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外資主導の電子化 大手「中抜き」恐れ連携
 出版業界が電子化の波に揺れている。来月には米アップルが新端末「iPad」を日本で発売し、米アマゾン・ドット・コムも電子書籍端末「キンドル」の日本語版投入を検討中。端末の進化が書籍の電子化を加速させ、出版社は事業モデルの再考を迫られる。不況にあえぐ業界は本格的な電子時代を生き抜けるか。
有力作品囲う
 「御社のコンテンツを提供してほしい」。今月上旬、米アマゾンの販売担当の上級副社長が来日し、複数の大手出版社のトップを訪ねた。狙いはキンドルで配信する書籍の確保。アマゾンは1月末にも出版社を対象にキンドルの説明会を開いている。出版社に働き掛け、有力な作品を早期に囲い込む戦略という。
 その一方で同社は1月、作家に販売価格の最大7割の報酬を支払う新たな契約モデルを米国で発表。アマゾンジャパンは「日本では出版社を通り越して作家と直接取引しない」(渡部一文メディア事業部門長)とするが、日本で出版社が作家に支払う印税は販売価格の8~10%。大手出版幹部は「日本で導入されれば有力作家が流れる」と不安を募らせる。
 外資主導で進む書籍の電子化。出版社が恐れているのが作家と配信会社が直接契約する「中抜き」だ。現在の法律にこれを防ぐ手立てはない。レコード会社や放送局は「著作隣接権」と呼ぶ権利を持ち、ネット配信などを拒否したり、対価を請求したりできる。出版社にそうした権利はなく、交渉で決めるしかない。
 「日本の出版事情に合う電子書籍市場を構築したい」。24日、日本電子書籍出版社協会が発足し、代表理事に就任した講談社の野間省伸副社長は力を込めた。設立総会には主要出版社31社の代表らが集結。他社との連携に消極的だった大手が重い腰を上げたのも中抜きへの危機感からだ。
 17日には総務省、文部科学省、経済産業省で電子書籍の統一規格を定める懇談会も発足。「日本主導で国内のルールづくりを進める」(内藤正光総務副大臣)という。
 だが事態はすでに進行している。電子書籍の8割を占める携帯コミック。デジタルマンガ協会(東京・豊島)の立野康一事務局長によると「出版社を通さず配信される作品が昨年ごろから急増した」。古い作品だけでなく、里中満智子氏などはネット用の書き下ろし作品も手掛ける。
 「コブラ」で知られる寺沢武一氏もフランスやアジアなど国内外で作品を配信。同氏の著作権管理会社エイガアルライツ(東京・世田谷)の古瀬学氏は「キンドルやiPadで直接販売できるのは大きな進歩」と話す。
契約は配信前提
 小説や実用書も実力のある作家ほど直接配信に傾く可能性は高い。こうしたなか一部の中小出版社は電子化で事業機会を広げようと動き出した。
 PHP研究所(東京・千代田)は25日、4月7日発売の本の一部をウェブで無料公開し本の販売に生かす。主婦の友社(同)は4月から作家との執筆契約時に電子配信を前提とした条項を追加。「書籍やムックの半分以上をiPadなどで配信する」(同社)という。
 09年11月期に57億円の最終赤字だった講談社をはじめ、不況でどの出版社も業績は厳しい。電子書籍への対応は各社の経営の行方を大きく左右する。いや応なく進む変化をどう生かすか。出版社の体力が落ちれば、作家を発掘して育てる機能まで損なわれてしまう。



TBS・テレ朝など5社 GyaOに3~7%出資
 東京放送(TBS)ホールディングスなど民放キー局3社と電通など広告大手2社は今春をメドに、ヤフー子会社でインターネット動画配信のGyaO(東京・港)にそれぞれ3~7%出資する。民放各社は動画配信用の番組を提供し、広告2社はネット広告事業を強化する。テレビ広告の収入が落ち込むなか、各社はGyaOとの連携を通じ、新たな収益の柱に育成する。
 民放はTBSとテレビ朝日が7%ずつ、テレビ東京が4%を出資する。すでにGyaOには日本テレビ放送網とフジテレビジョンが7%ずつ出資しており、在京民放キー局5社がそろって資本参加することになる。広告大手は電通が7%、博報堂DYメディアパートナーズが3%を出資。各社ともヤフーからGyaO株を取得する。取得額は各社合計で7億円弱とみられる。ヤフーのGyaOへの出資比率は79%から51%に低下する。
 動画は過去に放送したドラマやアニメなどのテレビ番組を無料・有料でGyaOのサイトに提供。新作ドラマなどを1話だけ放送前に一部利用者にGyaOで公開するといった手法も視野に入れる。広告は従来より大型で利用者の印象に残りやすいものなどを投入し、広告収入を拡大する。広告や番組課金の収入は民放などとGyaOが分け合う。
 ネット視聴率調査のネットレイティングス(東京・渋谷)によると、動画配信の主要9サイトの月間利用者数は2月時点で延べ約5687万人(重複含む)と前年同月比20%増えた。GyaOの月間利用者数は2月時点で1040万人超とユーチューブに次ぐ規模で、2009年12月に単月黒字を達成した。
 GyaOの親会社で国内最大のポータル(玄関)サイトを持つヤフーは、トップページからGyaOの動画サイトへ利用者を誘導することで今後の事業連携を支援する。GyaOと民放各社などは動画配信する番組を充実させれば、さらに収益を拡大できるとみて資本提携に踏み切ることにした。



<SIMロック>日本の携帯“脱孤立”を 総務省が解除検討
 総務省は、携帯電話端末が特定の通信会社の回線しか使えないようにする「SIM(シム)ロック」の将来的な解除の検討を始める。米アップルが4月に発売する新型端末「iPad(アイパッド)」など、複数の通信会社のカードを差し替えて利用できる製品の登場に対応するため。日本の携帯だけが世界で孤立した「ガラパゴス状態」のあだ名を返上し、国際競争力強化を図るのが狙い。
 来月2日に通信会社や携帯メーカーからヒアリングを実施し、今後の課題を整理する。
 携帯端末は電話番号の情報などが記録されたSIMカードを差し込んで使う。海外ではカードを差し替えるだけで、複数の通信会社の携帯端末が使える。総務省は07年にもシムロック解除を検討したが、「iモード」などネット閲覧ソフトが通信会社で異なっており、他社のカードに差し替えるとネットが閲覧できなくなるため、結論が先送りされていた。
 しかし、米アップルの「アイフォーン」など基本ソフト(OS)が世界共通のスマートフォン(多機能携帯電話)の普及で通信会社の垣根を越えて使えるようになってきている。NTTドコモもアイパッド用カードの販売に前向きで、シムロック見直しの機運は高まりつつある。
 ただ通信業界には慎重な声が強い。



(グローバル)サムスン、李会長が復帰 中国勢台頭に危機感「主力事業ほぼ奪われる」
 韓国・サムスン電子の李健熙(イ・ゴンヒ)前会長(68)が24日、会長職に復帰し、再び経営の陣頭に立った。社員に向けた第一声は「今後10年以内にサムスンを代表する製品は大部分が無くなる」。世界シェア首位のメモリーや液晶パネルでも中国などの追撃を受けるとの危機感を強める一方、成長の原動力となる新事業育成に全力を傾ける意思表示でもある。背中を追う日本の電機大手にとっても強烈なメッセージとなりそうだ。
 不正資金事件の責任をとり2008年4月に辞任した李氏は24日、グループ社長団会議の要請を受ける形で会長職に復帰した。直後にミニブログのツイッターを通じ「今が本当の危機だ。改めてスタートしなければならない」と社員に訴えた。
 サムスン電子は09年に連結の営業利益率が8%と日本の電機大手と比べ圧倒的な収益を達成。半導体だけでなくかつては不安定だった薄型テレビも利益率が上昇し、事業部門のバランスが良くなった。
 ただ既に薄型テレビでは大市場である中国でTCL集団や創維集団(スカイワース)など現地企業が伸長。液晶パネルも中国メーカーが先端品の生産を目指し技術導入を急いでいる。サムスン内部では「半導体も含め、いずれ中国に負ける」(グループ幹部)との危機感が強まっている。
 李氏はツイッターで「サムスンもいつどうなるか分からない。ためらう時間はない。前だけを見ていこう」と指摘した。李氏は足元の価格が高止まりしている半導体メモリーや液晶パネルで効果を最大限に引き出す大型投資の時機を探る方針。いずれもこの2年間「司令塔不在」が指摘され、思い切った投資判断が見られなかった。
 世界シェア首位と2位の現在の看板品目をできる限り維持しながら、成長事業は2段階に分けて育成する方針。まず白物家電やパソコン、プリンターなど世界市場で実績がある事業での首位奪取を目指す。4月にはデジタルカメラを手掛けるサムスンデジタルイメージングを吸収合併。薄型テレビなどと連動したマーケティングでキヤノンやソニー、ニコンを急追したい考えだ。
 一方で新規事業にも着手する。パネルや半導体の技術を生かせる太陽電池のほかバイオ事業などを模索する。李氏は人材の育成が追いつかなければ外部からの獲得にも強い意欲を持つ。「10年」と区切った以上、新事業創出に向けて、あらゆる手を尽くして取り組む可能性が高そうだ。



アスキー創業者の西氏 電子書籍VB設立、経済書など配信
 アスキー創業者でマイクロソフト幹部もつとめた西和彦氏が電子書籍ベンチャーを設立し、4月に配信サービスを始める。米アップルの新型端末「iPad」などのネット機器で読める。主に経済書やビジネス書をそろえ、配信料金は当初一冊数百円ほどが主体の見込み。大手出版社だけでなく新興勢も交えて市場開拓の動きが本格化する。
 西氏は経済学者の池田信夫氏らと新会社アゴラブックス(東京・千代田)を設立済み。ネットを通じてソフトなどを提供する「クラウドコンピューティング」の手法を使って書籍データを配信する。決済ではポータルサイト運営のライブドアが協力する。
 まず西、池田両氏や前衆院議員、片山さつき氏の書き下ろし作品のほか、PHP研究所と連携し松下幸之助氏の著作などを配信する。30~40作品で始め、無料作品もそろえる。価格は原則著者が決め売上高を著者とアゴラ、ライブドアなどで分け合う。既存の出版社を通さず有望な書き手を発掘して作品にすることも検討する。
 西氏は2001年にアスキーの経営から退き、技術コンサルティングや研究活動に注力してきた。iPad発売などで新たなデジタル市場が広がるとみており、電子書籍にも注目する。



NTTドコモ、金庫株約15万株を消却へ NTTの持ち株比率63%に
 NTTドコモは3月末に保有する自社株(金庫株)のうち約15万株を消却する見通しだ。金庫株については発行済み株式の5%を超える部分を期末にまとめて消却しており、今期もその方針を変えないようだ。今期は自社株買いが少なく、消却株数は前期より8割以上少ないが、親会社であるNTTの持ち株比率は消却により63%強に上昇する。
 NTTドコモが今期、新たに買い入れた自社株は15万4065株。今期は「直接のリターンとして増配を求める株主の声が強まっている」(山田隆持社長)ことを受け、年配当を400円増やし5200円とする一方、自社株買いを減らす方針を打ち出していた。このため、今期末に消却する株式数は、消却前の発行済み株式数の0.3%程度にとどまりそう。



インテル、家電・車向け開拓 省電力MPU、日本3社と販売提携
 米インテルは日本でデジタル家電や自動車など、主力のパソコン、サーバー向け以外の市場を開拓する。家電や自動車向けに適した小型で低消費電力のMPU(超小型演算処理装置)「アトム」の販売で、半導体商社のバイテックやイノテック、東京エレクトロンデバイスの3社と提携。家電や自動車の有力市場である日本で、2015年にはアトムの販売金額を現在の約10倍の2000億円に増やす考えだ。
 アトムは通常のパソコン向けMPUに比べ、小型で消費電力が少なく、安価な戦略商品。08年に発売し、ネットブックなどへの採用が進んでいる。インテルは家電や自動車などでもネットへの接続など高度な情報処理が増え、MPUの需要が拡大すると見ている。大容量の動画をすばやく取り込んだり、カーナビで複数画面の画像をなめらかに表示するのに向いている。
 3月末までにバイテックやイノテック、東京エレクトロンデバイス3社との販売代理店契約を結ぶ。インテルは国内ではパソコン用の高機能MPUが主力で営業や顧客サポートの技術者もパソコン向けが中心。家電や自動車など向けの販売機能は手薄だった。



今どき大量採用に踏み切るDPE業界最大手の裏事情
 DPE(写真の現像・焼き付けサービス)の業界最大手、プラザクリエイトの新卒募集が就職難の時代に話題を集めそうだ。来春までに大卒、短大卒、第2新卒合計200人を予定。全社員数450人のじつに半分近い人員増強だ。
 DPEチェーンの店舗数はピーク時の3万店弱から実質的に7000~8000店にまで減少している。デジタルカメラの普及によって、大手・中堅の経営破綻や上場廃止が相次ぎ、いまや生き残っている大手チェーンはプラザクリエイトとキタムラの2社しかない。この厳しい時代、店舗数1200を抱える最大手とはいえ、プラザクリエイトが大量採用に踏み切れる環境にあるとはいえない。
 DPEチェーンの現場では、フィルムの現像・焼き付けは1997年ピーク時の15分の1以下に減っている。ここまで市場が縮小したら残存者利益すら見込めないため、DPEに代わる写真サービス開発が不可欠なのだ。
 欧米で市場が急速に伸びているフォトブック(本の形で写真をプリントするサービス)がその一つで、今後もデジタルカメラ、携帯電話の高機能化に伴う新サービス開発は欠かせない。「将来のデジタル技術を見込んだ新サービスの事業化にはメドが立っている」(大島康広社長)のだが、ネックが人だ。これまでの店頭パートやアルバイトでは、そうした新サービスに対応できない懸念がある。
 そこで今回の大量採用。「年1000人以上入れ替わるパート採用・教育コスト削減、および業務効率化による収益性改善で、人件費増は賄える」と同社は説明するが、市場激変の窮地を乗り切ることができるかどうか。今年、来年が正念場だ。



日経社説
民の活力奪い郵政を肥大させる誤り
 270兆円の資産を抱える巨大な「官製金融」がさらに膨らみ、民間の活力を阻害しないか心配だ。
 亀井静香郵政・金融担当相と原口一博総務相は郵便貯金の1人当たり預入限度額を現在の2倍の2000万円、簡易保険の加入限度額を2倍弱の2500万円に上げる点で合意した。一連の郵政改革法案は4月中に国会に提出される運びだ。
 日本郵政の経営体制は、郵便事業、郵便局も営む親会社と、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の2子会社の3社に再編する。親会社に政府が3分の1超を出資し、金融2社には親会社が3分の1超を出資する。
 民間の銀行や信用金庫の預金は元本1000万円と利子しか保護されない。政府の後ろ盾があるゆうちょ銀の場合、2000万円まで安心と誰もが考えよう。預金者は便利かもしれないが、お金の流れをゆがませ結果的に経済にマイナスだ。
 金融システム全体のなかで郵貯をどう位置付けるかの視点が欠けている。何より「暗黙の政府保証」を背負う郵貯や簡保が、民間資金を吸い上げる懸念がある。経営基盤の弱い信金や信用組合など中小金融機関からの資金流出が加速しかねない。
 ゆうちょ、かんぽの金融2社の完全民営化を撤回する一方で、業務は大幅に自由化される。住宅ローンやがん保険の販売を想定している。
 業務の制約をなくすのは、政府が全国一律の郵便・金融サービスを郵政会社に義務付け、郵政グループの非正規社員のうち約10万人を正社員に切り替えることの「見返り」だ。
 預金や保険の残高を伸ばし、経費増を吸収させるもくろみである。郵政グループ内の取引の消費税を免除し、負担を軽減する構想さえある。
 官業を優遇し民間との競争条件が不平等になるのは、国内の問題にとどまらない。米欧は足並みをそろえ懸念を日本側に伝えている。不公正な扱いを世界貿易機関(WTOなどの場に訴えられる可能性さえある。業務を自由化するなら、少なくとも金融2社への政府の出資をゼロにしなくてはなるまい。
 「官から民へ」と資金の流れを変える改革が中断すれば経済の活力も鈍る。政府関与が続く限り郵政が「政府の財布」として使われ、不採算の融資や国債の購入を強いられることになりかねない。それは財政規律をさらに緩ませるリスクをはらむ。
 小政党を率いる亀井氏が特定郵便局に有利な制度変更に走る構図である。鳩山由紀夫首相は法案修正の可能性に触れたが、その決意はあるのか。見識と実行が問われる。
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