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ソーシャルゲーム、ブームの次に起きること(COLUMN1)
 ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)や携帯サイトで手軽に遊べるソーシャルゲームが世界的に急成長している。ソーシャルゲームをいち早く展開して成功した企業や開発者は、ソーシャルゲームが成功した理由やブームの今後をどのようにみているのだろうか。
 今年3月に米サンフランシスコで開催された世界最大のゲーム開発者向けカンファレンス「ゲーム開発者会議(GDC)2010」。米大手ゲーム会社エレクトロニックアーツ(EA)のゼネラルマネジャーであるベン・コーシンズ氏は、歴史的なイノベーション(革新)のパターンから、ソーシャルゲームがなぜ市場に受け入れられたかを分析した。
的中したゲーム産業についての予測
 コーシンズ氏は、07年にゲーム産業の未来について、いくつかの予測を公表している。そのうち、「任天堂のWiiが大失敗する」との予測はまったくはずれたが、それ以外はすべて現実になっているという。主な予測とは、次のようなものである。
・「ユーザー生成コンテンツ」が一般化する。
・ユーザーのローカルな機器ではなく、インターネット上のクラウド・コンピューティング環境にユーザーのデータを置くことが普通になる。
・シンプルなインターフェースが求められるようになる。
・これまでのゲーマー以外の大衆市場に広がりが生まれる。
・SNSが重要になる。
・ハイパーリンクの手法が多様化する(つまり、ブラウザーゲームが重要になる)。
・低スペックのパソコンで動くことが前提になる。
 これらの要素をすべて満たす代表例が、6000万人以上のユーザーを集める米ソーシャルゲーム大手Zyngaの農場系ゲーム「FarmVille」だという。コーシンズ氏の予測は、いまやソーシャルゲームの定義そのものといっていいほどだ。一方、家庭用ゲーム機向けゲームでは、これらの条件は一部しか実現されていない。
ウォルマートの歴史とゲームの関係
 では、なぜソーシャルゲームがこれほどユーザーの支持を集めているのか。コーシンズ氏は、米小売り最大手ウォルマート・ストアーズの成長を例に、今のソーシャルゲームブームを歴史的な必然だと説明した。
 自動車が普及する前の20世紀初頭の米国では、移動は徒歩や馬車であり、小麦や砂糖などを扱う商店では、店員と顧客が話しながら一品一品、量り売りで販売するのが一般的だった。それが1930年代になって大きく変わり始める。自動車の登場とともに1920年代には平らな道路が整備され、1940年代になると舗装が一般化する。1916年に今の「スーパーマーケット」に続く業態がテネシー州メンフィスに出現し、より多くの品揃えと巨大な駐車場を持つウォルマートや現代のショッピングモール方式へと発展していく。
 一方、街の小さな小売店は対面サービスの質は高いが、価格競争についていけず年々減少していった。この歴史のパターンは、「既存の家庭用ゲームと台頭するソーシャルゲームにそのまま当てはめることができる」とコーシンズ氏は指摘する。ゲーム業界にとっての自動車は安価なコンピューター環境であり、道路はブロードバンド回線というわけだ。
 既存の家庭用ゲームは質が高いが、ゲーム機を店舗で購入したり新作ゲームの情報を集めたりといった手間がかかる。一方、ソーシャルゲームという新しいジャンルは質では劣るが、価格が安いため気軽に始められる。「質が高いが不便」から「安くて便利」へ。ソーシャルゲームは誕生からまだ3年程度だが、すでに家庭用ゲームを上回る膨大な品揃えを整えつつある。
iPhone用ゲームの顔ぶれに変化
 昨年11月にEAに買収された「Facebook」向けソーシャルゲーム大手の英Playfish。共同設立者のクリスチャン・セーゲルストローレ氏は、別の観点からソーシャルゲームの将来を予測する。
 セーゲルストローレ氏は、ソーシャルゲームが誕生から約2年間で2億人のユーザーを集めるようになった現象を、動画サイト「YouTube」がオンライン動画の市場を創出した例になぞらえ、「YouTube効果」と呼んだ。そのうえで、これによって何が起きたかに着目する。
 YouTubeが出現しても「ヤフーのようなポータルサイトはなくなっていない」、家庭用ゲームも「モダン・ウォーフェア2」のような「高額な予算を投じた大ヒットタイトルは死んでいない」、無料ゲームが中心となったからといって「(ゲーム産業全体の)利益が消し飛んだわけでもない」――。つまり、新興ベンチャーと既存のゲーム企業との共存・競争がソーシャルゲームにも起きると、セーゲルストローレ氏は指摘する。
 実際、先行するアップル「iPhone」向けゲーム市場では、その現象が起こり始めている。08年にアップルのアプリケーション販売サービス「App Store」がスタートした直後は、ビールを飲む「iBeer」のようなアイデア一発のアプリが大ヒットした。
 ところが現在、ランキング上位にいるのは「ロックバンド」「グランドセプトオート」「シムズ3」「Madden NFL 10」「アサシンクリード2」などで、上位10位のうち8タイトルは家庭用ゲーム機向けなどでブランドが確立されたタイトルだ。
 この傾向は、「ソーシャルゲームにも広がるだろう」とセーゲルストローレ氏は予測する。今後、多くの企業が既存タイトルをベースとしたソーシャルゲームを強化していくだろう。ソーシャルゲーム市場は一見多様な選択肢があるようだが、すでに最初の混沌期を終え、次の競争段階に入ろうとしている。



注目の新サービス「エバーノート」はここが便利(COLUMN2)
 モバイルパソコンやスマートフォン(高機能携帯電話)を駆使するビジネスパーソンが増えているが、仕事に必要な書類や資料を社外からチェックするのは意外に難しい。そんなニーズに応えようと、あらゆる形式のデジタルデータを様々な端末から閲覧・更新できるようにしたのが、米国発のオンラインサービス「Evernote(エバーノート)」だ。日本でも先進ユーザーの間では知られていたが、今年3月に日本語版が始まり、多くの人にとって使いやすくなった。
 会社のパソコンに保存した文書や表計算、画像などのファイルを自宅や外出先、通勤途中で見るには、USBメモリーにコピーして持ち歩いたりメールで送ったりする必要がある。しかし、すべてをコピーしている暇はないし、そもそも携帯電話やスマートフォンなどでは、表示するのが難しい形式のファイルもある。
 エバーノートは、こうした異なる形式の電子データをネット上で一元的に管理して、パソコンやモバイル機器で共有できるようにするサービスだ。2006年8月設立の米エバーノート(カリフォルニア州)が08年6月に一般向けのベータ版サービスを開始し、09年11月時点で約200万人が利用しているという。
 エバーノートには、アップロードできるデータ上限が月間40メガバイト(MB)までの無料版、月額5ドル(または年間45ドル)で上限が500MBまでの有料版の2種類があり、どちらも日本から登録できる。近く日本法人を設立し、日本語への対応などを強化していく予定という。
一般的な「ネットストレージ」とどこが違う?
 エバーノートの基本的な仕組みは、パソコンに取り込んだ専用ソフトを使ってテキストや画像の電子ファイルをインターネット上のサーバーに送り、自動保存するというもの。外出先などでは、同じく専用ソフトを載せたノートパソコンやスマートフォンをネット接続すれば、保存したファイルをいつでもどこでも閲覧したり編集したりすることができる。
 こうした機能を持つ「ネットストレージ」のサービスはすでに数多くあり、各種ファイルを保存したり、パソコン上のデータと同期させたりすることができる。エバーノートがこれらと違うのは、保存したファイルをほぼ自動できめ細かく分類管理し、検索できるようにする機能を豊富に備える点にある。ネットストレージがファイルの保管を目的としたサービスであるのに対し、エバーノートはさまざまなデータを系統立てて整理するデータベース的サービスと考えるとわかりやすいだろう。
左のウインドウ(赤で囲んだ部分)に並ぶ属性情報をクリックすると、その属性にマッチしたデータを中央のウインドウに表示する
 エバーノートでは日付や更新日はもちろん、画像やテキストなどファイルの種類、データを作成した機器といった属性情報を細かく把握し、それを基にファイルを自動で分類して、整理している。また、ユーザー自身が「タグ」という整理用のキーワードを付けることもできる。緊急で素早く処理しなければならない案件を記したファイルに「至急」というタグを付けて保存すれば、「至急」と検索窓に入力するだけで探し出せるようになる。
 もう一つの特徴が、画像データをOCR(光学式文字読み取り装置)にかけ、画像内の文字をテキストデータとして管理する機能だ。このテキストデータは検索に使用する。例えば保存した画像を「調理」というキーワードで検索すると、「調理」という文字を含む画像ファイルとともに、「調理」の文字を強調した画像を表示する。名刺を交換したらすぐにスマートフォンのデジタルカメラ機能で撮影し、エバーノートに保存して検索できるようにしておく、というビジネスユーザーも多いという。
 使い方は簡単だ。エバーノートのサイトで無料会員または有料会員の登録をしたうえで、専用ソフトをパソコンにダウンロードしてインストールする。米アップルの「iPhone」やグーグルの携帯電話向けOS「Android(アンドロイド)」を搭載するスマートフォンで使う場合は、それぞれのアプリケーション配信サービスからダウンロードする。専用ソフトはいずれも無料だ。
 なお、専用ソフトを使わずにエバーノートのサイトにログインするだけでも、専用ソフトと同じ機能を利用することができる。フルブラウザーが使える携帯電話なら、専用ソフトが用意されていない機種でもエバーノートの機能を使える可能性がある。
 無料版の「スタンダード」アカウントで扱えるのは、各種画像ファイルやテキストファイル、PDFファイル、音声ファイルなど。有料版の「プレミアム」アカウントでは、マイクロソフト「オフィス」の「ワード」や「エクセル」をはじめ、すべてのファイル形式に対応する。検索の範囲も広がる。
 画像に写った名刺などの文字の読み取りは、斜めになっていたり手書き文字でない限りは、精度が高い。保存できる容量がひと月あたり40MBの無料登録では、画像1枚の容量を大きくできないが、解像度を800×600ドット、色数を256色まで落とした名刺のデータ(224キロバイト)でも、住所や名前、電話番号などをほぼ間違いなく認識できた。
 ウェブページを保存する「Webクリップ」という機能もある。ただ、フレームやプルダウンメニューを使用するウェブサイトは、取り込んでも表示が崩れてしまうことが多かった。便利な機能ではあるが、インターネットエクスプローラーやファイアフォックスなどのブラウザーで利用できる同じような追加ツールの方が、表示は正確だ。
ソフトを標準搭載する機器も登場
 3月3日に日本語サービスが始まり、パソコンでは「ウィンドウズ」と「マックOS X」、スマートフォン向けでは、iPhoneやアンドロイド携帯、Windows Mobile搭載端末などの日本語版専用ソフトが公開された。ソニーのパソコン「VAIO」シリーズ、NTTドコモが4月1日に発売したアンドロイド携帯「エクスペリア」など、エバーノートの専用ソフトを標準搭載する機器も増え始めている。まずは無料登録で主な機能を試してみるといいだろう。
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