(゜Д゜)っ/凵⌒☆チンチン新聞

Windows Phone 7 Xbox LIVEと連携発表、ロンチタイトル60本以上
 マイクロソフトが Windows Phone 7 の Xbox LIVE タイトルを発表した。Windows Phone 7 はマイクロソフトの完全新規 モバイルプラットフォームとして、Xbox 360 や PCですでに膨大なユーザーを抱える Xbox LIVEへの完全対応を売りのひとつとしている。米国で今年11月の Windows Phone 7 発売にあわせて用意されるゲームは 60本以上。
 自社のMGS ( Microsoft Game Studios )からは Halo Waypoint や Crackdown 2:Project Sunburst などXbox 360 で確立したフランチャイズの作品、自社がパブリッシュする ilomilo などが登場するのに加えて、コナミ (Castlevania / 悪魔城シリーズ) や ナムコバンダイ、THQなど大手、Gameloft や PopCap ほかモバイルゲームで躍進する企業を含め多数のパブリッシャーからのタイトルが 携帯のXbox LIVE マーケットプレースから購入できるようになる。Xbox 360 の Xbox LIVE アーケードとおなじく、すべてのゲームにお試し版が用意されるのも特徴。ゲームを進行させることで手に入る「実績」も共通のゲーマータグに加算され、フレンドと比較することができる。
 ソーシャルゲームプラットフォームとしてのXbox LIVE機能にもXbox 360と同様にフル対応しており、ステータスや「現在どのゲームでなにをしているか」が一覧できるフレンドリスト、メッセージング、実績やプレイしたゲームの比較、全世界やフレンド限定などでフィルタできるランキングなどが提供されている。対戦はロンチ時点ではターン制の非同期ゲームのみ。ローカル無線やネットを通じたリアルタイムマルチプレイは今後提供される予定。アバターはXbox 360上とおなじく3Dでリアルタイムレンダリングされており、Windows Phone 7から着せ替えやアバターマーケットプレースでのアイテム購入といったカスタマイズが可能だ。



グリー、我慢の4~6月で勝ち取った国内首位
 グリーが13日発表した2010年6月期の単独税引き利益は115億円と、前の期の2.6倍に増えた。交流サイト「GREE」の会員数は2000万人の大台を突破。国内企業が提供する交流サイトの中で、会員数首位に躍り出た。会員数増加が収益の源泉となっているが、首位の地位は順当に勝ち取った訳ではない。ライバルとのつばぜり合いに勝ち抜くために自らに課した、4~6月期(第4四半期)の「我慢」が利用者拡大につながっている。
 前期決算は売上高、営業利益とも過去最高を更新、順調そのものだった。ただし、直近の第4四半期に限れば営業利益は52億円と第3四半期比横ばい。新ゲーム立ち上げのためのサーバーの増築費用や広告宣伝費がかさんだためだ。第4四半期の販管費は第3四半期より40%多い45億円と、売上高の42%にも達した。
 グリーの業績拡大をけん引してきたのは07年5月に始めた釣りゲーム「釣り★スタ」。もっとも、競合のディー・エヌ・エーが宝物を奪い合う「怪盗ロワイヤル」を始めた09年10月からは押され気味だった。それだけに市場の注目は、6月7日にグリーが投入した新しい自社製ゲーム「モンスタープラネット」の効果に集まっていた。モンスターを育成して、サイト上の知人と戦ったりするゲームだ。
 結果は吉と出た。第4四半期の1カ月平均の会員純増数は72万人と、第3四半期から29%伸ばした。「モンプラ」の効果が表れた6月のページ閲覧数は353億回と5月より26%多い。「7月は6月実績を上回り、8月も高水準に推移している」(コーポレート本部)という。「加入者とページ閲覧数の増加ペースがポジティブ」。ネットサービス分野のアナリストも口をそろえる。
 一方、ライバルのディー・エヌ・エー。4~6月期決算は、連結純利益が前年同期の3.7倍の65億円。前の四半期比でも34%伸ばした。ただし1カ月平均純増数は60万人と、直前四半期(77万人)からペースダウンした。6月のページ閲覧数も716億回と5月より3%減っている。
 最近まで交流サイトで最多の会員数だったミクシィの4~6月期連結純利益は前年同期比3%増の4億7500万円にとどまった。サイトの使い勝手をよくするための先行投資がかさんでおり、収益力では2社と差ができている。平均純増数も30万人程度にとどまる。
 市場では「我慢の3カ月を乗り越えていま1番勢いがあるのはグリー」(外資系証券のアナリスト)との声もあがる。7月時点の会員数でGREEは2125万人と、mixiの2102万人をしのいで国内の交流サイトで首位となった。グリーの田中良和社長は4日、ミニブログのツイッターで「1億人が使うサービスになるべく、地道かつ大胆に、引き続き頑張りたい」とさらなる会員拡大に意欲を示した。
 グリーの躍進に、ライバルも黙ってはいない。10月にはヤフーと組んでパソコンを使った交流型ゲームサイト「yahoo!モバゲー」を始める。ミクシィは家電や店頭端末などをmixiの機能とつなぐプラットフォームを今秋以降に計画している。ナンバーワンサイトの座は決して安泰ではない。交流サイトのつばぜり合いは当分続きそうだ。



iPhone 5におサイフ機能? Appleがモバイル決済技術者採用
 Appleが最近、非接触IC技術「NFC(Near Field Communication)」を使ったモバイル決済の専門家ベンジャミン・ビジエ氏を採用したと報じられており、次期版iPhoneに「おサイフケータイ」のような機能が搭載されるのではないかという期待が高まっている。ビジエ氏はPayPal Mobileや、Starbucks専用のiPhone決済アプリ「Starbucks Card Mobile」などのモバイル決済技術に携わった経験がある人物。現在同氏のLinkedInのプロフィールでは、肩書きはAppleの「モバイルコマース担当プロダクトマネジャー」となっている。情報筋によると、AppleはほかにもNFCや同様の技術の経験・知識があるエンジニアを雇っているという。また同社は2009年に非接触ICに関連する特許を出願している


「mixi同級生」利用者500万人突破
 ミクシィは8月16日、同じ学校の同級生や先輩・後輩を探せる「mixi同級生」の利用者が500万人を超えたと発表した。
 母校や在籍校を登録すると、同じ学校の同級生や先輩・後輩を一覧表示する仕組み。昨年11月に始め、約9カ月半で500万人を突破した。
 mixiの登録ユーザー数は2102万人(7月31日時点)。



男性は「自然癒され派」、女性は「食事重視派」が多数~mixiフォト投稿状況
 株式会社ミクシィは16日、同社が運営するSNS「mixi」に写真を投稿しているユーザーを対象にしたアンケート調査の結果を公表した。調査は7月23日から7月26日まで実施し、15歳から39歳の男女1653人から有効回答を集めた。
 それによれば、mixiに投稿されている写真は、男性では「自然、花や道端の写真」が63%、女性では「食べ物」が54%で最も多く、男女で写真の内容が異なっていた。ミクシィでは、男性は「自然癒され派」、女性は「食事重視派」が多かったと指摘している。
 写真を投稿する理由では、67%が「自分の近況を友人に報告するため」と回答。友人との思い出を共有する目的だけでなく、日記の代わりなど「写真で伝える気軽なコミュニケーションのツールとして主に利用している実態がうかがえる」(ミクシィ)。
 また、「自分が投稿した写真に友人からコメントが欲しい」という人は68%。年代別では10代が73%、20代が69%、30代が62%と年齢が若いほど多く、ミクシィでは、ゆとり世代と言われている10代は「誉められたい、繋がっていたい」願望が強いと分析している。
 このほか、写真を「現像したことが無い」もしくは「現像しない方が多い」と答えた人は83%に上り、ミクシィでは「写真現像離れ」の実態が明らかになったとしている。



ツイッターで販売増「効果あり」大企業の7割
 インターネットの簡易投稿サイト「ツイッター」を宣伝や広報などに活用したことで、自社の通信販売サイトの「売上高などが向上した」と回答した大企業(従業員1000人以上)が7割超にのぼったことが、NTTレゾナントの調査で分かった。
 調査は7月9~12日、ツイッターを活用している企業の担当者を対象にネット上で行い、315社から回答を得た。このうち大企業は約2割の60社だった。
 ツイッターの活用効果(複数回答)では、自社通販サイトの売上高などが増えたと答えた企業が全体の49・6%にのぼり、特に大企業では72・7%に達した。
 このほか、「自社サイトの閲覧数が増加した」(全体の58・7%)、「自社ブログなどで問い合わせ件数が増加した」(56・5%)、「新規顧客が増加した」(47・6%)、「顧客単価が増加した」(40・0%)などが多かった。いずれも大企業の方が、活用効果を強く感じていた。NTTレゾナントは「企業規模が大きくなるほど、具体的な指標を設けて効果の把握に取り組む傾向が強いため」と分析している。



航空機燃料税半分に、国内各社の負担軽減へ
 国土交通省は17日、国内線の航空機の燃料にかかる「航空機燃料税」の現行税率を2分の1に引き下げる方針を固めた。
 会社更生手続き中の日本航空や全日本空輸など国内の航空会社の負担を軽減し、運賃の値下げにつながる可能性もある。2011年度の税制改正で減税を要望する。
 現在、航空会社に課している1キロ・リットル当たり2万6000円の燃料税を1万3000円に引き下げる方針だ。実現すれば1972年の導入以来、初の減税となる。前原国交相は就任後、採算のとれない空港建設につながったとして、空港整備勘定(旧・空港整備特別会計)の見直しを表明しており、同勘定の収入源である燃料税の引き下げに踏み切ることにした。空港着陸料についても引き下げを検討している。
 同勘定の10年度予算では、歳入総額4593億円のうち、燃料税による収入を716億円と見込んでいる。11年度も同量程度の燃料が使われた場合、航空会社全体の税負担は350億円程度軽減されることになる。
 同勘定の歳入が減る分は、地方空港整備費などの歳出削減などで対応し、11年度予算の概算要求に盛り込む方針だ。具体的には、滑走路や誘導路の改修、航空灯などの保安施設の改良といった項目が削減対象になりそうだ。
 航空機燃料税を課さない国も多く、燃料税の軽減は日本の航空会社の競争力を高める狙いもある。今年1月に経営破綻(はたん)した日航は、08年度に455億円の燃料税を納めており、着陸料などを含めた「公租公課」の負担額は売上高の1割に達していた。日航と全日空は「燃料税は世界的にもまれな制度で、大幅に軽減されれば、運賃の値下げも検討する」としている。



IT企業や外資系、六本木ヒルズに帰ってきた
 東京・港区の六本木ヒルズにIT(情報技術)企業や外資系企業が再び集まりつつある。
 携帯電話での無料ゲームが人気を集めるグリーが7月に移転したのに続き、米グーグルの日本法人も今月2日に渋谷区内から入居した。
 グリーは2007年5月に始めた携帯電話向けのゲーム配信が好評で、今年3月末時点で会員1843万人を抱えるまでに急成長した。米経済誌フォーブスによると、田中良和社長は資産額14億ドル(約1200億円)にのぼり、10年版の長者番付に入った。
 六本木ヒルズは、インターネット大手のヤフーや、楽天、ライブドアなどが入居していた。しかし、ライブドアの旧経営陣による粉飾決算事件を境に、手狭なことなどを理由に転出するケースが目立って「脱ヒルズ」とも言われた。管理運営する森ビルによると、金融危機の影響もあって09年3月末には、入居率が85%まで落ち込んだが、現在は90%超に回復したという。



世界のモバイルデータ通信、1年でトラフィックが約3倍に
 Ericssonは8月12日、世界のモバイルデータ通信量が、昨年1年でほぼ3倍に成長したことを発表した。
 同社が世界各国で実施した実トラフィックデータの測定結果によると、モバイルデータ量は音声の10倍の速さで増加しており、モバイルデータトラフィックが初めて音声を上回った2009年12月以降も飛躍的に伸び続けているという。2010年第2四半期時点の全世界のモバイルデータトラフィックは、毎月約22万5000テラバイトに達した。
 同社によれば、HSPA+やHSUPAなどの高速ネットワークの展開に伴ってモバイルブロードバンドの利用が加速しており、これが通信キャリア間の競争上の差別化に貢献しているという。



日経平均終値、今年最安値更新の9161円
 17日の東京株式市場は、外国為替市場での円高を嫌気した売りが優勢となり、日経平均株価(225種)の終値は、前日比34円99銭安の9161円68銭と2日連続で下落し、7月1日につけた終値の今年最安値(9191円60銭)を更新した。
 東証1部全体の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)は1・85ポイント低い826・78。東証1部の出来高は約12億9000万株だった。



Microsoft幹部、「Windows Phone 7」の魅力語る
 MicrosoftのIR担当ジェネラルマネジャー、ビル・コーフォード氏は、Windows Phone 7とタブレットPCについて、8月10日にボストンで開催されたOppenheimer Annual Technology, Media & Telecommunications Conferenceで語った。スマートフォンとタブレットは、Microsoftが短中期的に市場シェア獲得を――次第に声高に――唱えている2つの分野だ。
 同氏はまた、Windows 7が2009年10月の発売以来、約1億5700万本売れたことも聴衆に語った。
 だが同氏はすぐにMicrosoftのモバイル戦略をクローズアップし、Windows Phone 7が「今年後半」に立ち上げられるだろうと語ったと、Microsoftが公開した講演記録には記されている。同氏は、Windows Phone 7はユーザーにビジネス向けの機能とコンシューマー向けの機能をバランス良く提供することで市場シェアを獲得すると示唆した。同OSは「Office」「Games」などテーマごとのハブにアプリケーションとWebコンテンツをまとめている。
 特にビジネス向け機能は、Windows Phone 7の魅力に不可欠とMicrosoftはとらえている。
 「みなさんがExchangeを使っているのかどうか、Officeツールを使っているのかどうか知らないが、率直に言ってこれら機能の統合は類がない」とコーフォード氏は言う。「わたしはAndroid携帯を使っていないので、Androidにそういう機能があるか分からない。たぶんないと思う」
 しかし、コンシューマー向け機能も重要な要素となるだろう。
 「皆が使っている、そして皆がこれまでWindows Mobileプラットフォームで使ってきたエンタープライズ向けのツールと機能をたくさん盛り込み、コンシューマー向け機能を加えた」と同氏は言う。コンシューマー向けには、Facebook、Xbox LIVE、Zune機能などを統合したという。
 その後講演の内容はコンシューマー向けタブレットに移った。AppleのiPadが大成功して以来、多数のメーカーがこの分野への参入計画を発表している。だがHewlett-Packard(HP)がPalmとタブレットに適した同社のwebOSを買収し、ほかの企業がGoogle AndroidをタブレットOSの候補として検討していると公に表明していることから、Windows 7がタブレット向けOSになれるかどうかをめぐってMicrosoftはやや守勢に立たされている。
 Microsoftのスティーブ・バルマーCEOは7月のWorldwide Partner Conferenceの基調講演で、タブレットは「当社にとってきわめて重要な分野」であり、「各種のWindows 7スレート」を推進すると語った。その数週間後の金融アナリスト向け説明会で、同氏はWindows 7タブレットに、2011年登場予定のIntelのOak Trailプロセッサが搭載されると示唆したが、発売日については明言しなかった。
 コーフォード氏はボストンでの講演で、バルマー氏の主張をあらためて強調した。
 「われわれは新たなカテゴリーとしてタブレットに集中している」と同氏は言う。「IntelはOak Trailを年の初めに投入する。多数の新しい機能を提供するだろう。バッテリー駆動時間をよりよく活用できるようになるかどうかといったことが、このカテゴリーを前進させる一助となる」
 同氏は、タブレット向けの「優れたOS」があるとほのめかしたが、同社のパートナーのデバイスにWindows 7の改変版が搭載されるかどうかには触れなかった。



iPhoneでケータイサイトを見たい!ケータイブラウザアプリ3つを試す
 iPhoneでどうしてもケータイサイトが見たい時に試してみよう
 iPhoneが国内で発売されて2年以上が経過し、iPhoneに最適化されたページを用意しているWebサイトもずいぶん増えた印象です。しかし、PCと携帯向けのページしか用意されていないサイトではどうすればいいでしょうか。
 iPhoneのSafariブラウザでPC向けサイトを閲覧することもできますが、ページの読み込みに時間がかかってイライラすることもあるでしょう。そんな悩みに答えるべく、iPhoneでケータイサイトを見ることができるアプリが複数リリースされています。続きではケータイブラウザアプリ3種を紹介し、その特徴を比較します。
無料で使える「Keitai Site Touch」
まずは無料で使える「Keitai Site Touch」を紹介します。無料ながら、URL入力や検索ワードによるWebアクセス、ブックマークや履歴の管理など、必要な機能は一通りそろっています。
QRコードの読み取り機能もあるようですが、一度写真を撮ってから解析する仕組みのため、読み取りに失敗することが多いです。QRコードを頻繁に読むような用途には後述の「携帯ブラウザ - QRコードスキャン機能付き」をおすすめしたいです。
カスタマイズ機能が充実した「SBrowser」
次に紹介する「SBrowser」は、ケータイサイトの環境にあわせたカスタマイズ機能が充実しています。
さまざまなケータイサイトに適合させられるように、文字コードや模擬する携帯機種、画面の大きさ、リクエストヘッダーなどを細かく調整することが出来ます。設定項目が多い分ハードルは高いですが、その分見られるケータイサイトの幅を拡げることが出来るでしょう。
QRコード連携に秀でた「携帯ブラウザ - QRコードスキャン機能付き」
最後に紹介するのは「携帯ブラウザ - QRコードスキャン機能付き」。その名が示すとおり、実用的に使えるQRコードスキャナを内蔵しています。
QRコードスキャナを起動してiPhoneのカメラをQRコードに向けると、自動的に読み取りを開始。読み取れた時点でその内容を表示します。読み取れるまでカメラが起動し続けるので、確実にQRコードを読み取ることが出来ます。
ケータイブラウザアプリを3種類紹介しました。無料で使える「Keitai Site Touch」、カスタマイズ機能が充実した「SBrowser」、QRコード連携に秀でた「携帯ブラウザ - QRコードスキャン機能付き」と三者三様の個性を持っています。ぜひお好きなアプリを試してみてください。
なお、これらのケータイブラウザアプリでも、見ることができるケータイサイトと出来ないサイトが存在します。具体的には、各キャリアの公式サイトや、IPアドレスで携帯電話を判定しているサイト(mixi、GREEなど)は表示できませんのでご注意ください。



平城遷都1300年 国の成り立ちを考える機会に(8月17日付・読売社説)
 「あをによし奈良の都は咲く花のにほふがごとく今盛りなり」――。
 奈良時代に詠まれた万葉集のこの歌からは、活気あふれる平城京の様子が想像される。
 奈良県で開かれている平城遷都1300年祭は、夏休み中、多くの観光客でにぎわっている。
 奈良市の中心部の一角に原野のように広がる約120ヘクタールの平城宮跡が主会場だ。重要な儀式の場であった第1次大極殿が今年春に復元された。実物大の遣唐使船や歴史体験館なども設けられた。
 広大な宮跡に立つと、日本の礎を築いていった当時の人々の心意気が伝わってくるようだ。
 古代国家の成り立ちや、当時の国際関係などを改めて考えてみるよい機会でもあろう。
 奈良時代と言えば、東大寺の大仏や正倉院の宝物などが思い起こされる。平穏な時代と受け止めている人も多いだろうが、全盛期を迎えていた隣の大帝国・唐を意識しながら、緊張感を持って国家建設が進められた時代だった。
 遣唐使を派遣し、唐の政治制度や文化を取捨選択し、日本の風土に合うものを効率的に取り入れていった。急速な改革は明治維新とも比較される。
 「日本」という国号が定まり、元号制度も確立される中で、飛鳥の藤原京から平城京への遷都が実行された。奈良時代に制定された養老律令は、明治初期まで公家社会の基本法となった。日本の国の骨格は奈良時代に作られたと指摘する歴史家もいる。
 奈良国立博物館では、国宝の東大寺法華堂金剛力士像などが特別展示されている。ここで、秋には正倉院展も開催される。こうした文化財に触れることで、歴史への理解はより一層深まるだろう。
 1300年祭の会場となっている平城宮跡は、明治時代まで田畑の下に埋もれていた。保存の機運が高まったのは、100年前の遷都1200年の時からだ。
 2年前から国営歴史公園になっているが、これほど大きな規模で保存されている古代都市の遺跡は日本では他に例を見ない。
 新しい史跡保存のモデルケースとも言えるだろう。
 平城宮跡は、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の世界遺産「古都奈良の文化財」の一つとしても登録されている。
 1300年祭の終了後は、古代建造物の復元が進められる見通しだ。静かに史跡散策を楽しみながら、歴史を学べる場として整備を進めていくべきだろう。
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カプコン、交流サイト通じたゲームに欧米で参入
フェースブック会員網を活用、iPhone向け配信
 ゲームソフト大手のカプコンは欧米で交流サイト(SNS)を通じたソーシャルゲーム事業に参入する。米フェースブックが抱える5億人超の会員網を活用し、米アップルの高機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)」向けに9月からゲームの配信を始める。日本で従来型家庭用ゲームの市場が縮小するなか、新たな成長分野を開拓して収益源の多角化を目指す。
 米子会社カプコン・インタラクティブ(カリフォルニア州)を通じ、3本の新作ソーシャルゲームをアイフォーン向けに配信する。欧米ではこれまで家庭用ゲーム機向けのソフト販売が中心だったが、フェースブックを通じて新たなゲームユーザーを開拓する。
 ソーシャルゲームは交流サイトに登録した利用者同士が競ったり協力したりして一緒に楽しむ内容。基本料金は無料で、ゲームを有利に進めるための「アイテム」を取得する際に課金する手法が主流だ。
 カプコンも欧米でまず100万人規模の無料会員を獲得し、アイテムへの課金などで収益を確保していく。
 カプコンは日本でSNS大手のディー・エヌ・エーと組み、8月に「モンスターハンター」シリーズの派生作品の配信を始めたばかり。国内外のソーシャルゲーム市場で攻勢をかける。
 ゲーム専門誌発行のエンターブレイン(東京・千代田)によると、日本の家庭用ゲーム市場(ハードとソフトの合計、携帯電話などを通じたオンラインゲームは除く)は2009年に前年比6.9%減の5426億円と2年連続で縮小した。
 このため、ゲームソフト各社は新たな収益モデルの構築が急務となっている。バンダイナムコゲームスも年内をめどにフェースブック向けに2~3本のゲーム配信を始める。国内を中心にソーシャルゲームの配信に取り組んでいるが、海外でも本格展開に乗り出す。
 インターネットN広告大手のサイバーエージェントも子会社を通じてソーシャルゲーム配信を強化するなど、業態の垣根を越えた新規市場参入が広がりつつある。



世界初 3D対応スマートフォン シャープ、本格仕様で攻勢
 シャープは16日、裸眼で3D(3次元)映像を楽しめる多機能携帯電話(スマートフォン)を今年度中に国内外で発売する方針を明らかにした。同社によると、3D対応のスマートフォンは世界で初めて。スマートフォンは年々増加し、2010年中に世界出荷が1億7500万台に達するとの試算もある。市場では米アップルの「iPhone(アイフォーン)」など海外勢が先行しており、シャープは3D技術で攻勢に出る。
 今回の商品は、3D対応カメラを搭載し、撮影した静止画や動画が裸眼で立体的に見える。画面には4月にシャープが発表した3D対応の小型液晶パネルを採用予定。操作はタッチパネル式が有力で、撮影した映像は3Dテレビ「アクオス」でも鑑賞できる見通し。
 シャープは02年にも携帯電話に3D機能を付けて発売したが、通常の画像をソフトで加工する仕組みで、あまり鮮明でなかったことなどからヒットしなかった。
 今回は、対象を2つのカメラで別角度から撮影して立体的に見せる本格的な仕組みで、液晶の明るさも格段に向上。スマートフォンなので、対応する3D動画をインターネット上から手軽に取り込み楽しむこともできる。
 3D関連商品は増えているが各社の3Dテレビは専用眼鏡をかける必要があり、裸眼で楽しめるのは富士フイルムのデジタルカメラなどに限られている。



世界の携帯大手、明暗 スマートフォンが業績左右、4~6月
 【シリコンバレー=奥平和行】世界の携帯電話端末業界で高機能携帯電話(スマートフォン)の販売がメーカーの業績を左右する傾向が強まっている。この分野が好調だった英ソニー・エリクソンと米モトローラは4~6月期の営業損益が黒字転換する一方、従来型の端末が主力のフィンランドのノキアなどは減益だった。スマートフォンは単価が高いため収益への貢献も大きく、競争が一段と激化しそうだ。
 米調査会社ガートナーによると、世界の携帯電話端末市場に占めるスマートフォンの比率は2010年4~6月期で19%。前年同期比で5ポイント上昇した。スマートフォンのシェアは08年には11~12%台で推移。09年からじわじわと上昇し、10年1~3月期には17%となっていた。
 ソニー・エリクソンは米グーグルの携帯向け基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載した「エクスペリア」の販売が増加。モトローラもアンドロイド端末が米国などで好調だった。ガートナーによると4~6月期に世界のスマートフォン市場でアンドロイド端末のシェアは前年同期より15.4ポイント高い17.2%に急拡大。両社などアンドロイド陣営の好調を裏付けた。
 スマートフォンを主軸に据えたソニー・エリクソンの4~6月期の端末平均販売価格が前年同期より約3割高い160ユーロ(約1万7600円)になるなど、この分野は収益貢献が大きい。
 「ブラックベリー」を手掛けるカナダのリサーチ・イン・モーション(RIM)は3~5月期の営業利益が前年同期比53%増加。米アップルは携帯電話部門の業績を開示していないが、「iPhone(アイフォーン)」などが好調で4~6月期の純利益は会社全体で78%増となった。
 一方、従来型の端末を主力とするメーカーは苦戦している。4~6月期は端末世界最大手のノキアに加え同2位の韓国サムスン電子も営業減益。3位のLG電子(韓国)は営業赤字に転落した。各社は新興国市場などで手ごろな価格の端末を大量販売することで事業を拡大してきたが、価格競争の激化により苦戦を強いられた。ノキアが主導するOS「シンビアン」はスマートフォンで最大のシェアを握るが、使い勝手などで「アンドロイド」陣営に押されている。
 ただ、ノキアはシンビアンの改良に取り組んでいるほか、サムスンも米マイクロソフトの新OSを搭載した端末を年内にも発売するなど巻き返しに余念がない。
 各社が収益性が高いスマートフォンに注力することで市場の活性化が見込まれる一方、この分野でも従来型と同様に価格下落が進む可能性がある。



Google、仮想通貨の新興企業Jamboolを買収
 仮想通貨プラットフォームを手掛ける米Jamboolは現地時間2010年8月13日、米Googleが同社を買収したと発表した。Jamboolの創業者で最高経営責任者(CEO)のVikas Gupta氏と最高技術責任者(CTO)のReza Hussein氏が同日付の公開書簡で明らかにした。
 Jamboolは米カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置く新興企業。CEOのGupta氏とCTOのHussein氏は米Amazon.comで決済システムや受注ワークフローシステムを手掛けた人物。
 2006年にJamboolを設立した当初は、ソーシャルネットワーク向けのアプリケーションなどを手掛けていたが、2008年に「Social Gold」と呼ぶ仮想通貨プラットフォームを開発。ソーシャルゲームやソーシャルアプリケーションに導入できる決済システムとして利用されている。
 創業者の両氏は、Googleの傘下に入ることについて、「我々のビジョンを実行するためには逃せない機会と判断した。Social Goldを世界中のGoogleユーザーに提供できることを喜んでいる」と述べている。
 Googleは8月6日に、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の米Facebookにソーシャルゲームを提供している米Slideを買収したと発表した。また米Zynga Game Networkに大規模な出資を行ったとも報じられている。同社のこうした最近の動向から、うわさされているFacebook対抗のSNS「Google Me」の開発を着々と進めているのではないかと英Financial Timesなどの海外メディアは報じている。



首相、円高・景気減速で経済対策を検討 エコポイントの延長浮上
 菅直人首相は16日、経済閣僚に対して円高の影響など景気の現状分析を指示するとともに、閣僚の報告を踏まえて円高・経済対策の検討に入る考えを明らかにした。政府・与党内では(1)12月末に終える予定のエコポイント制度の延長など消費刺激(2)新卒者の就職支援(3)円高に苦しむ中小企業の資金繰り支援――などが柱に浮上している。(関連記事総合・政治面に)
 首相は同日、荒井聡経済財政相、野田佳彦財務相、直嶋正行経済産業相の3閣僚に「近々それぞれの立場でいまの日本の経済の状態をしっかりみたうえで報告してほしい」と指示。「そういう中から今後のことは考えたい」と対応策の検討を示唆した。
 内閣府が同日発表した4~6月期の国内総生産(GDP)速報値が前期比年率で実質0.4%増に鈍ったことや最近の円高・株安を念頭に「為替の問題を含めて注意深くみておく必要がある」とも強調。円相場とともに景気の動向を注視する考えを示した。首相官邸で記者団の質問に答えた。
 民主党の政策調査会幹部も同日、「需要喚起や雇用対策を中心とした追加経済対策が必要だ」と指摘した。財源としては2010年度予算に計上した経済危機対応・地域活性化予備費の未使用分から約9000億円、09年度決算の剰余金から8000億円程度の合計1兆7000億円が使える見通し。政府内では国債の増発に慎重な声が多い。
 9月末に期限を迎えるエコカー補助金も焦点となるが、直嶋正行経済産業相は7月30日の記者会見で延長を明確に否定している。



米動画サイト大手「フル」上場検討 米メディア報道
ニューズ、NBCU、ディズニーなど出資
 【ニューヨーク=武類雅典】米メディア大手のニューズ・コーポレーションやNBCユニバーサル(NBCU)などが出資するネット動画サービスの「Hulu(フル)」が株式公開を検討していることが16日、明らかになった。複数の米メディアが報じた。フルは大手メディアが米グーグル傘下のネット動画「ユーチューブ」に対抗して立ち上げた合弁事業。収益基盤が整いつつあると判断したと見られる。
 フルは大株主がニューズ、NBCU、米ウォルト・ディズニーなどで、2007年の設立。人気テレビ番組や映画を無料で視聴できるサービスを提供している。これまで広告収入で収益を上げてきたが、6月にはパソコンやテレビ、携帯電話などでハイビジョン画質の動画を視聴できる月9.99ドルの有料サービスに乗り出した。早ければ今秋にも上場すると見られ、上場後の時価総額は約20億ドル(約1700億円)と推定されている。
 米調査会社コムスコアが16日発表した7月のネット動画サービスのランキングによると、視聴者数ではユーチューブなどグーグル系サイトが約1億4300万で首位。フルは2800万超にすぎない。一方、動画広告視聴数の1位はフルの約7億8300万で、グーグル系の約3.6倍に達している。
 米メディアによると、フルはすでに黒字を達成しているという。視聴無料の素人投稿ビデオでネット動画サービスの草分けとなったユーチューブは赤字続きと指摘されているが、近く黒字転換するとも見られている。



出力3割増の新型原発開発 既存設備更新にらみ
30年運転開始 経産省方針
 経済産業省は2030年の運転開始を目指す新型原子力発電所の基本仕様を固め、民間企業と本格的な開発に着手する。発電出力は従来の3割増となる世界最大級の180万キロワットに設定。稼働率も最高水準の97%を可能にする。国の原子力立国計画に基づき、国内30基弱の建て替えに生かすほか、中国やインドなどアジア各国にも売り込む。
 経産省は17日開く政府の原子力委員会で新型原子炉の基本仕様を説明する。新型炉は経済性向上、安全性強化、環境負荷の低減の3つの目標を掲げる。15年度に詳細設計を終え、16年度以降は三菱重工業、東芝、日立製作所など重電各社が開発実験や安全審査などに入る。開発費は官民で約550億円を拠出する予定だ。
 新型炉は冷却水に普通の水を使う軽水炉。発電出力180万キロワット級は国内で現在稼働する最大規模の130万キロワットを上回り、米国などで計画中の150万キロワットより大きい。炉心の配置を変えたり、燃焼効率のよい燃料を投入できるような構造にしたりして出力を高める。この結果、使用済み核燃料が通常より3割減り、再処理や保管にかかるコストも削減できる。
 稼働率も高水準をめざす。現在国内原発の稼働率は約60%。柏崎刈羽原発(新潟県)の事故の影響で下がったが、もともと現在の技術では9割が限界。新型炉は燃料の燃焼効率を向上するとともに、機器の補修や改修にかかる期間を短縮することで稼働率を上げる。米国や韓国も90%台前半で推移しており、達成すれば世界最高水準になる。
 現在国内では54基の原発が稼働しており、総発電能力は約4800万キロワット。現時点では54基のうち最大30基が建て替え対象になる見通しで、仮にすべてが180万キロワットの新型炉に切り替わっただけで5400万キロワットの発電能力を持てる。これらの稼働率が6割台から97%に達すれば、計算上、最低でも1.8倍の能力増強が期待できる。
 経産省は「最新の安全技術を備え、将来の世界市場の獲得もめざす」(直嶋正行経済産業相)としており、中印や東南アジアなどへの売り込みも急ぐ。新型炉は工期を従来の50カ月から30カ月に短縮できる見込みで、海外市場開拓の有力な手段と位置付ける。電源規模が小さい国向けに発電出力が80万キロワット程度の中型機を作って売り込むことも検討中だ。
 日本では新しい立地に原発をつくるのは地元の反対が大きく、難しい。経産省は地球温暖化対策の一環で原子力の電源全体に占める割合を現行の3割強から4割程度で安定させたい考えで、既存原発の出力を大幅に向上させることが欠かせないとみている。50年には高速増殖炉の運転開始も計画しており、新型炉の運転とあわせ電力の安定供給につなげる。



イオン、PB160品目10~15%値下げ 原料一括調達でコスト減
 イオンは2010年度中に、食品や飲料などプライベートブランド(PB=自主企画)の3%にあたる約160品目を10~15%値下げする。原材料や包装材をまとめて調達し、生産委託先のメーカーに供給するなどしてコストを下げる。09年度に約2000品目を値下げしたが、今年に入ってメーカー品の値下がりが進んだため、PBの価格優位性を維持する。
 従来は商品の仕様についてイオンが決めていたが、原材料の調達はメーカー任せのケースが多かった。小麦粉など一部については先行してイオンが一括で仕入れ供給してきたが、これを鶏、豚、牛の肉や食用油にも広げた。調達量はそれぞれ年間で数十万トン単位。容器や包装も素材や規格をそろえてコストを削る。
 生産委託先の工場集約などもあわせて実施し、10年度に入りまず約80品目を値下げ。368円のウインナーが348円、キャノーラ油が278円から248円になった。素材や仕様の変更のため単純に比較できないが、値下げ幅は平均で10~15%となる。今後は売れ筋商品のペットボトル入りお茶など食品・飲料類を中心に値下げする。



(成長鈍化 いま何が必要か) 法人税まず5%下げを 東大教授 伊藤元重氏
 日本経済の先行きに不透明感が広がってきた。4~6月期の実質国内総生産(GDP)成長率が大幅に鈍化し、最近の円高・株安が景気の足を引っ張る恐れも出てきた。いまの日本に必要な政策を識者に聞いた。
1ドル80円突破も
 ――国内景気の減速懸念が広がってきました。
 「米国も欧州もドルやユーロの下落を容認している。結果的に円が買われる構図だ。物価水準を加味した実質レートでみると、円は15年前よりまだ3割程度安く、円買いには安心感もある。市場が乱暴に動けば、1ドル=80円を突破しかねない」
 「最近の相場変動で最も打撃を受けそうなのが日本だ。回復に向かっていた日本経済の先行きに黄信号がともっている」
 ――円高は企業の海外進出も加速させます。
 「自動車も家電も日本国内では十分な収益を上げられない。成長市場の中国でも、収益の拡大が追いついていない企業が少なくない。アジアの市場で勝ち抜くには、グローバル化をもう一歩進める必要がある。雇用維持との兼ね合いで海外進出にためらいがあっても、為替が企業の決断に影響を及ぼす可能性がある」
 「日本の生産年齢人口は今後10年間で700万人以上も減少する。中長期的には海外の労働力を活用せざるを得ない。日本に本社機能などを残して海外に出るのは、決して悪いことではない」
 ――中国や韓国との競争も激化するでしょう。
 「日本の大手企業の話を聞くと、韓国のサムスン電子との違いは賃金コストだという。1人あたりの国内総生産(GDP)が日本より小さい国が技術力を高めてきた。それがグローバル化の怖いところだ」
 「今後20年もすれば、インドや東南アジア諸国連合(ASEAN)の経済規模も日本より大きくなる。日本のGDPに対する輸出の比率は16~17%程度で、40%以上のドイツに比べて小さい。楽観的な見方をすれば、日本の輸出には増加の余地がある。産業の集約化も重要だが、日本企業のM&A(合併・買収)のスピードは遅い」
根深い需要不足
 ――政府は何をすべきでしょうか。
 「日本経済が抱える最大の問題は需要不足だ。根雪のようなデフレに特効薬はない。時間がかかっても成長戦略を着実に進めるしかない」
 「主要国の中でも高い法人課税の実効税率(現行40%程度)を見直し、来年度にまず5%引き下げるべきだ。その後も政府が引き下げの意思を示す必要がある。企業は高い税率に悩んでおり、3~5年も待ってはいられない。財政再建を進めるため、消費税率引き上げなどの見通しも示さなければならない」
 「世界貿易機関(WTO)の多角的通商交渉(ドーハ・ラウンド)が頓挫しているため、主要国は2国間の自由貿易協定(FTA)締結に動いている。しかし日本のFTA戦略は出遅れが鮮明だ。農業の一層の自由化が避けられない」
 ――政府の危機意識が感じられません。
 「何を考えているのかというメッセージが伝わってこない。民主党の代表選を9月14日に控えていることも政治空白の一因になっているのではないか。経済のサイクルと政治のサイクルがかみ合っていない。本来なら政治的な手腕を発揮するチャンスでもあるはずだ」



日経社説
景気減速への危機感足りぬ政府・日銀
 世界経済は再び悪化する恐れが強まってきた。円高に見舞われている日本では、それを先取りして株価が大幅に下落した。
 2年前のリーマン・ショックで明確に表面化した世界的な経済・金融危機はいったん遠のいたかに見えた。だが問題の根は深く、米国でも欧州でも癒えたとはいえない。
 この世界的な成長減速の懸念に対し、民主党政権も日本銀行も危機感が足りない。
回復のリード役に陰り
 内閣府が16日に発表した4~6月期の経済成長率は、物価変動の影響を除いた実質で年率0.4%となった。1~3月期の4.4%からの大幅な成長減速で、名目では同マイナスの3.7%である。
 そのわずか6日前、日銀は金融政策決定会合で足元の景気について「海外経済の改善を起点として、緩やかに回復しつつある」というそれまでの判断を据え置いた。
 同じ日に政府が発表した月例経済報告は海外経済の回復テンポが緩やかになるとしながらも、日本の景気は「着実に持ち直してきており、自律的回復への基盤が整いつつある」と、基調判断を踏襲した。
 この1年半ほど日本経済の回復を支えてきたのは財政による景気刺激策と輸出である。ともに、これまでのようには頼りにならなくなった。エコポイント制度やエコカー補助の効果がほぼ一巡したことは4~6月の個人消費からも読み取れる。
 輸出は中国などアジア地域向けが伸び悩み、景気減速の兆しが強まる米国向けもあやしくなってきた。米欧中とも自国通貨の下落を黙認しているうえに、南欧諸国の金融・財政リスクが高い。このため日本円が実力以上に買われて円高となり、輸出企業を苦しめている。
 景気回復のリード役に確実に陰りが広がっている。政府・日銀の景気判断は極めて甘いのではないか。
 米国では「現状は(19世紀後半と1930年代に次ぐ)史上3番目の恐慌の初期段階にあるのではないか」(ノーベル経済学賞のクルーグマン・プリンストン大教授)という見方もある。その当否はともかく、10年ほど前から世界各国で急膨張した債務を今、調整中である事実も考えれば二番底、三番底もありうるとみておいたほうがよい。
 現実の日本の政策運営はといえば景気判断が甘いだけでなく、危機に備える気構えも体制も著しく弱いように思える。先週、円相場が15年来の高値をつけたときも、菅直人首相をはじめ政府関係者は「懸念の表明」という口先介入で時間稼ぎをするのにとどまった。
 民主党政権は子ども手当や高速道路無料化など公約した内政を優先する。それに集中するあまり、円高や海外経済の減速という外的な衝撃への感度が鈍いのではないか。
 強まる景気二番底の懸念に備えて政府・日銀がまず手をつけるべきは円高に歯止めをかけることだ。円高は輸出関連企業の収益を圧迫するだけでなく、放置すれば製造業が生産拠点を海外に移すのを助長し、雇用などに取り返しのつかない悪影響を及ぼす。
 「同じものを買うのにいくらかかるか」という発想から算出する円の理論的な価値、いわゆる購買力平価は1ドル=115円程度(経済協力開発機構)。競争力が強い輸出企業に単純には当てはめられないが、85円台はすでに実力以上だろう。
したたかな通貨外交を
 日銀は円高の阻止へ金融緩和策をとる余地がまだあるとみられる。財務省は外国為替市場への介入をためらうべきではない。介入の際は市場に散布した円資金を日銀が吸い上げず介入効果を高めるのが望ましい。自国通貨安を黙認する米欧や中国に対し、自らを防衛するのは当然だ。
 財務省は2003年から04年にかけ35兆円の円売り・ドル買い介入をした。今はオバマ政権が5年で輸出倍増の方針を掲げており、為替介入に米国の理解を得にくいのは想像に難くない。しかし日米は経済の面で幅広く結びついており、米国と何らかの取引をする材料はあるはず。
 そのために政府は通貨外交の戦略を持つ必要がある。それは6月につくった成長戦略の実行にも欠かせない。外国との過酷な競争に生き残るため、したたかな計算と行動で国民をしっかり守ってほしい。
 もし景気が深い二番底に陥る場合は、長期的な財政健全化の目標を変えず、短期的に国債発行を基に「いずれ必要な事業」を繰り上げ実施するのもやむをえない。病院や学校の耐震化や、東京外郭環状道の整備などだ。その際は日銀が債券市場からの国債購入を増やすなど政府と足並みをそろえることも大切だ。
 成長を促す改革や無駄な歳出の削減など構造政策とともに、景気の変動に機動的に対応する柔軟な政策運営が政府・日銀に求められる。
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