ドコモの定額データプラン、オンラインゲームなどが対応

ドコモの定額データプラン、オンラインゲームなどが対応
 NTTドコモは、データ通信端末向けのパケット定額制サービス「定額データプラン」において、これまで利用できなかったストリーミングラジオなど一部を利用できるよう、11月16日10時より対象通信範囲を拡大する。
 新たに利用できるようになるのは、インターネットラジオやオンラインゲームなどのサービス。すでにFlashによる動画サイトには対応しているが、インターネットラジオなどのストリーミング型サービスと、CABAL ONLINEなどオンラインゲーム全般が利用できるようになる。
 従来通り、P2PやVoIP、一部のUDPのポートは利用が制限されているほか、直近3日間で300万パケット以上を利用すると規制対象になる場合があるといった事項に変更はない。



UQ、1年契約で月額3880円の「UQ Flat 年間パスポート」
 UQコミュニケーションズは、年間契約を条件に割安な価格でWiMAX通信サービスを提供する、新しい料金プラン「UQ Flat 年間パスポート」を発表した。11月16日より提供を開始する。
 「UQ Flat 年間パスポート」は、1年間の継続利用を条件に、WiMAXの通信サービスが月額3880円の定額制で利用できるサービス。同社ではこれまで、年間契約無しの定額プラン「UQ Flat」(月額4480円)などを提供してきたが、同プランが初めての年単位での契約を条件とする料金プランとなる。登録料は2835円。
 更新月に変更しない場合は自動更新となる。更新月以外で解約やプラン変更を行うと、5250円の契約解除料が発生する。なお、新規の契約で2011年1月31日までに契約が完了した場合、課金開始から30日以内なら、解約および翌月末までの料金プランの変更では契約解除料が発生しない。
 「UQ Flat 年間パスポート」は「WiMAX PC バリューセット」との併用も可能。その場合、登録料2835円と、通信料が最大2カ月間無料になる。



サムスンGalaxy S後継は i9100 / Galaxy 2、デュアルコアCPU採用?
 韓国内だけでなく日本や米国でも人気端末となっているサムスン Galaxy S の後継機について。先日は「(2011年)前半フラッグシップ」モデルについての流出資料を掲載しましたが、今度は「Galaxy 2」の実機に触れたという人物のコメントが出てきました。携帯電話に強いジャーナリスト Eldar Murtazin 氏がなにげなく Tweet した発言で、内容は「ソニエリの anzo (原文まま) と、galaxy 2 / i9100をいじっている。ソニエリのは良くできているが、サムスンのほうは技術的にとても先を行っている。デュアルコアなど」。
 Eldar Murtazin 氏といえば、未発表端末について「うっかり」漏らす癖で知られている人物です。たとえばGalaxy SのQWERTYキーボード付きモデル (のちの Epic 4G ) を " Galaxy Pro "としていち早く報じたのも同氏。また欧州向けのオリジナル Galaxy Sの型番はGT-i9000 であり、「i9100」は一世代進んだ後継機としていかにもありそうな型番ではあります。
 とりあえず i9100 / Galaxy 2 が実在するとして、問題なのはそれがいつどんな形で世に出るのか。「デュアルコア」部分からすれば、たとえばARM Cortex-A9 デュアルコアを載せたサムスンの次世代 SoC " ORION " 採用機ということも考えられます。 また「サムスン製の次期 Google 携帯 Nexus S」のうわさとの関係も気になるところ。ORIONベースだとすればプロセッサはサンプルが始まったばかりであることなど時期的には微妙ですが、HTC製 Nexus One と HTC Desire の関係のように、素の Android 2.3 Gingerbreadを載せたGoogle携帯がNexus S、サムスンの独自要素を加えた兄弟機が Galaxy 2 (仮) という可能性もありそうです。



WiMAXと3Gの両方に対応した高性能Androidスマートフォン「HTC EVO 4G」に新型が登場する可能性
 従来の3G通信に加えて、次世代高速通信サービス「モバイルWiMAX」をサポートした高性能なAndroidスマートフォン「HTC EVO 4G」が今年3月に登場しましたが、さらなる新型が登場する可能性があることが明らかになりました。
 ちなみに「HTC EVO 4G」は4.3インチWVGAタッチパネル液晶や1GHzで駆動するQualcommのSnapdragonプロセッサ、800万画素カメラなどを搭載しており、現在はOSに最新バージョンとなる「Android 2.2」を採用しています。
 アメリカの特許商標庁が開設しているデータベースによると、HTCは新たに「HTC EVO SHIFT 4G」という商標を申請したそうです。「HTC EVO SHIFT 4G」が具体的にどのような製品であるのかは不明で、商標の使用開始日についても明らかになっていませんが、この商標自体は携帯電話やスマートフォンを指すものだとされています。
 ちなみにHTCはモバイルWiMAXだけでなく、次世代高速通信サービス「LTE」を採用したAndroidスマートフォン「HTC Mecha」の開発に乗り出すなど、スマートフォン分野において先行しており、先日ソフトバンクモバイルから国内最大のディスプレイを備えたハイエンドモデル「HTC Desire HD」をリリースしています。
 実際に新型が発売されるのであれば、今後リリースが予定されているAndroidの最新バージョン「Gingerbread」や今年6月に発表された新型Snapdragonプロセッサを採用するなど、さらなるスペックアップが期待されます。
 「HTC EVO 4G」がサポートしている通信方式「CDMA2000」を国内で唯一採用しているのは、モバイルWiMAXサービス「UQ WiMAX」を展開しているUQコミュニケーションズを子会社として抱えているKDDIなのですが、今後この端末をリリースするというようなことは無いのでしょうか。



シャープ製品説明会、国産スマートフォンで勝負する同社の狙い
 シャープは15日、2010年冬春モデルの製品発表会を開催した。同社は2010年をスマートフォン元年と位置づけ、従来の携帯電話の端末開発と並行して、国内外のスマートフォンに注力していく姿勢を見せた。
 プレゼンテーションを行ったシャープの情報通信事業統轄 通信システム事業本部長の大畠昌巳氏は、冒頭「今日はスマートフォンにおけるSomething New(何か新しいこと)を届けたい」と意気込みを語った。
 大畠氏は、活況を呈しているスマートフォン市場の状況を資料で説明し、Android OSのシェアが2010年に17.7%、2014年には30%になるとした。また、国内の携帯電話販売数自体は横ばいだが、こうした中でもスマートフォンの比率は高まり、2010年の10.6%から、2011年には18%以上になるとの予測を示した。
 さらに、Twitterなどのマイクロブログの利用者が拡大しており、スマートフォンを使ってマイクロブログを利用しているユーザーは、パソコンや一般的な携帯電話で利用しているユーザーを引き離し42.5%に上るとした。この傾向はSNSでも顕著で、スマートフォンを使ったSNSの利用は45.8%でトップ、2位は42%で携帯電話とパソコンの併用者となった。
 しかし、スマートフォンの利用が活発になる一方で、従来の携帯電話で利用できていたことがスマートフォンで利用できなくなる場合があるために、スマートフォンへの移行に二の足を踏んでいるユーザーがいると大畠氏は述べた。シャープの2010年冬春モデルは、こうした市場の動向を踏まえた端末展開になっているという。
■ スマートフォン販売数、早期に500万台に
 大畠氏は、インド市場向けにGSM端末を投入することを明らかにしたほか、中国市場向けには、Android OSを中国市場向けにカスタマイズした点心OS(Tapas OS)を採用したスマートフォンを投入していることを紹介。今後、3D液晶搭載モデルを海外展開する計画にも触れた。なお、点心OSは、グーグルの地図サービスなどが利用できない中国の国内事情を背景に、代替サービスやコンテンツを盛り込んだカスタマイズOSとなる。
 シャープでは、今後2~3年でスマートフォン販売台数を500万台まで伸ばしていきたい考え。同社の2010年の目標販売台数は国内外で1100万台、売上げ規模は4500億円。携帯電話のシェアと同様に、スマートフォンでも3割程度を獲得したいとしている。
 このほか質疑応答において、ベースモデルを国内と海外で共通化し、国内についてはローカライズして提供することで効率的な開発が可能になるとした。また、Android以外にも投入する地域に最適なOSを展開するという。
 発表会後の質疑では、携帯電話業界ではネガティブな意味で使われることもある「ガラパゴス(GALAPAGOS)」をブランド名にしたことについて、当初は驚きを持って迎えられたが、「総じて温かく頑張って欲しいという声が大きい」(大畠氏)と述べた。シャープでは、「GALAPAGOS」という名称をダーウィンの進化論の起点となった、今後の進化を感じさせるポジティブなイメージとして採用したという。



7~9月のGDP、実質年率3.9%成長
4期連続プラス、駆け込み消費で上ぶれ 10~12月はマイナス成長も
 内閣府が15日発表した2010年7~9月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.9%増、年率換算では3.9%増となり、4四半期連続のプラス成長となった。エコカー補助金終了やたばこ増税などをにらんだ駆け込み需要に猛暑効果が加わり、個人消費が大幅に伸びた。ただ、政策による押し上げ効果が弱まる10~12月期はマイナス成長に転じる可能性が高い。(関連記事総合・ビジネス面に)
 海江田万里経済財政相は15日の記者会見で、GDP速報に関して「個人消費の伸びは一時的なものだ」と語った。さらに景気の先行きについて「足元では生産が弱含み、輸出も伸び悩んでいる」と警戒感を示した。
 7~9月期の成長率は1%程度とされる日本の潜在成長率を大きく上回った。日経グループのQUICKが事前にまとめた民間予測平均は年率で前期比2.6%増。実績はこれを1.3ポイント上回った。生活実感に近い名目成長率は0.7%増、年率換算では2.9%増で、2期ぶりにプラスに転じた。
 前期比でみた実質成長率0.9%は内需で押し上げられた。とくにGDPの6割弱を占める個人消費は前期比1.1%増と、4~6月期の0.1%増を大きく上回った。なかでも駆け込み需要と猛暑効果で自動車やエアコンなど耐久財が11.1%増え、成長率を0.6ポイント押し上げたのが特徴だ。値上がり前のたばこの買いだめなどで非耐久財も0.6%増えた。
 設備投資は前期比0.8%増と4期連続のプラスだったが、伸び幅は4~6月期の1.8%から縮小した。住宅投資は前期比1.3%増と2期ぶりにプラスに転じた。
 大幅に伸びた内需とは反対に、外需の押し上げはわずか0.02ポイントだった。これまでの景気回復を支えてきた輸出の伸びが鈍化し、前期比2.4%増にとどまった。輸入は2.7%増だった。
 物価動向を示すGDPデフレーターは前年同期比2.0%低下と6期連続でマイナスとなった。国内の価格動向を示す内需デフレーターも1.2%低下。ともに前期からマイナス幅を広げており、デフレから抜け出せない状況が続いている。



日本、中国の名目GDP実額を下回る 7~9月
 日本の名目GDP実額は4~6月期に続き、7~9月期も中国を下回った。内閣府のドル換算の試算によると、日本の1兆3719億ドルに対し、中国は1兆4154億ドルとなった。円高で日本のドル換算のGDPは押し上げられたものの、中国経済の成長ペースがこれを上回った形だ。中国は2010年に日本を抜き、米国に次ぐ世界2位の経済規模になる見通しだ。
 内閣府は季節調整をかけていない数字(原数値)を参考値として公表している。ドルに換算する際に使った為替レート(期中平均)は円が1ドル=85.857円、人民元が1ドル=6.770元だった。
 1~9月でみると、日本の名目GDPが3兆9674億ドルだったのに対し、中国は3兆9468億ドル。今なお日本が上回っている。
 大和総研が独自に季節調整をかけて日中の名目GDPを年率換算で試算したところ、7~9月期は日本が5兆6249億ドル、中国は6兆1890億ドルだった。1~3月期以降、3四半期連続で日中が逆転しているという。
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FOMA網併用が徒となるドコモLTEの料金体系

FOMA網併用が徒となるドコモLTEの料金体系
 NTTドコモは8日、、年内に開始するとしていたXi(クロッシィ)サービスを12月24日から提供開始すると発表した。Xiは、最大37.5Mbpsの通信速度をサポートしたLTEを利用するサービスである。サービス開始直後はエリアが限られており、LTEのサービスが受けられない地域ではFOMA網を利用することになる。LTEの帯域は、現在最速のUQコミュニケーションズによるモバイルWiMAXに匹敵するのだが、予想された通り、PCのデータ通信に最適化されたサービスというより、高速化された携帯電話サービスという色彩が強い。
●縛りやキャンペーンの存在するXiの料金体系
 それを最も強く感じるのは、料金体系である。複数の料金プランに制約を前提にした割引やキャンペーンのからんだ複雑で分かりにくい携帯電話の料金体系は、Xiサービスにも引き継がれている。端末の価格を割り引いたり、2年間利用することを前提に利用料金を割り引いたりと複雑で、注意書きがたくさんある。帯域制限も受け継がれており、極めて“ケータイ的"な印象だ。
 Xiの料金体系は、大きく分けて、2年縛りとなる「Xiデータプランにねん」と、2年縛りのない「Xiデータプラン」の2種類。いずれも2段階制定額に青天井の容量拡張を組み合わせたもので、3MBまで、5GBまでの2段階の定額プランと、それを超えると2GBごとに2,625円が加算されていく仕組みを合わせたものとなっている。つまり、5GBを超えると、使った分だけ、2GBごとに上限なく2,625円が加算されていく。
 現在NTTドコモは3.5Gサービス(FOMA)において、上限のあるデータ通信サービス(定額制サービス)を提供しており、こと上限料金の設定という点でXiは後退してしまったと言える。データ専用端末によるFOMAのデータ通信は、2年縛り前提なら月額5,985円を上限とした定額制となっているのに、FOMAより電波の利用効率が良いハズのLTEを用いたXiに上限設定がないのはなぜなのだろう。
 ややこしいのは、2012年4月30日までは、「スタートキャンペーン」と称して、上限を4,935円(Xiデータプランにねん)、あるいは6,405円(Xiデータプラン)に設定した定額制料金が設定されていることだ(対応プロバイダ料金は別)。つまり最大で約16カ月は、定額制で利用でき、しかもFOMAのみの2年縛りより1,000円ほど毎月の利用料金が割安になる(2年縛りのXiデータプランにねんの場合)わけだが、それでも残りの8カ月は青天井で利用することが求められる。
 キャンペーン期間終了後は、2年縛りで月額6,510円(5GBまで)で、2GBごとに2,625円加算だから、2年間の利用を前提にすると、FOMAのデータ通信のみを利用するユーザーでも、Xiデータプランにねんに入って、最後の8カ月を5GBを超えないよう注意して使った方が、利用料金だけなら安くなる、ということになる。ただし端末代が別途かかるので、トータルでどれくらい違うかは、現時点では不明だ。
●現実のデータ通信に即していないドコモの想定
 ハッキリいって、ここまで書いてきただけで、筆者はイヤになった。制約や注意書きの多い料金体系はもちろん、対応プロバイダ料金などのオプション課金の存在、そして決定的なのは、青天井の料金体系である。世界の大半の携帯電話会社が採用を決めているという理由で、LTEを将来のモバイルブロードバンドの主役と考えている人は多いようだが、こんなにややこしいサービスなら筆者はまっぴらごめんだ。
 そもそも広帯域のネットワークに期待するのは、その帯域に見合った利用であり、サービスだ。当然、帯域の狭いサービスよりデータの使用量は増える。料金を青天井にした上で、一定以上の利用に対しては帯域制限をするというのでは、何のためのブロードバンドサービスなのだろうと思う。Xiサービスでも従来同様、直近の3日間のデータ通信料が300万パケット(約370MB)以上になった利用者に対して、帯域制限を行うという。3日間でたったの370MB、月間で5GBという規制は、3.5Gであれば妥当なものかもしれないが、ブロードバンドを名乗るサービスの規制としては似つかわしくない。
 もちろん、現在の定額制をベースにしたInternetサービス(回線を含む)において、ごく一部のユーザーが大半の帯域を使っていることが問題視されていることは理解している。多くのユーザーの利益を守るために、あまりにも帯域を消費するユーザーに対しては、何らかの措置が必要だということも理解する。が、370MBに5GBでは、次世代の高速モバイルブロードバンドという看板が泣く。まるで、北米のキャリアが、3Gによる年間契約のデータ通信サービスに対して現在課している容量制限のようだ。北米では、3Gのデータ通信サービスは、もっぱら企業向けで、個人で契約するユーザーは極めて限られている。
 NTTドコモは、この5GBという容量の目安として、Webサイト閲覧17,500回(1ページ300KB程度を想定)、メール送受信(1KB程度を想定)で約524万通、動画(平均512Kbpsを想定)で約1,370分、音楽(1曲4分、約4MBを想定)で約1,250曲、という例を挙げている。音楽はともかく、その他の設定で前提とされているデータ量は、PC用のデータ通信というより、iモードのデータ通信ではないかと思う。Flashの貼られたページを閲覧すれば、1MBなど軽く超えるし、PDFや高解像度のJPEGイメージが添付されたメールが送られてくるのがPCのデータ通信だ。
 ここ数年、筆者が利用しているサービスに、NFL Game Passというものがある。これは、NFL(アメリカンフットボールのプロリーグ)が、国外在住のファン向けに、NFLの試合をリアルタイムでインターネット中継するサービスだ。料金は1シーズン279.99ドル(2010年シーズンの場合)だが、シーズン途中からの加入用に割引料金も設定されている。今シーズンで3年目だか4年目で、昨年からHD化した。最大3Mbpsの720pによる生中継である(その前はラジオの有償中継だった)。3Mbps以下でも中継を見ることは可能だが、画面がノイズだらけになり、肝心のボールの行方を追うことが難しくなる。
 NFLの試合は、米国東部時間の日曜13時、16時、20時半の3パターンに、月曜日の20時半の4回に分けて行なわれる。それぞれ日本時間にして、月曜日未明の3時、6時、10時半、そして火曜日朝の10時半ということになる(サマータイムが終わった11月以降の場合)。筆者はこのスケジュールに合わせて、日曜日は夜の20時にはベッドに入ることにしているが、10時半スタートのゲームに関しては、自宅で見ることができないことも少なくない。たとえば11時から12時までの発表会や説明会に出席すると、帰宅するのは13時頃で、以前は試合の結果を歴史として知ることがほとんどだった。
 ところがUQのWiMAXがあれば、とりあえず自宅に戻る前に、コーヒーショップでも公園でも、ノートPCを開けば試合の後半をそのまま見ることができる。現時点でこれが可能なのはWiMAXだけだ。ほかのワイヤレスサービスでは、理論上の通信速度は十分でも、安定して3Mbpsの通信を維持することが難しい。少なくとも都内の地表面(地下や高層ビルの上層階は除く)であれば、どこでノートPCを開いても、その瞬間に米国で行なわれているフットボールの試合を見ることができるというのは、ちょっと前なら考えられなかったことであり、まさにモバイルブロードバンドを実感する。
 おそらくLTEでも、通信の帯域的には同じことが可能だろう。だが、料金体系や帯域制限が邪魔をする。アメリカンフットボールの1試合は約3時間だから、3Mbpsのデータレートでは1試合でおおよそ4GBとなる。現在の料金体系なら2試合目で早くも追加料金が発生するし、月曜朝の試合を見ると、火曜朝の試合は帯域制限で見ることができない、ということになりかねない。筆者にとっては使えないサービスだ。
 もちろん、こうした利用が今のところ一般的とは言えないことは承知している。国内の利用者はわずかだろう。しかし、これは実験でも夢でもなく、すでに実用化された商用サービスなのである。
●原因はFOMA網の併用
 LTEの料金を定額にすることができない理由の1つは、当面はFOMAサービスを併用せざるを得ないからだろう。LTEも、サービス開始直後は、そのサービスエリアは極めて限られる。都内の場合、初期のサービスエリアはおおよそ山手線内プラスアルファといった感じで、つながらない、圏外ばかりと評判の悪かったWiMAXの立ち上げ時と利用範囲に大差はない。
 LTEがWiMAXと大きく異なるのは、サービスエリア外でもFOMAにフォールバックして利用可能であることだ。つまり、遅くなっても、全くつながらないことをまず考えなくて済むことになる。それは大きなアドバンテージに違いないが、FOMA網を併用するがゆえに、データ通信が携帯電話サービスに支障を与えないようにする必要がある。LTEと同じ感覚で、FOMAを使われては困る、ということではないかと思う。
 携帯電話サービスを併用しない(併用できなかった)WiMAXは、サービスエリアの狭さに悩んだ(地方では今も悩んでいる)ものの、併用しないがゆえに携帯電話サービスに起因する制約がない。将来的な可能性は否定しないものの、今のところ、帯域制限や容量制限は存在しない。もちろん、携帯電話サービスに頼れないということは、データ通信だけでエコシステムを作れるか(採算ベースに乗せられるか)、ということでもあり、ここに不安を感じるユーザーも多いのだろう。
 つまり、つながれば高速で料金体系も分かりやすい反面、圏外になる不安と国際的な普及が進むかどうか懸念されるWiMAXと、圏外になる不安はないものの、当面は料金体系が分かりにくく、帯域制限により大量のデータ通信向きではないXiサービスというのが、現時点での色分けとなる。
 おそらくNTTドコモとしては、基地局の整備と、LTEによる利用範囲の拡大を見ながら、料金プランを改訂していこうという考えなのだと思う。エリアの大半をFOMAに依存せず、LTEでカバーできるようになれば、定額制の料金を導入する可能性は十分にあるだろうし、帯域制限も緩和されるのではないかと筆者は考える(問題は、それがいつになるか、だが)。ただ、携帯電話の音声サービスや携帯電話端末によるデータ通信も、いずれはLTEにしていく方向性であることを考えると、XiがWiMAXほどフラットな料金体系になることはないのではないかとも思う。
 また、国際的な普及が確実視されるLTEだが、各国でどのようなバンドプランが使われるのか、まだ結論は出ていない。LTE同士であっても、バンドプランが違えば機器の相互利用はできない。おそらくLTEで国際ローミングが可能になるのは、相当先の話だろう。それに対してWiMAXでは、エリアが限定されるとはいえ、最も利用者の多い米国と日本間で国際ローミングが可能になっている。
 当分の間は、こうした点を考慮しつつ、どんなサービスと契約するのかを決めていくことになるのだろうが、やはり残念でならないのは、Xiが最初から定額を前提とした料金プランを提示できなかったことだ。たとえ定額料金が高くなっても、定額プランを用意して欲しかった。それは、現在のInternetのエコシステムが、広告を前提にしているからだ。定額制でない料金体系は、広告のパケット代をユーザーが負担することを意味する。それが最終的にはユーザーによる広告のブロックを招くかもしれない。そんな料金プランを最大手のNTTドコモが提示したという点に疑問を感じる。
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