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ソーシャルメディアに接近する携帯ゲーム機 <COLUMN>
 早ければ年内にも発売が見込まれる「プレイステーション・ポータブル(PSP)2」をはじめとする新型ゲーム機は、従来の「パッケージ型」から外部に開かれた「オープン型」へと変化を余儀なくされている。その圧力をもたらしているのは「ソーシャルメディア」の急成長だ。
 前回のコラム「発表カウントダウン『PSP2』 勝利のカギはオープン度」では、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の携帯型ゲーム機「PSP」の後継となる「PSP2」の発表の見通しや注目ポイントについて解説した。
 そのPSP2に限らず、今後数年間に登場する携帯ゲーム機やソフトウエアの新機能は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に代表されるソーシャルメディアの機能を、現状のビジネスモデルを壊すことなくいかに取り込むかが成功の鍵になるだろう。その理由は、圧倒的な利用者人数の差にある。ゲーム機とソーシャルメディアは、利用者数でみればケタが違っている。
■ゲーム機を凌駕するソーシャルメディアの数々
 PSPは全世界で4000万台を超え、「ニンテンドーDS」は1億台を超えたと見られている。ところが、ソーシャルメディアは、SNSの米Facebookで3億アカウント、日本のミクシィで1600万アカウント。写真共有サイトの米Flickerは月間で4000万ユニークユーザーがアクセスし、20億枚以上の写真が登録されている。日本の「pixiv(ピクシブ)」は80万人だ。
 動画サイトの「YouTube(ユーチューブ)」は、1日の動画再生回数が数億回に達し、数十万の新しい動画が毎日アップロードされている。とにかくケタが大きい。しかも、これらのサービスは、すべてこの5年以内に登場し、急成長したものだ。
 ソーシャルメディアは、ユーザーのパソコン上に情報をためておくのではなく、サービス提供企業のサーバー内にアップロードし、他のユーザーにも簡単に公開できる。大半のサービスは無料で、それが成長の土台となった。さらに、基本的なデータフォーマットをつくってしまえば、他のサービスとの相互乗り入れが簡単に実現する。これによりサービスの幅を大きく広げている。
 機能の充実に伴い、人と人とをつなぐソーシャルメディアはそのつながりを利用した新しい遊びを生み出している。ソーシャルメディア自体がエンターテインメント性を持つようになったのである。
 Facebookは、一般のユーザーや企業がアプリケーションを自由に開発できる技術情報を公開し、アプリケーションプラットホームとしても成長した。ミクシィは23日の「mixiアプリ カンファレンス 2009」で、同じような仕組みの「mixiアプリ」とゲームの展開を発表したが、それは必然的な流れだったといえる。データサイズがあまり大きくないゲームであれば、サーバー側にデータを置いて、必要に応じてダウンロードする形を取っても十分に成立するからだ。
 敷居の低さと、大半が無料でありながらエンターテインメント性が高い点が、爆発的な普及を引き起こしているソーシャルメディア。その圧倒的な数の前には、大ヒットしても数百万本といった単位にしか到達しないゲームはどうしてもかすんで見えてしまう。ソーシャルメディアがゲーム市場への浸食を本格的に始めようとしているのだ。
■「可処分時間の時代」のエンターテインメント
 ゲーム機がソーシャルメディアの機能を取り込まざるを得ないのは、エンターテインメントが「可処分所得の時代」から「可処分時間の時代」へと変わってきたからでもある。
 1990年代までのブロードバンド普及以前の時代は、自分が望むエンターテインメントを楽しむために必要なコストをどう捻出するかという可処分所得の配分が問題だった。しかし、今は子供でさえ忙しい可処分時間の時代に変わっている。インターネット環境であればいつでもすぐに利用できるソーシャルメディアは隙間時間を消費できるメディアであり、既存のゲームなどのエンターテインメントメディアの相対的価値を劇的に引き下げた。その供給力は圧倒的であり、エンターテインメントの価格下落圧力をいまも強めている。
 「iPhone」の先進性は、前回のコラムでも書いたとおり、これらのソーシャルメディアを取り込むことに積極的であった点だ。携帯サービスとして使いやすいものを取り込む一方、有料でソフトを販売するゲーム機の側面も持つ。サービスとして区分されていたパソコンと携帯電話、ゲーム機の境界線を曖昧にしたデバイスといえる。
 日本と同じ現象が欧米でも起きると仮定すれば、携帯電話向けのSNSは今後数年で急激に定着し、その影響は既存のゲーム機向けパッケージソフトの売り上げにも影響を与えるだろう。
■SNSと連携するオンラインゲーム
 ゲーム会社のなかには、ソーシャルメディアの機能をいち早く取り込みはじめたところもある。特にオンラインゲーム分野でその傾向は顕著だ。
 昨年の「東京ゲームショウ」で、大規模オンライン・ロールプレイング・ゲーム「ロード・オブ・ザ・リングス・オンライン アングマールの影」の開発会社、米turbineのCEO兼社長であるジム・クローリー氏は、「SNSのテクノロジーへの投資が、そのゲームの将来の強さを決めていく」を指摘していた。
 このゲームは、公式ページにそれぞれのユーザーのための独自のSNSをもっている(北米のみ)。しかし、それで完結させるのではなく、Facebookにも公式ページを設け、約1万4000人の登録ユーザーを持つコミュニティーを形成している。
 当然、これらのSNSを利用しているユーザーは高いロイヤリティーを持ち、口コミでゲームの人気を広め、収益に貢献してくれる。つまり、オンラインゲーム単独で完結する時代は終わりつつあり、ゲームとその外部に強いコミュニティーを育て、ビジネスに連結する構造を作っているのだ。
 企業内にSNSを抱えた場合、コミュニティーが荒れるなどの管理リスクが増すという問題がある。Facebookなどのサービスの活用はそのリスクを外部化する意味合いもある。日本では、ミクシィの内部でユーザーコミュニティーと公式サイトのコミュニティーを積極的に連動させるといった動きはあまり出ていないが、今後活発化してくるのではないだろうか。
■ゲーム機で完結する時代の終わり
 ゲームがゲーム機単独で完結する時代は、そろそろ終わろうとしている。インターネット上には、すでにゲーム機があろうがなかろうが、熱心なユーザーが様々なSNSを通じてコミュニティーを形成している。それをあくまでゲーム機の外側に置くのか、それともゲーム機の中に取り込んでいくのかが問われはじめているのだ。
 「プレイステーション3(PS3)」向けの「Home」は、そうしたSNSをゲーム機のなかに組み入れようとするサービスだと考えられる。しかし、何よりもPS3上でしか使用できない点が普及の最大の弱点になっており、現状のままでは苦戦が続くだろう。
 PSP2がFacebookやミクシィに積極的に対応すると仮に発表したとしても、もはや驚くべきことではない。ゲーム機かソーシャルメディアか、どちらか1つの選択ではない。ゲームとソーシャルメディアを連動させながら、多くのユーザーに新しい遊びを生み出すデバイスとなることが求められる時代になろうとしている。



携帯コンテンツ、中国進出を支援 総務省
 総務省はゲームや音楽など携帯電話向けコンテンツ事業の中国進出を支援する体制を整える。中国が日本と同じ第三世代携帯電話(3G)に移行し始めたことをにらみ、国費を使って新たな技術開発や採用に向けた交渉環境を整える。中国の携帯電話市場は契約件数ベースで約6億5000万件。日本の携帯電話市場に頭打ち感が漂うなかで、海外進出で活性化を目指す。
 新事業は「ICT(情報通信技術)先進事業国際展開プロジェクト」の一つ。先に成立した今年度当初予算に盛り込んだ。国内のコンテンツ事業者が連携して海外に進出することを想定し、国費約5000万円を投入。携帯向けの着信音やゲーム、電子コミック、映像配信など日本でなじみのあるコンテンツを中国の携帯向けに改良、採用に向けて官民共同で働きかけを加速する。



上場企業、1-3月期は経常赤字 四半期で初、海外需要急減
 上場企業の業績が一段と落ち込んでいる。2009年3月期決算を日本経済新聞社が1次集計したところ、金融を除く全体で第4四半期(今年1―3月)は連結経常損益が赤字に転落した。四半期の赤字は継続データのある06年4―6月期以降初めて。年明け以降の世界的な需要急減で、業績悪化が自動車・電機から素材に波及。国内で稼ぐ非製造業はわずかに増益だが、世界同時不況が輸出依存の日本企業を直撃した。企業は在庫調整を進めているものの、今期も業績は低迷しそうだ。
 1―3月期の失速で、09年3月期通期は経常利益が前の期比52%減った。売上高も5%減り、IT(情報技術)バブル崩壊後の02年3月期以来、7期ぶりの減収減益となる。



DeNA南場社長「今期、広告は減収に」 2009年3月期決算発表
 ディー・エヌ・エー(DeNA)が1日発表した2009年3月期の連結決算は売上高が前の期比27%増の376億円、営業利益が25%増の158億円だった。主力のSNS「モバゲータウン」の会員数が順調に増え、期末にかけて広告収入も回復した。ただ、2010年3月期の営業利益は前期比1%増の160億円にとどまる見込み。記者会見した南場智子社長は「広告は減収とみている。今期は将来のための『弾込め』の時期」と述べた。
 「モバゲー」の3月末の会員数は1年前に比べ36%増の1344万人、3月の月間ページビューは187億で単月で過去最高だった。「アルバムなどコミュニティーを活性化するサービスの効果が表れた」(南場社長)という。
 南場社長との主な一問一答は以下の通り。
――1-3月期はアバターの売上高が横ばいだったが。
 上半期に減少した後は、下げ止まっている。1ユーザーあたりの単価は下がる傾向で、特に年齢が高い層で目立つ。アバター購入を促すイベントが若年層向け中心だった影響もあるのではないか。
――不況の影響は広告に出ていないのか。
 それほどではない、というのが実感だ。今期は広告代理店との契約を変更し、販路が拡大する一方で、ミニマムギャランティーがなくなった。そのため広告収入は予想しづらくなっている。ただ、足元1カ月の広告販売は順調だ。
――10年3月期は「弾込め」というが、どの分野に期待しているのか。
 他社を見ていてもゲームは収益化するポテンシャルが大きい。前期の後半から強化しているSNSのコミュニティー活性化にも引き続き取り組む。メディアとしての力が高まれば広告収入にもつながる。不況だからこそ、効果の高いモバイルインターネット広告を取れる可能性もある。
――警視庁から書き込みの削除を要請されていると報じられているが。
 大体の削除は自主的なもので警察からの要請はほとんどない。具体的な削除件数については言えない。事件につながるような書き込みはユーザーから通報されることも多い。警察とは連携をとりつつ、協力依頼があれば協力している。サイトのパトロールだけでなく、啓発活動にも積極的に取り組んでいく。
――ミクシィのオープン化戦略をどうみる。
 個人的には面白いと思う。会社としては答えにくい。
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