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ソニー「x-アプリ」はiTunesキラーになるか?(COLUMN)
 カセット、そしてMDの時代に携帯型オーディオプレーヤーの主役であり続けた「ウォークマン」だが、HDDやメモリーが主流となってからは、「iPod」の後塵を拝し続けることになってしまった。その理由はいくつも考えられるが、その1つとして音楽ファイルの転送ソフトとして製品に添付されていた「SonicStage」の熟成が進まなかったことが挙げられる。
 SonicStageはCDからの取り込みや音楽配信サービスである「Mora」からの楽曲の購入、楽曲の管理、そして外部機器であるウォークマンへの転送といった機能を持つジュークボックスソフトだ。iPodにおける「iTunes」に相当するものであり、楽曲を転送するために頻繁に利用することを考えると、携帯型オーディオプレーヤーの使い勝手を大きく左右するものだと言える。
 それだけ重要なものであるにも関わらず、ソニーは転送ソフトについてたびたび方針を転換し、ユーザーを混乱させることになる。それを象徴するのが、2005年11月に発売されたウォークマン「NW-A3000」などに転送ソフトとして提供されていた「Connect Player」だ。
 NW-A3000など当時のAシリーズは、ユーザーの好みを学習し、それをベースにソフトウェアによって自動で選曲を行なうというユニークな機能を持つ。それを実現するソフトウェアとして開発されたのがConnect Playerで、従来のSonicStageとは別ラインのソフトウェアとしてNW-A3000などに添付された。
 しかし、あまりにもConnect Playerのレスポンスが悪く、なかなか起動しない、転送が終わらないなど、評判は決してよいものではなかった。結局、ソニーはConnect PlayerをSonicStageに吸収し、「SonicStage CP」としてリリースすることになる。ジュークボックスソフトにおけるこうした混乱が、ウォークマンのイメージを損ねたとしても不思議ではない。
 そんな過去を持つSonicStageに代わり、10月8日に新たなジュークボックスソフトとしてリリースされたのが「x-アプリ」である。
音楽だけでなく画像や動画も一括管理
 もちろん、名称をSonicStageからx-アプリに変更しただけではなく、機能面でも強化が図られている。機能強化点でまず目立つのは、動画や写真、そしてポッドキャストの管理にも対応したこと。例えばデジタルカメラの写真をx-アプリに取り込み、そのままUSBで接続したウォークマンに転送するといった使い方ができるようになった。
 音楽や写真を楽しむための各種アプリケーションが搭載されたこともトピックと言えるだろう。具体的には、写真と曲を組み合わせてプロモーションビデオのような映像を自動的に作成してくれる「x-Pict Story」やフォトアルバムを作成できる「x-ScrapBook」、時間軸に沿って写真や曲が表示される「x-Chronology」といったアプリケーションが利用できる。
 意外と楽しめたのがx-Pict Storyで、適当に写真と音楽を選ぶだけでそれっぽい映像が出力される。古い写真と音楽を組み合わせて、深夜のCD通販番組を再現するなどいろいろな遊び方が考えられそうだ。
12音解析でおすすめの曲を自動で再生
 従来から搭載されていた「12音解析技術」を元に、時間帯や天気、あるいは季節などさまざまなテーマでオススメの曲を再生する「おまかせチャンネル」が新たに追加されている。
 12音解析技術は、楽曲の波形から音程やリズム、コード進行、構造などを分析し、楽曲に対して「特徴付け」を行なえる技術。おまかせチャンネルはこうして得られた分析結果を元に、「朝のおすすめ」「レイニー・デイ」「スローライフ」「ソファラウンジ」など、あらかじめ用意されたテーマに見合った曲を選択する。
 これまでは「SonicStage V」上で12音解析を実施し、その結果をおまかせチャンネル機能を持つ「NW-S730F」などに転送しなければ利用できなかったが、x-アプリでは単体で利用可能になったわけだ。
 仕事中のBGMなどとしてジュークボックスソフトを使って音楽を再生する際、どうしてもお気に入りの音楽ばかり聴いてしまうという人は多いと思うが、HDDに大量の曲を保存していると「すっかり忘れていたけれど実はかなり好きな曲」というのが少なくない。そうした曲を発掘できる可能性がある12音解析技術とおまかせチャンネルが単体で利用できるようになったのはうれしい。
SonicStageの正常進化を選択したx-アプリ
 インターフェイスは従来のSonicStage Vと大きな変更はない。基本的にはウィンドウ左下に並んだ「ライブラリー」や「取り込み・サービス」「アプリケーション」「ダイナミックプレイリスト」、あるいは「機器への転送」「音楽CDの作成」といった各項目から利用したい機能を選んでいくという形だ。
 インターフェイスを継承していることを考えると、名前こそ違うがx-アプリはあくまでもSonicStage Vの正常進化形だと捉えられる。ここで一気にジュークボックスソフトを刷新するという考え方もありえるが、これまでSonicStageを熟成させてきたこと、またConnect Playerをリリースしたときの混乱を考えると、従来の延長線上でx-アプリを開発した判断は正しかったのではないだろうか。
 レスポンスや安定性に関しては長時間触っていないため何とも言えないが、Core 2 Duo環境での利用では重たいといった印象はない。こちらもSonicStageで改良を重ね続けてきた蓄積が生きていると言えるだろう。
 ただ、現行のウォークマン、「NW-X1000」や「NW-A840」シリーズ、「NWD-W202」では、エクスプローラやiTunesなどからのドラッグ&ドロップに対応している。つまり、わざわざx-アプリを使わなくてもウォークマンに楽曲データを転送できるわけだ。
 また音楽CDのリッピングに関しても、最初からパソコンに入っているアプリケーション(WindowsならWindows Media Player、MacならiTunes)を使えばよい。つまり、x-アプリの立ち位置が微妙になっているのである。今後どのような位置付けでx-アプリを進化させていくのか、注目したい部分である。



ノーベル経済学賞、米の2氏 オストロム氏、初の女性受賞
 【ロンドン=吉田ありさ】スウェーデン王立科学アカデミーは12日、2009年のノーベル経済学賞を米国のエリノア・オストロム・インディアナ大教授とオリバー・ウィリアムソン・カリフォルニア大バークレー校名誉教授の両氏に授与すると発表した。オストロム氏はノーベル経済学賞では初の女性受賞者。両氏はそれぞれ市場以外で行われる経済活動の統治に関する研究が評価された。



【東京社説】
週のはじめに考える 初めまして EU大統領
 欧州連合(EU)に初の大統領が誕生しそうです。「顔」が見えない、といわれ続けて半世紀。国際政治に新スターは生まれるのでしょうか。
 最後の最後まで関係者はひやひやし通しだったことでしょう。
 EUの将来を左右するリスボン条約。昨年、アイルランドの否決で宙に浮いていたものが再度の国民投票で批准され、来年早々の発効になんとか目処(めど)が立ちました。金融危機の衝撃が世論を変えるきっかけになったようです。
 チェコの批准手続き上の「抵抗」が残っており、なお曲折もあり得ますが、大方の関心は早くも新条約で誕生する初のEU大統領に移っています。
◆大国の欧州 小国の欧州
 法の専門家でも解読不能、と揶揄(やゆ)されるほど複雑な法体系を持つ新条約です。欧州が実際どう変わるのか、はっきりしないところも多いのですが、下馬評で有力視される二人の候補者を対比させてみると、EUの進み得る方向性が浮かんできます。英国のブレア前首相と、ルクセンブルクのユンケル首相です。
 「ブレア大統領」は、英語文明に連なる欧州、というイメージを背負うことになるでしょう。思い出したくもないことでしょうが、欧州の結束を試すように引き起こされたイラク戦争を通して、ブレア英政権は「米国のプードル」とまでいわれながらブッシュ政権と寄り添いました。
 少し歴史を遡(さかのぼ)ると、「英語を話す諸国民の同盟」という言葉を思い起こさせます。第二次大戦に際し、チャーチル英首相がルーズベルト米大統領に参戦を促す際にも用いた表現です。「英語を話す諸国民こそ自由のトーチを灯(とも)し続けることができる」。こう記したチャーチルの言葉には、アングロ・サクソンの伝統主義を担う自負が滲(にじ)みます。
◆英語で話した独仏首脳
 一方、「ユンケル大統領」には、フランス語、ドイツ語の欧州大陸文化の系譜を担うイメージが伴います。大国の狭間(はざま)に位置する悲哀を身をもって知るユンケル首相は、ドイツ統一に関する小紙とのインタビューで「ドイツはもはや戦後状況の捕囚ではありません」「ドイツとフランスは歴史的な教訓を学び、もう争いは繰り返さない点で一致しています」と語ったことがあります。EUの核心にある不戦の誓いを体現する一人です。
 小国の指導者をトップに戴(いただ)くEUは、控えめながらよりきめ細かな調整機能を発揮するでしょう。これは、バルケネンデ・オランダ首相、リッポネン元フィンランド首相ら、名前があがっている他の候補者にも当てはまります。
 リスボン条約の批准がここまで難航した大きな原因の一つは、大国にのみ込まれかねない小国の不満にありました。新条約には、その不安を和らげる措置が採り入れられています。
 EUの立法措置が取られる場合、欧州議会とともに各国議会へも法案を提示する制度や、加盟国有権者の意思が直接反映される請願制度も導入されました。各国が大きな懸念を抱く場合、審議に一定期間待ったをかける仕組みも強化されました。
 しかし、そもそも新条約の狙いは、二十七カ国に膨張したEUを効率化することでした。「大統領」の新設は意思決定のスピードが鍵を握る国際社会で太刀打ちできる体質づくりへの期待がこめられています。英独仏三大国の影響力に頼る面も現実には否定できません。
 「世界語」の英語が映し出す欧州と、「欧州語」の仏独語に現れる欧州とは自(おの)ずと色合いが違います。三大国いずれをもってしても単独ではグローバルパワーたり得ないのが現在の欧州の実情です。
 欧州統合に積極的に取り組んだジスカールデスタン元仏大統領とシュミット元西独首相が、その三十年以上にわたる交友の間ずっと英語で話し合っていた事実は、新たな統合体を求めて模索を続ける新欧州を考える際、示唆に富むものです。
◆欧州市民のシンボル
 誕生する「大統領」の実際の役割は現在のEUサミットの議長を務める欧州理事会議長です。従来の半年ごとの輪番制を廃止して任期を二年半(再任可能)にするもので、実態は「常任議長」です。国際舞台でどこまで欧州全体を代表できるのか。同時に誕生するEU外相(外交・安保上級代表)との権限の重複はないのか。すべてはこれからです。
 未(いま)だ成熟しているとは言えない欧州市民のシンボルとして登場する欧州の「顔」。大国から選出されるか、小国からか。静かな変革ながら、欧州の新たな方向性を刻む大きな一歩となることには間違いありません。
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