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アンドロイド端末で競演する携帯3社それぞれの事情(COLUMN)
 米グーグルの携帯電話向けOS(基本ソフト)「Android(アンドロイド)」を搭載したスマートフォン(高機能携帯電話)が日本でもようやく本格登場する。NTTドコモの新機種「Xperia」(英ソニー・エリクソン製)が4月1日発売となったのに続き、ライバル2社も3月末に相次いで対抗機種を発表した。いずれも各社の特徴が色濃く出た製品となっている。
 新機種発表で先んじたのは、ソフトバンクモバイルだ。3月28日に開催したソフトバンクグループの創業30周年記念イベント「ソフトバンクオープンDAY」で、台湾HTC製のAndroid端末「HTC Desire」を早ければ4月下旬にも発売すると発表した。昨年11月の新製品発表会で基本仕様だけを予告していたが、ようやく姿を現すことになる。
 HTC Desireは3.7インチの有機ELディスプレーで、米クアルコム製の高速CPU「Snapdragon」を搭載する。Androidは最新版の「バージョン2.1」と性能面では申し分ない。
世界とほぼ同時発売
 とはいえ、ソフトバンクモバイルのいまの売れ筋は言うまでもなく「iPhone」だ。孫正義社長は「iPhoneの方が優れている点もあるが、グーグルが好きというユーザーもいる。どちらも素晴らしく、多くの選択肢を提供したい」と、HTC Desireの微妙な位置付けを説明する。
 それでも、NTTドコモのXperiaはかなり意識しているようで、イベントでもXperiaと基本性能を具体的に比較してHTC Desireの優勢性をアピールしていた。3月30日には、HTC Desireの予約受け付けをXperiaの発売日である4月1日に開始すると発表するなど、情報戦も駆使してXperiaに向かう携帯ユーザーの関心をなんとかソフトバンクモバイルに引き戻そうとしている。
 HTC Desireは今年2月にスペイン・バルセロナで開催された世界最大級の携帯電話関連展示会「Mobile World Congress 2010」で初公開された新鋭機種だ。これまでHTC製のスマートフォンは世界市場で発売されてから日本に登場するまで、日本語対応などのため数カ月から1年以上もかかっていた。しかし、今回のHTC Desireは世界とほぼ同時期に日本でも発売される。これもAndroidを採用した成果といえるだろう。
 ただ発売時期が早い分、ソフトバンクモバイルのEメールサービス「S!メール」を当初は利用できないなど、独自サービスへの対応には手が回っていない。日本語表示となっている以外、世界向けの仕様をほぼそのまま持ち込んだというのが実態だ。
 最新の高性能端末を好むユーザーには受け入れられそうだが、そういったユーザーの多くはすでにiPhoneを所有しているはず。果たして、HTC Desireの「ハイスペック路線」がどこまで一般ユーザーに届くかが注目される。
まずは2台目需要を狙うKDDI
 一方、NTTドコモやソフトバンクモバイルと全く異なるアプローチでAndroid市場に乗り込んできたのが最後発のKDDI(au)だ。
 3月30日に、シャープ製端末「IS01」を発表した。パソコンとほぼ同様の「QWERTY」配列キーボードを備える折りたたみ型で、第一印象は「小さなネットブック」といった形状だ。「スマートフォン」というよりは、通信機器内蔵でいつでもネットにつながるモバイル端末と言ったほうがよく、KDDI自身も「スマートブック」という呼び方をしている(実際は音声通話にも使えるので「フォン」ではあるが)。
 KDDIは同社初のスマートフォンを、「2台目端末」という製品コンセプトで出してきた。これは料金キャンペーンを見ても明らかで、音声通話分の基本料金を割り引いて2台持っても負担が大きくならないように配慮している。
 もっとも将来はスマートフォンを1台目の端末として満足できる内容にするという戦略を描いており、それは今回のIS01からもうかがえる。ユーザーインターフェースは「使いやすさ」だけでなく操作する際の快適さを重視した独自仕様だ。機能面でも、日本市場に合わせてワンセグや赤外線ポートを搭載した。「ezweb」のプッシュメールは当初は使えないが、8月下旬以降に対応させるという。KDDIの売り物である音楽配信MYサービス「LISMO!」も9月下旬以降に利用できるようにする。
 30日の発表会では年内にも発売する予定の第2弾Android端末について、さわりを紹介した。日本向けの独自仕様として、ワンセグに加えて非接触ICカード「Felica」にも対応させるという。形状はiPhoneやXperiaなどと同じフルタッチパネルで、日本のユーザーが慣れ親しんだ機能を盛り込むことで1台目需要を本格的に狙おうとしている。
 KDDIは、IS01の発売に合わせてアプリケーション配信サービスの「au one Market」を開設する予定だ。一見すると、グーグルが展開する「Android Market」と重複するようだが、au one Marketでは有料アプリの料金をauの電話料金と合算して請求する「auかんたん決済」が使える。ユーザーにとっては通常の携帯電話向け有料サービス・コンテンツと同様に手軽に購入できるのが特徴となる。
 一方、コンテンツやサービスの提供事業者側も、Android Marketではできない都度課金や月額課金などを利用できるメリットがある。ゲームを基本料無料で提供し、アイテム課金で回収する携帯向けゲームなどの手法を、スマートフォンで展開できる課金プラットフォームといえる。しかもAndroid Marketは有料アプリの売り上げ配分を「開発者7割、グーグル3割」としているが、au one Marketは「従来からあるEZウェブの料率に近い設定にする」(KDDI)という。携帯電話会社の取り分は1割程度と少ないので、アプリ開発者には相当なメリットとなるはずだ。
スマートフォン市場は本当に広がるか
 KDDIがスマートフォンの展開で出遅れたのは、CDMA2000の通信方式を採用している影響が大きい。CDMA2000を利用する携帯電話会社はW-CDMA方式に比べると少ないため、海外から端末を調達しにくいという事情がある。
 同時に、KDDIが海外で売れているスマートフォンをそのまま輸入しても日本ではヒットしないと見ているという理由もある。それは、「日本で成功しているスマートフォンはiPhoneだけ」(高橋誠コンシューマ商品統括本部長)、「スマートフォンへの関心は高まっているが、実際に圧倒的に売れているのは通常の端末」(増田和彦サービス・プロダクト企画本部長)というように、KDDI幹部の共通認識のようだ。
 そのためKDDIは、多少時間はかかってもスマートフォンに日本のサービスや機能を積極的に取り込んでいく路線をとろうとしている。海外メーカーの端末をただ調達するのではなく、日本メーカーと組んで商品開発することに軸足を置いており、このあたりの考え方はいまのソフトバンクモバイルとは正反対ともいえるだろう。
 ただ問題は結局のところ、スマートフォンを志向するユーザーが日本でどのあたりの層まで広がるかという点に戻ってくる。日本の過去を振り返ると、PDAやスマートフォンは、一部のファンが何度も買い換えているだけの本当に小さな市場でしかなかった。そこにiPhoneという一般ユーザーにも受け入れられる端末が登場し、ようやく市場が生まれ始めた段階に過ぎない。
 スマートフォンが日本でさらに普及するかどうかは、ミドルからハイエンドクラスの携帯電話を使っているユーザーが購入に動くかどうかにかかるだろう。この層はそれなりに日本の携帯電話を使いこなしているが、2台持ちをするまでには至らない。やなり1台目端末として日本の従来の機能やサービスも使え、同時にスマートフォンとしてインターネットサービスを使いやすくした端末が求められることになるだろう。
 ソニー・エリクソンとがっちりタッグを組み、Xperiaで勝負するNTTドコモ。iPhoneという売れ筋商品を抱えつつ、他社への対抗策としてAndroidを用意したソフトバンクモバイル。そして、日本メーカーと組み、日本のケータイのよさを最大限に反映しようとするKDDI。同じAndroidというプラットフォームであっても、3社はそれぞれ異なる路線を進もうとしているようだ。





Xperia発売、予約は5万台突破
 NTTドコモ初のAndroid端末「Xperia」が4月1日、発売された。予約は5万台を突破し、量販店には朝からXperiaを求める行列ができるなど、上々の滑り出しだ。
 Xperiaは、ITリテラシーの高くない層にもスマートフォンを普及させるべく、ドコモが本腰を入れて拡販している端末。3月18日に予約受け付けをスタートしていた。
 対抗するソフトバンクモバイルは初のAndroid端末「HTC Desire」の予約受け付けを4月1日にスタート。KDDI(au)も初のAndroid端末として、2つ折りの電子手帳型「IS01」を6月上旬以降に発売する予定だ。



ソニー・エリクソン「Xperia」 開発者が語る自負と苦心
ジャーナリスト 石川 温
 春商戦の口火を切ってNTTドコモの英ソニー・エリクソン製端末「Xperia」が4月1日に発売となる。ソニー・エリクソンにとって初の「Android(アンドロイド)」OS搭載機であり、ものづくりの面でも大きなチャレンジを感じる。東京エンジニアリング本部長の池上博敬氏にメーカーとしてどこに力を入れたのかを聞いた。
――Xperiaの開発ではどのあたりに苦労したか。
 
 ソニー・エリクソン初のAndroid端末ということで、開発は少人数で手探りの状態からスタートした。グーグルと話し合いをしつつ、現時点で一番高速でパフォーマンスに優れたデバイスを搭載したいと考えた。そこを調整しつつ開発していくのは骨の折れる作業だった。
 こだわったのはデザイン面だ。東京開発チームの強みであるコンパクトに部品を集積する設計を生かせば、本来はもっと薄くできたが、本体を持ったときの感触をよくするためにあえて丸みを帯びさせた。ユーザーインターフェース(UI)の面では、ソフトウエアのメンバーが頑張ってくれた。Androidの上にサービスを載せて、それを独自のUIで統合している。いままでどのメーカーもやったことのないコンセプトだったので、企画の段階から設計メンバーが入って開発を行ってきた。
「世界市場で通用するデザインに仕上げた」
――ソニー・エリクソンは世界に複数の開発拠点を置いているが、Xperiaは東京が主体となって開発したのか。
 Xperiaは東京チームが主導し、(2月に発表した)「Xperia X10 mini」などはスウェーデンの開発チームがリードして開発した。東京は一つの拠点ではあるが、設計チームはグローバルに広がっており、様々な部署が協力し合って作り上げている。世界的に連携して開発しないとスケジュールに追いつかないので、各拠点でまんべんなく助け合い効率化につなげている。
――Xperiaは、日本だけでなく世界での販売を予定しているが、日本発の製品が世界で受け入れられる自信はあるか。
 デザイナーや設計者はあらゆる国のユーザーが直感的に操作できるようなUIをめざして苦労してきた。誰でも使いこなせるユニバーサルなデザインに仕上げたつもりだ。日本の開発チームが中心となって作っても世界で通用していくと思う。
――XperiaはAndroidの「バージョン1.6」を採用しているが、グーグルはすでに最新版の「バージョン2.1」を製品化している。今後、バージョンアップの予定はあるか。
 Xperiaは製品の特徴として「Timescape」などのアプリを重視した。そのため(最新ではない)バージョン1.6で開発したが、ユーザーにとっての使い心地がいいのであれば、パソコンと同様に市場動向を見ながら対応していきたい。グーグルのロードマップが決まっていないので、どこまで追うかは明言できないが、できるだけ対応するつもりだ。
開発は「一品料理」型からロードマップ型へ
――Androidをはじめとするオープンなプラットフォームを採用すると、他のメーカーと違いが出しにくくならないか。ソニー・エリクソンはどこを競争軸にしていくつもりなのか。
 Xperiaでいえば、「Timescape」や「Mediascape」といったアプリの存在が大きい。オープンプラットフォームによって共通化する部分もたくさんあるが、メーカーとしてサービスのプラグインやアプリなどを特徴付けのポイントにしていきたい。
――開発の中心が一般の携帯電話端末からスマートフォンへ移ることで、ものづくりの体制も変わっていくのか。
 昔は「一品料理」という言い方をしていた。何らかの商品コンセプトを決めて作り込むという意味だ。いまはソフトウエアの開発規模が膨大になっている。(プラットフォームとしてロードマップを描き、ソフトウエアを開発し続けながら)その時々の旬なハードウエアを組み合わせていくという考えに変わってきている。
――他の大手メーカーは低価格製品でシェアを伸ばしている。ソニー・エリクソンは製造コストを下げるためにどのような工夫をしているのか。
 社内で設計の改革を進めている。匠の技でいいものだけをつくっても受け入れられない。消費者に受け入れられる価格帯で提供できる「ものづくり」に努めている。開発拠点間での設計部分の共通化、再利用なども推進している。同じ開発拠点内でも、ソフトウエアを使い回せるように工夫している。全社一丸となって、設計改革に取り組んでいるところだ。
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