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“ガラパゴス”で何が悪い? 日本のケータイと若者に見る次の「クールジャパン」(COLUMN1)
 「ガラパゴス」と揶揄(やゆ)される日本の携帯電話だが、高度に発展しているが故に独自の文化を生み出し、若い人たちがその上で独自のセンスとクリエイティビティを発揮している。ケータイとそれを使う若者こそが、次の「クールジャパン」を生み出すのではないだろうか。
“ガラパゴス携帯”が生み出す新しい日本文化
 アニメやゲームだけでなく、音楽やファッションなど多くの分野で日本のポップカルチャーが注目を集めている。
 確かに近年、いわゆるオタク文化やJ-POPなどが海外から注目されるというニュースや報道をよく見かけるようになった。筆者が海外を訪れた際にも、アジアを中心に日本のポップカルチャーが注目を集めている様子を何度か見ることができたし、カルチャー的な側面から日本に憧れる若い外国人が増え、彼らと日本人がインターネットを通じて交流をはかっているというケースも幾度となく聞いたことがある。
 日本独自のポップカルチャーが発展してきたのには、さまざまな国の文化を柔軟に受け入れ、それを独自のスタイルに発展させてきたということもあるだろう。だが、やはり島国である上に独自の言語を持つなど“ガラパゴス”であったからこそ、外的要因に大きく左右されることなく、他国にはないユニークな文化を築くことができたという側面もあるのではないだろうか。
 “ガラパゴス”というキーワードはご存じの通り、大陸から隔絶されたガラパゴス諸島の生態系が独自の進化を遂げたことになぞらえ、島国・日本のIT産業が独自の発展を遂げた結果、逆に世界市場で存在感を発揮できないことを指す。こと携帯電話産業はガラパゴスの典型として取り上げられ、批判の矢面に立たされることが多い。
 だが、高機能な携帯電話でインターネットを使いこなすという、独自で極めて高度な発展を遂げているが故に、そこから多くの文化が生み出されている。そうした側面を多くの人は見落としているのではないだろうか?
「デコメ」も日本独自の文化
 ケータイが生み出した文化の象徴がメールだ。とはいえ、海外でもSMS(ショート・メッセージ・サービス)を使った短文のメールのやり取りはよく利用されており、携帯電話でメールをすること自体が日本独自というわけではない。
 だが、絵文字で文章を飾り立てるような手法は海外ではあまり使われていない。アスキーアートや顔文字のようなものが使われているケースはあるが、メールに絵文字をふんだんに取り入れて感情表現しているのは日本だけであろう。現在では後述する装飾メールの機能を使って数を増やすことができる、いわゆる「デコメ絵文字」が人気となっており、そのバリエーションを大きく広げ、表現力を高めている。
 「デコメール」をはじめとした装飾メールを送り合うというのも、日本独自のものだ。装飾メールのように多くの画像を用いたメールを頻繁にやり取りするには、それなりに高速なインフラと、高い表現力を持つ端末、そして大容量のデータを安価にやり取りできる料金体系が必要となる。こうした条件が整っているからこそ、装飾メールがこれだけの人気を博すようになったといえる。
 特に、装飾メールに用いられる素材の配信サイトを見ると、独自のセンスを感じることができる。装飾メールを多く利用するのは若い女性、中でも女子中高生が積極的に利用しているといわれている。それ故、素材もいわゆる“手描き風”の素材が定番として長く人気を集めるなど、彼女たちのし好やセンスが大いに取り入れられ、独自の発展を遂げている。見たことがないという人は、ぜひ一度キャリア公式のメニューから装飾メール素材コンテンツのいくつかにアクセスしてみてほしい。
コミュニティサイトで若者達が発揮するセンス
 若者のセンスが発揮されているという意味では、SNSやホムペ(ホームページ作成)サービスといったコミュニティサイトの傾向も見逃すことができない。携帯サイトのコミュニティから生まれたものとして、一昨年にブームをもたらした「ケータイ小説」が挙げられるが、それ以外にもさまざまな分野で若者達が携帯電話をフル活用し、独自のセンスとクリエイティビティを発揮しているのだ。
 そうした事例のいくつかを紹介しておこう。携帯SNS大手「モバゲータウン」には、今年の2月から「モバゲーイラスト」というイラスト投稿コーナーが用意されている。そのイラスト傾向を示す「人気のタグ」を見ると、アニメやゲームのキャラクターのイラストを描くいわゆる“二次創作”よりも、「オリジナル」に関するキーワードが上位にくることが多く、PCのイラストサイトとは異なる傾向を感じさせている。さらに、自分や他人のアバターをイラストにして表現する「アバイラ」など、独自のイラスト文化を生み出すにも至っている。
 またホムペサービスの1つ「フォレストページ」には、自作の小説の中に自分の名前を入れ、ストーリーの中に自身を登場させることができる「ドリーム機能」が用意されている。この「夢小説」「ドリーム小説」と呼ばれる分野自体はPCサイトなどでも古くから存在しているものだが、サービス側がその機能を独自に用意してセールスポイントとしてしまうくらい、携帯サイトの中では人気を博し、発展しているのだ。
 同じくホムペサービスの「魔法のiらんど」などでは、若手のアマチュアミュージシャンやお笑い芸人などが、携帯ホムペを「公式サイト」として、芸能活動に利用するケースが多く見られる。こうした傾向は最近発生したものではなく、2000年代前半ごろから既に定着していたようで、ローカル局のインディーズ関連番組を見たり、サイマルラジオで全国のコミュニティFMの放送を聴いていたりすると、 ほかにもかつての「ギャル文字」「デコ電」から、「歌詞画」「パネェ画」「プリ画」などの待ち受け画像、「糸通し」「チャリ走」などのカジュアルゲーム、「池様」「写メコン」「盛り写メ」などに代表される顔写真の演出、さらにいうなら「プロフ」「リアル」といったコミュニティスタイルに至るまで、携帯電話から若者達が生み(見つけ)出し、独自のセンスを発揮して発展してきたものは、新旧合わせ非常に多く存在するのである。
 少々付け加えておくと、先の「モバゲーイラスト」においては、ノートにペンや鉛筆で描いたイラストを、携帯電話のカメラをスキャナー代わりにして取り込んだものが多くを占めていたりする。また、同じくモバゲータウンの声優志望者が集まるサークルなどでは、携帯電話をボイスレコーダー代わりにして声を録音し、それを公開して批評し合うということもなされている。携帯電話に対する彼らの発想とその使いこなしぶりには、ただただ驚かされるばかりである。
ケータイの中にある“可能性”にもっと目を向けるべき
 しかし、こうしたケータイ独自の文化は、携帯サイトの利用者が若年層中心ということもあってそれ以外の層に広まることは少なく、携帯サイト内で完結してしまうことがほとんどだ。それを象徴している出来事として、ケータイ小説がヒットするまでの経緯が挙げられるだろう。
 ケータイ小説が注目されるきっかけとなった作品である「天使がくれたもの」が書籍化されたのは、携帯サイトで公開されていたその作品の読者が、出版社に作品の良さをしきりに訴えたのがきっかけだったといわれている。つまり“ケータイの中”にいる読者が、“ケータイの外”に対して訴えかけをしなければ、今でもケータイ小説は、携帯サイト利用者しか知ることのない存在だったかもしれないのだ。
 そのケータイ小説の流行が多くの異論・反論を集めたように、携帯サイトの文化は若者独自の色が濃いが故、大人の側が理解・評価するのが難しい部分もある。だが、彼らがケータイで発揮している発想とセンスは、これまでにない独自のものであり、新しい日本のポップカルチャーの礎(いしずえ)となる要素が多く詰まっているのではないかと筆者は感じている。
 ケータイの中には、今の若者の“すべて”が詰まっている。悪い面ばかりが取り沙汰される若者のケータイ利用だが、若者がケータイに集うことでそのセンスを発揮し、独自の文化を築いてクリエイティビティを発揮するという側面も見逃してはならない。先人たちはそのポテンシャルを引き出し、次の「クールジャパン」を生み出すためにも、もっとケータイの中に目を向け、若者とケータイがもたらしている文化を評価していく必要があるのではないかと思うのだ。



AmazonのTOP10に7曲ランクイン アニメ『けいおん!』の異常人気(COLUMN2)
 今年4月からTBS系で放送されているテレビアニメ『けいおん!』が社会現象を引き起こしている。ネット通販最大手「Amazon」音楽ジャンルのベストセラーランキング上位10商品のうち7つを『けいおん!』関連のCDが独占しているのだ(5月9日16時現在)。
 9日現在、「Amazon」で取り扱うすべての音楽CDのなかで、予約を含め、もっとも売れている商品が『けいおん!』劇中歌の『ふわふわ時間』(5月22日発売予定)となっており、2位、3位には同アニメのED曲『Don't say"lazy"』とOP曲『CagayakeGIRLS』(ともに4月22日発売)。さらに5位、6位、8位、9位に、登場人物一人ひとりがソロアーティストとして発売するキャラクターシングル(6月以降発売予定)が顔を揃えているのだ。
 アニメ『けいおん!』は、廃部の危機にある高校の軽音楽部に入部した4人の女子高生が学園祭でのライブを目指して奮闘するストーリー。原作は月刊誌「まんがタイムきらら」(芳文社)で2007年5月号から連載されている4コママンガで、4月2日の第1回放送(関東地区)直後からネット上で大きな反響を呼んでいた。
 「『けいおん!』を制作しているのは、人気アニメ『らき☆すた』や『涼宮ハルヒの憂鬱』と同じ"京アニ"こと京都アニメーション。女子高生の日常を瑞々しく描く本作は"京アニ"のもっとも得意とする作風です。さらに、『けいおん!』では登場人物たちが使用する楽器や、演奏シーンなどディティールへのこだわりが半端じゃない。このあたりも、『けいおん!』が多くの視聴者に支持されている要因でしょうね。アニメとはいえ、やはり視聴者は"本物"を求めているんだと思いますよ」(アニメライター)
 ちなみに、この日Amazonの"『けいおん!』現象"に割って入った4位と7位の商品は、男性アイドルグループV6が6月17日に発売を予定しているシングル『スピリット』のジャケット違い2作品だった。
 アニメとジャニーズ、ランキングを独占したのは、ともにディープなファンを抱えるジャンルである。空前のCD不況といわれるなか、市場は「商品をより多くの人に売る」時代から「ひとりの人により多くの商品を売る」時代へと変わりつつあるのかもしれない。
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