。さらに、今ではリアルタイムにいろいろな人が参加できる、ソーシャルメディアの代表格のTwitter(ツイッター)とも連携し始めている。このようなリアルタイム型のツールを用いることで、今まで以上にリスナーとラジオとの距離が近づいており、あたかも、ラジオとTwitterが一体的にサービスを提供しているかのようにも見える。
 このようなところに、ラジオの今後の方向性に対するヒントがあるのではないだろうか。
 例えば、ラジオと、ディー・エヌ・エー(DeNA)の「モバゲー(モバゲータウン)」やミクシィの「mixi」といったSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のような若年層の利用が比較的多いメディアとの連携は考えられないだろうか。これらのウェブサイトで投稿された、ケータイ小説や自作の楽曲、歌などを、ラジオを情報発信の出口として活用できれば、ウェブサイトへの投稿も増えるしラジオのリスナーも増える可能性がある。ラジオの強みの企画力やコンテンツ・タレントの目利きといったものも活用できるだろう。
 ラジオは、映像などの目から入ってくるコンテンツとは分離された音声コンテンツである。音声コンテンツであるため、逆にそのほかのメディアと自由に組み合わせられるメディアでもある。前述で取り上げたリアルタイム型のツールに加え、テキストコンテンツなどとの組み合わせでもいろいろな可能性があるのではないだろうか。
 一度ウェブブラウザーを立ち上げて、ラジオを聴いてみてはいかがだろうか。今までは思いつかなかった、ラジオの新しい使い方が思いつくかもしれない。



ソニー PS携帯 / PlayStation Phone 続報、コードネームは" Zeus "
 ソニエリ PlayStation Phone / プレイステーション携帯の続報を届ける。PS携帯はソニエリが開発する、スライド式のゲームコントロールを備えた Androidスマートフォン。サムスンのGalaxy S / Captivate と PSP go を合わせたような外観に、ソフトウェアはAndroidの次期バージョン 3.0 および独自のゲームプラットフォーム( " Z-SYSTEM " ? ) に対応する。今回の新画像は筐体側面の4方向およびAndroid OS の画面。
 システム情報に表示されているモデルナンバーは " zeus " になっている。Android OS のバージョンは 2.2 Froyo。ただし情報提供者によれば、すでに3.0が動いている個体も存在している。使用されている(micro) SDカードは8GB (7.60GB)。内蔵ストレージの利用可能容量は453MBとなっていますが、製品版で何GBのストレージを内蔵してくるかはまだ分からない。クロームの金属(っぽい)パーツになった側面には go よりは押しやすそうなLRボタン、go の独自ポートではない USBポートなど。ヘッドホン端子は縦持ち正面から見て左側面、横持ち(ゲーム持ち)をしたときの下側左寄りにあるようだ。(一般の携帯のように縦持ちしたときの下部や上部に置くと横持ちしたときに手と干渉する。しかしPSP goのように横側面の中央にすると、ヘッドホンを挿したままポケットに出し入れしづらい)。PSフォン / Zeus / Z-SYSTEMについては現在さらに複数のソースに取材中。新情報がありしだい続報を伝える。
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DeNA、米ソーシャルゲーム会社買収の勝算
 激しい企業買収合戦が続く欧米ソーシャルゲーム市場に日本企業が名乗りを上げた。携帯向けサイト「モバゲータウン」を運営するディー・エヌ・エー(DeNA)は10月12日、アップルのスマートフォン「iPhone」向けゲームアプリの開発・販売会社である米ngmoco(カリフォルニア州)を買収すると発表した。ただ、買収金額の最大4.03億ドル(うち業績連動が1億ドル、当初支払額は3.03億ドル)は、2009年の売上高が316万ドル、最終赤字が1089万ドルの企業としては高すぎるようにも見える。
 ngmocoは微妙な立場にいた。iPhone専門のゲーム販売会社としては最も早い時期の08年6月に参入し知名度は高いが、今年9月までにリリースしたゲームは20タイトルと月1本程度の緩やかなペースだった。
 iPhone向けアプリは価格競争が激しく、利益を確保するのは難しい。競合する仏ゲームロフトや、「AngryBird」といった大ヒットタイトルを持つ英Cillingoに押され、独立系ゲーム開発会社から有力なゲームがどんどん集まるという状況にはならなかった。
 そのため最近は、アイテム課金方式のソーシャルゲームを始める一方、配信プラットフォームでありユーザー向けのコミュニティーサービスでもある「plus+Network」の開発を進め、グーグルの携帯向けOS「Android(アンドロイド)」を搭載したスマートフォンへの進出も見計らっていた。それでも、今後の収益の柱がはっきりと見えているわけではない。
 10月20日に米ゲーム大手エレクトロニックアーツがCillingoを買収したと発表したが、米紙などが報じた買収価格は2000万ドル程度だった。そのことからも、今回のDeNAの提示条件がいかに破格だったかがわかる。
国内市場だけではやがて限界
 携帯電話のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)向けゲームは日本でも急拡大を続けている。なかでもDeNA、グリー、ミクシィの3社はそれぞれ2000万人規模のユーザーを抱え、この1年あまりはブームと呼べるような活況を呈した。
 しかし、この高成長は2010年内にも踊り場に差しかかる可能性がある。日本国内では1億台以上の携帯電話端末が使われているが、そう遠からず市場の上限に達するのは間違いないからだ。
 コンピュータエンターテインメント協会(CESA)がまとめた「2010CESA一般生活者調査報告書」によると、家庭用ゲーム機を現在遊んでいるユーザー数は国内人口の33.2%という。この3割、3000万人という数字が携帯向けのソーシャルゲームに直接当てはまるかどうかはともかく、いずれユーザー数や収益の伸びが鈍化するときがくる。
 3社がその先の成長を狙うのであれば、海外市場に打って出る以外に方法はない。海外のSNS市場は、すでに5億人のユーザーを抱える米Facebook(フェースブック)の独壇場となりつつある。しかし、携帯電話の世界ではアンドロイド搭載端末が台頭し、ユーザーの選択肢が広がりつつある。グーグルはアップルと異なり、サービス提供企業の自由に任せる戦略を採っており、そのなかから第二、第三のフェースブックが登場する可能性もある。
「日本企業は世界で通用する」
 こうした市場環境をDeNAの南場智子社長がどう見ているかを知るうえで、最近出版された「世界を見据えたベンチャーマインド」(NHKテレビテキスト「仕事学のすすめ」)は参考になる。
 このなかで南場社長は「この(IT)業界において、特にスピードが重要であることはお話ししましたが、やはりそのときに再認識したのは、タイミングの波=うねりをとらえてそれに乗ることの重要性です」と述べている。
 DeNAはパソコン向けに提供していたオークションサイトを、NTTドコモがパケット定額制を行うタイミングに合わせてゼロから作り直し、モバオクとして成功させた。南場社長はそこから得た教訓を語っているのだが、海外進出についても「私は本気で、日本の企業はもっと世界に出て行くべきで、しかも通用するはずだと思っています」と語っている。
 南場社長は日本企業の強みについて、「ユーザーが携帯端末で何をやりたいのかという分析に関して、先に土壌があった分、海外よりも上を行っている」としたうえで、「それを今後、スマートフォン上で、どう展開できるかが大きな鍵になる」と述べている。おそらく、次の大きな波をスマートフォンととらえ、それに乗って世界に進出しようとしているのではないか。
西海岸ネットワークの存在
 ただ、フェースブックやZyngaなど米国発のSNSビジネスは、シリコンバレーやサンフランシスコを中心とする人的ネットワークが強い影響力を持っている。それは単なる企業同士の交流にとどまらず、ベンチャーキャピタルのカネの動きなども含めた情報ネットワークとなっている。ある大手ゲーム企業の幹部は「西海岸のネットワークに日本人が食い込むことは容易ではない。そこには越えるのが難しい壁がある」と語る。
 こうしたハンディを克服するため、南場社長は情報収集のために「1週間シリコンバレー、3週間東京という生活をしている」(前掲書)という。ngmocoのニール・ヤングCEOは米Gamasutra誌のインタビューで、1年半前に南場氏を知り、買収についての交渉は「今年の早い時期から」と答えている。南場社長がこの1年半あまり、海外進出をにらんで情報収集や人的ネットワークに食い込む作業を続けていたことがうかがえる。今回の買収金額には、日本から西海岸のネットワークに入り込むための費用も含まれているとすれば、高額さにも納得できる部分がある。
手を組むには数少ない選択肢
 DeNAは今年5月、「MiniNation」というiPhone向けのゲーム用サービスを開始し、モバゲータウンでヒットした「怪盗ロワイヤル」や「海賊トレジャー」など9タイトルをリリースしている。ただ、すでに市場が出来上がっているところに新たなゲームプラットフォームを作ってもユーザーを集めるのは容易ではない。MiniNationがこのまま順調に成長する可能性は低かった。
 それに対し、ngmocoのplus+Networkは、すでに1200万人のユーザーを抱えており、一定の知名度も獲得している。大成功を収めているわけではないが、手を組む相手としては、数少ない選択肢でもあった。
 DeNAのngmoco買収は、日本のソーシャルゲーム市場にとっても大きな意味を持つ。日本でも今後5年あまりで、一般的な携帯電話からスマートフォンへの買い替えが進むだろう。これにより日本で開発したスマートフォン向けゲームを、そのまま海外でも販売できるようになる。海外への窓口が定まれば、ゲーム開発の物差しもおのずと変わってくる可能性がある。



◇ソニー決算会見 加藤優CFO「今期中のテレビ黒字化厳しい」
 ソニーが29日に発表した2010年4~9月期連結決算(米国会計基準)は、最終損益が568億円の黒字(前年同期は634億円の赤字)だった。ゲーム事業やパソコンなどが伸びたほか、コスト削減で採算が改善。通期見通しも上方修正した。ただ、加藤優・執行役最高財務責任者(CFO)は「経営環境が厳しく、今期中のテレビ事業の黒字化は厳しい」との見解を示した。決算説明会での主なやり取りは以下の通り。
 「第2四半期は為替の円高の悪影響を、ゲーム事業やパソコンなどのネットワークプロダクツ&サービス分野の伸びと、構造改革の効果で吸収できた。利益を出せる基礎体力がついてきたと感じている。ただ、下期の経営環境は厳しく、慎重にみざるを得ない。円高進行に加え、米国での価格競争激化や在庫の積み上がりが予想される」
 「今回の上方修正は、上期での伸びを反映したものと理解してもらいたい。前期に赤字だった分野のうち、ゲーム事業と(携帯電話を扱う)ソニー・エリクソンは黒字転換のメドがたった。あとはテレビだが、価格競争が厳しくなるなか今期での黒字化は厳しくなっている。商品力で補いたい」
 ――テレビ事業の黒字転換には何が必要か。
 「とにかく商品力の向上が必要だ。例えば昨年、LEDバックライトの液晶テレビがなかったことが製品競争力の面で響いていたが、今年はその心配はない。3次元(3D)テレビやインターネットテレビなどの新製品もそろってきた。商品力を高め、価格競争の波を受けにくい商品構成にしたい」
 「価格下落圧力に強い体質作りも必要だ。テレビの生産コスト削減では、部品の共通化や内製化を進めていく。テレビを買った後でも収入が入るビジネスモデルも構築したい」
 ――日本ではエコポイントによるテレビ需要の拡大が期待されるが、下期での影響は。
 「エコポイントの減額の時期が12月に迫っており、駆け込み需要が盛り上がっている。影響は上期より下期の方が大きいだろう。例年の1年分の需要がこの第3四半期に集中するくらいだ。それだけに、第3四半期の販売動向が業績を左右することになる。確実にいえるのは、前期のような大幅な赤字は今期のテレビ事業では発生しないだろうということだ」
 ――韓国サムスン電子と比較すると、営業利益率にはまだかなり差があるが。
 「サムスンは半導体や液晶パネルなど製品を絞って垂直統合での生産をしている。一方、ソニーの事業領域は幅広い。しかもテレビなどでの生産方式はジョイントベンチャーを活用する水平分業型だ。事業形態の違いから、どうしても利益率は上げにくい。将来は事業の選択と集中が必要な時期が来るかもしれない」
 ――年末商戦の見通しは。
 「北米では厳しい状況だ。価格競争の激化に加え、在庫の増加が見込まれる。商品構成の改善で対応していきたい」



新車販売に急ブレーキ 10月2割減、補助金切れ直撃
 国内の新車販売が急減している。10月の総販売台数は28日時点(軽自動車は27日まで)で前年の8割程度で推移。9月7日のエコカー補助金打ち切りの影響が直撃した格好で、登録車(排気量660cc超)を中心に売れ行きに急ブレーキがかかった。29日以降もこの傾向が続けば、10月として過去最大の減少率になるのは避けられない。
 28日時点の総販売台数は約24万台。補助金切れの影響が大きい環境対応車や小型乗用車を中心に落ち込みが激しい。乗用車をメーカー別に比較すると、トヨタ自動車が前年比約2割、日産自動車が約3割、ホンダが約3割の販売減となった。中堅メーカーの状況はさらに厳しく、3~5割の減少となっている。
 販売台数は新車登録時をベースに算出し、10月は29日が登録の締め切り日。月末には登録が集中する傾向があり、「今月のように数字が悪いと、登録できるものは何でも登録しろ、とメーカーが言ってくることもある」(販売関係者)。そのため、10月を通しての販売台数がどの程度の水準になるかは、まだ不透明だとの声もある。
 ただ、各メーカーの受注状況は9月から大きく落ち込んでいる。ホンダは9月、系列販売店での総受注が約4割減った。トヨタ(レクサス除く)も4割強の受注減だったという。10月以降もこうした傾向が続いていると見られる。
 「足もとの受注も30~35%減っている」(日産の片桐隆夫常務執行役員)という状況で、11月にはさらに販売台数が落ち込むことも予想される。
 エコカー減税、補助金の効果で2010年1~9月の総販売台数は404万台と前年同期比18.7%の増加となった。だが、9月に約1年ぶりに前年同月を割り込んだのに続き、10月以降も大幅な減少が続けば、通年で2年連続の500万台割れとなる可能性もある。
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