ソニーのクラウド音楽サービス Music Unlimited by Qriocity、PSP向けに提供

ソニーのクラウド音楽サービス Music Unlimited by Qriocity、PSP向けに提供
 先日提供されたPSP v6.35アップデートは国内向けに x-RADAR Portable アプリ (のアイコン) を追加したが、米国リージョンのPSPでは [Music] 以下に " Music Unlimited powered by Qriocity " が加わった。Music Unlimited は、ソニーのオンラインサービス Qriocity に含まれるクラウド音楽サービスの名称。かつて SOS ( Sony Online Service) というすごい略称で発表された Qriocity はテレビやPC、携帯電話、ゲーム機など機器を問わずに使えることを目指した「ネットワークサービスのプラットフォーム」で、その一部として音楽の Music Unlimited や、すでに海外向けのテレビで導入されているビデオサービス Video On Demand が提供されるという関係だ。
 Music Unlimited のサービス内容は、「クラウド上で管理される膨大な音楽ライブラリーから、お好みにあわせてカスタマイズされた音楽チャンネルを、ご自身でファイル管理をすることなく、様々な機器上でお楽しみいただくことが可能です。」(Qriocity 発表文) 。またQriocity.comの解説では、パーソナルライブラリをクラウドにアップロードしていつでもアクセスできる、また自動おすすめ機能で新しい音楽の発見 (と購入) もできるなどと説明されている。
 Music Unlimited のサービス開始は年内予定。PSPでも SensMe Channels の上にアイコンが追加されたものの、開いてもウェブの Coming Soon ページに飛ばされる。9月の発表ではサービス開始時にBRAVIA、VAIO、XPERIA、BDプレーヤやホームシアター、PS3で、準備が整いしだいポータブル機器にも、と表現されており、Connect のトラウマを乗り越え今度こそアップル iTunes に真っ向勝負を挑む構えです。国内PSPには提供されるのかどうかも今のところ不明。



ソニー、ニコン、サンディスクが次世代メモリカード仕様開発
 ソニーとニコン、米半導体メーカーのサンディスクの3社は30日、デジタルカメラやデジタルビデオカメラに使う次世代のメモリーカードの仕様を共同で開発したと発表した。カメラからパソコンにデータを転送する時の速度や容量を高めた。3社はコンパクトフラッシュの業界団体に標準規格として認定するように提案した。
 写真や動画映像を扱うメディア業界からは大容量データを迅速に処理する記憶媒体が求められていた。コンパクトフラッシュの既存品は1秒当たり最大167メガバイトの転送速度だったが、3社で開発した次世代品は同500メガバイトと約3倍に高めた。保存容量は2テラバイト超まで可能という。今後は今回の仕様に基づいて各メーカーが商品化に向けて開発する。
 規格の標準化を認定する業界団体はコンパクトフラッシュ・アソシエーション(米カリフォルニア州)で1995年に設立している。



グーグル、Groupon買収交渉で53億ドルを提示か--All Things Digital報道
 All Things Digitalは米国時間11月29日、Googleがクーポン共同購入サイトGrouponの買収に向けた交渉で53億ドルを提示しており、買収が成立した場合には同社最大の買収になることを情報筋の話として報じた。
 All Things Digitalは、今回の買収について、最終段階で失敗に終わる可能性が当然あるものの、早ければ30日朝にも成立する様子を見せていたと情報筋が語ったことを伝えている。



身振りでゲーム操作するMicrosoftの「Kinect」、25日で250万台販売
 Microsoftは11月29日、Xbox 360用モーションコントローラ「Kinect」が、発売から25日で250万台以上売れたと発表した。
 Kinectは11月4日に発売され、最初の10日で100万台が売れた。11月末には年末商戦が本格的に始まり、最初の週末にはかなりの需要があったという。Microsoftは年内の販売台数を500万台と見込んでいる。「供給不足にならないよう、できるだけ速く店舗にKinectを補充するため、小売店および製造パートナーと協力して生産と出荷の迅速化に尽力している」と同社は述べている。
 Kinectはカメラとセンサーでプレイヤーの動きをとらえ、それをゲームの中で再現するため、身振り手振りでゲームを操作できる。現在、世界の18の地域で販売されており、日本では20日に発売された。



ウィルコム、会社更生計画が認可決定
 会社更生法による法的整理に入り、更生計画案を裁判所に提出していたウィルコムは、更生計画が認可されたと発表した。
 同社は、昨年9月に事業再生ADR(産業活力再生特別措置法所定の特定認証解決手続き)を申請し、債権者に対して借入金残金の返済期限延長を求め、債務の私的整理を目指した。しかし、今年2月に私的整理を断念して会社更生法を申請、法的整理に向け取り組んでいた。
 10月、更生計画案の付議決定を受け、計画案が決議されることが決定した。今回、その書面投票の結果、債権者の賛同を受けて更生計画が認可された。
 なお、ウィルコムとスポンサー契約を結ぶソフトバンクの代表取締役社長の孫正義氏は、10月28日の2010年第2四半期決算発表会において、ウィルコムの基地局設置場所にソフトバンクの基地局を建設する計画を示した。また、ウィルコムの約373万ユーザーに対して、「急激に減っては経営的に良くない。なんとかこれを良い方向に持って行けるような目安をつけている最中」などと話している。



ソニー、シャープ液晶工場の投資断念報道にコメント
-「当社が発表したものでは無い」
 ソニーは29日、シャープとの液晶パネル生産合弁会社・シャープディスプレイプロダクト(SDP)への経営参加を断念するとの報道に対し、「当社が発表したものでは無く、これ以上のコメントは控える」と発表した。
 ソニーとシャープは2009年7月に、液晶テレビに使う大型液晶パネル、およびモジュールの生産/販売事業における合弁契約を締結した。大阪府堺市に工場を持つSDPに、ソニーが100億円を出資して合弁会社化。同年10月から生産を開始している。2009年12月29日時点での出資比率はソニー7.04%、シャープ92.96%。
 ソニーはその後も段階的な追加投資を実施し、持株比率を最大34%まで高め、経営に本格参加するとしていた。
 しかし、読売新聞は27・28日に、「ソニーは追加投資をとりやめ、経営参加を見送る方針を固めた。パネル調達計画は見直され、台湾製品の比率を高めることになる」などと報じており、それを受けて、今回ソニーが「当社が発表したものでは無い」とコメントを発表した。



家電エコポイント、あすから半減 販売ピーク拡散、混乱回避狙う 経産相「冷静な理解を」
 政府は家電エコポイント制度について、12月1日からすべての対象商品のポイントを半減する。現行制度のままだと来年3月の制度終了までに予算を使い切る可能性が出てきたため。さらに来年1月からは、省エネ基準の達成度を示す「統一省エネラベル」で「5つ星」の商品買い替え時に限定してポイントを付与。販売ピークを拡散し、混乱を避ける狙いがある。
 制度変更直前の30日も、各地の家電量販店では駆け込み需要が続いている。大畠章宏経済産業相は同日の閣議後の記者会見で「いずれやめないといけない政策。反動減が予想されるが、冷静に受け止めてほしい」と制度変更に理解を求めた。



Microsoftが「ネットテレビ」再挑戦へ Google、Appleと競合か
 米Microsoftがテレビ分野に再び力を入れようとしている。ただし今回に関しては、同社が狙いを定めているのは、ケーブルテレビ(CATV)、衛星放送、そして電話会社のようだ。
 Reutersの取材に応じ、情報筋が語ったところによれば、Microsoftは自社のゲーム機Xboxで月額定額制の新しいテレビサービスを提供する計画をめぐり、テレビ局各社と話し合いを行っているという。実現すれば、GoogleやAppleのほか、オンラインDVDレンタル大手Netflixなどの取り組みと競合することになるサービスだ。
 過去にもMSNBCやWebTVに投資してきたMicrosoftだが、今回の計画は、リビングルームのエンターテインメントを再定義しようという動きが加速するなかで進められているものだ。ここ1年ほど、テクノロジー各社の間では、価格の高いペイTV(有料テレビ)への加入に代わる、より安価な代替選択肢の提供を目指す動きが広がっている。
 Microsoftが検討中のシナリオの1つは、Xboxで提供する新しいテレビサービスを開発し、「仮想CATV事業者」としての役割を果たすというものだ。同社の計画に詳しい2人の情報筋によれば、このサービスではABC、NBC、Fox、CBS、ESPN、CNNなどのテレビ局の番組を月額料金制でXboxから視聴できるようになるという。
 そのほかの選択肢としては、CATV加入者がXboxを使って、よりインタラクティブな方法で番組を視聴できるようにするというものもあるという。例えば、お気に入りのテレビ番組を視聴しながら、友人とメッセージもやり取りできるといった具合だ。
 情報筋によれば、さらにMicrosoftは顧客向けに番組パッケージを編成し、例えば、スポーツ番組や子供向け番組などをパッケージで提供する可能性についても検討中という。



【産経主張】日航の更生計画 スト実施で認可は問題だ
 経営再建中の日本航空の会社更生計画案について、銀行など債権者の大半が同意した。これを受け、30日にも計画案は東京地裁の認可を受ける見通しだという。
 しかし、日航の現状を見る限り、計画案がこのまま認可されることは許されまい。一部労組が人員整理に断固反対の立場を崩さず、ストライキを実施する方針を決めたため、更生計画自体が瓦解(がかい)しかねないからだ。
 人員の削減は更生計画の柱である。5200億円の借金棒引きと出資による3500億円の公的資金を投入する前提だ。
 日航は労組のゴネ得を許す労使なれ合いの体質もあって、何度も再建が頓挫し、今年1月に破綻した。このままでは同じ轍(てつ)を踏む懸念が残る。「甘え」の企業風土を温存したままでの公的資金投入は国民の理解を得られない。
 日航は来年3月までにグループ全体で1万6千人を削減する目標を掲げ、希望退職を募ってきた。しかし、パイロットと客室乗務員については目標に達せず、計250人の整理解雇を決めざるを得なかった。これに対して客室乗務員の一部の労組はスト権を確立した上、整理解雇の撤回だけでなく、人員整理そのものにも反対し、来月24日、25日にストを強行する方針を決めた。
 整理解雇は雇用契約を一方的に取り消すことになるため、実施にあたって法律で厳しい条件が課せられている。だが、日航はそもそも破綻企業であり、その条件に該当する。再建を成功させるには、整理解雇もやむを得ない。
 支援機構は当初、「スト権を確立すれば出資しない」と労組を牽制していた。ところが、労組側がスト実施を決めたにもかかわらず、「客室乗務員の多くは別の労組に所属しており運航に大きな支障はない」などとして、公的資金を出資する方向に傾いている。
 経営側も、整理解雇の規模縮小や、地上職への転籍を促す妥協案を示して話し合いを継続する方針だという。これでは、支援機構も経営側も腰砕けである。すでに希望退職に応じた地上職社員に対しても、説明はつかない。
 更生計画の認可が、日航の再建を保証するわけではない。再度失敗すれば、国民負担の公的資金が水泡に帰すことになる。支援機構と日航の労使はそのことを改めて肝に銘じるべきだ。
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決済機能付きで最小のマイコン ルネサスエレ

決済機能付きで最小のマイコン ルネサスエレ
 ルネサスエレクトロニクスは、スマートフォン(高機能携帯電話)向けに世界最小の決済機能付きマイコンを開発した。国内で初めて非接触型決済の国際規格「NFC」に対応する。11月下旬に米IT(情報技術)大手グーグルが携帯電子決済への対応を表明し、海外市場でも決済機能付きスマートフォンが急速に普及する見通し。2011年3月からサンプル出荷を始め、海外携帯端末メーカーへ拡販を急ぐ。
 開発したマイコンは、スマートフォンと決済用機器との間で電波をやり取りする無線通信制御機能と、決済情報を暗号化して偽造を防ぐセキュリティー機能を持つ。非接触型部品で強みがある大日本印刷がコンデンサーや抵抗部品と一緒に基板に組み込んで製品化する。
 スマートフォンを機器にかざし、電車やバスの乗り降りや商品の購入、オフィスの入退室管理システムなどに使う。
 海外の競合他社は機能ごとに半導体チップが別々。同社は無駄な回路を省き、面積や厚みを減らす組み立て加工技術を導入して、1個の半導体チップに必要な機能をすべて盛り込んだ。
 国内携帯市場では電子マネー「おサイフケータイ」による決済機能が普及。採用規格はソニーが開発した「フェリカ」だが、欧州や米国の主流規格とは互換性がない。
 一方、NFCはフェリカ、欧米規格とも互換性があり、事実上の世界標準規格。グーグルは携帯電話用の基本ソフト(OS)をNFCに対応する予定で、スマートフォンの世界市場で12年にはNFC対応端末が現在の10倍の3億台に増加するとの試算もある。ルネサスは世界標準規格に対応した最小チップを市場投入して、海外半導体メーカーに対抗する。



JCOMが高速無線通信 来月から「WiMAX」
 CATV最大手のジュピターテレコム(JCOM)は大株主のKDDIと通信サービスに乗り出す。第1弾としてKDDIグループのUQコミュニケーションズの高速無線通信「WiMAX(ワイマックス)」をJCOMのネット接続サービス加入者に提供する。UQコムの同種サービスよりも料金を安く設定して加入者の拡大につなげる。
 12月15日から札幌、仙台、関東、九州でサービスを始める。2011年2月には関西にも対象を広げる。契約期間は1年間。加入者はワイマックス内蔵パソコンか、ルーターなどの対応機器を用意する必要がある。
 月額利用料は3600円と、UQコムのサービスに比べ300円ほど安い。対応ルーターがあれば多機能携帯端末や高機能携帯電話(スマートフォン)を使い外出先でも利用できる。
 JCOMのネット接続サービスは加入世帯数が10月末時点で約167万世帯で、1年前より約7%増えた。無線通信の導入で加入者獲得に弾みを付ける。KDDIは2月にJCOMに出資。両社はCATV回線を活用した固定電話サービスも11年4月に始める計画で、事業連携を加速する。



電子書籍、端末の競争激しく 年末商戦へ各社新機種
コンテンツ配信も拡充
 年末商戦に向け、電機メーカーなどが電子書籍に適した情報端末を相次ぎ投入している。シャープは29日、タブレット型の多機能携帯端末「GALAPAGOS(ガラパゴス)」を12月10日に発売すると発表した。日本経済新聞など新聞各紙のほか、雑誌や書籍など約2万冊の電子書籍の配信も端末発売と同じ12月10日に始める。
 無線LAN(構内情報通信網)を経由してインターネットに接続すれば、ウェブサイトの閲覧をはじめとする幅広い使い方が可能。新聞や雑誌といった定期刊行物は自動配信にも対応している。2011年春には動画や音楽、ゲームなどのコンテンツを拡充して端末の普及につなげる。
 コンテンツの配信サービスは、シャープがKDDI(au)やソフトバンク、NTTドコモの携帯電話各社に今秋から順次供給する高機能携帯電話(スマートフォン)でも利用できる。ガラパゴスと新型スマートフォンの合計で早期に100万台の販売を目指す。
 ソニーが同じく12月10日に発売する「リーダー」は読書のしやすさで特色を出す。白黒の微粒子を制御して文字を表示する電子ペーパー方式を採用。動画・カラー表示はできないが、画面が発光しないため目に優しい。
 消費電力も低く、1回の充電で1万ページを表示でき、通常利用だと2週間はもつ。画面が5型で重量155グラムの端末は長時間の読書でも持ち疲れしない。初年度の販売目標は30万台に設定した。
 凸版印刷やKDDI、朝日新聞社と共同で設立したブックリスタを通じて12月10日に配信サービスを始める。書籍を中心に2万冊を用意する。
 携帯電話各社も年末商戦ではスマートフォンをはじめ電子書籍に適した多機能端末をそろって拡充する。端末と配信サービスの組み合わせにより市場開拓で先行している米アップル「iPad(アイパッド)」との競争が激しくなりそうだ。



KDDI、クラウド機能拡充へ 企業の運用コスト、4割削減
 KDDIは29日、企業向けクラウドサービスの機能を拡充し、来年1月4日から提供すると発表した。顧客企業の社員が自分で管理しているパソコンのソフトやデータをネットワーク上に設置するサーバーで一元的に管理して運用コスト削減につなげるほか、高精細なハイビジョン画質でのテレビ会議を外出先でも手軽に利用できるようにするのが柱だ。
 社員が各自で管理しているパソコンに保存されたアプリケーションソフトやデータを、KDDIのサーバー上で集中管理することで企業の情報システム部門の負担を軽減し、運用コストを従来に比べ約4割削減できるという。
 テレビ会議では、KDDIのサーバーに通信回線を経由して接続することで、外出先でもハイビジョン画質のテレビ会議に参加できる。主に従業員数500人以上の企業を対象とする。
 東京都内で記者会見したKDDIの山田靖久・データ商品企画部長は「今後の本格的なクラウド需要に対応していきたい」と話した。



シャープ、液晶TV“宴の後”に待つもの
 26日昼の東京・有楽町。液晶テレビやプラズマテレビが並ぶ大手家電量販店の1階フロアは、薄型テレビを買い求める人々で埋め尽くされた。普段なら比較的人出の少ない午後3時だが、この日の商談受付の列は約1時間半待ち。消費者を駆り立てるのは、12月からエコポイント制度が縮小されるのをにらんだ“駆け込み”需要だ。
 電機大手銘柄の中でシャープの株価がさえない。
 26日終値は815円で、日経平均株価が年初来安値を付けた8月31日からの上昇率は1.4%。同時期にライバルのソニーが22%高、パナソニックが13.1%高と大きく反発しており、シャープ株の上値の重さが際立つ。
 背景にあるのが、同社の液晶パネル・テレビ事業の先行きに対する株式市場の厳しい視線だ。
 2011年3月期はエコポイント制度が需要を強力に押し上げているため、液晶テレビの販売台数が前期の約1.5倍の1500万台に急拡大する見通しだが、連結純利益は300億円と過去最高だった08年3月期の約3割にとどまる見込み。低価格攻勢を得意とする韓国サムスン電子などの台頭で価格競争が激しさを増しており、シャープの利幅の小ささを「もはやビジネスモデルの限界」(外資系証券アナリスト)と指摘する厳しい声もある。
 さらに問題なのは来期の国内商戦だ。来年3月末でエコポイント制度は終了、7月下旬には地上デジタル放送に完全移行し、一気にテレビ関連の政策特需が消滅する。シャープのある役員は「2010年度の薄型テレビ市場は国内全体で1800万台超に膨らむだろうが、政策の恩恵を除いた実力ベースは900万台程度。追い風がやむ来期以降の国内販売減は避けられない」と漏らす。
 経済産業省の集計によると、個人による薄型テレビのエコポイント申請件数は、制度が始まった昨年7月~今年10月末までの16カ月間で約1620万件。全世帯のおよそ3分の1が同制度を活用して薄型テレビを購入した計算だ。今後は「家庭の2台目、3台目需要を本格的に開拓しないと販売台数が伸びない」(シャープ役員)時代が到来することになる。
 夏場以降の世界的な液晶市況悪化を受け、シャープは下期(10年10月~11年3月期)に「液晶パネル全体で1割程度の減産を想定している」(安達俊雄副社長)というが、来期以降も恒常的に液晶パネルの生産量を引き下げる事態に陥れば、総額4300億円を投じた堺工場(堺市)の液晶パネル製造ラインの巨額減損リスクを意識せざるを得ない。
 今月19日、シャープが中国で最新鋭の「第10世代」液晶パネル工場の建設に向けた調査を始めていることが明らかになった。南京市がホームページに環境影響調査を実施する旨の公告を掲載したためだ。
 シャープ側は「そういう計画はない」(広報室)と否定しているが、計画が具現化すれば同社が経営戦略の柱に位置付ける「地産地消」の推進に弾みがつく。シャープに“変革”を促している株式市場は今、同社の決断をかたずをのんで見守っている。



銀行業績回復 融資の拡大でこそ利益を(11月30日付・読売社説)
 大手銀行の利益は大きく回復したが、内容は及第点とはいえない。
 経済の血流となる貸し出しを増やし、経済成長に貢献しながら利益を積み上げていく、銀行業務の“原点”に戻るべきであろう。
 大手銀行6グループの2010年9月中間連結決算は、税引き後利益の合計が1・3兆円となり、前年同期の約3倍に膨らんだ。
 業績はV字回復だが、中身には問題が多い。貸出残高の減少が止まらず、銀行の本業である融資業務は低迷しているからだ。
 代わりに稼ぎ頭になったのが、債券の売買業務である。
 この中間期は市場金利が下がって、銀行が保有する国債などの価格が上昇した。銀行は値上がりした債券を売って差益を稼いだ。
 3メガ銀行の債券売却益は、みずほフィナンシャルグループと三菱UFJフィナンシャル・グループが、それぞれ前年同期の約8倍に、三井住友フィナンシャルグループも約4倍に達した。
 債券売買は、相場次第で利益が大きい反面、一転して大損する恐れもある。銀行が不安定な収益に頼るのは、金融システムの安定という面から望ましくない。
 融資の減少は大手だけでなく、地方銀行なども同じ傾向にある。原因について銀行は、設備投資などが振るわず、借り入れする企業が少ないことなどを挙げる。
 しかし、借り手の企業側には、銀行が貸し倒れなどのリスクを過剰に恐れ、融資を絞っているとの批判が根強い。
 現時点では、民間融資の焦げ付きを信用保証協会が全額肩代わりする「緊急保証制度」が、中小企業への貸し出しを下支えしているが、この制度は今年度で打ち切られる予定という。
 そうなると、融資は一段と絞り込まれる恐れがある。
 融資先を育てるという視点を忘れず、安易に貸し渋りなどしないよう、銀行側には求めたい。
 一方、大手銀行が海外に活路を見いだそうとする動きも加速してきた。アジアなど新興市場での金融ビジネス拡大は、政府の成長戦略にも沿う。
 日本企業が海外で、鉄道や電力などの社会基盤(インフラ)投資や市場開拓に取り組む際、良質な金融サービスを提供できる体制作りが急がれる。
 円高メリットを生かし、海外の金融機関との提携や買収を積極化するのも一策である。
 金融の国際競争に勝てるよう、業務の質を高めてもらいたい。
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