Y(゜Д゜)Y新聞

JVCケンウッド、「縮小すれども均衡せず」(COLUMN)
 JVC・ケンウッド・ホールディングスの構造改革に終わりが見えない。2008年10月の統合以来、ほぼ毎四半期ごとに人員削減や拠点統廃合などのコスト削減策を打ち出しているが、損益の赤字基調から抜け出せない。「事業の選択と集中」「資産のスリム化」を急いでいるが、リストラに打ち止め感が出てこない。明らかなのはリストラだけでは不十分だということだ。事業部門の現金創出力が伴わない限り、損益の均衡点は見えてこない。
 統合時、約2万3000人いた従業員は約4300人減の約1万8700人(09年12月末)。4074億円あった総資産は1158億円減の2916億円(同)。液晶テレビなど不採算事業の縮小で、10年3月期の連結売上高は統合前の約半分の4300億円にまで縮小したもようだ。発足以来、猛烈な人員削減と資産のスリム化を実施し、コスト改善効果は前期末までに累計350億円を超える。
 にもかかわらず、前期は285億円の最終赤字(前の期は307億円の最終赤字)になったもよう。社員の約2割を削減してまで出したコストメリットはどこに消えたのか。苛烈(かれつ)なまでのリストラを進めているが、リストラのスピード以上に事業の悪化も進み、株主資本の毀損(きそん)に歯止めがかからない。
 深刻なのは本来キャッシュを稼ぐべき事業が振るわないことだ。具体的にはビデオカメラ、業務用無線、カーエレクトロニクスだ。
 ビデオカメラはコア事業として収益をけん引するどころか、逆に業績の足をひっぱっている。需要不振と価格下落のダブルパンチで赤字基調が続いているもよう。ライバルのソニーがビデオカメラで高収益を維持しているが、ブランド力の弱いビクターは劣勢を強いられている。高機能品にシフトしたが、低価格志向に流れた市場動向を読み誤った。その結果、在庫増で新製品投入が遅れ損失が拡大した。
 かつて2ケタの利益率を誇っていた業務用無線の収益も低下している。主要市場の米国で公共事業向けが低迷。市場の回復やデジタル化需要などに期待をかけるが、どの程度利益率改善に寄与するか不透明だ。統合の象徴とされたカーエレは09年7~9月期に営業黒字に転換したが、その後の利益の積み上げに弾みがつかない。09年10~12月期まで営業利益は1ケタ億円台にとどまっている。
 その他の不採算事業では一段と止血の緊急性が高い。セキュリティシステムなどを手掛ける業務用プロシステムも改善への道筋が見えない。大幅に事業を縮小したとはいえディスプレイ事業も不安要因として残る。
 しかし、リストラ優先の縮小策だけでは展望が開けないのは統合後、1年半で明らかになった。手をつけるべきリストラ余地はあるものの、同時に研究開発を強化するなどコア事業のテコ入れを図らなければ、競争力があるはずのコア事業が不採算化し、新たなリストラ対象が生まれる悪循環になりかねない。
 JVCケンウは新たな資産売却策として、子会社のビクターエンタテインメントの売却に動いているもよう。売却で得る資金も現状ではリストラの原資になりそうだ。
 JVCケンウは自社のどの「技術」を生かして「利益」を稼ぎ、「ブランド構築」をどう進めようとしているのか。来月には新たな中期経営計画も発表される予定。リストラだけでなく売上高を拡大する戦略も同時に進めなければ、縮小路線という悪循環の輪は断ち切れない。



内閣支持24%、12ポイント下落 普天間問題「未決着なら退陣」57%
 日本経済新聞社とテレビ東京が23~25日に共同で実施した世論調査で、鳩山内閣の支持率は24%となり、3月の前回調査から12ポイント下落した。不支持率は11ポイント上昇の68%だった。民主党の支持率は27%で6ポイント、自民党は21%で2ポイントそれぞれ低下した。沖縄の米軍普天間基地の移設問題を5月末までに決着できなかった場合、鳩山由紀夫首相は「退陣すべきだ」が57%に達した。
 鳩山内閣の内閣支持率が2割台に落ち込むのは初めて。夏の参院選を前に、政権維持の「危険水準」に近づいたといえそうだ。
 政党支持率では、みんなの党が前回から1ポイント上昇し9%になった。4月に発足した新党のうち、舛添要一代表の新党改革は2%、平沼赳夫代表のたちあがれ日本は1%。
 内閣を支持しない理由(複数回答)では「指導力がない」が7ポイント上昇の64%で、引き続き最も多かった。「政府や党の運営の仕方が悪い」が41%、「安定感がない」が40%と続いた。普天間問題や高速道路の新料金制度の見直しを巡る混乱などが影響しているようだ。支持する理由(同)は「民主党中心の内閣だから」が37%、「人柄が信頼できる」が26%だった。



「第三極」参院選の焦点に
「みんな」など投票先3党で計20%、自民抜く
 民主、自民両党と一線を画す「第三極」政党の動向が夏の参院選のカギを握る可能性が高くなってきた。日本経済新聞社の世論調査で参院選の投票先を聞くと、みんなの党、新党改革、たちあがれ日本の3党の合計は20%で、自民党を抜き、民主党に迫る勢いだ。そのまま獲得議席になるわけではないが、既成政党への不信感の高まりを鮮明に映し出している。
 参院選の投票先は民主が4ポイント低下の20%、自民は6ポイント低下の14%だった。一方、みんなの党は初めて2ケタの11%を確保。23日に結党を正式発表した舛添要一代表の新党改革は7%、平沼赳夫代表・与謝野馨共同代表のたちあがれ日本は2%だった。民主、自民両党から「流出」した10ポイント分を3党が分け合った。
 政党支持率も民主は6ポイント低下の27%、自民は2ポイント低下の21%。無党派層が5ポイント上昇の24%で、政党支持の流動化が浮き彫りになった。無党派層が2割を超えるのは、2007年6月の安倍内閣の21%以来だ。



東芝とIHI、原発機器を共同生産
今秋に新会社 海外受注拡大狙う
 東芝とIHIは原子力発電機器を共同生産する。今秋に共同出資で新会社を設立し、まず主要機器である蒸気タービンの大型部品を手掛ける。対象品目を順次増やし、機器製造事業の実質的な統合を目指す。両社は1960年代から原子力事業で連携してきたが、生産が2社にまたがることで高コスト体質になっていた。共同生産でコスト競争力を高め、世界の原発市場での受注拡大を目指す。(世界の原発市場は経済面「きょうのことば」参照)=関連記事企業面に
 新会社はIHIの横浜事業所(横浜市)内に設立する。出資比率は今後詰めるが、IHIが過半を握り連結子会社とする。生産も同事業所内で手掛ける。当初の人員は100人前後とみられ、両社から出向させる。
 新会社は現在、東芝の京浜事業所(横浜市)で生産している蒸気タービンのケースやノズルなどの大型部品を生産する。IHIが得意とする機械加工や溶接などの技術を活用し、コストを下げる。



ゴールドマンの疑惑なお 米SECの提訴、波紋広がる
 【ニューヨーク=財満大介】米証券取引委員会が米金融大手ゴールドマン・サックスを提訴した波紋が広がっている。英国では別の顧客に対する利益相反の疑惑をメディアが報道。SECの調査通告を受け取った後に、幹部が株式を売却していたことも報じられた。同社と金融界にそそがれる視線は厳しさを増している。
 米上院の国土安全保障・政府活動委員会は、27日に開く公聴会に、ブランクファイン最高経営責任者(CEO)やSECが提訴した取引の当事者とされる社員を呼び、事情を聴く。公聴会のテーマは「ウォール街と金融危機/投資銀行の役割」だが、呼ばれたのはゴールドマン関係者だけ。同社の取引のあり方に絞って、厳しい追及が集中する見通しだ。
 ゴールドマンをめぐっては英紙フィナンシャル・タイムズが23日、昨年11月にゴールドマンが英金融機関ロイズ・バンキング・グループの資金調達を担当した際、自らも投資家として債券を購入していたと報じた。発行会社側と投資家では利益が相反するが、ゴールドマンは支払金利を引き上げるよう助言。ロイズの資金調達コストが増す一方、投資家には有利な条件になったという。
 同紙は「引受部門と投資部門の情報交換を防止する社内管理体制がある」とする同社のコメントを伝えた。
 米紙ウォールストリート・ジャーナルも同日、SECがゴールドマンに調査を通告した2009年7月以降、同社がその事実を公開していない期間中に、幹部らが保有株を売却していたとする記事を掲載した。幹部らが通告の事実を知っていたかどうかには触れていない。
 SECの通告をすぐに公開しなかったことについて、同社のパーム法律顧問は20日の電話会見で「当時はそれが重要なものとは考えていなかったため」と説明している。



アジア輸出 稼ぎにくく
汎用品中心、低い単価
 日本の輸出品の低付加価値化が進んでいる。財務省と日銀の統計を使って試算したところ、輸出品の平均単価はこの3年間で13%低下していることがわかった。2008年9月からの金融危機で輸出先のシフトに拍車がかかり、アジア向けの汎用品や中間財などの比重が高まったためだ。新興国市場の重要性が増す一方で、日本経済を引っ張る輸出の採算が悪化するとの見方も出ている。
 中国で複写機の販売を拡大するコニカミノルタホールディングス。主力製品は1台50万円以下の白黒機だ。複写機本体を現地で生産し、トナーなどの消耗品を日本から輸出する。1台150万円前後のカラー機が多い米欧とは事情が異なる。
米欧からシフト
 日本企業が照準を合わせる市場は米欧からアジアにシフトした。自動車や家電の現地生産も加速している。こうした流れが日本の輸出構造も変えるのは見逃せない。主要な輸出品が高級品から汎用品、最終財から中間財に移りつつあるのだ。
 財務省の輸出価格指数と日銀の輸出物価指数をもとに、輸出の「高付加価値化指数」(05年1月=100)を計算してみた。経済産業省などが使う指標で、この数字が大きいほど輸出品の付加価値や平均単価が高い。
 00年以降の指数は着実に上昇し、ピークの07年2月には121をつけた。その後は低下傾向をたどり、10年2月には105まで落ち込んでいる。過去3年間で13%下がった計算になる。
 07年度と09年度の貿易統計をみても、主要な輸出品の1台あたりの平均単価は確かに低下している。自動車は174万円から158万円、電算機類(周辺機器を含む)は4万5500円から3万2000円に落ちた。
現地生産加速も
 輸出総額に占めるアジア向けの比率は07年度から09年度にかけて、48%から55%に高まった。米国向けは20%から16%、欧州連合(EU)向けは15%から12%に後退している。そうした重心の移動が平均単価を押し下げたといえる。
 「先進国の輸出に関する限り、金融危機の入り口と出口は違っている」。内閣府は昨年末にまとめたリポートでこう指摘した。米欧発の危機が促した輸出先の主役交代。日本もその変化に順応しなければならない。
 企業はどう動くのか。日本経済研究センターの竹内淳一郎氏は「新興国に生産拠点を移す動きがさらに広がる」と話す。各国が戦略市場と位置づけるアジアでの価格競争は厳しい。企業が収益を確保するためには、現地の安い労働力や原材料を活用せざるを得ない。
 野村証券の木内登英氏は「一部の最優良企業は無国籍化に向かう。日本は中間財の生産拠点という性格を強めていくことになる」と語る。輸出立国ニッポンの次の戦略が問われそうだ。



日経社説
米金融の好決算は本物か
 米金融機関の経営危機は昔話になったのだろうか。2010年1~3月期の決算が軒並み好調だ。
 リーマン・ショック後に経営が傾き米政府から公的資金の注入を受けているシティグループの最終利益は前年同期の2.8倍に膨らんだ。米金融の雄ゴールドマン・サックスは前年同期比9割の増益だった。
 大手行は融資先企業の持ち直しで、貸倒引当金の負担が減った。預貸金の利ザヤも厚い。投資銀行は債券売買が好調で、収益を押し上げた。
 金融危機に際し、米政府は金融機関に公的資金を注入した。連邦準備理事会(FRBはゼロ金利政策をとり、様々な資産を買い取った。景気が回復し始めたことで、これらの支援策がフルに効果を発揮した。
 非常時対応の策は徐々に出口に向かいつつある。FRBは住宅ローン担保証券の買い取りを3月末で終えた。追い風参考記録というべき好環境は変化しつつある。経営の真価が問われるのはこれからだ。
 視野を地域金融機関に広げれば、風景はなお厳しい。米連邦預金保険公社によれば、今年に入りすでに50行余りが破綻した。地方の景気回復は遅く、ショッピングモール向け融資などの焦げ付きが増えている。
 大手金融機関については、政治からの風当たりが強まっている。
 米金融業は従業員への09年分の報酬総額を200億ドル強と、前の年に比べ17%増やした。10年1~3月期も、今年分の支払いに備える積立額は高水準。当局から手厚い支援を受けながら、高額報酬を得ている点が世論の批判を集めている。
 ゴールドマンは米証券取引委員会(SECに提訴された。オバマ大統領が演説で金融規制強化の方針を示したのも、そんな世論を意識したものだ。複雑な証券化商品で利益を上げてきた金融機関は、簡素でリスクを抑えた業務へ軸足を移すよう圧力を受けているのかもしれない。
 日本の金融機関は証券化の出遅れがケガの功名となり、今回の金融危機で大規模な公的資金注入を受けていない。ただ、低金利政策のつっかい棒に頼る度合いは日本の方が大きい。銀行や証券会社が直面する経営課題という点で、米国の現状に目を凝らしておく必要があろう。



中国経済の行方 2ケタ成長 抑制狙う 清華大学国情研究センター主任 胡鞍鋼氏
 中国経済は1~3月期も2けた成長を実現し、順調に回復軌道を進んでいる。半面、住宅価格の高騰など一部では過熱感も強まってきた。中国はバブルを防いで世界経済をけん引できるのか。政府の政策決定に影響力がある清華大学国情研究センターの胡鞍鋼主任に聞いた。
 ――中国経済の好調が続いています。
 「景気を引っ張っているのが2009~10年の2年間で4兆元(約54兆円)を投資する景気刺激策であるのは明らかだ。しかも、この4兆元が投資をさらに誘発している。私の試算では2年間の社会的な投資は中国全体で50兆元前後に膨らむ。ドル換算では7.3兆~7.4兆ドルだ」
 「これだけの投資は世界最大規模で、米国を大きく上回る。10年の成長率が09年の8.7%を超えるのは確実で、10%に達する可能性すらある。中国経済がいったん二番底を迎える『W型』の回復軌道を予想する声も少なくないが、私はそうなる心配はほとんどないと判断している」
 ――むしろ景気過熱の方が心配ですか。
 「その通りだ。警戒しなければならないのは10%を超える高成長だ。中国は2けた成長を望んでおらず、8%成長を続けるのがふさわしいと考えている。なぜなら、成長率が10%を超えるとエネルギー、特に石炭の消費量が大幅に拡大し、二酸化炭素(CO2)の排出量が爆発的に増えるからだ。これでは持続可能な成長を実現できない」
 ――景気過熱を防ぐため、金融を引き締める必要はありませんか。
 「引き締めを排除すべきではないだろう。消費者物価指数(CPI)が2%台半ばで推移する一方、不動産価格は高騰している。中国人民銀行(中央銀行)の金融政策に変化が生じる可能性は十分にある。ただ、資産バブルはいまのところ局地的な問題で、中国経済全体に影響を及ぼすほど深刻とはみていない」
 ――消費底上げに向け国民への所得配分を増やすべきだとの議論が盛んです。
 「中国では1978年以降、一貫して1人当たり収入の増加率が1人当たり国内総生産(GDP)の増加率を下回ってきた。それが昨年初めて逆転した。この傾向が定着すれば、国民収入全体に占める個人への分配率は高まる。中国の市場経済がこれまで、政府と企業という2つの利益集団に有利な仕組みだったことは否定できない」
 「貧富の格差は広がっており、これを解消する方法はなかなか見つからない。ただ、中国では経済のパイが膨らむ中で格差が拡大している。貧しい人たちも教育を受けて一生懸命に仕事をすれば、いつかはよりよい生活を送れると信じている。一方、日本の格差拡大は収入が増えない中で起きている。悪性の格差拡大であり、解決方法がないようにみえる」
人民元は上昇へ
 ――現在の人民元相場は適切な水準ですか。
 「購買力平価でみて、長期的に元相場が上昇するのは間違いない。清華大の中で散髪をすれば料金は8元(約110円)だ。しかし、早稲田大では4800円、ワシントンでは15ドル(約1400円)もした。どれも中身は変わらないのにだ」
 「重要なのは元相場をどのくらいのペースで切り上げていくかだろう。私は年3~5%が適切だと思う。中国のすべての人が持つ財産の価値が、その分だけ世界の市場で増えていくことになる。それは決して悪いことではない。日本の円が上昇したときと同じだ。元相場の上昇は、中国の富が増えるのと同義であるという視点が必要だ」
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