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【民主党代表選】菅氏選出へ 幹事長に岡田・仙谷氏浮上
 鳩山由紀夫首相(党代表)の退陣表明に伴う民主党代表選で、菅直人副総理・財務相(63)=東京18区=の当選が確実な情勢となった。代表選は4日投票される。菅氏と樽床(たるとこ)伸二衆院環境委員長(50)=大阪12区=が3日、それぞれ記者会見で正式に立候補を表明した。党内最大勢力の小沢一郎幹事長のグループが同日夜、自主投票を決めたため、他の党内各グループの支持を取り付けた菅氏の勝利が確定的。菅氏は当選しても、小沢氏を主要ポストで起用しない考えを示している。
 菅氏は会見で、小沢氏の「政治とカネ」の問題に触れ、「国民の不信を招いたのだから、小沢幹事長はしばらく静かにした方が、ご本人、民主党、日本の政治にとっていいのではないか」と述べた。
 さらに、「小沢幹事長には昨日、今日の段階でも、ごあいさつにうかがいたいと申し上げているが、いつであればいいとのご連絡をいただいておりません」と述べ、小沢氏への不信感をあらわにした。
 幹事長辞任が決まっている小沢氏が率いる民主党の現執行部は、4日午前の両院議員総会で新代表を選出後、同日中に国会での首相指名選挙と組閣を終える日程を予定している。
 菅氏は夏の参院選に「本格政権」の態勢で臨むため閣僚、党執行部とも大幅入れ替えを想定している。この人選を慎重に進めるために、菅陣営には、4日に首相指名選挙と宮中での首相の親任式は行うが、組閣は週明けの7日以降がよいとの意見がある。
 菅氏は会見で、16日までの国会会期について「このままの日程でいけるのか、延ばさないといけないのか、(新首相になれば)判断しなければならない」と述べ、延長があり得るとの認識を示した。
 「菅政権」の人事では、幹事長に岡田克也外相、仙谷由人国家戦略担当相の名が挙がっている。官房長官には枝野幸男行政刷新担当相が浮上している。
 一方、出馬表明した樽床氏は、三井弁雄(わきお)国対委員長代理や松本剛明衆院議院運営委員長ら小沢氏に近い中堅・若手の一部に支援されている。
 だが、小沢グループの「一新会」は3日夜、自主投票を決定。同じく若手の「一新会倶楽部」も事実上の自主投票となった。一新会では、樽床氏に加えて菅氏や原口一博総務相、田中真紀子元外相を推す声が出て紛糾し、意見集約できなかった。小沢氏は3日夜、衆院赤坂宿舎で原口氏と会談したとされるが、小沢グループは原口氏擁立には至らなかった。
 菅氏の選対は同夜も民主党国会議員(423人)への働きかけを続けた。同選対幹部は、「厳しめで○(菅支持)が236人、×が73人、△(未定)が33人だ」と自信をみせた。別の選対幹部は「260人の支持は確保した」と述べた。
 菅氏は3日夜、都内のホテルに、仙谷国家戦略相、枝野行政刷新相とこもって政権構想や演説原稿を練った。
 前原誠司国土交通相、野田佳彦財務副大臣、横路孝弘衆院議長、旧民社党系の各グループは、菅氏支持を決めた。岡田氏は菅氏との会談で「権力の二重構造は好ましくない」と、小沢氏の影響力排除を求めた。
 代表選の立候補受け付けは4日午前9時から行われ、11時からの両院議員総会で候補者の演説後、投票が行われ、昼過ぎには新代表が決まる。



菅氏の経済政策は 財政再建に軸足、増税論議も
 民主党の次期代表に名乗りを上げた菅直人副総理・財務相は、ギリシャ危機をきっかけに財政再建に軸足を置く姿勢を強めている。「増税しても使い道を間違えなければ景気は良くなる」が持論で、消費税を含む増税論議に着手する可能性がある。このほか、円安論者やインフレ目標導入の積極論者としての「顔」も持つ。
  「新規国債発行については今年度の44兆3000億円を超えないで済ませるように全力を挙げる必要がある」
 いまや民主党を代表する「財政再建派」となった菅氏だが、財務相就任直後は、姿勢がやや違っていた。1月21日の衆院予算委員会では「逆立ちしても鼻血も出ないというほど、完全に無駄を無くしたといえるときに、必要であれば必要な措置をとる」と強調。当時は増税論議よりも、予算のムダ排除を優先する姿勢が強かった。
 財政再建路線へ大きくカジを切る契機となったのがギリシャ危機。7カ国(G7)などの財務相らと対応を協議するなか、日本が抱える巨額債務や財政赤字に危機感を募らせたためだ。来年度の新規国債発行の抑制目標を表明するなど、財政再建派としての存在感をアピール。財務省では、菅氏が新首相に選出されれば「首相自らが財政再建を主導する」との見方も出ている。
  「増税しても使い道を間違えなければ景気は良くなる」
 最近の持論は「増税による成長」。増税によって確保した財源で歳出を拡大し、雇用や需要を増やせば経済成長につながるというシナリオを描いているようだ。すでに増税に向けた地ならしにも動き出している。鳩山由紀夫首相は「4年間は消費税率は引き上げない」と表明していたが、菅氏は増税の本格検討に着手する可能性がある。
  「(日銀のインフレ目標策の導入は)魅力的な政策と感じてきた」
 金融政策を巡っては、2%程度の高い物価上昇率(インフレ率)が適当だとの立場を表明している。望ましい物価上昇率を設定して金融政策の目安とする「インフレ目標政策」を評価しており、日銀に対する金融緩和圧力が強まる可能性もありそうだ。
  「経済界では(1ドル=)90円台半ばが適切との見方が多い。もう少し円安の方向に進めばいい」
 為替政策については「円安論者」との見方が定着している。その根拠となったのが1月7日の財務相就任直後の発言。為替相場を誘導するかのような発言だけに関係者の間で物議を醸した。その後は慎重な発言に終始しているが「ホンネは円安」との見方が根強い。



iPad、店頭で品薄続く 日本での発売から1週間
 米アップルが5月28日に多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」を日本で発売してから1週間。一部の家電量販店では3日、新規に商品が入荷したが、なお顧客の予約数に届かない店舗が多いとみられ、品薄状態が続きそうだ。
 ヨドバシカメラマルチメディアAkiba(東京・千代田)では3日、アイパッドを新規に入荷。記憶容量が小さい機種の当日販売を始めたが、昼過ぎには売り切れた。栃木や静岡など6県の計6店舗で取り扱うコジマでは全店で完売した。
 ソフトバンクモバイルの販売店では在庫がほぼなくなったが、「入荷も随時あり1カ月待ちといった状況ではない」(関係者)。入荷次第、予約者に個別連絡している。
 各店では画面保護フィルムや本体ケースなど関連商品も人気。ビックカメラの新宿西口店では本体購入者のほぼ全員が関連商品を買うため、月内にも陳列面積を広げる。



三洋電機、シャープ 太陽電池部品の外部調達拡大
 太陽電池メーカーが部品などの外部調達を本格化する。三洋電機は2010年度から太陽電池の一部製品の外部調達に踏み切る。シャープも10年度、太陽電池の中核部品、セル(発電素子)の外部調達を拡大する。部品から商品まで一貫生産する自前主義を転換。需要増に対応すると同時に汎用品の設備投資を抑制、先端商品の開発に資金を振り向ける。
 三洋は外部調達先として台湾メーカーなどと交渉している。調達品は工場や学校向けとして自社ブランドで販売する。初年度はパナソニックグループの太陽電池販売量の数%に当たる1万~3万キロワット。11年度に5万~10万キロワットと1割程度に引き上げる見通し。
 三洋が主力とする太陽電池は光を電力に変える効率が製品の状態で16~17%(完成品ベース)と世界最高水準にあるが高額。発電効率は劣っても価格が安い太陽電池を商品に加え、業務用の太陽電池市場で存在感を高める考え。
 シャープは09年度に住宅用、業務用双方で計79万キロワットの太陽電池を販売。このうち約12万キロワット分のセルを外部調達した。10年度は前年度比5割増の120万キロワットの販売を計画。生産ラインを新設するほか外部からの調達も増やす。
 主に海外メーカーから調達する見通し。シリコンなどの主原料はシャープが提供。製造も指導して品質を維持する。
 製品や部品の海外調達比率が高まることで、為替の変動リスクが軽減する効果も見込める。



ネット動画の人気先行 携帯放送、端末の普及カギ
 総務省は携帯端末向け次世代放送の実用化について、2004年ごろから議論してきた。その後、米アップルの「iPhone」や米グーグルのユーチューブなど新しい端末やサービスが現れ、動画配信の環境は一変している。携帯電話会社主導の放送が成功するかは不透明だ。
 3日、準備会社設立を発表したKDDIの増田和彦サービス・プロダクト企画本部長は「国産技術にこだわってガラパゴス化を招く不幸を繰り返してはならない」と強調した。日本独自の規格にこだわり世界から孤立することへの懸念で、対立するNTTドコモ陣営が国産技術である「ISDB―Tmm」方式を採用するのをけん制する狙いがある。
 だが両陣営のどちらが免許を獲得するにせよ、携帯向け放送の危うさを指摘する声は多い。KDDIは米クアルコムの通信方式が「国際標準」であることを強調するが、同方式でサービスを開始しているのは米国内にとどまる。一方でパソコンやスマートフォンなど端末を選ばずにインターネット経由で動画を配信するユーチューブや、特殊な機材を使わず生中継放送ができる「ユーストリーム」が利用者の支持を集めている。
 国は無線周波数が空くたびに事業者を募集する形でサービスと市場の育成を狙ってきたが、必ずしもうまくいっていない。08年に免許交付を受けたウィルコムの「次世代PHS」は、同社の経営破綻のため事業化の見通しが立っていない。衛星を使った携帯向け放送では東芝の「モバイル放送」が事業に失敗し撤退した。
 台頭するネット系のサービスと互角に戦える有料コンテンツを豊富に供給し、受信可能な端末の種類を増やすことが成否の鍵を握りそうだ。



中国移動、北京などで次世代移動通信の実証試験
 【上海=多部田俊輔】中国携帯電話最大手の中国移動通信集団(チャイナモバイル)は今夏にも、北京など3都市で次世代移動通信「TD―LTE」の大規模な実証試験を実施する。世界の通信関連メーカー大手の多くが参加する。次世代移動通信の規格である「LTE」ではNTTドコモなどが採用する「FDD―LTE」が商用化で先行しているが、チャイナモバイル主導の「TD―LTE」の存在感も高まりそうだ。
 北京のほか、上海や深セン(広東省)などが候補地に上がっている。基地局を100カ所以上設置する計画で、約1年間にわたって通信状況をチェック、通信設備などの改良を進める。
 実証試験には欧米勢ではモトローラ、エリクソン、ノキア・シーメンス・ネットワークス、アルカテル・ルーセント、クアルコムが通信設備などを提供する。日本企業ではアンリツがテスト機器で参加する。
 「LTE」は3.9世代と呼ばれる移動通信規格で、データ通信の速度は光ファイバー並みという。「FDD―LTE」は送信と受信で異なる周波数帯を利用するが、「TD―LTE」は1つの周波数帯で送信と受信を高速で切り替えて双方向通信を実現する。「FDD―LTE」よりも技術が複雑なことなどから出遅れていた。チャイナモバイルは5億人以上の利用者数を武器にメーカーを巻き込み、「TD―LTE」の開発を加速する。



「ニコニコ動画は得体の知れなさが強さになっている」
ドワンゴ会長 川上量生インタビュー
 「経営には関心がない」と語るドワンゴの創業者・川上量生会長は、とりたてて経営戦略を披露することはないが、発想は十分に“戦略的”である。着メロなど携帯電話向けコンテンツで時代の流れをつかみ急成長、この5月にはオンライン動画配信サービスを運営する「ニコニコ動画」が、世界で初めて黒字化した。川上会長に、話を聞いた。

川上量生 (Nobuo Kawakami)
1968年生まれ。京都大学工学部卒業後、PCの知識を生かしてソフトウエアの専門商社に入社。同社倒産後の97年、PC通信用の対戦ゲームを開発するドワンゴを設立。2000年に代表取締役会長に。03年に東証マザーズ上場、翌年に東証1部に市場変更。07年には、子会社のニワンゴで「ニコニコ動画」を開始する。大阪育ち。

―川上さんのツイッターの自己紹介文には、「会社の経営なんてしていません。BS(貸借対照表)もPL(損益計算書)も読めません。日本のネットを元気にするために今日もつぶやきつづけています」とあるのですが、あれは本当ですか?
 はい。事実です。BSもPLも普段は見ませんね。株主総会では、ヒマだなと思っても、文庫本を読むと怒られますし、じっと資料を読むしかありません。だから、そのときに、ほとんど初めて売り上げなどの数字を知ります。
―業務の執行役は、社長の小林宏氏(野村證券出身で長らくスクウェアの役員を務めたゲーム業界のベテラン)に任せているとして、そうすると川上さんの役割は何になりますか?
 そもそも僕は、会社の経営というものに関心がないんです。
 たとえば、ソフトバンクの孫正義社長は、すごく優秀な経営者だと思います。彼の発想力、行動力、そしてスケールの大きさは、常人には真似できない。
 僕には無理ですね。それに、孫さんみたいになりたいかといえば、必ずしもそうではない。そもそも、「流派が違う」という感じです。
 どちらかと言うと僕は、考え方がエンジニア寄りなので、経営は得意な人に任せて、新しいサービスを開発したり、仕組みをつくったりする仕事に専念したい。
―先の第2四半期決算発表会では、子会社のニワンゴが運営する動画配信サービス「ニコニコ動画」が、初めて黒字化したと発表しました。その理由は、どんな仕組みにあるのですか?
 黒字化の最大の理由は、動画を優先的に視聴できる有料の「プレミアム会員」が、1年前と比べて倍増(80万人)したことですね。しかも、ニコニコ動画の退会率は異常なほど低いことです。
 たとえば、インターネット上の有料課金サービスでは、一般的に退会率は20~30%と言われますが、ニコニコ動画ではその半分をさらに下回るので、会員になってくれた人は、なかなか退会しないという特徴があります。
―確かに、ニコニコ動画は、再生中の動画に視聴者がコメントを書き込めたり、文字の色や大きさが変わったりしながら画面上を流れるなど独自の機能があります。退会率が低いのは、それらが理由なのでしょうか?
 正直、なぜ、そこまで視聴者に支持されるのかわかりません。
 現在、無料の「一般会員」と有料の「プレミアム会員」を合わせて1690万人の会員がいます。そのうち、「プレミアム会員」は80万人なので、約5%ということになります。しかし、この5%の人たちのアクティブ率は、非常に高い。なにしろ、「プレミアム会員」の90%以上が、頻繁にアクセスして番組を見てくれるのです。
 有料の「プレミアム会員」は、全体の数で見れば約5%にすぎません。ですが、アクティブ率で見れば、1ヵ月単位で約10%、1日単位では約20%に跳ね上がります。しかも、人気コンテンツの「ニコニコ生放送」では約40%に達することもあります。有料会員にとって、もはやニコニコ動画は生活するうえでの必需品になっているということではないでしょうか。
―それにしても、「ニコニコ動画」という人を食ったようなネーミングは、どのようにして決まったのですか?
 最初から、怪しい名称にしようとは考えていました(笑)。
 これまで誰も見たことがないようなサービスを世の中に出そうと決めていましたので、インパクトがあってシンプルかつ印象深いものがよいと考えていました。
 2006年当時は、米国の動画投稿サイトのユーチューブが著作権問題で揺れていました。当時のニコニコ動画は、クリックするとユーチューブのサイトに飛ぶようにしてあったので、国内のテレビ局やユーチューブなどからも怒られる可能性がありました。
 だから、本気で怒ることがバカバカしくなるような名称が必要だったのです。たとえば、テレビ局の経営幹部が会議室に集まった様子を想像しました。幹部が、口々に「ユーチューブはけしからん!」とは言いそうですが、「ニコニコ動画はけしからん!」とは言いそうにないでしょう?
 ニコニコ動画は、静かに始まりましたが、急に人気が出ました。そして、ニコニコ動画の上位番組がそのまま米国のユーチューブで上位にランク入りするなどの現象が起きました。その状況を不満に思った米国の視聴者からの非難のコメントに対し、日本の視聴者もコメントではね返すなどして盛り上がっていたことから、3ヵ月後にはユーチューブから接続を遮断されてしまいました。それからは、すべて自前のシステムに切り替えて運営しています。
米国のユーチューブとは目指す世界がまるで違う
―一方で、ドワンゴは、創業から今日までに、大きく3回メインの業態を変えてきました。どのようにして、シフトさせてきたのですか?
 そうですね。ドワンゴは、見た目のにぎやかさが注目されることが多いですが、じつは技術に力を入れてきた会社です。それがあるかどうかで、マーケティング上の自由度が違ってきます。
 たとえば、同じ分野で複数社が争うのではなく、ライバルがいない分野を目指したい。PC通信のゲーム、携帯電話の着メロ、動画配信なども、そうやって未開拓の領域に手を広げてきました。
―では、動画を投稿するサイトとして、似たようなサービスをしているように見える米国のユーチューブと、日本のニコニコ動画では、どのようなところが違うのですか?
 最近は、あまりユーチューブに関心がないのですが、あちらは「巨大な制度」のようなものですね。新興のユーストリームもそうですが、海外勢はプラットフォームとしての根っ子を押さえて、サービスを拡充していきます。まるで、なんでも入る倉庫のように、コンテンツをため込んでいます。
 ですが、ニコニコ動画は、全然違う方向に向かっています。視聴者のコミュニティをつくろうとしているので、動画共有サイトというよりも、動画コミュニティサイトです。同じように見えても、目指している世界が異なります。
―しかし、ネット上のサービスは、ほとんどが米国発です。どのようにして戦っていきますか?
 ドワンゴでは、サービスを開発する際は、「得体の知れないものをつくろう」と言っています。簡単に説明できるサービスは、米国の会社が強い。ですが、簡単に説明できないサービスであれば、日本の会社でも戦っていけます。
 動画配信サービスでは、手数(さまざまな新サービス)を繰り出して、戦いの場を乱戦模様に持ち込むことが重要です。米国の会社が太平洋を越えて来て、力技でねじ伏せられることがないように反射神経で戦っていきますよ。



民主党代表選 8か月半の総括が不可欠だ(6月4日付・読売社説)
 鳩山政権の何を継承して、何を大きく変えねばならないのか。政権交代後8か月半の失政の真摯(しんし)な総括なしに、民主党の再生はあり得ない。
 鳩山首相の退陣表明に伴う民主党代表選で、菅直人副総理・財務相と樽床(たるとこ)伸二衆院環境委員長が立候補を表明した。
 菅氏は、「20年間の閉塞(へいそく)感を打ち破る先頭に立ちたい」と語った。樽床氏は、「キーワードは世代交代」と強調している。
 通常国会は、多くの重要法案が未成立のまま、16日の会期末まで2週間を切った。その後には、参院選が控えている。
 民主党が、政治空白を避けるため、短時日で鳩山首相の後継を選ぼうとする事情は一応理解できるが、大切な政策論議をおろそかにしてはなるまい。
 党内の各グループの合従連衡だけで次期首相が決まるようでは、民主党が野党時代に批判してきた自民党の派閥政治による首相の「たらい回し」と変わらない。
 鳩山政権が急速に支持率を低下させ、自民党政権末期の安倍、福田、麻生の各内閣よりも短命に終わったのは、なぜなのか。きちんと検証したうえで、反省すべき点は反省し、新政権の運営に生かす作業が欠かせないはずだ。
 民主党では2004年以降、菅、岡田、前原、小沢、鳩山の各代表がスキャンダルなどでいずれも辞任した。小沢幹事長が代表を務めた3年余の期間を除けば、ほぼ毎年、党首が交代している。
 与党として同様のことが繰り返されれば政治不信は極まろう。
 米軍普天間飛行場の移設問題でぎくしゃくした日米関係をどう立て直すのか。日本経済を安定した回復軌道にいかに乗せるか。菅、樽床両氏は、明確な答えを提示してもらいたい。
 両氏が小沢氏とどんな間合いをとるのかも注目される。菅氏が「小沢氏はしばらく静かにしてもらった方がいい」と述べ、樽床氏は「親小沢、反小沢に分ける考え方には立たない」と語った。
 小沢グループは党内の最大勢力で、代表選のカギを握る。だが、小沢氏が役職を失っても、隠然と影響力を維持するようでは、首相という「表紙」を取りかえただけとの批判を免れないだろう。
 きょう4日に選出される新代表はまず、どんな連立政権を組むかが問われる。国民新党との連立継続はともかく、参院選の選挙協力欲しさから、日米同盟を犠牲にし、再び社民党との連立を模索するような不見識は避けるべきだ。
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