(っ゜Д゜)っ新聞

アップルはどこまで強気なのか  米アップルがまたまた話題を提供してくれた。4月27日付日経朝刊は、ヤマダ電機やヨドバシカメラなど家電量販店のインターネット通販サイトが、携帯音楽プレーヤー「iPod」、パソコン「iMac」などのアップル社製品の取り扱いを停止していると報じた。28日朝刊は、アップル社には通販サイトでの価格競争を避けたいとの思惑があるという関係者の見方を紹介した。
革新性が売り物の企業がネットの革新性を否定?
 アップルはこの件について正式なコメントを出していないから、その真意はわからない。ただ、ブランドを守りたいとする同社にとって自分たちがコントロールできないところで自社製品が値引きされていることに不快感を抱いていたことは想像に難くない。
 だが、アップルの今回の行為はどこか矛盾をはらんでいるような気がするのは筆者だけだろうか。アップルが復活したのはネットによる音楽配信を前提とした「iPod」の爆発的なヒットがあればこそ。
 インターネット社会がアップルという革新性のある会社を世界的な存在に押し上げたのは間違いない。
 また、カタログが主体の通販がインターネットのインフラを活用して新たな販路としてネット通販が誕生した。ネット通販も革新性の塊だ。店舗も販売員も必要としないネット通販はコスト競争力がある。だから、店舗販売よりも販売価格を低く抑えることが可能となる。
 アップルもネット通販も共にインターネットを軸とする革新性で社会から必要な存在になったはずだ。それだけに取り扱い停止は少し荒っぽいような気がする。
 同社の販売体制を巡っては1989年、99年に公正取引委員会が独占禁止法違反の疑いで立ち入り検査した。ほぼ10年周期に訪れるアップルの市場へのメッセージなのだろうか。今回の件も公取委は関心を示している模様だ。
WSJがアップルの戦略に疑問符
 偶然だが、強気な姿勢に日本の家電量販店などが当惑していたその時期にウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)電子版(23日付)に興味深い記事が載った。「アップルの株主が注意すべき7つの理由」というタイトルだ。
 株価も最高値の水準にあり、このほど米国で発売された多機能携帯端末「iPad」のヒットを例に出して「アップルがやることはすべてうまくいくように見える」と記事の最初は同社をほめている。
 しかし、その後はタイトル通り7つの問題点を指摘して、投資家への注意を喚起。その中の1つに「誰でも完全であることはない。間違いを犯した場合に誰がそれを止めることができるのか」と、同社の戦略に疑問を投げかける。
 競争相手が次第に少なくなり、いつの間にか寡占的な地位をつかみつつあるアップル。10年ほど前に巨人マイクロソフトを「ビッグ・ブラザー」と批判したこともあったが、今ではアップル自身がその立場にいる。WSJはアップルの親しみを感じる反逆者のイメージがどうなるのか心配している。
アップル・ブランドの価値の源泉とは
 ブランドイメージを守るために販売チャネルを制限したり、価格を下げなかったりする営業スタイルは宝飾雑貨や服飾のラグジュアリーブランドでは一般的。対象の顧客も富裕層で限定的だ。アップルもれっきとしたブランドだが、大衆に支えられているのが同社の強みだ。自社のネット通販サイトを除き、それ以外のネット通販を閉め出すことで店舗まで買いに行くことのできない消費者も閉め出すことになりはしないか。
 リンゴが落下する自然の理(ことわり)があるように、価格も高い所から低いところに下がるのが自然だ。流通業者が作った革新性と利便性を妨げるのではなく、自らの革新性をより発揮してさらに大衆から必要とされる画期的な商品を開発しつづけることがアップルのブランド価値に磨きをかけると思うのだが。



パチンコホール業界は集客力維持と合理化の両立が課題
 パチンコ業界を取り巻く厳しい事業環境が長期化している。「レジャー白書2009」によれば、参加人口の減少傾向に歯止めがかかっているものの、市場規模(貸玉料の総額)は、ヘビーユーザーのパチンコ離れなどから年々縮小している。
 従来は1玉当たり4円が一般的だった貸玉料を1円に下げた低価貸し営業(いわゆる「1円パチンコ」)の普及で、新しいユーザーをある程度取り込んだものの、低価貸し営業は収益性が低く、市場の拡大にはつながっていない。今後も市場規模の縮小傾向は続く可能性が高い、とスタンダード&プアーズでは考えている。また、売り上げ(貸玉料)の減少により、中小零細オペレーターの中には資金繰りが厳しいところも多く、資金力のある大手による寡占傾向がさらに進むことが見込まれる。
低価貸し営業は、市場拡大につながらず
 2006年から本格的に導入された低価貸し営業は、新規ユーザーや休眠層、ライトユーザーを取り込み、ある程度、パチンコ参加人口や遊技機設置台数の下支えにつながったといえる。
 警視庁発表のデータによれば、08年のパチンコ設置台数は、前年と比べ12万2035台増加し、307万6421台となっている。スロットは同時期に18万7087台減の144万8773台となった。ただ減少幅は、前年に比べ縮小しており、09年もこの傾向が続いている。
 一方、スロットは遊技機規制の改正により07年に新規則機(5号機)に完全に切り替わったため、高い射幸性を好むファン層が大幅に縮小したが、低価貸しの導入が徐々に進み、業界全体の遊技機設置台数の大幅減に歯止めをかけていると考えられる。
 ただ、全国のホール数の50%以上が行うようになった低価貸し営業だが、市場の縮小傾向、つまり売り上げの減少を食い止めていない。稼働玉数が増えても、1台当たり売上高は大幅に減少するからである。また、遊技機械代の節約(4円パチンコ用遊技機械の転用など)によるコストメリットはあるものの、低価貸し営業は利益の絶対額も大きく低下する。
 既存ユーザーの減少と低価貸し営業の影響で、ホールオペレーターの収益環境は厳しくなっている。ホールオペレーターは、人件費や景品仕入れの見直しなどのコスト削減をはじめ、低価貸し営業の機械台に中古の機械台を使ったり、ホールごとにユーザーニーズを見極めたうえで異なる機種構成にしたりして、遊技機械費用の軽減に努めている。
 新台の入れ替えスピードの速さはパチンコ業界の有効なマーケティング策の1つであるが、人気のある遊技機械がホールの競争力を決めるため、相対的にパチンコ機メーカーのほうがホールオペレーターよりも機械台価格の交渉力が強い。また、パチンコ機メーカーの遊技機械販売台数の最低ロット数が大きいことや、近年の遊技機械の高機能化による価格高騰もあり、中小零細オペレーターにとっては新台入れ替えのハードルは高く、その結果、大手に比べて店舗の競争力が弱まっている。
 ホールオペレーターは、出玉を絞って、粗利益を確保することが可能である。しかし、出玉の調整による粗利益の確保は、ユーザーに「出ない・大当たりしない」サービスを提供することになるため、中長期的にはある程度の射幸性を求めるユーザー層が離れていく懸念がある、とスタンダード&プアーズでは考えている。特に、パチンコの機種別でシェアが最大であるミドルタイプでは、遊技機械代がかさみやすいなかで、目先の利益確保と、将来的な集客力維持を両立させる対策が課題となるだろう。
 07年4月の大手パチンコホールの破綻、その後の世界的な金融危機から、金融機関やリース会社の与信が縮小しているため、パチンコホール業界は厳しい資金調達環境に直面しており、この傾向は今後も続くと考えている。また、業界内で現在のところ株式を上場しているホールオペレーターもなく、エクイティファイナンスの手段はない。特に、大手よりも中堅以下にとって、資金調達の多様化は重要な課題の1つである。



[FT]日本国債を国内で消化できなくなる日
(2010年5月4日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
 スペイン、ポルトガル、そしてアイルランドに対する仕打ちを見る限り、「債券自警団」は、まだ説得に応じるような雰囲気にない。どんな約束をしようとも、外国から資金を借りすぎている国は問題視されるというのが現状だ。
政府債務残高、GDPの2倍に
 では、国債がすべて国内で消化されていれば問題はないかと言えば、決してそうではない。例えば日本では、政府債務(総額)の約95%が国内で保有されている。国内の投資家に頼りすぎていることから、日本政府は民間部門の貯蓄が減ることと、銀行が国債購入よりも企業などへの貸し出しを優先させることを非常に恐れている。
 借り入れがまだ少なく、人口動態の見通しもさほど悪くない国々であれば、そうした展開は消費と設備投資の回復を示唆する朗報となるだろう。だが日本国債の売り手にとって、これは国債需要の減少にほかならない。
 日本政府は今年、税収を上回る額の国債を発行する。これにより総額ベースの政府債務残高はGDP(国内総生産)の2倍を超える見通しだが、日本国債の市場が飽和する兆しはまだほとんど見られない。
民間の資金余剰、2017年にはゼロに
 ただ、いつまでもノンビリ構えていられるわけではない。バークレイズ・キャピタルの予測によれば、2017年ごろまでには日本の民間部門の資金余剰――現在は、これが公的部門の資金不足を埋めている――がほぼゼロになるという。人口の高齢化に伴って貯蓄が取り崩されるうえ、労働人口における30~44歳の世代(貯蓄性向が最も高い年齢層)の割合が低下するからだ。
 経常収支が赤字になれば、日本は外国の資金を呼び込もうとするだろう(中国の皆さん、こんにちは)。すると、国債間の金利裁定が始まる。
 現在の10年物米国債の利回りは日本国債のほぼ3倍に達しており、全く勝負になっていない。従って日本政府としては、日本国債の実質利回りが相対的に見て十分に魅力のある水準になることを望むしかなくなる。
日本が現実的になる日は近い
 だが、利払い負担が増えれば、政府の収支は一気に悪化する。ただでさえ悪いのだから、一層の悪化など考えたくもないに違いない。菅直人財務相は財政健全化の計画を来月公表する予定だ。増税を抜きにした解決策は想像し難いし、移民の受け入れなど、これまではぐらかされることの多かった問題も避けて通るのは難しいだろう。ギリシャと同様に、日本も現実的になる時期が来たようだ。



【中日社説】
日欧関係 新しい時代築けるか
2010年5月5日
 欧州連合(EU)が統合へ具体的な歩みを始めた戦後の「シューマン宣言」から九日で六十年。先に来日した初代EU大統領は、日欧関係の「新しい出発」を提言した。この好機を生かせるか。
 ファンロンパイ大統領(欧州理事会常任議長)の来日は生憎(あいにく)のタイミングとなった。
 統合欧州の象徴ユーロの信認が揺れるさなか、ギリシャ国債の格下げが報じられ、大統領の出身国ベルギーの政権崩壊も伝えられた。日本側も鳩山政権の支持率が低下、ホスト国として万全の態勢だったとはお世辞にも言えない。
 「西洋の没落をあげつらい、新興国の台頭のなかで、欧州と日本が取り残されているとする論調が散見される」
 神戸大学で講演した大統領は、自ら国際社会の変化に率直に言及しながら、「それでも、日本と欧州が世界で最も豊かで強力な地域であることに変わりはない」と強調し、グローバルな政治的影響力確保のため、日欧がより緊密に協力すべき時だ、と訴えた。
 大統領の発言には十分な根拠がある。欧州の底力は、二十七カ国の国内総生産(GDP)を見ても明らかだ。十八兆ドルの規模は米国の十四兆ドルをしのぎ、域内人口は五億に及ぶ。「統合疲れ」現象は否めないとはいえ、「多様性の中の統一」の理念に込められたダイナミズムは失われていない。
 北欧には、福祉国家と経済的競争力を両立させている国家モデルがある。東欧には、旧社会主義経済から市場経済体制へ移行を進める経験の積み重ねがある。南欧には、イスラムとの共存を含め欧州を欧州たらしめている文明の源泉がある。そして、中欧には独仏の不戦の誓いの原点がある。
 鳩山由紀夫首相は地域政策のモデルとしてEUをあげ、汎ヨーロッパ主義を唱えたクーデンホフ・カレルギー伯が掲げた理念にしばしば言及してきた。大統領は会見でカレルギー伯は「統合の精神的な父親」ではあったとしつつ、現実的統合は戦後、欧州石炭鉄鋼共同体を実現した「シューマン宣言」に始まると指摘し、理念と現実の彼我の差の大きさを再三強調した。
 今回の日・EU定期首脳協議では日欧の「新しい出発」が提示され、政治分野でアフガニスタンでの警察訓練センターの共同建設などで合意した。新たな日欧時代を拓(ひら)く一歩となるのか。鳩山政権の現実的な行動が問われよう。
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