(゜Д゜)っ/凵⌒☆チンチン新聞

任天堂、3D対応ゲーム機 ソフト各社と連携
有力製品取り込む
 任天堂の岩田聡社長は日本経済新聞に対し、2010年度に投入する3次元(3D)対応の新しい携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」で、ゲームソフト製作会社との連携を強化する方針を明らかにした。自社ソフトのヒットを通じゲーム機の販売を伸ばす戦略を修正、他社の有力ソフトを取り込み新たなユーザーを獲得する。3D対応の据え置き型ゲーム機を今後投入する考えも表明した。
 3DSの開発にあたっては、ソフト各社の要望を「可能な限り取り入れた」と指摘。同時に3Dゲーム機への対応を積極的に働きかけたことを明らかにした。各社との連携については「任天堂にもソフトメーカーにも良いこと」と述べ、協調姿勢を鮮明にした。
 3D用にはスクウェア・エニックスの「キングダムハーツ」、カプコンの「バイオハザード」など、20社以上のメーカーの有力ソフトを投入する方針。任天堂の既存ソフトにない本格的なアクションなどが楽しめるソフトも取り込む。「熱心なファン向けの凝ったゲームにまで幅を広げる」
 従来の携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」はゲームになじみのない人にも手軽に楽しめるソフトが多く、「高度なグラフィックを求めるファンには満足してもらえなかったかもしれない」と述べた。愛好家向けソフト作りのノウハウは任天堂社内には乏しいため、他社との連携で品ぞろえを充実させる。
 3DSでは海賊版ソフトへの対策も強化する。違法ソフトの流通については「ソフト産業全体を破壊する行為」と非難。「新しいハードはセキュリティの仕組みを作り替える絶好のチャンス」とし、対策を拡充する意向を示した。
 据え置き型ゲーム機「Wii」の後継機種でも3Dへの対応を準備する方針。ただ「3Dテレビは短期間では普及しない」とも語り、本格展開には時間がかかるとの見方を示した。



任天堂3D対応、ソフトで連携強化 岩田社長に聞く
「アップルにどう勝つかという発想ない」
 任天堂は2010年度に3次元(3D)対応の携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」を投入する。通信機能の強化や他のソフト制作会社との連携を通じ、利用者の獲得を目指す。23日までに日本経済新聞の取材に応じた岩田聡社長に狙いなどを聞いた。
岩田聡・任天堂社長
 ――なぜいま3D対応のゲーム機を投入するのか。
 「世の中で3Dがはやっているから、ゲーム機を3Dにするのだろうと思われているとすれば、任天堂の意図とは違う。立体映像は重要なテーマで、20年以上前からトライしてきた。だが解像度の問題に加え、左目と右目の映像をきれいに分けて見せるという精度の問題などがあり、満足のいく画像にならなかった」
 「いまから2年ほど前に『3Dをいま試すとどうなるのか』ということになり、試してみた。現物を見た社内の開発者が驚き、価値があると判断して、新しい携帯型ゲーム機は3Dをひとつの基軸に置くということになった」
 ――「Wii」に続く据え置き型のゲーム機を3D対応にする計画は。
 「『(据え置き型の)テレビゲーム機は3Dにならないのか』とたくさん聞かれる。準備はするが、(次世代の据え置き型ゲーム機の)本質ではない。3Dテレビが普及したら当然、ゲーム機も3D対応にするが、それほど短期間に進むとは思っていない」
 ――3DSでは任天堂以外のソフトメーカーも有力ソフトを投入する。
 「ニンテンドーDSやWiiの発売前は、任天堂の路線が結果を残すと予測した関係者は少なかった。『普通の競争をしても他社に勝てないので奇をてらったアイデアを出してきた』という受け止め方が多かったと思うし、当時の流れからすれば当然だろう」
 「DSとWiiが実績を残したことで、任天堂のゲーム機に乗り遅れたくないとソフトメーカーに感じてもらえるようになったと思う。もうひとつ、DSやWiiを開発した後に『もっとこうだったらいいのに』というソフトメーカーの要望があったので、可能な範囲で取り入れた。その結果、看板タイトルを最初から3DS向けにつくってもらえることになった」
 ――3DSでは通信機能も向上させる。狙いは。
 「いままでは能動的に行動する利用者だけが通信機能を使っていたが、もっと受動的な利用者にもネットにつながるメリットをつくれないかと考えている。具体的には(本体のふたを閉じた)スリープ状態のときにいかに通信機能を使えるようにしておくかを真剣に考えている」
 「インターネット機能を充実させただけでは使ってもらえない。何かきっかけをつくって使ってもらえるように仕向ける必要がある」
 「いままでは能動的に行動する利用者だけが通信機能を使っていたが、もっと受動的な利用者にもネットにつながるメリットをつくれないかと考えている。具体的には(本体のふたを閉じた)スリープ状態のときにいかに通信機能を使えるようにしておくかを真剣に考えている」
 ――多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」の登場などで、ゲームの楽しみ方も変わってきた。ライバルとして比較される米アップルについてどう思うか。
 「もともと任天堂は特定のライバル会社、ライバル製品という発想を持たない。娯楽というものは人の時間と興味とエネルギーを奪い合うあらゆるものと競争する。アップルとの競合を書き立てられるが、彼らと戦ってどう勝つかという発想はあまりない」
 「相手と同じ軸で相手の長所をつぶして『うちの利点はこれだ』ということをいっても、お客さんを驚かせることはできない。『自分たちがつくっているものはほかにどこにもない価値が本当にあるだろうか』ということを考えている。DSやWiiをつくったときも、今回、3DSをつくったことも同じ考え方だ」
 ――円高・ユーロ安が業績の下振れ懸念を呼んでいる。
 「3年後に1ユーロ100円になると覚悟しろと言われれば覚悟するが、ある日130円だったユーロが1週間で110円になってしまうのはおかしい。どんな経営をしていてもこれで大丈夫なように経営するのは無理だと思う」



橋下知事、性描写規制の条例改正案提出へ 「議会で議論が必要」
 18歳未満のキャラクターを「非実在青少年」と定義し、その性的描写などがある漫画などの販売や貸し出しを規制する東京都の青少年健全育成条例改正案が都議会で否決されたことをめぐり、大阪府の橋下徹知事は23日、府の青少年健全育成条例について「あいまいで不明確さがあり危険。議会で議論しなければ」と述べ、担当部局に条例改正の検討を指示した。
 大阪府では、東京都が規制しようとした図書類はすでに有害図書として条例の規制対象となっていた。ただ、どの図書を選定するかは条例ではなく、議会の議決を経ない施行規則で定める仕組みになっている。
 橋下知事は、現在の施行規則の内容をあらためて条例改正案として議会に提案することで、議論を求める方針を示した。



ニフティ、交流サイト向けサービスVB支援
 インターネット接続サービス大手のニフティは、交流サイト(SNS)向けゲームなどを展開するベンチャー企業との提携を加速する。データセンター機能を貸し出し、顧客サポートなどサービス運営も請け負って、ベンチャーと収益を分け合う。第1弾としてゲーム開発のワークジャム(東京・千代田)と協力する。2011年3月までにベンチャー10社以上との提携を目指す。
 ディー・エヌ・エー(DeNA)が展開する携帯SNSサイト向けにワークジャムが開発したゲームをニフティが運営する。ニフティのデータセンターでゲームを運営し、ゲーム利用者からの問い合わせにも同社が対応する。7月にもゲームを投入する。ワークジャムはサービス運営を外部に任せることで主力のゲーム開発に集中できる。
 SNS市場は拡大が見込まれる一方、IT(情報技術)投資や運営コストなどが参入障壁になっている。ニフティは、主力のプロバイダー事業で培った顧客管理ノウハウやデータセンター機能を提供してベンチャーとの協業を進めて成長市場取り込みを狙う。



KDDI、WiMAXと携帯網対応のデータ通信端末
 KDDI(au)は23日、高速無線通信「WiMAX(ワイマックス)」と携帯電話網の両方が使えるパソコン向けデータ通信端末を29日に発売すると発表した。都心部では主にWiMAXを利用し、基地局整備が遅れている地域ではKDDIの携帯網に自動的に切り替わる。屋外でパソコンをインターネットに接続して利用する法人や個人向けに販売する。
 料金はどれだけ利用しても最大5750円(基本料金980円含む)の定額制など5つのプランを用意した。WiMAXは受信で最大毎秒40メガビットと高速通信が可能で、携帯電話に比べネット利用がしやすい。将来はスマートフォン(高機能携帯電話)などにも同様の機能を搭載し、商品競争力を高める。



ガチャピン、鳩山前首相を抜き返す Twitterフォロワー数日本一に返り咲き
 ガチャピンのTwitterフォロワー数が6月23日までに鳩山由紀夫前首相を超え、日本一に返り咲いた。23日午後8時半現在、ガチャピンは約68万3500人、鳩山前首相は約67万7600人にフォローされている。
 鳩山氏は今年1月にTwitterをスタート。現役の首相がTwitterを始めたとあって急速にフォロワー数を増やし、5月下旬ごろ、それまで日本一だったガチャピン(昨年1月にTwitterを開始)を抜いた。だが首相辞任に伴いフォロワーが減り、とうとうガチャピンに抜き返された。



インド、携帯販売が減速 低価格競争激しく
 【ムンバイ=黒沼勇史】携帯電話加入件数が世界2位のインドで、携帯電話の販売の伸びにブレーキがかかってきた。印通信専門メディアが22日に発表した2009年度(09年4月~10年3月)の携帯電話の販売市場規模は前年度比4.2%増の2700億ルピー(約5300億円)にとどまり、07年度の11.9%増や08年度の7.9%増に比べ伸び率が低下した。加入件数は09年度に49%増加したが、電話機の市場は加入の伸びほど広がっていない実態が浮き彫りになった。
 通信業界誌「ボイス・アンド・データ」が携帯電話メーカーの09年度の売上高を集計した調査によると、最大手ノキア(フィンランド)は1410億ルピーとなり、08年度の1656億ルピーから15%減少。販売額のシェアは、08年度の64%から52%に低下した。
 他方、ノキアと低価格端末で競合する「マイクロマックス」や「カーボン」といったインドの新興メーカーが合計で14%のシェアを押さえた。2位の韓国・サムスン電子は、規格の異なる利用者識別カード「SIM」を同時に使える端末に注力して10%から17%に上昇。英ソニー・エリクソンは6%から3%に低下した。
 インドは4月末時点で携帯加入件数が累計6億件を超えた中国に次ぐ世界2位の市場。ただ1台1千~2千ルピー程度の低価格機種で競争が激化するなど、既存の携帯メーカーにとっては稼ぎづらい市場になりつつある。
 また今回の調査によると、09年度の販売台数は約1億800万台だった。携帯加入件数は09年度中に1億9千万件増えたが、電話機はその半分強しか売れていない。複数のSIMを並行利用し、通話料を安く抑える低所得者が多いためとみられ、加入の伸びほど実際の利用者が増えない市場の特性が浮き彫りになった。



携帯電話向けに棋譜ライブ配信 日本将棋連盟
 日本将棋連盟は23日、携帯電話向けにプロ棋戦の棋譜を配信すると発表した。新たに立ち上げる携帯サイト「日本将棋連盟モバイル」で、棋譜の中継をほぼリアルタイムで見られるようにする。月額料金は315円。7月上旬に始まるNTTドコモ向けを皮切りに、順次、ほかの携帯電話会社にも対応していく。
 中継する棋戦は王座戦や竜王戦、王位戦など。日本経済新聞社も、主催する王座戦の棋譜提供などで協力する予定。王座戦に関しては、7月31日に指される女流棋士4人と男性棋士との一斉対局などを中継する。



中国企業 ニューズウィーク買収失敗 メディアにも触手
 【北京=川越一】世界40カ国以上で企業買収を進める中国企業が、メディア分野でも世界進出を目指し始めた。メディア大手、南方報業グループが、身売り先を探している米誌ニューズウィークの買収に動いていたことが明らかになった。今回は失敗に終わったものの、今後も外国メディアの買収を積極的に進める姿勢を示している。
 グループ傘下の週刊紙「南方週末」の編集担当者が英字紙、チャイナ・デーリーに語ったところによると、買収は四川省成都のメディアグループ、投資ファンド2社との合同で計画された。提示額は明らかにされていないが、担当者は「金額が外された原因ではない」と述べ、「中国企業」という点が問題にされたことを示唆した。
 最近では、日本のアパレル企業、レナウンが中国の繊維大手、山東如意の傘下に入った。2009年に中国企業が買収した日本企業の買収総額は約285億円で、前年の4倍に増加。米調査会社の統計では、米国内で買収した資産の総額も前年比4倍の約39億ドル(約3500億円)に達したという。
 中国企業の買収攻勢に各国は警戒感を強めており、政府や議会の反対で買収が成立しないケースもしばしば起こっている。買収の背後に、中国政府の存在を疑っているからだ。
 南方週末の編集担当者は、今回の買収への政府機関の関与を否定。中国人民大学の専門家は「西側のステレオタイプな人たちはいつも、中国メディアを国営であれ民間企業であれ、プロパガンダの道具という目で見る」と指摘した。
 今回の買収計画は、中国に対する誤解を解き、中国人の世界理解を深めることが目的とされる。しかし、中国政府がこの動きを支持している公算は大きく、経営悪化が広がるメディア界も中国の“漁場”になりかねない。



アフリカなどで使用増加 国連の薬物報告書
 国連薬物犯罪事務所(UNODC、本部ウィーン)は23日、2010年版「世界薬物報告」を発表し、先進国での薬物使用が横ばいになっている一方、アフリカ諸国など発展途上国でコカインやヘロインの使用が増加傾向にあると指摘した。
 報告書によると、米国でのコカイン使用は過去数年で大幅に減り、末端価格も1990年代の3分の2に落ち込んだが、アフリカ西部ではコカイン、アフリカ東部ではヘロインの使用が拡大。特に西部はコカイン取引の拠点ともなっている。
 世界のヘロインの市場規模は550億ドル(約5兆円)と推定され、アフガニスタンとイラン、西欧諸国、ロシアで世界生産量の半分を消費するという。
 また、UNODCはメキシコで多発する麻薬組織間の抗争について「減り続ける米国での販路獲得が要因の一つ」と指摘した。



IPOトーク◇パピレス(6月23日上場)天谷幹夫社長「iPad、市場拡大のチャンス」
 電子書籍配信のパピレスが23日、ジャスダックに上場した。初日は公募・売り出し価格(2700円)の2.3倍となる6210円の買い気配のまま取引を終え、売買が成立しなかった。同日記者会見した天谷幹夫社長は、「iPad(アイパッド)など新端末の普及で市場拡大のチャンスはある」と述べた。主な発言は以下の通り。
 ――初日は初値が付きませんでした。
 「株価は市場が決めることで、私からは申し上げることはないが、投資家の皆さんの期待の大きさを感じる。身が引き締まる思いだ。期待に添えるよう頑張りたい」
 ――このタイミングでの上場となったのはなぜですか。
 「上場は5年以上前から検討、準備してきた。たまたま今のタイミングになった」
 ――自己資本比率は前期末61.9%と高いので、配当を実施しても良いのでは。
 「将来の配当の実施計画は現在のところ何も決まっていない。今後検討していく」
 ――コミックなどの分野では新規参入も増えています。電子書籍サイト「電子書店パピレス」の強みと課題は何ですか。
 「パソコンが主流だった時代から長くやってきたため、作品数や取り扱う出版社の数の多さが強みだ。電子書籍事業は1995年から始めており、世界的にみても一番最初のようだ。現在作品数は約18万冊、出版社は約500社で、毎月約600タイトルの新刊を追加している」
 「売上高のおよそ半分を小説や実用書などの『文字もの』が占めているのも特徴だ。今後はコミック以外の分野も利用が伸びていくのではないか」
 「現在、当社の電子書籍サイトの購入者数は、来客者全体の10%以下だ。この比率を引き上げていくのが当面の課題だ」
 ――米アップルのiPadなど、新しい情報端末への対応は。
 「パソコンや携帯電話に続き、新たなPDA(携帯情報端末)が登場し、端末面でも通信速度面でも環境が良くなってきた。多くの人々がiPadなどを持つようになれば、私たちのチャンスは広がる」
 「アップルの端末に限らず、インターネット環境があればどんな端末からでも読めるようにして、それを特徴にやっていきたい」
 ――発売済みの書籍だけでなく、最新刊の投入はできるようになりそうですか。
 「徐々に出版社の考えが変わってきている。電子書籍市場が小さいころは絶版になった本しか配信できなかったが、売り上げのボリュームがみえてくると紙の書籍と同時に電子書籍の配信もするケースが増えてくると思う」
 ――iPadの国内発売以降、コンテンツの売り上げに変化はありましたか。新端末経由の収益は2011年3月期の業績予想にどの程度織り込んでいますか。
 「全体のボリュームからして、まだiPad経由での売り上げは小さい。どれだけ伸びたか見えるほどの量にはなっていない。今後は新端末普及に伴い市場が拡大するとは思うが、予測を立てることは控えている。今期の業績予想はこれまでのトレンドを元に算出しており、iPadなどの影響は織り込んでいない」
 ――iPadが普及すると、携帯電話からの利用は減りませんか。
 「長い目で見たらあり得るが、直近ではそうはならないと思う。現在の携帯電話からの利用者は10~30歳代の若い世代が中心だ。ただiPadは文字が大きく読みやすいのが特徴。この端末が普及すれば30~50歳代の新しい世代の方が電子書籍を買うようになるのではないか」
 ――1冊150~2000円という価格設定や出版社に支払う著作権料は今後変わる可能性はありますか。
 「著作権料は出版社との話し合いだ。辞書や専門書など内容によって価格帯や権利料が高いコンテンツも今後は出てくると思う」



所得税論議 最高税率引き上げは問題多い(6月24日付・読売社説)
 政府税制調査会の専門家委員会が論点整理の形で、税制改革の方向性を打ち出した。
 危機的な財政事情を念頭に、社会保障の安定財源として消費税の重要性を強調している。極めて妥当な指摘だ。
 反面、所得税改革に関し、所得が増えるほど税率が高くなる累進構造の強化に力点を置いているのは問題だ。
 菅首相が言及する将来の消費税率引き上げでは、一般国民の負担が増すため、高所得層への所得課税強化で、一定の理解を得ようとする狙いが読み取れる。
 確かに消費税には、低所得層ほど税負担が相対的に高まる「逆進性」が指摘されている。
 だからと言って、累進税率の強化につなげて考えるのは筋違いだ。消費税の逆進性の解消は、生活必需品への軽減税率導入などで対応すべき問題である。
 所得税は、2009年度の税収が27年ぶりに13兆円を割り込み、ピーク時のほぼ半分になる。
 国民所得と対比した日本の個人所得課税の負担率は7%にとどまる。10%以上の欧米を下回り、基幹税としての役割が低下しているのは事実である。
 しかし、累進構造を強めたとしても、負担する高所得層の数は限られるため、国の税収全体から見て、増収分はわずかなものだ。
 所得税と住民税を合わせた個人所得課税の最高税率は、1980年代には88%に達していた。
 「こんなに税金が高いと働く意欲がなくなる」。そんな声に押されて、米国や英国の税制改革に歩調を合わせるように日本でも最高税率が引き下げられた。
 現在は50%だが、それでも米ニューヨーク市の47・6%、フランスの48%などを上回っている。
 むしろ、今考えるべきは、課税最低限の引き下げだ。日本の課税最低限は標準世帯で年収約325万円である。国際水準に比べてかなり高く、それだけ多くの人が税金を納めていないことになる。
 各種の控除を縮小すれば最低限が下がり、より幅広い層に税負担を求めることになるが、国民が広く薄く負担するという税の原点からみてやむを得まい。
 専門家委員会は、累進構造を強化する理由として、税の所得再分配機能が衰え格差の拡大を招いたこともあげている。
 だが、行き過ぎた累進強化は大衆迎合路線そのものだ。所得再分配を考えるなら、年金や医療、介護といった社会保障政策の充実が先決である。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:moblog

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。