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シャープが「アンドロイド」で狙うソフトウエア戦略(COLUMN)
 シャープが日本メーカーでは初めて、米グーグルの携帯電話向けOS(基本ソフト)「Android(アンドロイド)」を搭載したスマートフォン「IS01」をKDDI向けに開発した。国内携帯電話機メーカー首位のシャープはアンドロイドOSで何を狙おうとしているのか。
アンドロイド採用に4つのメリット
 スマートフォン向けに登場したアンドロイドは、カーナビゲーションシステムなど携帯電話以外の分野にも広がりを見せつつある。さらに英ソニー・エリクソンや韓国サムスン電子、LG電子、米モトローラなど世界の主要メーカーが続々と機器開発に採用し、普及ペースが速まってきた。
 そこにシャープもIS01で加わることになる。情報システム事業本部パーソナル通信第3事業部の山下晃司事業部長は、メーカーから見たアンドロイド採用のメリットとして「商品性」「拡張性」「スピード感」「将来性」の4つを挙げる。
 商品性は、OSとしての完成度の高さやネットサービスとの連携のしやすさ、拡張性は設計情報を公開したオープンソースならではの特徴を指している。さらに、グーグルや採用メーカーの開発力で進化のスピードが速く、将来は他の製品分野にも応用できる可能性がある。携帯電話のほかに多くの情報家電製品を抱えるシャープにとって、アンドロイドは戦略上大きな意味を持つといえるだろう。
開発者を囲い込む環境を最重要視
 シャープの意気込みを示すのが、IS01の開発に合わせて開設したソフト開発者向けサイト「SH Developers Square」だ。シャープが独自開発した赤外線通信やサブカメラなどとのAPIを公開し、開発者がそれらを活用したアプリケーションを開発できる環境を整える。「他のメーカーでも採用できるようなものを可能な限り公開して、開発者の意欲を高めていきたい」(シャープ)。
 モバイルユーザーに最近人気の新サービスは、ミニブログの「Twitter(ツイッター」や動画中継サービスの「Ustream(ユーストリーム)」など、インターネット発のものが多い。かつては通信事業者が携帯向けサービスを先導していたが、主役はネットベンチャーへと変わりつつある。こうした新しい技術やサービスをいち早く取り込むには、世界のどこかにいる開発者にアプリケーションをつくってもらうのが近道。これからはメーカーが外部の開発者を囲い込む環境づくりが重要になる。
 シャープは市販用のIS01とは別に、開発者向けの専用端末「JN-DK01」も発売する計画。この端末はKDDIのネットワークには接続できないが、無線LAN経由でインターネットにつながる。OSの書き換えも可能で、アプリの評価や分析が簡単になる。アンドロイドの開発者が集う「日本Androidの会」にはすでに6000人を超える会員が参加しており、開発用端末の供給で彼らをいち早く味方につけようとしている。
メーカーがコンテンツ事業者に依頼
 国内の携帯電話市場はこれまで、大手通信事業者がそれぞれ異なるプラットフォームを採用し、メーカーが各社の仕様に合わせて製品を別々に開発してきた。アンドロイドというオープンプラットフォームの登場は、その構造にも変化を起こし始めている。
 一例がIS01に搭載された「Yahoo!」や「mixi」などのサイトにアクセスするミニアプリ「ウィジェット」だ。これらはKDDIが先導して集めたのではなく、シャープが声をかけてコンテンツ事業者に開発してもらったという。IS01の発売後は、これらのウィジェットを提供する環境をシャープが立ち上げて運用する。
 シャープは、アンドロイド端末をKDDI向けに限定するわけではない。いずれNTTドコモ向けやソフトバンクモバイル向けも投入するだろう。従来は通信事業者ごとに異なるプラットフォームだったが、アンドロイドならプラットフォームは共通で、通信事業者の独自仕様にはアプリで対応するという道が開ける。ソフト開発会社もそれぞれのプラットフォームに合わせて開発する煩わしさから解放される。アンドロイド上で開発したソフトをNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの3社向けにそのまま提供できる環境がいずれくるかもしれない。
 シャープが今回開発したIS01は2台目需要を狙った製品だが、フルタッチパネルを搭載した1台目の端末として使えるスマートフォンの開発も進んでいるもよう。デバイスの競争力で携帯電話機メーカーとしてのブランドを確立したシャープが、ソフトウエア戦略でも新たな顔を見せようとしている。











韓国製テレビのマネを始めた日本メーカー(COLUMN2)
 一昨年のリーマン・ショック、その後の世界的な大不況の中、内外の電機メーカーは大幅な在庫・生産調整を強いられた。その後、緩やかなピッチではあるが、世界の個人消費は持ち直し、現在は中国など新興国市場の急成長に牽引される形で、各メーカーの生産は回復している。
 こうした中で、我が国の主要産業の1つ、電機の現状はどうなのか。身近な主力製品である薄型テレビを通して分析してみた。
世界シェア1位、2位を韓国勢が独占
 2009年11月、本サイトで「日本から『メイド・イン・ジャパン』が消える日」と題するコラムを掲載した。デフレ経済が長期化し、日本の消費者がそこそこの機能、そこそこのブランドで満足する傾向が強まるとともに、「かゆい所まで手が届く」フル装備の日本製品を買わなくなるのでは、と私見を交えてリポートした。
 同記事を掲載した直後、米国在住の旧知の金融関係者からこんなコメントをいただいた。「低価格の製品はもちろんだが、高機能な高級品でも日本製は既にシェアを落としている」
 この関係者によれば、米国の家電市場、特に薄型テレビの分野では「韓国のサムスン電子がトップブランドで、日本メーカーよりも商品の訴求力が強い」とのこと。日本の家電量販店の様子しか知らない筆者にとって、にわかには信じ難い話だが、これは紛れもない事実なのだ。
 米調査会社ディスプレイリサーチによれば、2009年の全世界ベースでのテレビ出荷実績(液晶・プラズマ・LEDの合計)は、サムスンが23%でダントツの首位。次いで同国のLG電子が13%。韓国勢2社で全体の30%を超えるシェアを占めた。
 日本勢を見ると、ソニーが3位で11%。4位のパナソニックが8%、5位のシャープが6%、6位の東芝が4%。上位4社を合計しても韓国勢2社に対抗できない状態となっている。
 この中には、もちろん値段の安い製品群も含まれているが、「高価格の大画面製品でも、韓国メーカーが日本メーカーを上回っている」(国内系証券会社のアナリスト)という。
日本のトップメーカーが韓国製品のマネを始めた
 こうした現状について、「韓国メーカーの実績は、ウォン安という追い風によって嵩(かさ)上げされたもの」(証券会社のディーラー)と見ることもできる。また、「韓国メーカーは中国市場の急成長を日本企業よりも一歩先にとらえただけ。サムスンは無理としても、LGからのシェア奪還は可能」(別のディーラー)と見る向きもある。
 だが、その見方は楽観的すぎるようだ。
 過日、日本のある有力部品メーカーのトップと会う機会があった。内外の大手電機メーカーと長年の取引実績があり、各社の注文に応じて精緻なオーダー部品を作る優良企業だ。
 ちょうど本稿の準備を進めていた筆者は、件の薄型テレビのシェアについて訊ねた。当初、筆者は先のディーラーのような考えを抱いていたのだが、期待を込めた思いは即座に打ち砕かれた。
 このトップはこう言い放ったのだ。「ここ1年程度の間に、X社が韓国製部品を徹底的に調べ上げ、ウチに注文を出してくるようになった」。X社とは誰もが知る日本のトップメーカーの1つである。
 技術革新のテンポが速い薄型テレビだけに、ライバル社の隅々まで調べるのは企業の開発姿勢としては当然だろう。が、このトップによれば、「従来、X社はオリジナルの設計にこだわり、他社の真似をすることがほとんどなかった。それなのに、最近はなりふり構わずという印象を受ける」と言うのだ。
 そのトップは、そう語りながら表情を著しく曇らせた。記者上がりの経験で言えば、トップの言葉にウソはないと見る。こうした生産現場の動向が先の調査結果に如実に表れた、と指摘したら言い過ぎだろうか。
高付加価値製品でも後塵を拝する日本メーカー
 現在、中国では、液晶を主体とする薄型テレビの好調が続いている。農村部では、「初めてテレビを買い求める農民層が、30インチ超の液晶を当たり前のように購入している」(外資系証券アナリスト)という。
 また、都市部では60インチ超の大型テレビが爆発的に売れ始めている。「都市部の住宅環境改善を背景に、一握りの富裕層だけでなく、公務員などの中流層にまで高額品を買い求める動きが広がりつつある」(同)ためだ。
 また、映画「アバター」の大ヒットが起爆剤となり、3D対応製品も市場に投入され始めた。ただし、超大型テレビ、3Dともに、開発で先行したのは韓国勢である。「日本企業はリストラや販路の整備などに時間を取られた」(別の外資アナリスト)ため、後塵を拝している。
 ここ数年で薄型テレビのコモディティー化が一気に進み、川下の価格競争が熾烈さを増しているのは周知の通り。「付加価値の高い製品を生み出さなければ、日本製品の地位が一層低下する」(同)ことは明らかだ。
 だが、日本のお家芸だった高付加価値製品についても、今や韓国勢が先を走っているのが実状。ある専門家は、「日本勢は部品・部材の調達、国際的な販売体制など、あらゆる面でガラガラポンのリセットが必要」(米系コンサルタント筋)との見方を示す。だが、その道のりは極めて厳しいと言わざるを得ない。
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