(つд⊂)ゴシゴシ新聞

GPSで広がりだした「代替現実ゲーム」の楽しみ方(COLUMN) 
 ゲームをディスプレーの中だけでなく外部の現実世界と結びつけて楽しもうという試みが、「GPS(全地球測位システム)」の普及とともに広がり出した。現実世界にオーバーラップさせるように別の現実を組み合わせるため、この分野のゲームは「代替現実ゲーム(Alternate Reality Game)」と呼ばれる。今回は、日本でも目につき始めたこのARGの魅力を紹介しよう。
 ARGの先行例は、米国で誕生した「ジオキャッシング(Geocaching)」という宝探しゲームだ。2000年にGPSゲームの草分けとして登場し、アウトドアゲームの一つとして広まった。現在は世界に100万人以上のプレーヤーがいると推定されている。
■世界中に隠された95万の「宝物」
 ゲームのルールは単純だ。「宝物」(キャッシュと呼ばれる)を隠すプレーヤーとそれを探すプレーヤーがいて、GPSとインターネットを使って宝探しを楽しむ。
 隠すプレーヤーは、キャッシュとなる小物(コインやキーホルダーなどそれほど高いものでないことが多い)と書き込み用ノートを、雨に濡れないようにタッパーなどに入れてどこかに隠す。その隠し場所の位置情報をGPSで取得して、ヒントなどの情報とともにジオキャッシングの公式サイトに登録する。 一方、探すプレーヤーは、公開された情報を頼りにGPS端末で位置を調べながらキャッシュを探しに行く。その場にたどり着いても巧妙に隠されているケースが多いため、ヒントを頼りにあたりを探すことになる。
 キャッシュを発見したプレーヤーは証拠としてノートに記録し、公式サイトに報告することで終了となる。見つけたキャッシュを自分の持つ何か別のものと交換しても構わない。
 公式サイトによると現在、世界中に隠されたキャッシュの数は95万にも及ぶ。英語サイトなので日本ではまだあまり知られていないが、それでも3281のキャッシュがあるという。東京だけで557もあり、一部で人気が出始めている。また沖縄にも409あって、これは米軍基地に所属している米国人が遊んでいるようだ。
■東京・聖橋の宝物を探してみた
 運営会社の米Groundspeakが「iPhone」用の公式アプリケーションを昨年リリースして、ジオキャッシングはさらに手軽になった。無料で公開されているイントロバージョンのアプリもある。iPhone上に、自分がいる座標の近くに隠されたキャッシュの位置情報や登録情報が表示されるので、だれでも気軽にゲームに参加できる。
 筆者もたまたま出かけたついでにやってみようと思い、東京・御茶ノ水駅近くの聖橋周辺にハンドル名strikeeaglさんが隠したキャッシュを探してみた。このキャッシュは07年に設置されたもののようで、発見者は現在まで142人と公式サイトにはある。夕方近く暗かったこともあり、残念ながら発見できなかった。
 もちろん、このゲームを知らない人はキャッシュの意味など知る由もなく、ゴミとして捨てられてしまうこともよくあるようだ。都市でキャッシュを隠すには、目立たないが探す人には見つけられる場所を選ぶテクニックが必要だ。聖橋のキャッシュは11月8日にも発見の報告があるので、まだしっかりとそこにあるようだ。
■式根島が村おこしで活用
 このジオキャッシングを行政と組んで地域振興の試みとして開催したところがある。主催者は伊豆諸島の式根島の地元商工会。東京都からの村の産業振興予算を使って、ジオキャッシングを使った村おこしイベント「式根島CITO」を今年9月と10月に開いた。企画にはARGに詳しいジャーナリストの八重尾昌輝氏が参加している。
 「CITO」は、Cache In Trash Outの略で、ジオキャッシングを楽しみながら清掃活動をするというゲームと社会活動を結びつけた取り組みだ。小学生20人以上と監督役の大人10人あまりが1つのチームとなり、4チームに分かれて島を冒険しながら、ゴミ拾いなどをする。キャッシュは、ゲーム経験のあるプレーヤーによって、あらかじめいくつも隠されている。
 GPS機材の貸し出しはゼンリンが協力した。子ども向けには「プレイステーション・ポータブル(PSP)」とGPSソフト「みんなの地図 2」が貸し出され、大人はより高性能なGPSハードを携帯して、一日島を巡った。
 このイベントは非常に盛り上がり、子供も楽しんでトラックいっぱいのゴミを収集した。島を新しい視点で見直すという機会にも結びついたようだ。
 PSPとGPSの組み合わせは、来訪者のパーソナルな観光ガイドになるうえ、基本的な導入コストが安く済む利点がある。さらに、ジオキャッシングのようなゲームを取り入れることで、一味違った観光体験を提供できる。八重尾氏によると、来年は島全体を使ったより規模の大きいゲームを企画しているという。
■GPSゲームの可能性広げる「セカイカメラ」
 同じように、GPSを使った新たなゲームの可能性として注目されているのが、頓智・(トンチドット、東京・新宿)のAR(拡張現実)技術「セカイカメラ」だ。12月2日には、iPhone向けアプリの最新版「セカイカメラ V2.0」が発表になった。
 セカイカメラは、カメラで撮影したディスプレー上の現実空間に、「エアタグ」と呼ばれる補足情報を重ね合わせるように表示する。エアタグはGPSの位置情報を基に現実空間上に配置される。セカイカメラのように現実世界とデジタル情報をひも付けるAR技術は新たなコミュニケーションや表現の手法として、様々な用途が期待されている。
 今年末にリリースされる予定のV2.0は、企業がマーケティングなどに使える新機能が追加されたほか、ミニブログ「Twiiter(ツイッター)」に対応するなどソーシャルネットワーク的な要素を加えている。
 さらに、10年2月にはソフトウエア機能を外部から利用するためのインターフェース仕様「API」を公開するという。これにより、他の企業もセカイカメラの機能を利用して、自由にアプリケーションを開発できるようになる。現実の空間を利用したジオキャッシングに近いようなゲームをより高度に展開できる可能性も出てきた。
■SF作家の新城カズマ氏が大晦日イベント
 頓知・と提携して、それをいち早く試そうという人も現れた。SF作家の新城カズマ氏だ。最新作「15X24(イチゴーニーヨン)」(集英社スーパーダッシュ文庫 全6巻、5・6巻は09年12月末に発売)は、05年12月31日の東京を舞台に15人の17歳の高校生たちが「暗号を含む自殺予告メール」の謎を都内を移動しながら解こうとする物語だ。
 新城氏は今年12月31日、この小説をベースにしてセカイカメラの「エアタグ」に多くの謎を仕込む「エアノベル」を展開しようと準備している。参加者が物語のキャラクターになりきって、実際の東京を舞台に大晦日という時間制限のなかで謎を解いていくというイベントだ。
 ゲームのルールは、読者やプレーヤーと一緒に作り上げていきたいという新城氏の意向で、Twitter上で議論が進んでいる。Twitterでの最新の発表では、(1)キャラ担当の方を捜す「おにごっこ/かくれんぼ」系、(2)断片化され東京中にバラまかれたデータを皆で集める「ジグソーパズル系」、(3)あなたはどのキャラに似てる?を診断する「性格診断クイズ」――といったものが予定中と述べられている。
 東京以外の地域からどのように参加するかなどについても、アイデア募集と準備が急ピッチで進んでいる。ゲームの参加者にとっては、大晦日はずいぶんと忙しい1日になりそうだ。
■「ゲーム空間=仮想」は過去のものに
 現実世界に架空の世界をオーバーラップさせる新しい体験型のゲームは、今後ますます増えていく。そのなかから社会体験を伴うゲームも数多く生まれるはずだ。
 ゲーム空間が「仮想」と呼ばれる時代もすぐに過去のものとなっていくだろう。すでに、現実とインターネットの世界は混ざり合って、区別を付けられなくなっている。GPSゲームはそれをさらに加速する存在でもある。



米アップル、音楽配信VBを買収 米紙報道
 【シリコンバレー=岡田信行】米アップルが音楽配信ベンチャーのララ・メディア(カリフォルニア州)買収で合意したことが4日明らかになった。米紙ニューヨーク・タイムズやウォールストリート・ジャーナルなどが報じた。独自開発にこだわって人気を集めてきたアップルによる他社買収が表面化するのは珍しく、今後の戦略が注目される。
 買収額や目的など詳細は明らかではないが、ララは新曲を含めて700万曲以上を配信するベンチャー企業。初回は無料で楽曲を聴くことが可能で、2回目以降はストリーミングなら1曲10セント、ダウンロード(取り込み)なら1曲89セントで課金する。



米デル、携帯電話事業部門を創設へ 米紙報道
 【ニューヨーク=伴百江】米コンピューター製造大手デルが携帯電話事業部門の創設を計画している。4日付米ウォールストリート・ジャーナル(電子版)が同社広報担当者の話として伝えた。これは事業再編の一環で、携帯電話のほかに携帯機器全般の開発を計画しているという。新部門の責任者にはデルの消費者部門現社長のロン・ガリーク氏が就任する。同氏は携帯電話大手のモトローラの出身。



サービス価格、下落鮮明 主要国で突出、賃下げ圧力に
 宿泊や娯楽、理美容などサービス分野の価格下落が鮮明になってきた。全国消費者物価指数によると「一般サービス」は6カ月連続で前年同月比マイナスとなり、10月は過去最大の下落率となった。世界的な需要の減少で米欧も消費者物価は低下しているが、サービス価格がマイナスなのは日本だけ。価格下落が進めば、賃下げ圧力が強まる。鳩山政権が目指す内需主導の景気回復は容易ではない。
 一般サービスの物価は今年5月以降、マイナスが続き10月は0.6%低下した。公共分野を含むサービス全体でも0.5%下落し、比較可能な統計がある1971年以降では2005年2月と並ぶ過去最大の落ち込みとなった。98年から7年間続いた前回のデフレ局面でも外食などの価格下落は鮮明になったが、一般サービスの下落幅は01年2月の0.3%が最大だった。



中国、金融緩和の継続を確認へ 経済工作会議が開幕
 【北京=高橋哲史】中国国営の新華社によると、共産党・政府が来年のマクロ経済政策の基本方針を話し合う「中央経済工作会議」が5日、北京で開幕した。金融危機対応でとってきた金融緩和策の継続を確認する見通しだ。
 金融危機対応が最大のテーマだった昨年の中央経済工作会議では「積極的な財政政策」と「適度に緩和的な金融政策」を今年の基本方針とした。共産党は11月27日に開いた政治局会議で来年も今年の基本政策を変えない方針を決めており、今回の会議はこれに基づき「危機対応の政策を平時の状態に戻すのは時期尚早」との認識を打ち出すとみられる。



日航への出資・融資に7000億円の政府保証 2次補正盛り込みへ
 政府が経営再建中の日本航空への金融機関の出融資に対し、7000億円程度の政府保証をつける方向で調整していることが5日、分かった。2009年度第2次補正予算案に必要な措置を盛り込む。資金不足で日航の運航が止まり、利用者に支障が出る事態を避けるため、政府は11月、金融機関の日航向け融資に事後的に保証をつける方針を示していた。
 政府は日航の経営状況に応じて、金融機関が機動的に資金を提供できるようにするため、十分な政府保証枠を確保したい考えだ。融資に加え、出資にも保証をつけられるようにする。
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