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女性向けゲーム「ネオロマ」 ニッチならではの強み(COLUMN) 
 9月1~3日に横浜で開催されたゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC2009」で、女性にターゲットを絞って確実に成果を上げているゲームを取り上げた講演があった。コーエーの「ネオロマンス」シリーズである。今回は、このシリーズを通じて、日本ローカルのニッチ市場が持つ強みを考えよう。
■女性ゲーマー独特の消費行動
 女性向けのビデオゲームは、多くの企業が潜在的な市場性に着目しながらも、なかなか成功できずにいる。ゲームの消費スタイルが男性ゲーマーとは違い、独特な傾向があるためだ。
 コアな男性ゲーマーの場合、新作ゲームが発表されると意欲的に情報を収集し、次々に新しいゲームを消費する。ところが、女性ゲーマーの場合は、お気に入りのゲームを1つ見つけると、それを遊び続けて何回でもゼロからやり直す。シリーズの続編が発売されても、必ずしも関心を示すわけではない。自分の気に入った旧作を何度でも遊ぶ。
 それは女性ゲーマーがゲームに登場するキャラクターたちに強い思い入れを抱き、特定の世界を共有する楽しさを求めているからだ。続編に新しい要素が追加され、ゲームの世界が変化することを彼女たちは必要としていない。そのため、ゲーム会社の商品戦略も男性向けゲームとは大きく異なってくる。
■3シリーズを展開するコーエー
 女性向けゲームで成功した日本企業として必ず名前が挙がるのがコーエーだ。1994年に「スーパーファミコン」用に発売した女性向け恋愛シミュレーションゲーム「アンジェリーク」は、その後もプラットフォームを変えながら徐々にユーザーを広げ、現在は定番的なソフトになっている。プレーヤーは主人公の女性として様々な美少年との恋愛関係で迷いつつ、ゲームで設定されたゴールを目指して遊んでいく。
 コーエーは、女性向けの商品ラインアップを3つに広げて柱となるシリーズとして育てている。アンジェリークシリーズのほか、平安時代をテーマに切ない恋愛が展開される「遙かなる時空の中で」、学園を舞台にクラッシックの演奏家の現代的な目線で恋愛が展開される「金色のコルダ」。この3シリーズは、「ネオロマンスシリーズ(ネオロマ)」と呼ばれ、メディアミックスでゲーム以外の市場にも展開されている。
■ゲームの販売本数は多くないが・・・
 ネオロマで興味深いのは、コーエーの代表的ブランドであるアクションゲーム「三國無双」シリーズなどと比べ、販売本数がさほど多くない点だ。少なくとも決算報告書などで具体的な販売実績が謳われるほどではない。一応シリーズだが続編が次々と出るわけでもなく、旧作の焼き直し的な内容も多い。ファンも、それを買い続けているわけではないようだ。
 ところが、関連グッズなどを扱うメディア・ライツ事業に目を向けると存在感が変わってくる。コーエーの09年3月期決算によると、同事業は売上高31億円、営業利益6億円で、ネオロマがその中核だ。3シリーズのなかでも、03年から展開を始めてじわじわと人気を広げてきた「金色のコルダ」シリーズが稼ぎ頭になっており、昨年はテレビアニメとして放送され、熱狂的な女性ファンを生み出した。
 特に人気なのが、ゲームに登場する声優を中心にしたコンサート的イベントで、5000人収容の横浜パシフィコが常に満員御礼となる。チケットを売り出すと即日完売で、08年度は全国50回カ所以上で13万人を動員している。
■熱烈なファンが「全曲ミサ」
 女性ユーザーは気に入ったタイトルの世界観を楽しむためにはエネルギーを注ぐ。コーエーは、ゲームの声優陣がキャラクターソングなどを歌う音楽CDも出しているが、その数は90タイトルを超え、毎月1回程度は新作がリリースされるペースだ。シリーズ全体のキャラクター数は70人にも達し、すべての曲を合わせると300曲以上、10時間を超える。
 ネオロマファンの熱意を示した興味深い活動がある。カラオケチェーンには、埋もれた人気曲を発掘するため来店客のリクエスト投票を受け付けるところがある。ネオロマの音楽CDは一般にはマイナーな曲ばかりでカラオケにも入っていなかったが、ネオロマファンたちがある時期、ネット上でコミュニティーに呼びかけてネオロマ全曲を登録させる運動を始めた。
 投票のためだけに会社帰りに毎日カラオケボックスに行くという熱心なファンもいたようだ。それが全国規模の組織票となり、ネオロマ全曲が見事に登録されたという。イベントなどの際は、ファンが集まって全曲を一晩中マラソンのように歌い続ける。それは「全曲ミサ」と呼ばれたりしている。
■入社2年目で「遙かなる時間の中で」を担当
 女性向けゲームはこうしたユーザーが人気を支えるわけだが、その土台を作り上げるためのゲーム開発の苦労は当然ある。それができなければ、コンテンツとして長持ちしない。
 CEDECで講演したコーエーの塚口綾子氏は、巡り合わせでその担当になったという。現在はモバイルゲームを開発しているが、ネオロマシリーズのメーン企画を手がけた経験を持つ。
 塚口氏は、明治大学で数学を学び大学院まで進んで教職資格も取得していたが、数学という分野をより多くの人に知ってもらいたいという、本人によれば「短絡的な発想」で、97年にコーエーに入社した。当時、コーエーは教育ソフトの開発に力を入れており、そうしたソフトに関わりたいと思っていたという。
 ところが、コーエーはアンジェリークシリーズの成功で、ちょうど女性向けゲームの専門部署を本格的に立ち上げたばかりだった。塚口氏はその部署に配属され、入社わずか2年目で「遙かなる時間の中で」のプロジェクトを任されることになった。
 右も左もわからず、ノウハウもゼロから蓄積するような状況だったが、一緒に働いた女性上司と目標だけははっきり掲げた。それは、ゲームショップに「女性向けの棚」をつくるということ。当時、女性向けゲームは存在が薄く、ゲームショップでは同社の「信長の野望」といった歴史ゲームの横に、女性向けのピンク色のパッケージが並ぶような状態だった。
■ゲームのすべては恋愛ために
 ネオロマシリーズは、様々な男性キャラクターと「恋愛する体験」が最大の売りであり、ゲーム自体のシステムもどのような恋愛をユーザーに体験させるかが最も重要になる。そのため、他のジャンルより設定やシナリオの比重が大きく、ゲームのデザインはシナリオ担当者を中心に進むことになる。
 特に、男性キャラクターについては練りに練っていく。キャラクターを特徴づける性格を設定していきながら、そのキャラクターがどのように主人公と関係性を持つかを決める。同時に、性格的な特徴が他のキャラクターと被らないように徹底して比較する。チャートにまとめて、少しでも性格が被るような部分があれば、それは取り除いて別の要素に置き換えていく。
 「金色のコルダ」の主な男性キャラクターは9人だが、キャラクター設定だけで紙の資料が1人50枚にもなるのが普通という。
 また、恋愛ゲームは、ゲーム内の世界が「すべては恋愛のため」に存在するという特徴があり、世界観も主人公が恋愛を楽しめるように構成していく。ゲームのシステムありきではなく、その逆なのだ。
 それぞれのキャラクターには「過去」の背景があり、主人公に出会った時の「現在」の心境が、主人公との恋愛を通じてどう変化していくかという「未来」を描く。そのメーンのプロットに併せて様々なイベントを作り込んでいく。
■大型店に女性向け向けゲームの棚
 塚口氏は、ゲーム開発は女性にとっては決して楽な仕事ではないという。ネオロマを担当した企画の責任者は、プロジェクトが終わると必ず退職するというジンクスまであるそうだ。塚口氏の上司が初めてそのジンクスを破り、そして、塚口氏が2人目という。
 ただ、女性向けゲームの開発を目指す企画者も少しずつ増え始めている。もともとネオロマシリーズのファンだった人も少なくないようで、採用面接のときに突然、「愛しています」と言われて、返答に困ったりしたこともあったそうだ。
 そして、ゲームショップに女性向けゲームの棚をつくるという塚口氏らの目標も、現在は一部の大型店舗で実現するまでになった。日本の女性だけを対象に作られたニッチゲームだが、今の市場環境ではニッチは逆に強みになる。グローバル化というゲーム業界の潮流とは別のところにあるが、ファンはネオロマを今後も愛し続け、市場は残り続けるだろう。



日用品や食品、新興国で稼ぐ 仏ダノンなど、成長市場シフト
 【パリ=古谷茂久】欧米の日用品・食品大手がアジアや中南米など新興国市場での販売強化や投資拡大を進めている。仏ダノンは中南米などでミネラルウオーター事業を拡充し、同事業の売上高に占める新興国のシェアが50%を突破。米コカ・コーラは今後3年間にベトナムに2億ドル(約180億円)を投資する計画だ。地盤の欧米市場の成熟化が進むなか、高成長が見込める新興国の開拓を狙う。出遅れていた日本企業も花王などが新興国への進出を始めた。
 乳製品などを扱う食品大手のダノンは、先進国では飽和状態にあるミネラルウオーター事業をメキシコやアルゼンチン、インドネシアで強化しており、同事業は新興国が売上高全体の52%を占めた。「ラックス」ブランドのシャンプーなどを扱う英蘭ユニリーバでもアジア・アフリカが販売のけん引役。新興国の売上高は全体の37%に膨らんでいる。重点投資先である中国では今月、上海に研究開発センターを正式開業。ロシアでは大規模なアイスクリーム工場の建設を始めた。



中国製タイヤ輸入制限 米、関税を3年間上乗せへ
 【ワシントン=大隅隆】オバマ米大統領は11日、米国市場で急増する中国製タイヤに特別セーフガード(緊急輸入制限)として上乗せ関税を3年間かけると発表した。上乗せ幅は最大35%となる。米国内の雇用保護を優先させた結果といえるが、中国は事実に基づいておらず法的根拠もないと反発している。世界的に保護主義の懸念が強まるなか、米中間の通商摩擦が一段と激しくなっている。
 対象となるのは乗用車や軽トラックなどに使う中国製タイヤ。現行の関税率4%に、1年目は35%、2年目は30%、3年目は25%をそれぞれ加える。オバマ政権にとっては初めてのセーフガードであり、月内に発動する見通し。6月末に米国際貿易委員会(ITC)が大統領に勧告した関税率(55~35%)よりは圧縮された。
 オバマ大統領は「ITC調査のあらゆる側面を検討した結果、追加関税の実施が最も適切な行動と判断した」との公式声明を発表。米通商代表部(USTR)に追加関税の準備を指示した。



ネット画面乗っ取り増殖 広告ページ勝手に次々表示
 インターネットのブラウザー(閲覧ソフト)を乗っ取る「ブラウザ・ハイジャッカー」と呼ばれるウイルスの被害が再び目立ち始めている。まだ月に数件程度の報告だが、広告ページがパソコンに次々と表示されるだけでなく、パスワードを盗まれる恐れもあるといい被害は小さくない。セキュリティー相談を行っている情報処理推進機構(IPA、東京・文京)は注意を呼びかけている。
 「広告ウインドーが次々と開くようになってしまった」。IPAに寄せられたある相談のケースでは、アニメを見るために検索サイト上位に表示されたあるウェブサイトに接続。動画を再生しようとしたところ、セキュリティーの警告が表示され、無視をしてダウンロードを続けたらウイルスに感染した。
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