(つд⊂)ゴシゴシ新聞

コンテンツ産業が衰退する電子化時代なんておかしい 角川会長兼CEO 角川歴彦
──電子書籍サービスの提供主体として、アマゾンやアップル、グーグルの存在感が増すなかで、日本の会社からは今のところ有力なサービスが出そうにない。
 アップルのiTunesやiPhoneは大成功しているわけだけれども、そこに音楽やアプリケーションを提供する会社はどれだけ儲けているだろうか。iPhone向けのアプリケーションで成功した会社も、せいぜい、年間数千万円とか数億円というレベルだろう。
 一方で、任天堂のファミリーコンピュータやNTTドコモのiモード向けにソフトやサービスを提供した会社のなかには上場した会社がいくつもある。
 アップル自身が数兆円という規模で拡大するなかで、コンテンツ産業が衰退していくのはおかしい。コンテンツという卵を産むニワトリは、きちんと生かしておく必要がある。
──では、日本の出版業界は何をすべきなのか。
 独自のプラットフォームも模索するべきだし、アップルのような会社に対しては強い交渉力を持つべきだ。
──しかし、出版業界は縮小が続いている。新たな分野で生き延びる余力はあるのか。
 これからは1億総クリエーター時代がくる。そういうことに編集者は敏感になる必要がある。そういうことは、本当は得意なはずだ。じつはこれまでの出版業界も「少年ジャンプ」や芥川賞など、大衆のなかから才能を見出す媒体や仕組みを持ってきたからだ。
 ところが、現在の出版社の組織は硬直化し過ぎている。大衆からの情報発信を受け取る新しい仕組みが、社長よりも上位にくるような組織に改編するくらいの発想の転換が求められるのではないか。
──著作権法も変えるべきだと唱えている。事前に許諾を取ったものだけ掲載することを許された現行の著作権法を、インターネット時代に合うように、原則自由にして、問題がある場合に事後に削除する形式に変えるべきだと。
 ある出版社が写真のアーカイブのサービスを始めようとした。旅費などの経費はすべて負担したのだから、その出版社が誌面で使った写真をアーカイブにして読者に見せたいと思うのも不思議はない。
 ところが、そのサービスが開始すらされていないのに、その出版社は裁判で負けて、カメラマンに200万円を支払うことになった。出版社が大儲けしてカメラマンに1円も入らないならわかるが、これは、まだ開始前の話。
 こんな状況では、皆萎縮して新しいビジネスに挑戦しなくなるだろう。



「速い」「安い」「世界共通」で異常増殖 無線LANの逆襲(COLUMN)
 パソコンから周辺機器、さらに小型ゲーム機やAV機器へ――。無線LANを搭載した機器が増殖している。無線通信としては“枯れた技術”ながら、「高速」「安価」「世界共通」という強みを持ち、豊富な無線LANインフラを応用した新ビジネスも出現し始めた。次世代規格の携帯電話サービスをめざす通信会社にとっては「異端児」ともいえる無線LANの逆襲が始まった。
 米アップルが4月3日に米国で発売した多機能携帯端末「iPad」。この日店頭に並んだのは無線LANの通信機能だけを備えたモデル。第3世代携帯電話(3G)機能を搭載するモデルは4月後半に出荷する予定だ。
 アップルは高機能携帯電話(スマートフォン)「iPhone」でも、3G機能を外して無線LANしか持たないモデルとして携帯音楽プレーヤー「iPod Touch」を販売してきた。これは端末メーカーであるアップルにとって、3Gが必須の機能とは限らないことを物語っている。一方、iPadやiPhone、iPod Touchが提供するサービスに欠かせない機能として標準搭載しているのが無線LANなのだ。
前年比でユーザー数は2倍、端末も急増
 無線LANは、約10年前にパソコンから搭載が始まった無線通信技術で、データ通信を得意とする。最大の特徴は、免許不要の周波数帯を利用することで、個人や企業を問わず無線LANの基地局(アクセスポイント)を設置できるところにある。通信事業者が提供する公衆無線LANサービスのほか、個人などが設置したアクセスポイントからブロードバンド回線を経由してインターネットに接続できる。
 さらにイー・モバイルの「Pocket WiFi」など、無線ブロードバンドと無線LANを中継する製品も相次いで登場している。これらを使えば、ブロードバンド部分を無線にできるため、移動中でも無線LAN機器をネットに接続できる。
 ユーザーにとってはすでに身近な存在だけにかえって気づかないが、無線LAN機能を搭載した端末は多様化の一途をたどっている。ノートパソコン本体やポータブル型のゲーム機にはほぼ標準で搭載され、最近は家庭用のプリンターやデジタルカメラも上位機種には無線LANが搭載されるようになった。
 2010年に入ってからパナソニックが、AV機器のブルーレイ・ディスクレコーダー「ブルーレイディーガ」からテレビ「VIERA(ビエラ)」への映像伝送などに無線LANを採用した。最小でも毎秒25メガビットの高画質映像を屋内で送るには、高速なIEEE 802.11方式の無線LANが最適と判断したためだ。今後広がる家庭のネットワーク化で、無線LANが大きな役割を果たす契機となるかもしれない。
 無線LAN搭載端末の日本での販売台数は明かではないが、その増加ぶりは公衆無線LANサービスの利用状況から見て取れる。NTTグループの無線LANインフラを運営するNTTブロードバンドプラットフォーム(NTTBP)の小林忠男代表取締役社長は「1年前に比べてユーザー数は2倍、アクセス数は約3倍に伸びた」という。同社が推測する現時点の無線LAN接続機器は国内で約4000万台以上。公衆無線LANサービスを展開するトリプレットゲートの原田実取締役・最高執行責任者(COO)はさらに「今後、毎年国内で2000万台を超える無線LAN端末が出荷されるのではないか」と市場の伸びを予測する。
 「ユーザーを手早く拡大するなら携帯電話事業者と組んで個別にサービスを作る方がよかった。しかし無線LANなら1機種だけで全世界で使える」――。デジタルカメラのSDカードスロットに差し込む無線LANカード「Eye-Fi」を販売するアイファイジャパンの田中大祐代表取締役はこう語る。Eye-Fiは無線LAN通信機能を内蔵したメモリーカード型の無線端末。デジタルカメラにセットするだけで、撮影した写真をカメラからサーバーに直接送出する機能を後から追加できることなる。
 Eye-Fiが描くビジネスモデルはデジタルカメラ本体とインターネット上のクラウドコンピューティング環境をつなぎ、写真データを共有すること。「クラウドにつながれば通信手段は何でもよかった」(田中代表取締役)。無線LANを選んだのは、「世界中で最も使われている無線プロトコルだから」と、田中代表取締役は言い切る。
 無線通信技術は数あるが、実は無線LANのように世界のどこでも使える機器はまれだ。携帯電話の場合は、それぞれの携帯電話事業者が使う周波数帯に合わせて端末を調整する必要がある。同じ通信方式でも国や事業者で使う周波数帯が異なるからだ。しかし、国際的に共通で使える2.4GHz帯の周波数を使う無線LANは、「ハードウエアは手を加えずに、地域ごとに技術基準適合の認定を取るだけで世界共通で使える」(田中代表取締役)。アイファイは欧州と北米でも認定を取っており、これら地域では端末に何も変更を加えずに販売できる。ほかの地域で販売する際も、その地域の認定を取るだけでよいというわけだ。
高速かつ低価格で搭載広がる
 無線LANは世界共通なだけでなく、通信速度という基本性能においても他に勝る特性を持つ。
 理論上の速度はIEEE 802.11g方式の場合で、下り最大毎秒54メガビット。3G方式の携帯電話で現行ではもっとも速い最大毎秒21メガビットはもちろん、高速通信規格として登場した「モバイルWiMAX」の最大毎秒40メガビットをすら上回る。NTTドコモが10年冬に開始する次世代通信「LTE(long term evolution)」もサービス開始当初はほとんどの地域で最大毎秒40メガ弱とみられている。
 しかも、無線LANの高速化はこれで終わりではない。09年に標準化が完了したIEEE 802.11n方式の理論上の下り最大速度は毎秒300メガビットに達する。携帯電話などの1ケタ上を行く11n規格に対応した機器やサービスはすでに登場しており、これから普及期に入る。
 3つめの強みは「安さ」だ。端末に無線LAN機能を実装するためのコストは、現時点で数百円程度。3GやWiMAXなどほかの無線通信技術に比べて1ケタ安い。しかも実装は容易だ。無線LAN機能を内蔵したデジタルカメラ「CEREVO CAM」を開発したCEREVO(セレボ)の岩佐琢磨・最高経営責任者(CEO)は、「市販の無線LAN通信アダプターから通信部分の基板を抜き出して、不要な発光ダイオード(LED)を除いてから、カメラに取り付けている」と、驚きの製法を明らかにする。最初の規格策定から10年以上が経過し技術的に十分こなれたからこそ、これほど簡単に無線LANを搭載できるわけだ。
携帯電話への搭載拡大は吉か凶か
 携帯電話など電波免許を持つ通信事業者にとって、“無免許”の無線LANははなから、別の世界の生き物だった。通信会社は全国どこでも利用できるユニバーサルサービスや災害時などのライフラインという公共的役割を担うが、無線LANは品質を問われることもない。
 しかし、その通信事業者さえもが無線LANに頼り始めた。今後、携帯電話各社が続々と市場に投入するスマートフォンは、無線LAN機能の搭載が当たり前。従来型の携帯電話端末でも無線LAN搭載モデルが出始めている。携帯電話端末そのものが、あらかじめ二通りの通信機能を備えている格好になる。
 携帯電話ネットワークを流れるトラフィックが増加するなか、携帯電話本体に無線LAN機能を搭載し別ルートにオフロードするのは必然の流れ。とはいえ、ユーザーが無線LANばかりを使うと、一人当たりのデータ通信料を伸ばしたい携帯電話会社の事業モデルに影響を及ぼす危険性がある。
 様々な端末に搭載が進む無線LAN。目立たない機能ではあるが、端末メーカー、サービス事業者、通信事業者それぞれにとって、あなどれない存在になっている。



次世代送電網 全国5000世帯で試行
 次世代送電網(スマートグリッドの大規模な実証実験が、全国4カ所で今年度から始まる。合計約5000世帯の一般家庭を送電網で結び、留守中や深夜帯の節電、太陽光を含む再生可能エネルギーの活用などを推進する。今後5年間の総事業費は約1000億円で、地方自治体とトヨタ自動車、新日本製鉄などの有力企業が協力する。次世代送電網は温暖化対策として世界的に注目されており、日本でも普及に向けた取り組みが加速しそうだ。 日本が次世代送電網の本格的な実証実験に乗り出すのは初めて。経済産業省が8日、公募に応じた全国20カ所のうち、横浜市、愛知県豊田市、北九州市、関西文化学術研究都市の4カ所を選ぶ。
 横浜、豊田、北九州の3市はそれぞれ、コンサルティング大手アクセンチュア、トヨタ、新日鉄と一緒にコーディネーターを務める。関西文化学術研究都市では京都府が事業主体となる。各地方自治体は6月下旬までに素案をつくり、今年度中に実験を始める。期間は5年間で、経産省も2010年度予算に計上した40億円で支援する。
 最も規模が大きいのは横浜市で、総事業費は562億円。港北ニュータウン、みなとみらい、金沢地区の住宅約4000世帯を選び、通信機能を備えた次世代電力計(スマートメーター)を取りつける。エネルギーの需給を自動的に調整し、留守中や夜間帯の電力を節約できるようにする。



「non・no」が月刊誌に
 月2回発行のファッション誌 同誌は20代前半の女性が中心読者層で、平成10年に最高153万部発行したが、現在は32-35万部。同社によると、部数は昨秋以降、前年比5%増と回復基調で「部数減が理由ではない」としている。
 今後は、ネット時代に対応し、最新情報はデジタルメディアで配信、雑誌は企画を充実させる。



総務省、35歳以下限定で研究を後押し 情報通信分野
 総務省は情報通信分野で、35歳以下の若手研究者を対象とした公募研究制度「U―35夢実現プロジェクト(仮称)」を創設する。若いときからデジタル技術に慣れ親しんだ世代を集中的に支援し、国際的な競争を勝ち抜く斬新な研究開発を後押ししたい考えだ。
 同省が設置した検討部会「ICT(情報通信技術)タスクフォース」で詳細を詰める。幅広い成果を期待し、研究テーマを原則自由とする。インターネット経由で様々なサービスを提供するクラウドコンピューティング技術や環境負荷低減技術なども対象になる。
 年長者が実験手法などの相談に応じる「メンター制度」を採用。研究段階から起業、海外展開までを総合的に支援する。民間資金の導入も検討する。



中国、国有大手を80社に集約 担当相が表明、10年で4割減 過剰投資を抑制
 【北京=品田卓】中国の主要国有企業を統括する国務院(政府)国有資産監督管理委員会(国資委)の李栄融主任は7日、日本経済新聞社に対し、現在127社ある中央政府直轄企業を「2020年までに80社に再編する」との目標を明らかにした。「質を高め、国家の安定につなげる」としており、鉄鋼や自動車など様々な業種で企業統合に動くとみられる。集約で過剰投資や重複投資を減らし、企業経営の効率向上を目指す。
(関連記事国際1面に)
 国資委は主要国有企業を監督するとともに、国有企業改革など産業政策を手掛ける中央官庁。金融機関を除く大半の業種を担う。李主任はその担当相にあたる。
 中国では景気対策などで公共投資を増やした結果、様々な業種で過剰設備が深刻になっている。李主任は「質の追求が重要」としたうえで、「今年中に100社まで減らす努力をし、2015年から20年の間にさらに80社に再編することを目標にする」と述べた。80社の目標を達成すると、現状比で約4割減になる。同時に老朽化した工場を閉鎖し、地球温暖化ガスの排出量を減らす必要性を強調した。



【産経主張】米核戦略見直し 「核の傘」運用に不安残す
 オバマ米政権が発表した「核戦略体制の見直し(NPR)」報告は、核拡散防止条約(NPT)を順守する非核保有国に核攻撃をしない原則を打ち出した。核の役割の縮小とともに、北朝鮮やイランへの国際圧力を高めることを狙っている。
 その半面、従来の戦略的あいまいさを低減したことで日本など同盟国に提供する「核の傘」の運用の柔軟性が損なわれる不安は残る。日米両国は同盟協議を活性化し、通常戦力から核に至る切れ目のない防衛・抑止態勢強化を進める必要がある。そのためにも普天間移設を含む米軍再編計画の履行を急ぐべきだ。
 NPRは5~10年の中・長期的な核戦略指針で、オバマ政権下では初の包括的見直しとなった。大統領の「核なき世界」の具体化をめぐって、政権内では核の役割を「核攻撃抑止のみに限るべきだ」とする理想派と、「世界の現実を直視せよ」とする現実派が激しく対立したという。
 結果的に、核の「先制不使用宣言」は非現実的として見送られた。非核国を核攻撃対象としない「消極的安全保障」にしても、NPTを守らない北朝鮮、イランなどの国々やテロ組織は除外するなど、一定の重要な現実的対応が保持されたことは評価できる。
 だが、日本にとって最大の課題は、見直しで日本の安全と同盟への信頼をどれだけ確保できるかにある。日本は北朝鮮の核やミサイルに加えて生物・化学兵器の脅威にもさらされ、中国の異常な軍拡に直面している現実がある。
 報告は同盟諸国に配慮して「在外米軍や同盟国への地域的脅威がある限り、核の要素を含む抑止力が必要」と指摘した。中国の核戦力には「透明性を欠き、戦略的意図に疑念を抱かせる」と警告したが、それで十分とはいえまい。
 日本が継続を求めた核搭載巡航ミサイルが退役し、核の役割も低減するとなれば、それだけ在日米軍と自衛隊の連携など通常戦力面での充実強化が不可欠となる。
 にもかかわらず、鳩山由紀夫政権下では、米軍再編計画の主柱となる普天間問題が障害となって同盟深化協議も進んでいない。
 鳩山政権は今回の報告を人ごとのように歓迎するだけでなく、日本の安全に直結する責務をすみやかに果たしてほしい。米国に対しても北東アジアの現実を直視し、必要なら戦略の再見直しと調整を求めていくことが肝要だ。
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