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「東京ゲームショウ」からは見えない、ケータイゲームの新潮流(COLUMN)
 今年も開催された「東京ゲームショウ2009」。NTTドコモがブースを構えるなどケータイゲームもいくつか展示がなされていたが、ケータイゲームの真の姿はゲームショウからは見ることはできない。そこでケータイゲームの最近の流れについて解説しておこう。
ゲームショウの光景とは異なるケータイゲームの人気
 今年も9月24~27日にかけて、「東京ゲームショウ2009」が開催された。ブースの数は昨年と比べ減少したものの、熱心なゲームファンを中心に多くの人が会場を訪れ、例年通りの熱気に包まれていた。
 筆者もケータイゲームを中心に毎年ゲームショウを取材しているが、今年は昨年まで出展していたKDDIも出展を控え、キャリア関連の出展がNTTドコモのみであった。それゆえ残念ながら、昨年よりも会場でケータイゲームを見かける機会は減少していた。
 だがそうした要因とは別に、毎年感じていることが1つある。ゲームショウで注目されるケータイゲームと、実際にケータイの世界で人気を集めているゲームとの間にはかなりギャップがあり、展示を見ただけでは実態をつかみにくいということだ。ゲームショウに集まるのは既存のゲームが好きな人が多いだけに、ケータイゲームも彼らの注目を集める本格的なゲームを多く展示する傾向がある。だが実際のケータイの世界では、そうしたゲームを楽しんでいるユーザーが多いわけではない。
 以前からケータイの世界では、ミニゲームやパズル、ボードゲームなど、ライトなゲームが人気を集める傾向があった。とはいえゲームショウでそうしたゲームを中心に展示しても、来場者から注目を集めるのは難しいだろう。それが実態と大きなギャップを感じさせる要因となっており、潮流をつかみにくくしているといえる。
人気のケータイゲームは“釣り”に“乙女”?
 では現在、ケータイゲームの世界はどうなっているのだろうか? 近年ではモバゲータウンなどのゲーム&SNSというスタイルが人気を博したことが記憶に新しいが、ケータイゲームの世界も流れが速い。最近では新たな動きも見られるようになっている。
 1つは“ソーシャルゲーム”の台頭である。SNS大手の一角であるグリーの台頭、と言った方が分かりやすいだろうか。グリーは積極的な宣伝攻勢の効果もあって、今年9月には会員数1500万を達成。ケータイSNS最大手のモバゲータウンに並ぶ規模に急成長している。
 その躍進を支えているのが、釣りゲームの「釣り★スタ」やペットゲームの「グリノッペ」などゲームとコミュニティをより密接に連動させたソーシャルゲームである。例えば、「釣り★スタ」の場合の場合、釣った魚を日記で自慢したり、友達と釣りの成果を競ったりできるし、「グリノッペ」の場合、自分のペットの成長をSNSの日記に記したり、友達のペットと交流させたりすることができる。ゲーム単体で遊ぶのではなく、コミュニティと結びつけることで競争や協調などを生み出し、継続して楽しめる点が好評を得ているのだ。
 もう1つは、ケータイで楽しめる女性向け恋愛ゲーム、いわゆる“乙女ゲーム”の急増である。ここ2年ほどでケータイ乙女ゲームは高い人気を集めるようになっており、コンテンツ数も劇的に増加している。事実、この記事を執筆している最中に筆者が確認したところ、iモードの“ゲーム”ジャンルの1つに“恋愛ゲーム”というカテゴリが存在しており、その上位トップ10を乙女ゲームが占めていた。「ラブプラス」などの男性向け恋愛ゲームが人気を博している家庭用ゲーム機の現状からすると、乙女ゲームが男性向け恋愛ゲームを圧倒しているケータイの現状は特異に映るかもしれない。
 ほかにもオンラインRPGを中心に基本料無料でアイテム課金を主軸としたゲームが急増するなど、いくつかの変化を見ることができる。ケータイの世界では、既存のゲーム機と大きく異なるジャンルや要素が人気を博し、急成長するケースが多く見られるのだ。
ゲーム機とは大きく異なるユーザー層を獲得
 ケータイゲームがなぜ既存のゲーム機と傾向が大きく異なるのかというと、やはり携帯電話はゲームが楽しめる機器でありながら、既存のコンシューマーゲーム機のゲームに積極的なユーザーとは異なる層を獲得しているからということが大きい。
 9月1日に開催されたゲーム開発者向けイベント「CEDEC 2009」において、グリー代表取締役社長である田中良和氏が講演するセッションがあった。その中で田中氏は、幅広い年齢・性別に受け入れられ、シンプルに楽しめるようようなゲームデザインを心がけているとし、より多くのユーザーに使ってもらうため、ゲームを有料だけでなく、無料でも楽しめるようにしていると話していた。特定のターゲットやファンに絞るのではなく、全ての世代を対象とした普遍性が、ユーザーの偏りを生むことなく、全国くまなく、かつ若年層に偏らない幅広い会員獲得に繋がっているというのだ。
 乙女ゲームでも同じことが言える。こちらは対象が女性と絞られているが、その広告展開を見ているとゲーム誌などではなく、ゲームとは縁の薄い女性向けファッション誌が対象となっていることが多い。またゲームの内容も、最近では“歴史モノ”など、ややゲーム好きな女性を意識したものが増えてきているが、基本的にファンタジー要素は薄く、“修学旅行”“渋谷”“部活”など現実的なテーマを題材にしたものが多くを占めている。
 もう1つ象徴的な事象として、先のCEDECで開催されていた、スパイシーソフトのセッションを挙げておこう。スパイシーソフトとは、主にアマチュアクリエイターが開発したゲームを配信するポータルサイト「アプリ★ゲット」などを展開している企業だが、現在ここから年収1000万円をかせぐクリエイターが何人か輩出されているという。しかもそのクリエイターが開発したゲームは、ワンキーで操作できる非常にシンプルな内容のものが多く、しかも女子中高生向けファッション誌など、ケータイ・ネイティブ層に向けたメディアを中心に頻繁に取り上げられているというのだ。
調査によって市場規模が10倍も違う?
 ケータイゲームは既存のゲーム機と人気コンテンツの傾向も大きく異なるがゆえ、それを手がける企業もかなり異なっている。ケータイゲームを専門に手がける大手のジー・モードなどはその代表例といえるだろうし、先の例でいえばグリーや、モバゲータウンを展開するDeNAもそもそもゲーム会社ではない。また乙女ゲームもボルテージやザッパラスなど、携帯コンテンツを手がける企業が仕掛けたものだ。
 だがそうした状況ゆえ、既存のゲーム会社との交流機会も薄く、ケータイゲームの存在や動向自体が認知されにくい傾向があるのも事実だ。それを象徴する面白い調査結果を見つけたので、紹介しておこう。
 携帯コンテンツの団体であるモバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)発表資料によると、公式サイトで展開している「モバイルゲーム市場」は、2008年で869億円となっている。また、ゲームを提供するSNSサイトなどが展開している「アバター/アイテム販売(SNS等)」を見ると、2008年で157億円となっている。これを単純に合計すると1026億円となり、ケータイゲームの市場はおよそ1000億円と見ることができる。
 しかし一方で、コンシューマーゲーム機の団体であるコンピュータエンターテインメント協会(CESA)が発刊した「2009CESAゲーム白書」によると、2008年の有料携帯電話ゲームコンテンツ市場規模は131億円と推測されている。MCFが発表している数字と比べ10倍、アバター/アイテム販売の額を差し引いても8倍近い開きがあるのだ。
 これだけ大きな違いが生じるのは、それぞれの調査方法の違いが影響しているようだ。両者に確認をとったところ、MCFはキャリアや関連企業などへのヒアリングと、一般的に出回っているデータなどを元に算出しているとのことであった。一方CESAは、ゲーム関連企業からのデータと、ユーザーなどの利用実態などから算出した参考数字であるという。しかしそれぞれの資料を参照する企業は異なってくるため、認識に大きな違いが生まれる可能性は考えられるだろう。
 CEDECの各種講演や、東京ゲームショウにおける動向を見ていると、コンシューマーゲーム機の開発者やユーザーと、ケータイゲームのそれとは依然として大きく乖離していると感じた。コンシューマーゲームの開発者は、ケータイゲームというとiPhoneに熱い視線を注ぐ傾向が強いようだが、それ以前にまだ開拓しきっていない層や市場があるという事実に目を向けてほしいと感じている。
“プリクラ”ってどうなってるの?
 最後にやや余談となるが、ケータイゲーム同様普段なかなか見えにくいが、ケータイ文化と密接な繋がりがあるプリントシール機、いわゆる“プリクラ”についても触れておこう。9月17日から開催されていた「第47回アミューズメントマシンショー」にてプリクラを手がけている企業がいくつか展示していたので、話を聞いてみた。
 筆者は男性である上に、それほど若くないということもあり、残念ながらプリクラ事情について決して明るくはない。それゆえ驚いたのだが、プリクラ市場において大手のアミューズメント機器メーカーの存在感は薄く(プリクラの“元祖”であるアトラスも今年2月に撤退している)、フリューやメイクソフトウェアなど、プリクラを中心に手がける企業が高いシェアを占めているというのだ。しかも東京だけでなく大阪の企業も多いようで、ケータイゲーム同様かなり独自性の強い市場を形成しているといえる。
 プリクラはターゲットとなるのが若い女性であるがゆえ、目を大きく見せる、美白にする、髪にツヤを出すなど、美しく見せる加工を施すのが一般的となっているという。その効果も“抑えめ”“派手め”といったように、メーカーによって個性があるのだそうだ。さらに写真のフレームや、写真の上に押すスタンプなどを見ても、そのセンスはデコメールなど携帯コンテンツの世界に近いものを感じさせる。
 また現在ではシールだけでなく、撮影した写真を携帯電話に送信する仕組みが必須となっており、写真を赤外線やメールで交換したり、ブログに載せたりして活用するケースが多いのだという。機器によっては専用の携帯コンテンツを用意しているケースもあるようで、有料会員登録することでより多くの写真をダウンロードできるようになるなど、コンテンツに誘導して収益を上げるというビジネスも形成されつつあるようだ。
 とはいえ、カメラの性能や加工技術など、技術面は各社ともある程度のレベルに達しており、差別化は難しくなってきているという。それゆえ、人気のあるモデルをキャラクターとして起用したり、“つけまつげ”をおまけに付けたりするなど、ソフト面での差別化が中心となりつつあるようだ。



「給付付き税額控除」検討 首相指示、新政府税調に
 鳩山由紀夫首相は8日発足する新政府税制調査会に出席し、所得税の減税と給付金を組み合わせた「給付付き税額控除」の検討を諮問する。納税者の所得を把握する「納税者番号制度」と一体で将来的な導入を目指す。揮発油税の暫定税率廃止や租税特別措置の見直しなどは2010年度から実施したい考え。10年度の税制改正案は12月中旬にまとめる。民主党が掲げたマニフェスト(政権公約)の具体化が税制面でも動き出す。
 首相官邸で開く初会合では「納税者の視点」に立ち、「公平・透明・納得」の原則を重視する方針を確認。鳩山首相の諮問を受け、短期と中長期の税制論議を始める。(1)法人税関係の租税特別措置の見直し(2)揮発油税の暫定税率の廃止(3)中小企業に適用する法人税の軽減税率引き下げ(18%から11%に)――については、10年度税制改正で実施する方針だ。
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