ドコモの定額データプラン、オンラインゲームなどが対応

ドコモの定額データプラン、オンラインゲームなどが対応
 NTTドコモは、データ通信端末向けのパケット定額制サービス「定額データプラン」において、これまで利用できなかったストリーミングラジオなど一部を利用できるよう、11月16日10時より対象通信範囲を拡大する。
 新たに利用できるようになるのは、インターネットラジオやオンラインゲームなどのサービス。すでにFlashによる動画サイトには対応しているが、インターネットラジオなどのストリーミング型サービスと、CABAL ONLINEなどオンラインゲーム全般が利用できるようになる。
 従来通り、P2PやVoIP、一部のUDPのポートは利用が制限されているほか、直近3日間で300万パケット以上を利用すると規制対象になる場合があるといった事項に変更はない。



UQ、1年契約で月額3880円の「UQ Flat 年間パスポート」
 UQコミュニケーションズは、年間契約を条件に割安な価格でWiMAX通信サービスを提供する、新しい料金プラン「UQ Flat 年間パスポート」を発表した。11月16日より提供を開始する。
 「UQ Flat 年間パスポート」は、1年間の継続利用を条件に、WiMAXの通信サービスが月額3880円の定額制で利用できるサービス。同社ではこれまで、年間契約無しの定額プラン「UQ Flat」(月額4480円)などを提供してきたが、同プランが初めての年単位での契約を条件とする料金プランとなる。登録料は2835円。
 更新月に変更しない場合は自動更新となる。更新月以外で解約やプラン変更を行うと、5250円の契約解除料が発生する。なお、新規の契約で2011年1月31日までに契約が完了した場合、課金開始から30日以内なら、解約および翌月末までの料金プランの変更では契約解除料が発生しない。
 「UQ Flat 年間パスポート」は「WiMAX PC バリューセット」との併用も可能。その場合、登録料2835円と、通信料が最大2カ月間無料になる。



サムスンGalaxy S後継は i9100 / Galaxy 2、デュアルコアCPU採用?
 韓国内だけでなく日本や米国でも人気端末となっているサムスン Galaxy S の後継機について。先日は「(2011年)前半フラッグシップ」モデルについての流出資料を掲載しましたが、今度は「Galaxy 2」の実機に触れたという人物のコメントが出てきました。携帯電話に強いジャーナリスト Eldar Murtazin 氏がなにげなく Tweet した発言で、内容は「ソニエリの anzo (原文まま) と、galaxy 2 / i9100をいじっている。ソニエリのは良くできているが、サムスンのほうは技術的にとても先を行っている。デュアルコアなど」。
 Eldar Murtazin 氏といえば、未発表端末について「うっかり」漏らす癖で知られている人物です。たとえばGalaxy SのQWERTYキーボード付きモデル (のちの Epic 4G ) を " Galaxy Pro "としていち早く報じたのも同氏。また欧州向けのオリジナル Galaxy Sの型番はGT-i9000 であり、「i9100」は一世代進んだ後継機としていかにもありそうな型番ではあります。
 とりあえず i9100 / Galaxy 2 が実在するとして、問題なのはそれがいつどんな形で世に出るのか。「デュアルコア」部分からすれば、たとえばARM Cortex-A9 デュアルコアを載せたサムスンの次世代 SoC " ORION " 採用機ということも考えられます。 また「サムスン製の次期 Google 携帯 Nexus S」のうわさとの関係も気になるところ。ORIONベースだとすればプロセッサはサンプルが始まったばかりであることなど時期的には微妙ですが、HTC製 Nexus One と HTC Desire の関係のように、素の Android 2.3 Gingerbreadを載せたGoogle携帯がNexus S、サムスンの独自要素を加えた兄弟機が Galaxy 2 (仮) という可能性もありそうです。



WiMAXと3Gの両方に対応した高性能Androidスマートフォン「HTC EVO 4G」に新型が登場する可能性
 従来の3G通信に加えて、次世代高速通信サービス「モバイルWiMAX」をサポートした高性能なAndroidスマートフォン「HTC EVO 4G」が今年3月に登場しましたが、さらなる新型が登場する可能性があることが明らかになりました。
 ちなみに「HTC EVO 4G」は4.3インチWVGAタッチパネル液晶や1GHzで駆動するQualcommのSnapdragonプロセッサ、800万画素カメラなどを搭載しており、現在はOSに最新バージョンとなる「Android 2.2」を採用しています。
 アメリカの特許商標庁が開設しているデータベースによると、HTCは新たに「HTC EVO SHIFT 4G」という商標を申請したそうです。「HTC EVO SHIFT 4G」が具体的にどのような製品であるのかは不明で、商標の使用開始日についても明らかになっていませんが、この商標自体は携帯電話やスマートフォンを指すものだとされています。
 ちなみにHTCはモバイルWiMAXだけでなく、次世代高速通信サービス「LTE」を採用したAndroidスマートフォン「HTC Mecha」の開発に乗り出すなど、スマートフォン分野において先行しており、先日ソフトバンクモバイルから国内最大のディスプレイを備えたハイエンドモデル「HTC Desire HD」をリリースしています。
 実際に新型が発売されるのであれば、今後リリースが予定されているAndroidの最新バージョン「Gingerbread」や今年6月に発表された新型Snapdragonプロセッサを採用するなど、さらなるスペックアップが期待されます。
 「HTC EVO 4G」がサポートしている通信方式「CDMA2000」を国内で唯一採用しているのは、モバイルWiMAXサービス「UQ WiMAX」を展開しているUQコミュニケーションズを子会社として抱えているKDDIなのですが、今後この端末をリリースするというようなことは無いのでしょうか。



シャープ製品説明会、国産スマートフォンで勝負する同社の狙い
 シャープは15日、2010年冬春モデルの製品発表会を開催した。同社は2010年をスマートフォン元年と位置づけ、従来の携帯電話の端末開発と並行して、国内外のスマートフォンに注力していく姿勢を見せた。
 プレゼンテーションを行ったシャープの情報通信事業統轄 通信システム事業本部長の大畠昌巳氏は、冒頭「今日はスマートフォンにおけるSomething New(何か新しいこと)を届けたい」と意気込みを語った。
 大畠氏は、活況を呈しているスマートフォン市場の状況を資料で説明し、Android OSのシェアが2010年に17.7%、2014年には30%になるとした。また、国内の携帯電話販売数自体は横ばいだが、こうした中でもスマートフォンの比率は高まり、2010年の10.6%から、2011年には18%以上になるとの予測を示した。
 さらに、Twitterなどのマイクロブログの利用者が拡大しており、スマートフォンを使ってマイクロブログを利用しているユーザーは、パソコンや一般的な携帯電話で利用しているユーザーを引き離し42.5%に上るとした。この傾向はSNSでも顕著で、スマートフォンを使ったSNSの利用は45.8%でトップ、2位は42%で携帯電話とパソコンの併用者となった。
 しかし、スマートフォンの利用が活発になる一方で、従来の携帯電話で利用できていたことがスマートフォンで利用できなくなる場合があるために、スマートフォンへの移行に二の足を踏んでいるユーザーがいると大畠氏は述べた。シャープの2010年冬春モデルは、こうした市場の動向を踏まえた端末展開になっているという。
■ スマートフォン販売数、早期に500万台に
 大畠氏は、インド市場向けにGSM端末を投入することを明らかにしたほか、中国市場向けには、Android OSを中国市場向けにカスタマイズした点心OS(Tapas OS)を採用したスマートフォンを投入していることを紹介。今後、3D液晶搭載モデルを海外展開する計画にも触れた。なお、点心OSは、グーグルの地図サービスなどが利用できない中国の国内事情を背景に、代替サービスやコンテンツを盛り込んだカスタマイズOSとなる。
 シャープでは、今後2~3年でスマートフォン販売台数を500万台まで伸ばしていきたい考え。同社の2010年の目標販売台数は国内外で1100万台、売上げ規模は4500億円。携帯電話のシェアと同様に、スマートフォンでも3割程度を獲得したいとしている。
 このほか質疑応答において、ベースモデルを国内と海外で共通化し、国内についてはローカライズして提供することで効率的な開発が可能になるとした。また、Android以外にも投入する地域に最適なOSを展開するという。
 発表会後の質疑では、携帯電話業界ではネガティブな意味で使われることもある「ガラパゴス(GALAPAGOS)」をブランド名にしたことについて、当初は驚きを持って迎えられたが、「総じて温かく頑張って欲しいという声が大きい」(大畠氏)と述べた。シャープでは、「GALAPAGOS」という名称をダーウィンの進化論の起点となった、今後の進化を感じさせるポジティブなイメージとして採用したという。



7~9月のGDP、実質年率3.9%成長
4期連続プラス、駆け込み消費で上ぶれ 10~12月はマイナス成長も
 内閣府が15日発表した2010年7~9月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.9%増、年率換算では3.9%増となり、4四半期連続のプラス成長となった。エコカー補助金終了やたばこ増税などをにらんだ駆け込み需要に猛暑効果が加わり、個人消費が大幅に伸びた。ただ、政策による押し上げ効果が弱まる10~12月期はマイナス成長に転じる可能性が高い。(関連記事総合・ビジネス面に)
 海江田万里経済財政相は15日の記者会見で、GDP速報に関して「個人消費の伸びは一時的なものだ」と語った。さらに景気の先行きについて「足元では生産が弱含み、輸出も伸び悩んでいる」と警戒感を示した。
 7~9月期の成長率は1%程度とされる日本の潜在成長率を大きく上回った。日経グループのQUICKが事前にまとめた民間予測平均は年率で前期比2.6%増。実績はこれを1.3ポイント上回った。生活実感に近い名目成長率は0.7%増、年率換算では2.9%増で、2期ぶりにプラスに転じた。
 前期比でみた実質成長率0.9%は内需で押し上げられた。とくにGDPの6割弱を占める個人消費は前期比1.1%増と、4~6月期の0.1%増を大きく上回った。なかでも駆け込み需要と猛暑効果で自動車やエアコンなど耐久財が11.1%増え、成長率を0.6ポイント押し上げたのが特徴だ。値上がり前のたばこの買いだめなどで非耐久財も0.6%増えた。
 設備投資は前期比0.8%増と4期連続のプラスだったが、伸び幅は4~6月期の1.8%から縮小した。住宅投資は前期比1.3%増と2期ぶりにプラスに転じた。
 大幅に伸びた内需とは反対に、外需の押し上げはわずか0.02ポイントだった。これまでの景気回復を支えてきた輸出の伸びが鈍化し、前期比2.4%増にとどまった。輸入は2.7%増だった。
 物価動向を示すGDPデフレーターは前年同期比2.0%低下と6期連続でマイナスとなった。国内の価格動向を示す内需デフレーターも1.2%低下。ともに前期からマイナス幅を広げており、デフレから抜け出せない状況が続いている。



日本、中国の名目GDP実額を下回る 7~9月
 日本の名目GDP実額は4~6月期に続き、7~9月期も中国を下回った。内閣府のドル換算の試算によると、日本の1兆3719億ドルに対し、中国は1兆4154億ドルとなった。円高で日本のドル換算のGDPは押し上げられたものの、中国経済の成長ペースがこれを上回った形だ。中国は2010年に日本を抜き、米国に次ぐ世界2位の経済規模になる見通しだ。
 内閣府は季節調整をかけていない数字(原数値)を参考値として公表している。ドルに換算する際に使った為替レート(期中平均)は円が1ドル=85.857円、人民元が1ドル=6.770元だった。
 1~9月でみると、日本の名目GDPが3兆9674億ドルだったのに対し、中国は3兆9468億ドル。今なお日本が上回っている。
 大和総研が独自に季節調整をかけて日中の名目GDPを年率換算で試算したところ、7~9月期は日本が5兆6249億ドル、中国は6兆1890億ドルだった。1~3月期以降、3四半期連続で日中が逆転しているという。
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FOMA網併用が徒となるドコモLTEの料金体系

FOMA網併用が徒となるドコモLTEの料金体系
 NTTドコモは8日、、年内に開始するとしていたXi(クロッシィ)サービスを12月24日から提供開始すると発表した。Xiは、最大37.5Mbpsの通信速度をサポートしたLTEを利用するサービスである。サービス開始直後はエリアが限られており、LTEのサービスが受けられない地域ではFOMA網を利用することになる。LTEの帯域は、現在最速のUQコミュニケーションズによるモバイルWiMAXに匹敵するのだが、予想された通り、PCのデータ通信に最適化されたサービスというより、高速化された携帯電話サービスという色彩が強い。
●縛りやキャンペーンの存在するXiの料金体系
 それを最も強く感じるのは、料金体系である。複数の料金プランに制約を前提にした割引やキャンペーンのからんだ複雑で分かりにくい携帯電話の料金体系は、Xiサービスにも引き継がれている。端末の価格を割り引いたり、2年間利用することを前提に利用料金を割り引いたりと複雑で、注意書きがたくさんある。帯域制限も受け継がれており、極めて“ケータイ的"な印象だ。
 Xiの料金体系は、大きく分けて、2年縛りとなる「Xiデータプランにねん」と、2年縛りのない「Xiデータプラン」の2種類。いずれも2段階制定額に青天井の容量拡張を組み合わせたもので、3MBまで、5GBまでの2段階の定額プランと、それを超えると2GBごとに2,625円が加算されていく仕組みを合わせたものとなっている。つまり、5GBを超えると、使った分だけ、2GBごとに上限なく2,625円が加算されていく。
 現在NTTドコモは3.5Gサービス(FOMA)において、上限のあるデータ通信サービス(定額制サービス)を提供しており、こと上限料金の設定という点でXiは後退してしまったと言える。データ専用端末によるFOMAのデータ通信は、2年縛り前提なら月額5,985円を上限とした定額制となっているのに、FOMAより電波の利用効率が良いハズのLTEを用いたXiに上限設定がないのはなぜなのだろう。
 ややこしいのは、2012年4月30日までは、「スタートキャンペーン」と称して、上限を4,935円(Xiデータプランにねん)、あるいは6,405円(Xiデータプラン)に設定した定額制料金が設定されていることだ(対応プロバイダ料金は別)。つまり最大で約16カ月は、定額制で利用でき、しかもFOMAのみの2年縛りより1,000円ほど毎月の利用料金が割安になる(2年縛りのXiデータプランにねんの場合)わけだが、それでも残りの8カ月は青天井で利用することが求められる。
 キャンペーン期間終了後は、2年縛りで月額6,510円(5GBまで)で、2GBごとに2,625円加算だから、2年間の利用を前提にすると、FOMAのデータ通信のみを利用するユーザーでも、Xiデータプランにねんに入って、最後の8カ月を5GBを超えないよう注意して使った方が、利用料金だけなら安くなる、ということになる。ただし端末代が別途かかるので、トータルでどれくらい違うかは、現時点では不明だ。
●現実のデータ通信に即していないドコモの想定
 ハッキリいって、ここまで書いてきただけで、筆者はイヤになった。制約や注意書きの多い料金体系はもちろん、対応プロバイダ料金などのオプション課金の存在、そして決定的なのは、青天井の料金体系である。世界の大半の携帯電話会社が採用を決めているという理由で、LTEを将来のモバイルブロードバンドの主役と考えている人は多いようだが、こんなにややこしいサービスなら筆者はまっぴらごめんだ。
 そもそも広帯域のネットワークに期待するのは、その帯域に見合った利用であり、サービスだ。当然、帯域の狭いサービスよりデータの使用量は増える。料金を青天井にした上で、一定以上の利用に対しては帯域制限をするというのでは、何のためのブロードバンドサービスなのだろうと思う。Xiサービスでも従来同様、直近の3日間のデータ通信料が300万パケット(約370MB)以上になった利用者に対して、帯域制限を行うという。3日間でたったの370MB、月間で5GBという規制は、3.5Gであれば妥当なものかもしれないが、ブロードバンドを名乗るサービスの規制としては似つかわしくない。
 もちろん、現在の定額制をベースにしたInternetサービス(回線を含む)において、ごく一部のユーザーが大半の帯域を使っていることが問題視されていることは理解している。多くのユーザーの利益を守るために、あまりにも帯域を消費するユーザーに対しては、何らかの措置が必要だということも理解する。が、370MBに5GBでは、次世代の高速モバイルブロードバンドという看板が泣く。まるで、北米のキャリアが、3Gによる年間契約のデータ通信サービスに対して現在課している容量制限のようだ。北米では、3Gのデータ通信サービスは、もっぱら企業向けで、個人で契約するユーザーは極めて限られている。
 NTTドコモは、この5GBという容量の目安として、Webサイト閲覧17,500回(1ページ300KB程度を想定)、メール送受信(1KB程度を想定)で約524万通、動画(平均512Kbpsを想定)で約1,370分、音楽(1曲4分、約4MBを想定)で約1,250曲、という例を挙げている。音楽はともかく、その他の設定で前提とされているデータ量は、PC用のデータ通信というより、iモードのデータ通信ではないかと思う。Flashの貼られたページを閲覧すれば、1MBなど軽く超えるし、PDFや高解像度のJPEGイメージが添付されたメールが送られてくるのがPCのデータ通信だ。
 ここ数年、筆者が利用しているサービスに、NFL Game Passというものがある。これは、NFL(アメリカンフットボールのプロリーグ)が、国外在住のファン向けに、NFLの試合をリアルタイムでインターネット中継するサービスだ。料金は1シーズン279.99ドル(2010年シーズンの場合)だが、シーズン途中からの加入用に割引料金も設定されている。今シーズンで3年目だか4年目で、昨年からHD化した。最大3Mbpsの720pによる生中継である(その前はラジオの有償中継だった)。3Mbps以下でも中継を見ることは可能だが、画面がノイズだらけになり、肝心のボールの行方を追うことが難しくなる。
 NFLの試合は、米国東部時間の日曜13時、16時、20時半の3パターンに、月曜日の20時半の4回に分けて行なわれる。それぞれ日本時間にして、月曜日未明の3時、6時、10時半、そして火曜日朝の10時半ということになる(サマータイムが終わった11月以降の場合)。筆者はこのスケジュールに合わせて、日曜日は夜の20時にはベッドに入ることにしているが、10時半スタートのゲームに関しては、自宅で見ることができないことも少なくない。たとえば11時から12時までの発表会や説明会に出席すると、帰宅するのは13時頃で、以前は試合の結果を歴史として知ることがほとんどだった。
 ところがUQのWiMAXがあれば、とりあえず自宅に戻る前に、コーヒーショップでも公園でも、ノートPCを開けば試合の後半をそのまま見ることができる。現時点でこれが可能なのはWiMAXだけだ。ほかのワイヤレスサービスでは、理論上の通信速度は十分でも、安定して3Mbpsの通信を維持することが難しい。少なくとも都内の地表面(地下や高層ビルの上層階は除く)であれば、どこでノートPCを開いても、その瞬間に米国で行なわれているフットボールの試合を見ることができるというのは、ちょっと前なら考えられなかったことであり、まさにモバイルブロードバンドを実感する。
 おそらくLTEでも、通信の帯域的には同じことが可能だろう。だが、料金体系や帯域制限が邪魔をする。アメリカンフットボールの1試合は約3時間だから、3Mbpsのデータレートでは1試合でおおよそ4GBとなる。現在の料金体系なら2試合目で早くも追加料金が発生するし、月曜朝の試合を見ると、火曜朝の試合は帯域制限で見ることができない、ということになりかねない。筆者にとっては使えないサービスだ。
 もちろん、こうした利用が今のところ一般的とは言えないことは承知している。国内の利用者はわずかだろう。しかし、これは実験でも夢でもなく、すでに実用化された商用サービスなのである。
●原因はFOMA網の併用
 LTEの料金を定額にすることができない理由の1つは、当面はFOMAサービスを併用せざるを得ないからだろう。LTEも、サービス開始直後は、そのサービスエリアは極めて限られる。都内の場合、初期のサービスエリアはおおよそ山手線内プラスアルファといった感じで、つながらない、圏外ばかりと評判の悪かったWiMAXの立ち上げ時と利用範囲に大差はない。
 LTEがWiMAXと大きく異なるのは、サービスエリア外でもFOMAにフォールバックして利用可能であることだ。つまり、遅くなっても、全くつながらないことをまず考えなくて済むことになる。それは大きなアドバンテージに違いないが、FOMA網を併用するがゆえに、データ通信が携帯電話サービスに支障を与えないようにする必要がある。LTEと同じ感覚で、FOMAを使われては困る、ということではないかと思う。
 携帯電話サービスを併用しない(併用できなかった)WiMAXは、サービスエリアの狭さに悩んだ(地方では今も悩んでいる)ものの、併用しないがゆえに携帯電話サービスに起因する制約がない。将来的な可能性は否定しないものの、今のところ、帯域制限や容量制限は存在しない。もちろん、携帯電話サービスに頼れないということは、データ通信だけでエコシステムを作れるか(採算ベースに乗せられるか)、ということでもあり、ここに不安を感じるユーザーも多いのだろう。
 つまり、つながれば高速で料金体系も分かりやすい反面、圏外になる不安と国際的な普及が進むかどうか懸念されるWiMAXと、圏外になる不安はないものの、当面は料金体系が分かりにくく、帯域制限により大量のデータ通信向きではないXiサービスというのが、現時点での色分けとなる。
 おそらくNTTドコモとしては、基地局の整備と、LTEによる利用範囲の拡大を見ながら、料金プランを改訂していこうという考えなのだと思う。エリアの大半をFOMAに依存せず、LTEでカバーできるようになれば、定額制の料金を導入する可能性は十分にあるだろうし、帯域制限も緩和されるのではないかと筆者は考える(問題は、それがいつになるか、だが)。ただ、携帯電話の音声サービスや携帯電話端末によるデータ通信も、いずれはLTEにしていく方向性であることを考えると、XiがWiMAXほどフラットな料金体系になることはないのではないかとも思う。
 また、国際的な普及が確実視されるLTEだが、各国でどのようなバンドプランが使われるのか、まだ結論は出ていない。LTE同士であっても、バンドプランが違えば機器の相互利用はできない。おそらくLTEで国際ローミングが可能になるのは、相当先の話だろう。それに対してWiMAXでは、エリアが限定されるとはいえ、最も利用者の多い米国と日本間で国際ローミングが可能になっている。
 当分の間は、こうした点を考慮しつつ、どんなサービスと契約するのかを決めていくことになるのだろうが、やはり残念でならないのは、Xiが最初から定額を前提とした料金プランを提示できなかったことだ。たとえ定額料金が高くなっても、定額プランを用意して欲しかった。それは、現在のInternetのエコシステムが、広告を前提にしているからだ。定額制でない料金体系は、広告のパケット代をユーザーが負担することを意味する。それが最終的にはユーザーによる広告のブロックを招くかもしれない。そんな料金プランを最大手のNTTドコモが提示したという点に疑問を感じる。
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KDDI、LTE開始まで綱渡りの2年間 高速化競争の勝者は

KDDI、LTE開始まで綱渡りの2年間 高速化競争の勝者は
 KDDIが次世代携帯通信サービス「LTE」を開始するのは、NTTドコモから2年遅れの2012年12月。高速化競争ではNTTドコモやイー・モバイルに大きく引き離され、向こう2年間はUQコミュニケーションズの高速データ通信サービス「WiMAX」との連携が生命線となる。14年までにNTTドコモを上回る約5150億円をLTEに投資して一気の追い上げを狙うが、KDDIの次世代移行は綱渡りが続く。
“逆襲”のなかの「地味な」サービス
 10月18日、KDDIが開いた今秋~来春商戦の新製品発表会。スマートフォン3機種をはじめ計23機種をそろえ、スカイプ・テクノロジーズ(ルクセンブルク)との提携も発表して、「KDDIの逆襲」をアピールした。このとき併せて発表したのが、高速データ通信サービス「WIN HIGH SPEED」だ。
 通信速度は下り方向で最大毎秒9.2メガビット、上り方向で最大毎秒5.5メガビット。当初はスマートフォン2機種を含む7機種が対応し、端末の発売と同時に大都市圏や県庁所在地からサービスを開始する。KDDI商品開発統括本部の湯本敏彦モバイルネットワーク開発本部長は「これまで毎秒1メガビット程度だったEZwebの実効速度を、毎秒3.7メガ程度に高められる。全体の7~8割の地域で高速化のメリットを得られる」と説明する。
 ただ、KDDI次期社長の田中孝司専務が発表会見で「ちょっと地味」と口を滑らせたように、WIN HIGH SPEEDはこの日の主役ではなかった。というのも、最大速度が他社の新サービスに比べ大きく見劣りするうえ、対応機種が当初は音声通話端末に限られるからだ。
 NTTドコモが今年12月24日に開始するLTEサービス「Xi(クロッシィ)」は、最大速度が下り毎秒37.5メガビット(屋内など一部は毎秒75メガビット)、上り毎秒12.5メガビット(一部は毎秒25メガビット)。また、イー・モバイルが11月19日に開始するDC-HSDPAと呼ぶ技術を使った「EMOBILE G4」は、最大速度が下り毎秒42メガビット、上り毎秒5.8メガビットだ。両社ともサービス開始時はパソコンなどに接続するデータ通信端末を発売する。ソフトバンクモバイルも2011年2月下旬以降、DC-HSDPAのサービスを始める。
 LTEは3.9世代(3.9G)携帯電話システムに、DC-HSDPAは3.5世代(3.5G)を高度化させた技術に分類される。一方、KDDIがWIN HIGH SPEEDで採用した「EVDOマルチキャリア」はそれらよりも前の世代の技術にとどまる。次世代通信の主戦場となるデータ通信端末では自社の手駒がないことになる。
なぜLTE開始が遅れるのか
 肝心のLTEをKDDIが開始するのは12年12月の予定。この遅れの背景には、KDDIがLTEの基盤周波数に800MHz帯を使おうとしている事情がある。
 800MHz帯は電波の浸透率が高く全国カバーに適しているが、800MHz帯は総務省の政策に基づき周波数の再配置作業が続いている。そのためKDDIは再配置が完了するまであえてLTEの開始を先送りし、総務省から3.9Gサービスのために割り当てられた1.5GHz帯周波数は、800MHz帯で賄いきれない回線容量の補完帯域として活用しようとしている。
 ただ、携帯電話ネットワークのトラフィックは急増を続けており、高速化へのニーズは高まる一方だ。パソコンはもちろん、最近急増しているスマートフォンや米アップルの「iPad」をはじめとするタブレット端末、カーナビゲーションシステムなど端末も多様化している。これらの新型端末とネット経由でソフトやサービスを提供するクラウドコンピューティングを連携させるサービスも育ち始めた。
 こうした需要が他社に流れるのを防ぎ、LTEまでの2年間をつなぐ技術としてKDDIが見込むのが、UQコミュニケーションズのWiMAXサービス「UQ WiMAX」だ。09年7月に正式サービスを開始し、最大速度は下り毎秒40メガビット、上り毎秒10メガビットと速度では遜色(そんしょく)ない。KDDIはUQの経営権は持たないものの出資比率は45%で、携帯電話4社のなかでは唯一、UQの回線を借りるMVNOとしてWiMAXサービスを扱っている。
 LTEが携帯電話の進化型であるのに対し、WiMAXは無線LANなどのデータ通信から派生した技術。データ通信に限れば、LTEと同じ新型の変調方式を採用するなど高速化手法は近いが、音声通話に対応していないなど根本的な思想がLTEとは異なる。
 KDDIは今年6月、1台で3Gデータ通信とWiMAXの両方を使えるデュアルモードのデータ通信端末を4機種投入した。この端末はWiMAXを使えるエリアでは高速なデータ通信を利用でき、それ以外の地域は従来の3Gで通信する。
KDDIのLTE実験用基地局
 NTTドコモも、サービス開始当初は3GとLTEを連携させ徐々にLTEのエリアを拡大していく。使う技術は異なるものの、端末側が複数の通信方式をサポートするサービスである点は共通している。
 KDDIはデュアルモード端末で個人向けとビジネス向けの2種類の料金メニューを用意した。個人向けは月額最大5750円、ビジネス向けは最大6580円で、価格設定は他社の新サービスとさほど変わらない。
開始は1年半先行したが・・・
 WiMAXは当初はつながりにくさが指摘されたが、UQはこの1年あまりで改善を進めてきた。「開始以来、実際の環境でサービスを提供しながらチューニングしてきた。これから始まる他社のサービスに対するアドバンテージになる」(UQの野坂章雄社長)。
 ただし、KDDIにとっていくつかの懸念材料もある。6月に発売したデュアルモード端末は、3GとWiMAXを自動的に切り替える機能にトラブルが発生した。法人ユーザーのVPN(仮想私設網)ソフトやそのバージョンによって、ネットワークの切り替え時にリンクが切断する事例が発生。「その場合は、ネットワークを手動で切り替えることを勧めている」(KDDI)。一部のケースに過ぎないことを割り引くとしても、携帯電話がベースの3Gとデータ通信用のWiMAXの連携が技術的に容易でないことがうかがえる。
 しかもWiMAXで使う2.5GHz帯周波数には直進性が強い特性があり、屋内に電波が入りにくいという課題が付いて回る。この問題をクリアするため、UQは電波が届きにくいオフィスや会議室に電波を中継する機器を用意して、エリア整備に当たっている。それでも「サービス開始時のエリアの狭さは、いまだにユーザーの記憶に残っており、顧客獲得の足を引っ張っている」と野村総合研究所コンサルティング事業本部情報・通信コンサルティング部長の桑津浩太郎主席コンサルタントは指摘する。
 海外の動向も不安の一つだ。米国の主要WiMAX事業者であるクリアワイヤがLTE導入の検討を具体化させたことなどがきっかけとなり、「WiMAX陣営の勢いが一気に失速してきた」と情報通信総合研究所グローバル研究グループの岸田重行主任研究員は語る。商用化で先行したこの2~3年で市場を取っていれば状況は違ったかもしれないが、多くの通信事業者が携帯電話と親和性が高いLTEの採用に動いたため、データ通信がベースのWiMAX陣営は劣勢となっている。事業者数が少なければ海外で使える地域は限られ、端末価格も高止まりしてしまう。
 国際電気通信連合(ITU)は10月下旬、次々世代の超高速データ通信となる4G携帯電話システムの国際規格に、LTEの発展型である「LTE-Advanced」とWiMAXの発展型である「WirelessMAN-Advanced」をともに採用すると決めた。国際規格を定める標準化機関からは将来のお墨付きを得たかたちだが、通信事業者などが選ぶ業界標準としてWiMAXの存在感をどう高めるかは、UQのみならずKDDIにとっても大きな課題となる。
LTEの「垂直立ち上げ」は成功するか
 KDDIはLTEを開始する12年12月から14年度末の約2年間での巻き返しを狙っている。NTTドコモの1.5倍に当たる5150億円をつぎ込んで、人口カバー率で96.5%を目指す。さらにサービス開始時点で音声通話端末も販売し、データ通信以外の用途にも拡大する。
 しかし、先行するドコモも11年には音声端末を投入する。WiMAXで料金競争を挑むなど大胆な方策をとらないと、LTEをはじめとする他社サービスに市場を奪われ、LTEで勝負をかける12年には、その場所は既になくなっているかもしれない。



会談実現、まだ出発点
 オバマ米大統領の歴訪に同行してアジアを巡った。汚い長屋の隣に最新デザインのビルが建ち、そこらじゅうで道路工事の音が騒がしい。どこからわいたかと思うほどの数の子どもたち。インド12億人の半数以上は30歳未満だ。風景は高度経済成長期の日本と重なる。
 最後の訪問地・横浜にはかつてのようにせかせか歩く人はいなかった。時間が止まったような日本にふさわしく、オバマ氏と菅直人首相の会談はごく和やかだった。
日本は視線の外
 鳩山前政権のときのようにオバマ氏が「普天間移設が進展していない」と詰問する場面はなかったし、11日の米韓や米中の首脳会談みたいに経済摩擦を巡り双方が声を荒らげることもなかった。
 日米に続き、菅氏は実現が心配された中国やロシアとの首脳会談も無事こなした。「周到な準備をされましたね」。胡錦濤主席にはねぎらいの言葉をかけられた。相次ぐ外交失点で支持率を落とした菅氏は胡主席を送り出した直後、「ふ~」と大きく息を吐いた。
 台頭する中国と渡り合うには日米連携が欠かせない。米国は過去1年余りの日米対立を棚上げしたのか。オバマ氏に近い米民主党の関係者に聞くと、答えはイエスでもノーでもなかった。
 米側からみると、何かとふらつく菅氏の外交姿勢はかなり危うげだ。だが、喫緊の課題は対中包囲網づくりのカギを握るインドや東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国の引き寄せ。多くの場合、日本は視線の外だ。
 「やはり一番大事だからな」。米側の事情を知ってか知らずか、一連の外交日程に先立つ勉強会で菅氏が熱心に耳を傾けたのが日米関係だった。
 英語が不得手で、国際会議の社交の場では1人で手持ちぶさたにしていることが多いのに、今回はソウルで勇気を奮ってオバマ氏に「横浜で会うのを楽しみにしています」と話しかけた。
 問題はやる気と裏腹に日本外交の戦略が描けていないことだ。
 首脳会談をしたといっても中国ともロシアとも懸案が片付いたわけではない。メドベージェフ大統領は今後も北方領土を占有すると言い切っており、事態はむしろ一段と悪化した。言葉で日米重視を打ち出せば、中国の東シナ海進出は止まるのか。ロシアは再び領土交渉の席に着くのか。外交はそれほど単純ではあるまい。
米中は備え厚く
 米政府にTPPへの参加検討を内々に伝えた際、日本政府関係者は驚いた。キャンベル国務次官補が「この件ですでに中国と話している」と明かしたからだ。
 シンクタンク新米国安全保障研究所のクローニン上級顧問はいう。「中国に触れずにアジアを語ることはできない」。にらみ合いつつ、組むときは組み、切るべき仁義は切る。米中とも外交は二枚腰、三枚腰だ。
 そもそも菅氏が公約した日米重視はきちんと中身が伴っているのか。
 10月、ワシントンでのセミナー。「気候変動、新エネルギー対策などで日米協力を重ね、同盟を再軌道に乗せよう」。日米の有識者の議論にボーイング社幹部が割って入った。「普天間はコア・イシューだ」。これを解決しない限り、日米改善はない、と指摘され、会場はしんとした。
 菅氏は6月に普天間に関する日米合意の履行を約束したが、風向きが悪くなると代替施設の建設工法の8月決定などの段取りをほごにした。今回もオバマ氏に28日の沖縄県知事選後に「最大限の努力をする」と明言。もはやその場しのぎの口約束では済まされない。菅氏には一息入れている余裕など全くない。
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ラジオ番組ネット配信の新会社、電通などが設立へ

ラジオ番組ネット配信の新会社、電通などが設立へ
 電通とラジオ局13社はラジオ番組のインターネット配信を事業化する。ネット配信の事業会社を12月1日に設立し、電波での放送と同時にパソコンと高機能携帯電話(スマートフォン)に無料配信する。配信エリアは首都圏と関西に限定するが、将来的には他地域のラジオ局の参加も検討する。ネット配信に伴う広告の拡大で収益の幅を広げるのが狙い。
 新会社の社長や出資比率は現在調整中。ニッポン放送や文化放送など首都圏7局と関西6局は今年3月から「radiko(ラジコ)」と呼ぶ共同サイトを通じて同サービスの試験配信を始め、年内の実用化を目指していた。試験期間中はサイト画面に企業の広告枠を設けていなかったが、12月からの本格配信に合わせて広告も付く。
 来年以降には首都圏、関西以外のラジオ局の参加やNHK番組の配信も視野に入れる。また通常の携帯電話への番組配信やミニブログ「ツイッター」と連動したサービスなども検討する。
 ネット配信によるラジオ番組は、都市部のビル陰など電波が届きにくい場所でも音質がきれいに聞こえる利点がある。また受信機自体を持っていない若年層らにネットで番組を聴く機会を提供し、新たな聴取者を掘り起こす狙いがある。



KDDI、オンキヨーのタブレット端末を高速無線付きで販売
 KDDI(au)はオンキヨーが開発したタブレット型情報端末と高速無線通信端末をセットにして、19日から販売する。米マイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ7」を搭載した国内メーカー初のタブレット端末で、ビジネス需要が見込めると判断。価格も抑えめにして米アップルや韓国サムスン電子のタブレット端末を販売するソフトバンクやNTTドコモに対抗する。
 KDDIが売り出すタブレット端末はオンキヨーが近く発売する「TWシリーズ」の最上位機種で、液晶画面は11.6型。メモリーを増設するとともにタッチパネル式のボタン表示を大きくした独自仕様にし、高速無線「WiMAX」と携帯電話回線でインターネットが利用できる通信端末を付けて販売する。通信端末はUSB接続する。
 KDDIが販促費として4万2000円を負担し、店頭料金は3万円を下回る見込み。家電量販店より割安に購入できるという。ただ月1925~6695円の定額料金プランの契約が条件になる。ビジネスマンや企業向け需要を見込み、携帯販売店「auショップ」930店で販売する。



サイバーエージェント、採用に交流サイト活用
 サイバーエージェントは交流サイト(SNS)などソーシャルメディアを使った採用活動を本格的に始める。世界最大のSNSである米フェイスブック経由の採用枠を設けるほか、インターネット上の仮想空間で会社説明会や面接を実施。SNSは就職面でも情報交換の場として利用が増えており、全国各地から有能な新卒・中途採用者を確保するねらいだ。
 日本語版フェイスブックに、採用活動専用のサイトを近く開設する。2012年度の新卒採用で予定する計160人のうち、10人をフェイスブック枠に設定。11年度の中途採用でも10人をフェイスブック経由とする。
 採用サイトには社員インタビューやオフィスの様子などを公開。学生らが掲示板に質問を寄せると、社員が回答する。11年初頭には東京都内でフェイスブック利用者に限定したイベントも開く。
 一方、12月にはフェイスブック経由以外の採用も対象に、利用者同士が交流できるサイバーエージェントの仮想空間サービス「アメーバピグ」内のドームで採用説明会を実施する。志望者は事前にリクルートの就職情報サイト「リクナビ」を通じて登録。約1000人が参加でき、簡単な質疑応答も実施するという。
 サイバーエージェントなどネット企業が注力するアプリケーションソフトの開発分野では、有能な技術者の獲得競争が激化。地方や海外在住者を対象とするウエブ面接も始めている。



ビックカメラが免税専門店 秋葉原で外国人客争奪戦
家電製品やアニメグッズも
 ビックカメラは今月中に東京・秋葉原に訪日外国人客向けの免税専門店を開く。免税品はこれまで店内に設けた専用売り場で扱っていたが、中国人をはじめとした外国人客の増加を受けて採算に合うと判断した。近隣地区ではラオックスやヨドバシカメラも専用売り場を強化しており、訪日客を巡る家電量販店同士の争奪戦が激化する。
免税店への改装を進めるソフマップ店舗(東京・千代田)
 11月中旬をめどに、子会社のソフマップが秋葉原に持つ「パソコン総合館」を改装する。店名は「アキバデューティーフリーズ」。同店の売り場面積は約2100平方メートル。地上7階建て店舗の1~4階で、海外の電圧などに対応したカメラ、炊飯器、パソコンなどの家電製品を扱う。このほか、外国人にも人気のアニメグッズやつめ切りといった日用雑貨などもそろえる。
 免税店は6カ月以内の短期滞在の旅行者が対象。商品購入の際にパスポートを提示すると1度の会計額が1万500円超であれば、消費税分の5%を実質的に割り引く。
 販売員の3分の1は中国語や英語、韓国語で接客できる人材を配置する。1階部分には今後、訪日客向けの観光案内コーナーを設け、近隣の飲食店などの紹介サービスも始める。団体客の誘致を狙い、旅行会社などへも売り込む考えだ。
 ビックは10月に外国人客専用のポイントカードの発行を大手量販で初めて開始。中国人客の増加などを見込み、「外国人の囲い込みを進める」(宮嶋宏幸社長)方針だ。
 日本政府観光局(JNTO)によると、9月の訪日外客数(推計)は71万7800人で前年同月比34%増えた。羽田空港の国際化などを受け今後も増加傾向が続くとみられる。海外でも電気街として有名な秋葉原には多くの訪日客が訪れており、ヨドバシの秋葉原店を訪れる外国人客数は前年から2~3割増えているという。
 他社も訪日客向けの対策を強化している。中国・蘇寧電器(南京市)傘下のラオックスは、買い物目当ての外国人観光客が多く集まる東京・銀座の百貨店、松坂屋銀座店(東京・中央)内に20日出店する。免税専門館である東京・秋葉原の本店も9月下旬に改装し、品ぞろえを拡充した。ヨドバシは秋葉原店で、中国語などが話せる人材を今年に入り2.5倍に増やした。
 省エネ家電の購入を促す家電エコポイント制度などの恩恵を受け、家電量販各社の業績は上向いている。ただ政策効果を除けば市場の飽和感は強まっており、各社は将来の成長策が急務。外国人旅行客の取り込みはそのための一手となる。



オラクルとアップル、Java技術で連携
 【シリコンバレー=岡田信行】米IT(情報技術)大手のオラクルとアップルが12日、プログラミング言語「Java(ジャバ)」技術で連携すると発表した。オラクルは10月に宿敵IBMと同様の連携を発表する一方、グーグルに対しては8月にジャバ関連の特許侵害で提訴。同様にグーグルと対立するアップルを自陣営に引き込み、グーグル包囲網を強化する形になった。
 両社が協力するのは、「オープンJDK」と呼ばれる開発キットに関する技術。従来、アップルは自社の基本ソフト(OS)「マックOS」向けに、ジャバ技術を使える開発キットを自社開発してきた。
 今回の連携により、アップルは現行ソフトの提供を続けながら、オラクル主導のオープンJDKの枠内でマック版を開発・提供する。両社はオープンソース(無料公開)環境でソフトを作る技術者が開発しやすい条件を整えることで、ソフト開発者の支持を集め、中長期的に自社のソフトやデジタル機器の販売につなげる。
 ジャバを巡っては、世界的にスマートフォンへの搭載が進んでいるグーグルのOS「アンドロイド」が、オラクルが持つジャバの技術を侵害しているとして、オラクルが8月にグーグルを提訴。IBM、アップルの有力2社を味方に引き入れたオラクルと、グーグルの対立は長期化が避けられない状況だ。



航海士処分、海保まだ本格検討せず…議論は今後
 尖閣諸島沖の中国漁船衝突を巡る映像流出事件は、映像流出を告白した神戸海上保安部の主任航海士(43)の取り調べが中断しており、逮捕するかどうかの判断は週明け以降に持ち越された。
 過去の国家公務員法違反のケースでは、秘密を漏えいした職員が懲戒処分を受ける一方、起訴を免れているケースも多く、処分の仕方が今後、議論になりそうだ。
 ◆懲戒処分の行方◆
 主任航海士の懲戒処分について、海上保安庁はまだ本格的な検討をしていない。幹部は「捜査で事実関係が固まらないと、議論しようがない」と言う。
 国家公務員法では、同法やその他の職務上の義務に違反した場合に、懲戒処分を行うことができるとしており、過去の秘密漏えい事件では停職や免職になっているケースが目立つ。
 元総務事務次官の増島俊之氏(74)は、「個人情報なども多数取り扱う官公庁で、個々の職員が『公開すべきと思った』という理由で、組織として非公表としている情報を公表してしまったら、秩序を保つことはできない。懲戒処分を行うことは、公務員組織としては当然だ」と指摘する。
 ただ、増島氏は、「刑事処分に問うかは別だ」とする。2007年には、受刑者の経歴などをブログに書き込んだ徳島刑務所の看守部長が、停職3か月とされる一方、徳島地検が「懲戒処分で社会的制裁を受けた」として不起訴(起訴猶予)としている。



【産経主張】日中首脳会談 禍根残した友好第一主義

 横浜でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせ、日中首脳会談が行われたことは前向きに受け止めたい。だが、菅直人首相が尖閣問題で「日本の確固たる立場を伝えた」のに対し、胡錦濤国家主席も「中国の立場」を表明したという。首相は尖閣についての日本の主張を繰り返したにすぎない。
 わずか20分余りの会談で、尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突事件の本質が日本の主権の侵害であるという肝心の点が強調できたのか。首脳の顔合わせという友好の演出が優先され、「戦略的互恵関係」の促進というお題目の表明にとどまった印象は否めない。
 北方領土問題で議論が平行線に終わった日露首脳会談と同様、マイナス点をつけざるを得ない。
 9月7日の漁船衝突事件から2カ月余、菅政権は「尖閣諸島は中国領土」と強弁する中国政府に振り回され、悉(ことごと)く対応を誤った。その根幹は中国漁船と乗組員を早々に送り返し、公務執行妨害容疑で逮捕した船長を処分保留で釈放したことだ。その措置を「検察の判断」としたのも問題だ。
 事件の様子を記録した海上保安庁撮影のビデオ映像もごく一部を少数の国会議員に限定公開したにすぎない。中国側への過剰な配慮としかいえない弱腰姿勢が、海上保安官によるビデオ映像の流出を招いたのは言うまでもない。
 この間に中国側が示した威圧的な対抗措置は枚挙にいとまがない。東シナ海ガス田共同開発に関する日中両政府の条約締結交渉会合の延期▽ガス田への掘削用とみられる機材の搬入▽ハイテク製品に不可欠なレアアース(希土類)の事実上の輸出制限-などである。こうした肝心の課題について明確な方向性も出さずに首脳会談が終わったのは残念だ。
 日本側は数日前から「30~40分程度」の会談実現を要望していた。しかし中国側は回答せず、直前になって応諾したものの実質的な議論ができないような短時間の設定となった。日本側の駆け引きの稚拙さにも苦言を呈したい。
 一方、日露首脳会談では、菅首相はロシアのメドベージェフ大統領の国後島訪問について、「わが国の立場、日本国民の感情から受け入れられない」と抗議したという。尖閣諸島の問題でも、中国に対して、同様の毅然(きぜん)とした姿勢を貫くべきである。
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稼げないソニー! テレビ新製品の連発し、出荷台数急増でも…

稼げないソニー! テレビ新製品の連発し、出荷台数急増でも…
 ソニーのテレビ事業は一見すると、絶好調だ。
 10月12日、ソニーは「インターネットテレビ」を発表した。これは、グーグル製の「アンドロイド」とインテル製の高性能半導体を搭載したまったく新しいコンセプトのテレビ。キーボード付きリモコンも付属しており、インターネット閲覧とテレビ番組の視聴という家庭の2大娯楽が、これ1台だけで自在に楽しめる、というものだ。
 ソニーは6月にも高精細さが自慢の3Dテレビを発売している。新しい時代を予感させる新型テレビを次々に打ち出しており、テレビにおけるトレンドリーダーとしての地位は復権しつつあるかのようだ。
 新興国市場でも追い風が吹き始めている。韓国のサムスン電子やLGエレクトロニクスが上位を占めてきたインドの薄型テレビ市場で今年の夏、ソニーが初めてシェアトップに躍り出た。新興国市場でも、急速に「SONY」の4文字が輝きを増してきている。
サムスンが握る生命線 収益化できない迷路
 ところが、内実は決して輝いてはいない。華やかな新製品発表、販売台数の躍進とは裏腹に、収益展望は急速に不透明感を増している。テレビはソニーの売り上げの約15%を占めており、単一製品としては最大事業。かかわっている社員も多く、まさにソニーを象徴する製品だ。赤字に悩み続けるテレビ事業は、跛行を続けるソニーの縮図である。
 8月下旬、東京・品川にあるソニー本社ビルの会議室。ここにテレビ事業の幹部数十人が招集され、緊急会議が開かれた。会議で明らかにされたのは、今2011年3月期もテレビ事業の赤字が続く可能性が高いというシナリオだった。
 はじき出された赤字見通しはおよそ250億円。前期の赤字750億円から大幅に改善するものの、必達目標と掲げていた黒字化は絶望的な状況だ。急激な円高という逆風があったとはいえ、昨年度までのリストラ効果は大きい。今度こそ間違いなく黒字化できる、と考えていただけに、集まった幹部は、誰もが深いため息をつき、うなだれた。
 今期の折り返し地点すら迎えない時期での黒字化断念。最大の要因は、ドル箱である北米市場の需要が想定を大きく下回ったことだ。米ディスプレイサーチの調べによると、10年の北米の市場規模は年初予想から300万台ほど落ち込み、3850万台になる見通し。北米だけでなく欧州なども伸び悩んでおり、ソニーは期初に社内で掲げた世界販売計画2700万台を200万台ほど引き下げざるをえなかった。
 計画の下方修正を迫られているのはソニーだけではない。しかし、ソニーの苦悩が深いのは、テレビの原価の7割を占めるキーデバイス(基幹部品)である液晶パネルを、まったく内製していない点にある。
 液晶パネルの価格は年間におよそ2割のペースで価格低下が進んでおり、倉庫に保管して来年に使い回すわけにはいかない。いわば生鮮食品のようなものだ。販売計画の下方修正に合わせてパネルメーカーに調達のキャンセルを申し入れなければ、そのまま来期以降の損失につながってしまうリスクがある。
 ところが、キャンセルすればすべてが丸く収まるわけではない。キャンセルが、ドミノ式に将来にも難題をもたらす。緊急会議で話し合われたのは、「今期急遽調達のキャンセルを申し入れるにもかかわらず、来期にまた調達を拡大することをパネルメーカーは理解してくれるのか。特にサムスンは納得してくれるだろうか」という点だった。
 ソニーは来12年3月期には、販売台数4000万台を狙う。サムスンと折半出資する合弁工場S-LCDから調達するパネルが全体の過半を占めており、工場運営の主導権を握っているのはサムスン。ソニーの販売計画は実現性がない、とサムスン側が判断すれば計画どおりにパネルを調達することは難しい。実際、サムスンは今回の一部キャンセルの申し入れを受けて、「来期4000万台の計画は、本当に達成できるのだろうか」と強い懸念を示しているという。
手はすべて打ったが主導権は取り戻せない
 テレビの復活なくしてエレキの復活なし。エレキの復活なくしてソニーの復活なし――。05年6月にハワード・ストリンガー氏が会長兼CEOに就任して以来、テレビ事業の収益化は「プレイステーション3」などゲーム事業の赤字脱却と並んで、最優先の経営課題に据えてきた。
 液晶テレビの世界市場シェアはサムスンに続く2位につけている。にもかかわらず、今期も赤字となれば直近5期だけでも合計赤字額は約3200億円に達する。テレビ事業は、デジタルカメラや金融など、ほかの事業の稼ぎに支えられながら延命されているといってもいい状況だ。
 もちろん、この惨状に対し、経営陣は決して手をこまねいてきたわけではない。むしろ、打てる手は打った。だからこそ赤字継続はショックなのだ。
 ストリンガー会長はトップ就任から終始、エレキ事業の生産設備・人員リストラを進めてきた。特に、ブラウン管時代の非効率な開発・生産体制を引き継いだままだったテレビ事業については、08年末以降に愛知県一宮やメキシコ、東欧の工場を閉鎖・譲渡するなど、生産固定費を大幅に圧縮するアセットライト戦略を突き進めた。
 携帯電話端末の合弁会社であるソニー・エリクソンでファブレス(工場を持たない)経営を学んだ吉岡浩副社長が現場に立ち、製品設計も根本から見直している。部品や設計を単純化・共通化できコスト削減につながるなら、デザインへのこだわりも捨てた。スリム化を図りながら販売台数も右肩上がりで拡大させており、その意味ではソニーのブランド力は依然として強いことを証明した。
 しかし、それでも黒字化が難しい理由をソニーの経営陣はよくわかっている。「テレビ事業はパネルメーカーに主導権を奪われてきた。そこに忸怩(じくじ)たる思いがある」。吉岡副社長は09年秋、記者を前に胸中を吐露している。
 コストの7割を占めるコアデバイスを外部に委ね、2割超の単価下落の中で薄利を確保するビジネスモデルは、外部環境の変化で瞬時に機能不全に陥る。これまでにも、需給逼迫期にサムスン合弁工場からすらもパネルを十分調達できず販売機会を逸失したことや、大量調達した結果高値でパネルをつかみ、損益を大幅に悪化させたこともあった。
 安定調達の手法として、シャープの大阪・堺液晶コンビナートで合弁を組み、パネルを共同生産する枠組みを08年に構築した。しかし、数量や価格面で折り合わず、ソニーに供給された数量は極めて限定的だ。
 自前のパネル生産投資に踏み切っていれば赤字に悩むことはなかった、ということでもない。世界4位の薄型テレビメーカーであるパナソニックは液晶・プラズマパネルの大半を内製するが、08年度から赤字に沈んだまま。数千億円規模の設備投資で償却負担も重い。液晶パネルメーカーとしては国内最大手のシャープですら、夏場のパネル工場稼働率が急落し、自社でパネルからテレビまでをつくる垂直統合モデルの強みは出せていない。
 結局、テレビを取り巻く状況が物語るのは、「最も多く生産するサムスンが、テレビでもパネルでも価格競争力を持ち、産業を主導する」ということだ。足元の北米テレビ市場で、ソニーは市場シェアを伸ばしているが、そのシェアはLGエレクトロニクスから奪ったもの。サムスンはソニーと同程度シェアを伸ばしたため、その差が大きく縮まっているわけではない。
 ストリンガー会長は社内の会議で、時折こう発言することがある。「協調を阻むサイロは壊した。アセットライトも進んだ。だが、まだ成し遂げていないことがある。中長期にわたって成長と収益をもたらす、新しいビジネスの創出だ」。
 かつて出井伸之前会長が煙たがった、創業者の薫陶を受けた重鎮たちはみな退いている。そのため、ストリンガー会長が創業期の面々と経営手腕で比べられることもない。「ストリンガー会長から指示を受ける執行役員たちは調整型が多い。そのため激烈な意見の衝突はめっきり減っている」(ソニーOB)。
 しかし、ソニーは「新しいビジネスの創出」ができない焼け野原ではない。最終製品の分野では一部事業の撤退や関連する製品開発施設の閉鎖などを断行したが、デバイスでは最先端分野の研究開発と設備投資を続けてきた。
 たとえばリチウムイオン電池。かつてソニーが圧倒的な強みを持った家電用途の電池は、韓国勢の追い上げが激しい。そこで、事業の軸足を車載電池やスマートグリッド(次世代電力網)用蓄電池など産業用に移すのを急務としている。福島と栃木の既存工場に産業用電池専用のパイロットラインを建設したばかりだ。
 また半導体事業も、長崎のシステムLSIの生産ラインこそ東芝に売却したものの、デジタルカメラ、ビデオカメラなどに用いる電子の目、撮像素子には投資を続けている。まだ収益化できる事業には育っていないが、ペンの細さに巻けるフレキシブル有機ELディスプレーや、給電ケーブルなしで、周囲の金属に熱を与えることなく、携帯電話などを充電できるモジュールなどといった研究開発プロジェクトは、関連の学会でも大きな注目を集めている。
 米国でインターネットテレビを発表した次の日、デバイス事業のエンジニア約50人がひそかに奈良・天理へ飛んだ。向かった先は、シャープの研究開発拠点。広いホールにはシャープのあらゆる事業のエンジニア約500人が集まり、熱気でむせ返った。
 ソニーの最先端のデバイス事業をシャープにアピールする、いわば“技術見本市”。製品ごとでは従来からキヤノンやパナソニック向けに開かれていたが、デバイス事業すべてを横断し、これほど大規模に開かれた例はここしばらくなかった。
 ソニーのエンジニアが惜しげもなく披露したのは、電気自動車用バッテリーとして期待されるオリビン型リン酸鉄を正極材料に用いたリチウムイオン電池、裸眼3D映像用の撮像素子、独自開発した静電式タッチパネルなど、ソニーが誇る先端デバイスの数々。シャープの町田勝彦会長と片山幹雄社長も姿を現し、これらのデバイスに見入っていたという。
 両社の間には堺のパネル合弁の問題がまだくすぶっており、ここから新しい協業が生まれるかは未知数。だが、少なくともソニー側には次世代デバイスを収益事業に育てるという機運は高まっている。
川上にさかのぼるほど差別化のチャンス
 「デジタル時代はハードの差別化が難しいとみんな言うけれど、それは違う。デバイス、さらに先の素材と、川上にさかのぼるほど差別化のチャンスがある。そして、ソニー製品に強いデバイスを載せるために、外販で大胆に稼がなくちゃならないんだ!」
 デバイスソリューション事業本部の石塚茂樹本部長が繰り返す、この熱いメッセージを、本社や生産事業所の多くの社員が聞いている。
 石塚本部長は09年までデジタルイメージング事業(デジタルカメラ、ビデオカメラ)本部長を務めたが、この事業はソニーにとって直近の成功体験といえるかもしれない。銀塩フィルムカメラ事業を持っていなかったソニーは、スチルカメラの分野では後発組だった。
 だがビデオカメラ「ハンディカム」で培った高性能の撮像素子で、銀塩フィルム時代からのカメラメーカーと肩を並べた。テレビ同様価格下落が厳しい中でも、比較的底堅い収益力が維持できているのは、社内で生み出したキーデバイス=撮像素子が支えるからだ。
 つまり、デバイスこそが最終製品の競争力の源泉だ。サムスンの高い利益率を支えているのは、液晶パネルや半導体メモリなどのデバイス。そのサムスンの幹部は、「かつてソニーはわれわれの目指すベンチマーク企業だった。が、今は違う。お客さんだ」と言い切る。
 「ソニーをほかのどことも異なる企業として維持することを、決意せよ」
 米ソニー・エレクトロニクス本社の一角には、60年前にソニーを創業した盛田昭夫氏のこんなメッセージが掲げられている。ソニーが収益力を取り戻すためには、もう一度原点に返り、ほかのどこにもつくれないデバイスを粘り強く生み出していかなければならない。
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iモード版ドコモマーケットは成功するのか?海外アプリマーケットに見る成功の条件

iモード版ドコモマーケットは成功するのか?……海外アプリマーケットに見る成功の条件
 スマートフォンとは何かを一言で定義するのは難しい。しかし、世の中でスマートフォンと呼ばれている携帯電話端末に共通する特徴としては、ユーザーが好きなアプリをダウンロードし、機能をカスタマイズできるという点が挙げられる。自由に追加できるアプリの存在は、スマートフォンにとって欠かせない要素である。
 スマートフォンにおいてアプリが果たす役割の大きさについて疑うところはないが、アップルのApp Storeが成功したことにより、アプリ配信マーケットが加えて重要視されるようになった。続いて登場したAndroidスマートフォンには最初からAndroidマーケットが備わっていたし、マイクロソフトもWindows Mobile 6.5からWindows Marketplaceを標準機能として搭載している。
 このようなOS純正の“大型量販店”に相当するマーケットが存在する一方で、携帯電話事業者などが“セレクトショップ”を独自に設ける動きが盛んになっている。NTTドコモは「ドコモマーケット」、KDDIは「au one Market」をスマートフォン向けに開設して日本のユーザーにマッチしたアプリや独自のコンテンツなどを配信しているし、Nokiaの「Ovi Store」、Samsungの「Samsung Apps」など、端末メーカー各社もまた自社製品向けのアプリ/コンテンツマーケットに力を入れている。シャープが電子書籍端末「GALAPAGOS」で提供するサービスなども、広い意味ではそのひとつと言えるだろう。
■App Storeの成功モデルを取り入れたiモード版ドコモマーケット
 そんな中、今期ドコモが新たな取り組みとして力を入れているのが、iモード版のドコモマーケットの展開だ。開発者登録の受付が始まっており、12月6日にマーケットのサイトがオープンする予定だ。
 これまでも、アプリを制作したコンテンツプロバイダに代わってドコモが月々の電話代と合算でiアプリの代金を回収する仕組みは用意されていたが、これを利用するにはiMenu掲載サイト(いわゆる「公式サイト」)になる必要があり、実験的なアプリ販売や個人レベルの開発者で利用できるものではなかった。また、配信サーバーはアプリ制作者が自ら用意する必要があったし、電話帳やメーラーとの連携、GPSやBluetoothの利用、グラフィック描画のためのOpenGL ESといったインタフェースは公式サイト以外には開放されていなかったため、端末自体の持つ機能と連携した高度なアプリを制作することも、少なくとも個人レベルの開発者にとっては不可能だった。
 iモード版のドコモマーケットでは、個人制作者に代わってドコモがアプリの配信サーバーをホスティングし、販売代金の回収も行う。公開前にはドコモの審査を受ける必要があるが、その代わりこれまで公式コンテンツプロバイダにしか使えなかった機能にもアクセス可能となる。いわば、iモード版のApp Storeである。この仕組みを導入することによってiアプリ市場を活性化し、ひいては通信料収入拡大につなげたい、というのがドコモのねらいだ。「ガラパゴス」的なiモードの世界をオープンにし、スマートフォンの成功モデルを採り入れるための取り組みという見方もある。
 また今回、ドコモでは単に配信と代金回収を代行するだけではなく、GUIベースでユーザーインタフェースを開発できる環境を一般提供するといった開発者の支援に加え、ドコモポイントでのアプリ代金の支払いを可能にする、マーケットのサイトはレビューやランキングなどの機能も充実させるなど、iアプリ市場自体を活性化するためのさまざまな施策を投入している。それでいて手数料率はApp StoreやAndroidマーケットよりも低い20%(販売金額の80%がコンテンツプロバイダの取り分)に抑えられている。
■「携帯電話以外」の世界を見据える海外アプリマーケット
 このような姿勢からドコモマーケットにかける同社の本気度の高さは伺えるが、この取り組みによってiアプリ市場は再び活性化するのだろうか。
 かつては事実上の「iPhone一択」でAppleの移行に縛られていた市場に、多様性と自由度を標榜するAndroidが登場し、アプリ配信マーケットに関してユーザーの選択肢は増えている。
 加えて言うならば、既にアプリのプラットフォームは「携帯電話以外」の世界を見据えた展開が当たり前になっている。当初iPhoneから始まったApp StoreはiPadのようなタブレット型端末、そしてMacへとその領域を広げているし、Androidは言うまでもなく当初からスマートフォンだけのプラットフォームではなく、あらゆる情報デバイスを対象としている。Samsung Appsも、グローバル市場においてはテレビやPCなどを含めた展開を図っている。
■マーケットのオープン化だけでは成功できない
 このような状況の中で、オープンなアプリマーケットを用意したからといって、iPhoneやAndroidのような盛り上がりを見せるとは考えにくい。iPhoneに数多くのアプリが存在する理由のひとつとして、App Storeという使いやすい仕組みの存在を挙げることはできるが、それ以前の大前提として、この魅力的な情報端末に向けてアプリを作りたいという気にさせる優れたUIや表現力が備わっていたからこそ、全世界の開発者が(Mac OS X/iPhone OS以外であまり使われないObjective-Cを習得してまで)このプラットフォームに移ってきたということが言えるだろう。
 同じような魅力が、現状のiモード端末にあるだろうか。確かに、iモードの契約数は4,900万を超えており、数だけ見れば世界有数の巨大プラットフォームだ。まだまだスマートフォンに比べ多い従来型携帯のユーザーに向けてアプリを提供したいと考えたときには、このユーザー数は武器になるかもしれない。しかし、iアプリの仕様は機種の世代ごとに断片化しており、2008年末に打ち出した新仕様「Starプロファイル」への移行は十分進んでいるとは言えないし、同じ世代の端末の中でも対応機能はまちまちで、4,900万という数を額面通り受け取ることはできない(もちろん、断片化の課題はiPhoneやAndroidでも見られ始めてはいる)。またドコモ自身、今後は端末ラインナップの軸足をスマートフォンへと移す姿勢を見せている。今回の施策で最も取り込みたいはずの、先進的なアイデアを持つインディペンデントな開発者にとって、本当に魅力的なプラットフォームと言えるだろうか。
■ドコモマーケット成功の条件
 おそらく、iモード版ドコモマーケット成功の可否は、機能や料率といった仕組みの部分ではなく、これを契機にiモードというプラットフォームをどう発展させるのか、「次のビジョン」を示せるかどうかにかかっていると言えるだろう。iPhoneやAndroidでは得られない価値の追求に加え、これまで培ってきたiモードの世界を、クラウド、情報家電などの新たな情報デバイス、グローバル市場といった、外側の世界とどのように連携させていくかの道筋を示すことが求められる。いくら現状のユーザー数が多くても、その先の世界を見通せないプラットフォームに人は集まらない。
 同じことは、いま世界中で「乱立」しつつある無数のアプリ/コンテンツマーケットについて言えるだろう。プラットフォーム自体の魅力がユーザーや開発者を集めるのであって、App Storeの仕組みだけを真似た囲い込みの戦略は成功するはずがない。



シャープ、携帯電話でインド進出 月内にも現地仕様投入
 シャープは月内にもインドで携帯電話端末の販売を始める。携帯電話4機種を順次投入。このうち2機種は契約者を認識するSIMカードを2枚挿せるなど現地仕様にした。独自の液晶パネルなどをアピールして成長が続くインド市場を開拓する。
 4機種はいずれも第2世代(2G)端末で、インターネット接続もできる。想定価格は約1万3千~3万6千円程度と現地ではやや高め。
 インドでは料金体系の異なる複数の電話会社に加入して使い分ける人も多いため、SIMカードの挿入口が2つある機種を用意。ラジオやタッチパネル機能付き、自社の液晶パネルを使った「アクオスケータイ」なども発売する。
 インドの携帯電話加入件数は過去1年で2億件以上増えたが、普及率はなお5割程度にとどまっているといい、市場拡大が続く見込み。日本の携帯電話メーカー(ソニー・エリクソンを除く)は現在インドに進出していない。フィンランドのノキアや韓国のサムスン電子が高いシェアを持つが、低価格で地元仕様を盛り込んだ現地メーカーも販売量を伸ばしている。シャープは高機能と現地仕様を組み合わせて市場開拓を進める。
 国内市場の伸び悩みを受け、シャープは新興国開拓を急いでいる。中国市場には2008年に参入、09年度で100万台超の販売実績を早期に500万台に引き上げる計画だ。世界全体では09年度に1054万台を販売した。



ACCESS、スマートフォンでヤフーと提携
 ソフト開発のACCESSは高機能携帯電話(スマートフォン)事業でヤフー(東京・港)と提携する。ACCESSが15日に提供を始める閲覧ソフト(ブラウザー)に、ヤフーの提供する検索機能を標準で搭載。検索連動型広告による収益をヤフーとACCESSで分け合う。
 ACCESSがブラウザーを提供するのは米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載した端末。利用者は無償でソフトをダウンロードできる。
 アンドロイドが標準で備える閲覧ソフトはグーグルの検索機能と連動するため、他の玄関サイトにとっては自社サイトに利用者を誘導しにくい課題があった。ACCESSはソフトのライセンス収入に次ぐ新たな収入源を開拓、ヤフーは提携でスマートフォン分野での検索シェア拡大を図る。
 ACCESSは欧米やアジアでも複数の地元ポータル(玄関)サイトと交渉中で、年内に同様の事業モデルの構築を目指す。
 このほかACCESSは、文書ファイルを閲覧できるソフトなど3種類のソフトの提供を15日から始める。ソフトに広告を付加して無償で提供するが、文書閲覧アプリのみ広告のない有償版を用意する。
 これまで同社は、携帯電話事業者向けにブラウザーを提供してライセンス収入を得る事業が中心だったが、国内の携帯電話市場の縮小に伴い収入が伸び悩んでいた。今後は利用者に直接ソフトを届ける事業に力を入れ、新たな収益減の確保にのりだす。ACCESSはスマートフォン関連事業について、3年以内に年間売上高30億~50億円を目指す。



SNS活用した企業宣伝 DAC、米社と提携
 博報堂系のインターネット広告大手、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)は、交流サイト(SNS)を活用した企業宣伝の支援事業で米国の有力ネット企業、インボルバーと提携した。世界最大のSNS「フェースブック」上で企業サイトを簡単に開設・運営できるソフトを、日本と中国向けに供給。広告事業の活性化にもつなげる。
 米社のフェースブック用アプリケーションと情報管理システムの販売をDACが受託。DACと提携しているネット企業のメンバーズが顧客支援などを担当する。日本では11月下旬に投入を予定。アプリの価格は月10万円。情報管理システムとセットで月40万円。
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ツイッター、アップルの交流サイト「ピング」と連携 楽曲情報の発信や共有など可能に

ツイッター、アップルの交流サイト「ピング」と連携 楽曲情報の発信や共有など可能に
 【シリコンバレー=岡田信行】ミニブログ大手の米ツイッターは11日、米アップルが9月に立ち上げたSNS(交流サイト)「Ping(ピング)」と連携を始めたと発表した。両者に登録したユーザーがピングで投稿した楽曲の評判をツイッターに流すほか、ツイッターからアップルの配信サイトに接続して楽曲を購入できるようにした。11日から米国や日本を含む23カ国で利用できる。
 ツイッターの利用者がピングに接続し、ツイッターでの登録情報を入力することで連携する。ピングで「お気に入り」の楽曲情報をツイッターで発信・共有できるほか、ツイッターからアップルの音楽配信サイト「iTunes(アイチューンズ)ストア」に接続して楽曲を購入できる。
 アップルはツイッターの利用者を自社の音楽配信サイトに呼び込んで楽曲の販売を増やせるほか、ツイッターはアップルのオンライン音楽配信サイトと連携することで利用者の利便性を高め、それぞれ利用拡大を目指す。



次のGoogle携帯はサムスン製 Nexus S、Android 2.3 " Gingerbread "搭載
 Google Nexus One の後継機、" Nexus S " のギャラリーをお届けします。純正Google 携帯こと Nexus One の後継機 " Nexus Two (仮) " のうわさがあったのは先月末。複数の流通関係者などが語っていたのは、Google携帯の新モデルが各国のキャリアから販売される、搭載するのはAndroid 2.3 " Gingerbread "、端末はサムスン製らしいといった話でした。
 そしてつい先日、米小売 Best Buy mobile のサイトに " Nexus S " なる端末が掲載されます。見出しは「Pure Google」。具体的な仕様などについての言及はないものの、キャリア はT-Mobileであり、今年のホリデーシーズン発売に向けて予約受付中となっていました。(現在は取り下げ済み。Googleキャッシュ)。
 Picasa や Flickr などで " Nexus S " で撮影された写真を検索すると、おそらく5メガピクセルのカメラで撮影されたとおぼしきファイルが複数見つかります。ユーザープロファイルはいずれも Googleの従業員やその家族。公開されている写真をさらに見てゆくと、" Nexus S " の数日前には " GT-i9020 " なるデバイスで撮影されていたことがEXIF情報から分かります。これはおそらく、アップデートでEXIFに含まれる型番が "GT-i9020" から " Nexus S " に変更されたため。
 i9000台といえば、サムスンがGalaxy Sシリーズで使用している型番です。(※ 日本ではドコモの1機種が Galaxy S と呼ばれていますが、国外ではスライドキーボードつきやWiMAX対応、デュアルディスプレイなど、異なる仕様・デザインと名称の端末が " Galaxy S " ブランドで販売されています)。さらに FCC や Wi-Fi 認証を検索すれば、サムスン製の i9020というスマートフォンが見つかります。こちらの仕様は802.11b/g/n (非デュアルバンド) WiFi、米T-Mobileの使用帯域と一致するAWS帯 (バンド IV) の UMTS (WCDMA) 3G。
Nexus Sについて Google に問い合わせたところ、回答は「うわさや推測にはコメントしません」。Android OSの次期バージョン 2.3 " Gingerbread "が近日中にリリースされるという話や、 Best Buy mobile の「ホリデーシーズン発売」からすれば正式発表も近そうです。



サムスン Galaxy S 後継機はスーパー有機EL2 & 1.2GHz プロセッサ搭載、2月発表?
 GoogleのNexus Sとはまた別に、サムスンの次世代Android端末らしき情報が流出しています。現行Galaxy Sファミリーの後継にあたるもので、かなり大型のスーパー有機EL2(sAMOLED2)ディスプレイを搭載するのが特長です。ディスプレイサイズについては4.3型 / 4.5型と情報が交錯していたり、また右上にある「薄さ自慢の図」は他の製品からの借用だったり、どうも急ごしらえで作られた資料のもよう。OSには間もなくの発表が噂されるAndroid "Gingerbread"を採用し、カメラはAF・LEDフラッシュ付きで1080p動画対応 / 800万画素。そのほかにも1.2GHzプロセッサ、16GBメモリ、802.11 b/g/n WiFi、DLNA、GPS、Bluetooth 3.0といったハイエンドな仕様が並んでいます。「2011年2月」という文面から推測するに、毎年2月に開催されるモバイル系の大展示会 Mobile World Congress で発表されると考えるのが自然でしょうか。ギャラリーにはもう一枚の資料と合わせて、もうすこし大きなサイズで掲載しています。



HTC、「HTC Desire HD」のクラウドサービスなど紹介
 HTC Nipponは、11月12日よりAndroidスマートフォン「HTC Desire HD」の販売が開始されたことに伴い戦略説明会を開催した。
 プレゼンテーションを行ったのは、HTC本社の最高製品責任者(CPO)である小寺康司氏。同氏は今年8月にCPOとしてHTCに入社した。これまでに三菱電機、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズなどに勤め、ソニー・エリクソンではバイスプレジデントとして製品やコンテンツを担当していた。
 小寺氏はまず、グローバルの状況を説明し、HTC製端末は世界のAndroid端末の5台に2台、Windows Phone端末は2台に1台がHTC端末であるとした。HTCのビジネスの半分以上を占めている主戦場の北米市場では、昨年から1年間でブランド価値が13%から48%へ上昇し、顧客満足度が高まったことなどを紹介した。
 スマートフォン事業に注力しているHTCは、従来よりイノベーションを追求するという方針を示している。小寺氏は「イノベーションにフォーカスし、いかにマーケットにそれを投入していくか」が重要であるとした。また、これまで最新OSにいち早く対応をしてきたHTCだが、今後も「設計段階から先を読んで展開していく」という。
 ソフトバンクより販売が開始された「HTC Desire HD」については、起動の速さをアピールし、空港でのワンシーンを説明し「飛行機を降りてまず何をするか? スマートフォンの電源を入れる。HDならわずか10秒で起動する」と話した。
 また、「HTC Desire HD」で提供されるクラウドサービス「HTC Sense.com」なども紹介された。「HTC Sense.com」では、スマートフォン内に保存されたアドレス帳データやSNSなどのメッセージのやりとり、カレンダー情報などをHTCのサーバー上に保存できるというもの。データの管理はパソコンから行え、端末を変更した際にもデータの移行がしやすくなる。
 「HTC Sense.com」では、スマートフォンをどこに置いたのかわからなくなった場合などに、マナーモード中であったとしてもパソコンから強制的にメロディを流すよう発信できる。また、端末を紛失した場合でも「HTC Sense.com」から端末ロックとパスワードが設定でき、「見つけたかたは電話してください」などとディスプレイ側にメッセージが表示できる。どうしても見つからない場合も遠隔からスマートフォン内のデータを消去できる。
 なお、「HTC Sense.com」は「HTC Desire HD」以降のモデルから利用できるようになる。HTC Desireなど従来提供していたモデルへの対応は検討中とのことで、小寺氏は「なるべく早く回答を出したい」と語った。
 このほかHTCでは、端末内に記録されたデータを新しい端末にする際に、Bluetoothを利用して、マシン to マシンでデータ移行できる仕組みなどを検討しているという。また、日本特有の機能へのキャッチアップについて、小寺氏は「FeliCaなどはいずれやらざるえないと思っている」と語った。国内では今後も、携帯電話事業者と協力して端末を提供していく方針という。



ハルヒにエヴァ、大沢在昌の新刊など、「Book☆Walker」コンテンツ発表
 株式会社角川コンテンツゲートは12日、電子書籍プラットフォーム「Book☆Walker」のコンテンツのラインナップを発表した。12月に展開を開始するiPad/iPhoneアプリ向けに、電子版が先行発売となる大沢在昌の新刊「カルテット」や人気のライトノベル「涼宮ハルヒの憂鬱」など約100作品を販売する。
 ライトノベル、コミック、文芸、新書の4ジャンルを配信する。主なコンテンツとしては、文芸が「カルテット」やダン・ブラウンの「ダ・ヴィンチ・コード」など、新書が50万部を突破した池上彰の「知らないと恥をかく世界の大問題」など、ライトノベルが「涼宮ハルヒの憂鬱」など、コミックが「ケロロ軍曹」や「新世紀エヴァンゲリオン」など。
 12月以降も毎週約20作品を追加する。Android端末やPC向けのサービスが開始する2011年4月時点では、雑誌や実用書、写真集などの配信ジャンルを拡大し、約1000作品を扱う予定。2011年7月にはグランドオープンを予定している。
 また、角川グループと包括的業務提携を結んだ株式会社ドワンゴ子会社の株式会社ニワンゴは、Book☆Walkerで購入した電子書籍の一部を閲覧できる無料アプリ「ニコニコビューワ(仮称)」を2011年4月にリリースする。同アプリはiPadおよびPC向けに展開。「ニコニコ動画」のように、ユーザーのコメントを背景にしながら電子書籍が楽しめる。
 さらに、株式会社角川書店とモーションポートレート株式会社は、iPadアプリ「アニメロイド『涼宮ハルヒのBook☆Walkerナビ』」を近日中に無償公開する。同アプリは、涼宮ハルヒのキャラクターが、iPad上で「Book☆Walker」のコンテンツをインタラクティブに紹介するというもの。



「~なう」「ガラケー」「本田△」2010年流行語大賞ノミネート語
 自由国民社は、「2010ユーキャン新語・流行語大賞」の候補語60語を発表した。インターネット関連では「iPad」「~なう」「ガラパゴス(ガラケー)」などがノミネートされている。
 このほか、2ちゃんねるなどで話題になった「リア充」「本田△(ほんださんかっけー)」「岡ちゃん、ごめんね」など、芸能関係では「AKB48」「ゲゲゲの~」「いい質問ですねえ!」などがノミネートされている。
 大賞とトップテンは12月1日に発表される。なお、2009年の大賞には「政権交代」が選ばれた。



「Yahoo!モバゲー」ユーザーが100万人突破
 ヤフーとディー・エヌ・エー(DeNA)は11月11日、PC向けソーシャルゲームサービス「Yahoo!モバゲー」のユーザー数が同日付けで100万人を突破したと発表した。今月中旬にはYahoo!JAPAN IDのみでの利用登録に対応し、ユーザー拡大に弾みを付けたい考えだ。
 9がつ21日のβ版公開から51日、10月7日の正式オープンから35日で大台を超えた。人気ゲームのPC版「怪盗ロワイヤル-zero-」などをそろえたほか、友達紹介キャンペーン、Twitter連携、テレビCMの全国展開、Yahoo!JAPANトップページからの誘導強化などが奏功したとしている。
 ユーザーは男性が68%、女性が32%。20歳未満が15%、20代が29%で、30代以上が56%と半数を占める。
 利用にはモバゲーへの登録が必要だったが、今月中旬には、一部のゲーム・機能を除きYahoo!JAPAN IDのみで利用登録できるようにする。携帯電話やクレジットカードによる認証が不要で利用登録できるようになり、ユーザー数の拡大を見込んでいる。
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KDDIとのまさかの提携で注目度急上昇 「スカイプ」はようやく本格普及するか?

KDDIとのまさかの提携で注目度急上昇 「スカイプ」はようやく本格普及するか?
 無料で世界中どこにでも電話をかけることができるP2P(ピアトゥピア)技術を利用したインターネット電話サービス「スカイプ」(Skype)が、ここにきて改めて注目を集めている。
 スカイプの初登場は2004年。リリース当初は、無料ながらも高音質での通話が可能ということもあって、一気に普及するかに見えた。
 しかし、無料というキャッチフレーズは魅力的ではあったものの、実際に使ってみると実用的とはいい難かった。電話をかけるのに、いちいちPCを起動したり、ヘッドセットやウェブカメラを整えたりしなければならないという点が、ユーザーに煩わしく感じられたのだ。
 結果的にスカイプは、一部のビジネスシーンでの活用に留まり、一般ユーザーにまで広く浸透するには至らなかった感がある。
 そうした動きに変化が現れたのは、スマートフォンへの搭載が進み始めたからだろう。たとえばiPhoneを例にとれば、現在では3G回線やマルチタスクにも対応しており、使い勝手の面では格段に利用しやすくなった。
「つながりやすさ」に関しては様々な声があるが、出先でも使えるようになった意義はやはり大きい。これまでPCという「固定電話」に繋がれていたスカイプが、スマートフォンに搭載されることでようやく「携帯電話」へと進化したと言えるからだ。
 ただし、それだけではスカイプの弱点を全て克服したとは言えない。無料通話を試みるには、通話相手が「スカイプユーザー」であり、かつ「スカイプを立ち上げてログインしている」状態でなければならない。当たり前のことだが、この敷居が意外に高い。
 逆に言えば、ユーザーがスカイプの起動を意識することなくログインでき、少ない電力消費でバックグラウンドに常駐するようになれば、通話時にスカイプを選択するユーザーも増えると考えられる。
 その意味でも、このほど発表されたKDDIとの提携は、注目に値するものだと言える。専用アプリによる「バックグラウンドでの動作」および「省電力化」は、記者発表でも明言されており、上記の問題が改善される可能性は高い。KDDI版スカイプ(「Skype au」)の実績いかんによっては、他キャリアの追随も十分あり得る。
 さらにスカイプは、KDDIとの提携を発表する少し前に、世界最大のSNS「フェイスブック」(Facebook)との連携機能を持ったバージョンをリリースしている。2010年10月現在では、ウインドウズ版のみでの提供となっているが、新たに「Facebookニュースフィード」と「電話帳」機能を追加。
 これにより、スカイプでフェイスブックのユーザーページを閲覧することが可能となり、コメントや「いいね!」といったアクションを簡単に返すことができるようになった。また、友人のスカイプアカウントや携帯電話番号も合わせて表示されるので、クリック1つで通話に切り替えることができる(携帯や固定電話への発信は有料)。
 携帯キャリア、あるいはソーシャルメディアとの連携が進めば、スカイプがコミュニケーションの起点となるかもしれない。たとえば、携帯で撮影したビデオをフェイスブックに投稿したのち、その内容についてすぐにスカイプにログインしている友人と通話することもできる。
 こうしたネットとリアルとをまたぐ愉しみ方は、これまでありそうでなかった。スカイプが新しいコミュニケーションを生み出す起爆剤となるか、注目したいところだ。



映画「携帯で見る」時代に 国内勢、アップルを警戒
 米アップルは11日、高機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)」などの携帯端末向けに映画を配信する有料サービスを日本でも始めた。日米の主要映画会社が計1000本以上の作品を提供する。見たい時にいつでも好きな映画を選べるサービスはこれまで、家庭のテレビ向けが主流だった。どこでも視聴可能な携帯向けサービスの登場で、競争が一段と激しくなりそうだ。
■最新作もズラリ
 映画は米アップルが運営するネット上の販売サイト「iTunesストア」で購入するか、レンタルで視聴できる。購入価格は1000~2500円。レンタルは200~500円で、ダウンロード完了後30日以内に見始め、視聴開始から48時間以内に見終えればよい。その間なら何度でもみることができる。
 パラマウント・ピクチャーズやウォルト・ディズニー・スタジオ、ワーナー・ブラザース、松竹、東映、角川映画など日米の映画大手が作品を提供する。ディズニーが今月3日にブルーレイ・ディスクを発売したばかりの「トイ・ストーリー3」など最新作も多い。松竹は「おとうと」など90作品以上を提供する。
 iPhoneのほか、電子書籍などが読める新端末「iPad(アイパッド)」でも受信できる。今週から出荷する専用のネット接続機器「アップルTV」(8800円)を使えば家庭の大画面テレビでも楽しめる。
 米国ではすでにサービスを始めていた。日本でもiPhoneの出荷台数が370万台以上に達したとみられ、アップルの顧客基盤を生かして新たな収益事業にする。
■作品数で対抗へ
 国内の動画配信はテレビ向けが主流。パナソニックなど電機大手が出資するアクトビラ(東京・渋谷)やNTTぷらら(東京・豊島)、ケーブルテレビ最大手ジュピターテレコム(JCOM)、ヤフー子会社のGyaO(東京・港)などが手がけているが「サービスの充実を急がないと顧客を奪われかねない」(NTTぷらら)と警戒する。
 映画やドラマなどの作品数ではJCOMが約2万8000本、NTTぷららが約1万4000本と多いが、配信時期を早めるなどサービス向上に力を入れている。
 映画なら劇場公開から1年後に配信するのが一般的だったが、半年前後前倒しするケースが増えてきた。作品によっては劇場公開と同時という例もある。消費者の関心が高いうちに家庭でも見てもらおうという狙いだ。
 ソニーも危機感を強める。同社は今春に米国で「Qriocity(キュリオシティ)」と呼ぶ配信サービスを始めた。米ソニー・ピクチャーズエンタテインメントや米20世紀フォックスなどの900以上の作品を配信している。欧州でも同様のサービスを計画しているが、日本での開始時期は未定。ライバルのアップルにおひざ元の日本で先を越された格好だ。



ドワンゴ、ニコニコ動画の生中継強化
 携帯コンテンツ配信のドワンゴは、運営する動画投稿サイト「ニコニコ動画」の生放送を拡大する。12月中旬から全国で音楽コンサートを開くほか、独自のミュージカルも開催する。コンテンツの領域を増やし視聴者を増やすとともに、有料のライブ中継を新たな収益源に育成する。
 ニコニコ動画は子会社のニワンゴ(東京・中央)が運営。ニコニコ動画の人気投稿者などを集めたコンサート「ニコニコ大会議」を東京、大阪など全国で12月中旬から1月末まで開く。投稿者が演じる「ニコニコミュージカル」も12月末から開催する。ネット上での視聴も一部有料にする。



NECモバイリング、中国社の携帯修理受注
 携帯電話販売大手のNECモバイリングは、中国の通信機器大手、中興通訊(ZTE)の携帯電話の修理を始める。国内で販売されるZTE製端末の修理をNECモバイリングの工場で一括して行う。同社はこれまでNECブランドの端末のみを修理していたが、国内に保守拠点を持たない海外メーカーの修理業務を取り込んで事業の拡大を図る。
 ZTE製端末の修理は、まずソフトバンクモバイルが10月末に発売した1機種を扱う。今後ZTEが国内で投入する高機能携帯電話(スマートフォン)などの修理も請け負う予定。携帯電話販売店で受け付け、NECモバイリングの工場で基盤などを直したうえで、店舗を通じて消費者に返却する。海外で修理するのと比べ、修理時間の短縮につなげる。
 MM総研(東京・港)によると、国内の携帯電話出荷のうち米アップルなど海外メーカーが占める割合は2009年度上期(4~9月)の17.3%から10年度上期には21.2%まで上昇している。NECモバイリングは今後、海外勢の携帯電話の修理需要が伸びるとみて、他の海外メーカーからの修理受注も目指す。



中国家電量販の蘇寧、日本の中堅メーカー品販売
ラオックスが仲介、成長市場の販路に
 中国の家電量販最大手、蘇寧電器(南京市)は日本の中堅家電メーカーの製品の販売を始める。傘下のラオックスが仲介、第1弾としてファミリー(大阪市)のマッサージチェア売り場を中国の100店舗で開設する。蘇寧は機能面などでの評価が高い日本製品を独自に品ぞろえし、中国の他の量販店と差異化する。同社は中国全土に1200店強を展開、日本の中堅メーカーにとっては成長市場での販路確保につながりそうだ。
 ファミリーは電動マッサージチェアの大手。まず高級チェアを富裕層が多い上海市などの蘇寧の店舗で販売する。専用の売り場を設けて、ファミリーの中国現地法人が販売員を派遣。2011年末までに100店に売り場を広げる計画だ。
 ファミリーはOEM(相手先ブランドによる生産)製品で中国に進出しているが、自社ブランド品の販売拡大のため蘇寧の店舗網を活用、ラオックスと仲介業務委託契約を結ぶ。ラオックスは日中のメーカー・量販店を仲介し、売上高の一定割合を手数料として受け取る。ラオックスはパソコン周辺機器メーカーや理美容家電メーカーなど他の中堅家電メーカー10社とも交渉を進めている。「中国の他の家電量販店で扱っていないような機能やデザインを備えた製品を持つメーカーを中心に蘇寧に紹介する」(ラオックス首脳)方針。
 成長が続く中国の家電市場の規模は09年で10兆7100億円とされ、日本(業界推計、7兆~8兆円)を上回る。同年に国美電器(北京市)を抜いて家電量販最大手となった蘇寧も業績は好調で、今年1~9月期の売上高は前年同期比30.6%増の543億元(6787億円)、純利益は43.6%増の28億3000万元だった。
 日本の大手家電メーカーは中国国内で生産・販売拠点を持ち、有力家電量販店内にも売り場を構えているが、中堅以下のメーカーが販売網を築くのは難しかった。1235店(9月末時点)を展開する蘇寧が、ラオックスを通じて日本の中堅メーカーにも門戸を開くことは、各社の成長機会を広げることにつながる。
 ラオックスによると、蘇寧との取引を打診する国内企業は50社以上に上るという。ラオックスは昨年8月に蘇寧の傘下に入り、経営再建中。仲介事業を収益の新たな柱に育てる方針で、11年12月期の取扱目標額を最低100億円としている。
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アップル、日本で映画配信 対アンドロイドで映像補強

アップル、日本で映画配信 対アンドロイドで映像補強
 米アップルは11日、日本向けの映像配信サービスを開始したと発表した。当初は国内外の映画を約1000本そろえ、アップルの配信サービス「iTunes Store」を通じて販売する。パソコンやスマートフォン「iPhone」、タブレット端末「iPad」で視聴できるほか、テレビに接続する端末「アップルTV」も近く発売する。
 アップルは米国などではすでに、音楽だけでなく映画やテレビドラマなどの映像もiTunes Storeで配信している。日本では「非対応」の状況が続いていたが、ようやく映画がコンテンツに加わることになる。配信には国内と米国の主要な映画会社が参加する。販売は売り切りまたはレンタル方式で、価格はハイビジョン(HD)画質の新作が売り切りで1本2500円、レンタルで500円、旧作が売り切りで2000円、レンタルで300円。
コンテンツ競争でもリードへ
 アップルの映像配信参入は、国内のスマートフォンやタブレット端末市場に大きなインパクトを与えるだろう。
 これまでiPhoneやiPadで動画を見るには、動画共有サイト「YouTube」に接続するか、手持ちの動画を専用ソフトを使ってiPhoneやiPad用のファイル形式に変換する必要があった。しかし、アップルが映像配信サービスを直接手がけることで、パソコンの管理ソフト「iTunes」からiPhoneやiPadに転送できるのはもちろん、単体でも無線LAN経由で直接購入できる。
 この「映画を気軽に持ち歩ける」という利点は、スマートフォンやタブレット端末にとって大きい。空き時間にすぐに見られるだけでなく、飛行機などで長時間移動する際なども重宝する。米国に行くと、iPhoneで映画を見ている現地ユーザーを見かけることが多く、日米でのサービス格差に改めて気付かされるが、これでかなり解消されることになる。
 スマートフォンのシェア争いにおいて、iPhoneは25万種類以上の豊富なアプリが強力な武器となっている。そこが米グーグルの携帯端末向けOS「Android(アンドロイド)」陣営をリードしている点だ。
 しかし、アンドロイド搭載スマートフォン向けには、NTTドコモの「ドコモマーケット」やソフトバンクモバイルの「ビデオストア」といった動画サービスが出てきており、これからは動画などコンテンツでの競争も激しくなる。
 NTTドコモやソフトバンクモバイルのサービスはまだ魅力的な動画コンテンツが十分とはいえないなか、アップルは国内外の主要な映画会社を引き入れた。これでiPhone、iPadは、アプリだけでなくコンテンツも豊富というイメージを打ち出すことができる。
 このところ携帯電話各社が「おサイフケータイ」や赤外線、ワンセグに対応したアンドロイド搭載スマートフォンをそろって発表し、iPhone、iPadの影が薄れていた。店頭での在庫薄も解消され、当日持ち帰りができるようになっているが、今回の映像配信開始で、また販売に勢いがつくかもしれない。
 もう一つのニュースは、テレビにつないでiTunesなどの映像コンテンツを視聴できるアップルTVの発売だ。米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、オーストラリアに続き、日本でも今週から出荷を開始するという。米国では99ドルで販売され、品薄状態が続いている。日本では昨今の円高を反映し、希望小売価格8800円で販売する。
 アップルTVはテレビとHDMIケーブルで接続する。2011年7月の地上アナログ放送終了に向けてHDMI端子を備える薄型テレビは販売好調が続いており、それだけアップルTVと簡単につなげるテレビが増えていることになる。日本ではパソコンやテレビ向けに映画を配信するオンデマンド系サービスが数多くあるが、新たなライバル登場となる。
 筆者は先日、米国でアップルTVを購入し、すでに米国のiTunesアカウントを使ってテレビに接続している。アップルTVはマルチ言語対応となっており、日本語表示も問題ない。付属の小さなリモコンを使って、見たい映画を選択する。文字入力はアルファベットを一つ一つ選ぶ必要があってやや煩わしいが、映画を選ぶ程度の操作であれば時間はかからない。
 これまでアップルの日本でのコンテンツサービスは、米国向けと比べてかなり見劣りしていた。しかし、11月10日にアプリ向けの広告サービス「iAd」を電通グループと共同で日本展開すると発表したのに続き、映画配信を始める。アップルが日本での自社サービスを強化している表れだ。
 今のところ、米国のようなテレビ番組の配信はないが、ユーザーが増えれば日本のテレビ局も無視できなくなるだろう。同じく日本ではやっていない電子書籍配信サービス「iBook Store」をどうするかが次の焦点となる。



スマートフォン世界販売96%増 アンドロイドけん引
7~9月 iPhoneも好調
 【シリコンバレー=奥平和行】世界の携帯電話端末市場で売れ筋が高機能携帯電話(スマートフォン)と機能が少なく割安な「フィーチャーフォン」に偏る二極化が進んでいる。米調査会社のガートナーによる7~9月期の世界のスマートフォン販売台数が前年同期比96%増える一方、安価な商品を主力とする中国などのメーカーもシェアを大幅に拡大した。総花的な品ぞろえを続けてきたメーカーは戦略の見直しを迫られそうだ。
 ガートナーの10日の発表によると、7~9月期の世界の携帯電話販売台数は前年同期比35%増の4億1708万台となり、3四半期連続で2ケタ増だった。このうちスマートフォンは96%増の8053万台。販売台数全体に占めるスマートフォンの割合は前年同期の13%から19%に高まった。
 米アップルは「iPhone(アイフォーン)」の新製品で受信感度に関する問題があったが、販売は好調。携帯電話の世界シェアは前の四半期よりも0.5ポイント高い3.2%となり、順位を7位から4位に上げた。シェア首位はフィンランドのノキア(28.2%)、2位は韓国のサムスン電子(17.2%)、3位は韓国のLG電子(6.6%)だった。
 上位3社の顔ぶれは1年前と同じだが、シェアはそれぞれ2.4~8.5ポイント減らした。その原因となっているのは中国などアジアメーカーの存在だ。アジアメーカーが中心と見られる「その他」のシェアは前年同期比16.9ポイント増の33%まで増えた。
 ノキアなど上位メーカーは新興国需要に支えられて成長してきたがここへきて失速。こうした市場ではアジアメーカーの安価な製品が急速に存在感を高めている。一方、スマートフォンではアップルや米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載した商品が好調で、アジアメーカーと“新興勢力”の挟み撃ちにあっている格好だ。
 フィーチャーフォンの苦戦で業績が低迷していた米モトローラはアンドロイドを搭載したスマートフォンに経営の軸足を移す戦略が奏功。1年前には販売台数に占めるスマートフォンの割合はほぼゼロだったが7~9月期は42%まで高まり、営業損益(減価償却費などを除く)が黒字化するところまでこぎ着けた。
 英ソニー・エリクソンもアンドロイドを搭載した「エクスペリア」を中心とした体制に切り替え、黒字基調を定着させている。日本などでは安価な機種からスマートフォンまでをまんべんなくそろえる戦略を採っているメーカーもあるが、世界展開するためにはより思いきった絞り込みが必要となるかもしれない。



Evernoteが500万ユーザーを突破、83日間で100万人増
 米Evernoteは10日、クラウド型データ管理サービス「Evernote」のユーザー数が500万人を突破したと発表した。400万人から500万人に増えるまでにかかった期間は83日間だった。
 Evernoteによると、ユーザー数が100万人に達するまでに446日かかったが、200万人までは222日、300万人までは133日、400万人までは108日と、増加ペースが加速している。11月9日には、過去最高となる2万2130人が新規に登録したという。



NAND一本足でも強い東芝
 「再び成長路線に乗せた」(東芝の村岡富美雄副社長)
 9日、2010年4~9月期決算(米国会計基準)で東芝の連結営業利益は1048億円(前年同期は21億円)と10年ぶりに1000億円台を回復。売上高も6%増と2半期連続で増収となり、東芝はリストラモードから成長モードへ転換しつつある。
 けん引役はNAND型フラッシュメモリー。10年4~9月期だけで540億円強稼いだとみられ、全体の営業利益の約半分を稼いだことになる。背景にあるのが高機能携帯電話(スマートフォン)への出荷拡大だ。米アップルのiPhone(アイフォーン)向けに供給するのはよく知られているが、ここへきて各端末メーカーがスマートフォンへ参入しており、利益率の高い用途で飛躍的に需要が拡大している。
 供給メーカーも韓国サムスン電子やハイニックスなどに限られ、価格も安定。7~9月期は4~6月期に比べ価格下落は数%程度にとどまり、主要用途のパソコンの調整で同期間に約15%下落したDRAMとは比較にならない。微細化などコストダウンも寄与し、NANDの利益率は22%近く(4~6月期は約15%)まで上昇。為替の影響(円高とウォン安)を除くと、フラッシュの利益率でトップのサムスン電子(推定で30%弱)との差をかなりつめているとみられる。
 NANDの勢いはどこまで続くのか。「NANDの利益率は10~12月期にいったん落ち、11年1~3月期に再び上昇する」。村岡副社長は目先のNANDは短期的な調整局面入りとの認識を示した。半導体分野の10~12月期の営業利益は250億円(7~9月期は350億円)と減速するという。理由について村岡副社長は「7~9月期は年末商戦向けへの仕込み時期で10~12月期は反動で一時的に落ちる」と需給要因であると説明した。
 東芝の株価はこれまでNANDの動向に左右されやすい傾向があるだけに、いったんは材料出尽くし感から利食い売りが出て小休止局面入りする懸念が出てきた。ただ、「NANDフラッシュの成長が続くシナリオに変更はない」(野村証券)との見方から下値では拾う動きも予想される。
 もっとも、その前提として下期(10~3月期)に収益の刈り入れ時に入る社会インフラ事業の着実な利益貢献が欠かせない。4~9月期には社会インフラの収益が期初計画を下回った。「下期以降、前年同期で増収基調になる」(村岡副社長)との見通しを示しているが、IT(情報技術)サービスが主な足かせになっていると見られ、国内の企業の投資意欲が鈍い中、同分野の回復は見込み難い。電力や産業用機器などどれだけ収益貢献するかがカギになりそうだ。
 安定した収益を稼ぐ社会インフラ。黒字化するも、大きな利益を稼がない液晶テレビやパソコン。となると、東芝の成長の勢いは利益率20%超のNANDが握っている。NANDの動向に神経質になる場面が当面続きそうだ。
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ゲーム大手、ソフト開発見直し 高機能携帯に対応

ゲーム大手、ソフト開発見直し 高機能携帯に対応
 ゲームソフト各社が開発体制の見直しを急いでいる。カプコンは家庭用ゲーム機や携帯電話、パソコンなど端末ごとに分かれていた開発部隊を統合する。セガサミーホールディングスは幅広い端末に柔軟にソフトを供給できる体制を整えた。任天堂などが手掛ける家庭用ゲーム機の需要が低迷する一方、ゲームも利用できる高機能携帯電話(スマートフォン)の普及など市場環境の変化に対応し、収益機会を広げる狙いだ。
 カプコンは2010年度内の組織再編を目指す。約1100人の開発人員の大半を占める家庭用ゲーム機向けの「コンシューマ」、パソコン向けの「オンライン」、携帯電話向けの「モバイル」の3つの部隊を統合する検討を始めた。
 同社は既に人気の格闘ゲーム「ストリートファイター」などは米アップルの「iPhone」などに対応させている。従来は家庭用ゲーム機向けに発売したソフトをアレンジして供給していたが、今後は企画段階から幅広い端末への供給を視野に入れ、新作の開発を進める。
 セガサミーはゲーム事業を手掛けるセガの組織改革を実施した。アミューズメントや家庭用ゲーム機、携帯電話などの開発体制を統括する「開発生産統括本部」を新設。同じタイトルでも端末ごとに別のチームが開発していたが、スマートフォンなども含めて一括して開発計画を作成する。
 バンダイナムコゲームスはソフトのタイトルごとに製作、販売、配信機能を統合する組織体制に変更。コーエーテクモゲームスは携帯電話部門とオンライン部門を統合、開発速度を上げている。
 各社が組織再編を急ぐのは、任天堂やソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)などが手掛ける従来型の家庭用ゲーム機に代わり、スマートフォンや交流サイトを通じたゲームが急速に存在感を高めているため。収益拡大を目指すには幅広い端末にソフトを供給できる体制の構築が不可欠になっている。
 ゲーム専門誌発行のエンターブレイン(東京・千代田)によると、09年のゲーム専用機など家庭用ゲーム市場は前の年比6.9%減の5426億円。2年連続で縮小し、10年も低迷が続く。携帯電話やパソコンを通じたゲームは年1~2割の成長が続き、2千億円を超す規模に拡大している。



次期Xperiaはコードネーム "ANZU"、発表は来年Q1か?
 日本ではXperia SO-01BのAndroid 2.1アップデート配信が始まり、アップデータをなんとなく操作していたらうっかりAndroid 1.6の再インストールになってしまったという人が続出しているこのタイミングで、Xperiaの次世代モデルらしき写真が流出した。Xperia X10 Blogが報じたもので、ディスプレイがXperia SO-01B / Xperia X10より大きな4.3型になっているのが特長。匿名情報では、コードネームは"ANZU"、HDMI端子を備え、次期Androidの"Gingerbread"を採用、発表は来年Q1になるということになっている。プロトタイプらしき筐体のスクリーンショットではAndroidは2.1、カーネルバージョンは2.6.29。残念ながら日本の冬・春モデル発表会には間に合わなかったが、過去にもスマートフォンは定例発表会とは関係なく突然発表されることがあるので、心の準備は整えておこう。



Appleと電通が提携 iAd国内展開へ
 米Appleと電通は11月10日、iPhone向け広告ネットワーク「iAd」を2011年早期に国内で展開することで提携したと発表した。Appleは「電通は日本におけるiAdの理想的なパートナーだ」とコメントし、開発者向け日本語サイトでもiAdの国内展開を告知している。
 電通は、国内向けiAdの広告販売と広告制作を担当。電通子会社のサイバー・コミュニケーションズ(cci)が、広告制作進行とメディアプランニングを含むiAd関連サービスをワンストップで提供する。Appleは、iPhone/iPod touch向けiAd配信を行う。
 iAdは、ユーザーがiPhoneアプリを利用している状態で広告を配信できるようにする技術で、iOS4に組み込む形で昨年7月に米国で開始した。アプリ開発者は、アプリ内にiAd広告を取り入れることで、iAdネットワーク収入の60%をiTunes Connectを通じて受け取ることができる(iPhoneアプリ開発者、iAd広告で1日に1400ドル稼ぐ)。
 Appleのアンディ・ミラーiAd担当副社長は「アメリカでの事業開始以降、iAdを展開するクライアント数が倍となるような驚異的な成功を遂げた後、日本でiAdを展開することに興奮している」とコメント。「電通は世界で最も有力な広告会社の一つであり、日本におけるiAdの理想的なパートナーだ」としている。
 電通の森隆一副社長は「パワフルで新しい広告プラットフォームの日本での展開において、Appleと組めることを大変楽しみにしている。モバイル広告は日本で最も急速に成長したプラットフォームの1つであり、iAdの豊かな表現力と熱狂的なiPhone、iPod touchユーザー層の組み合わせは、広告主やアプリ開発者にとって、モバイル広告の可能性を最大限に活用できる新しい機会になる」とコメントしている。



任天堂、年末商戦テコ入れ Wiiに新コントローラー
 任天堂はゲーム機やソフトの拡販策を打ち出す。家庭用ゲーム機「Wii」向けに操作性を高めた新しいコントローラーを発売するほか、人気ソフトとゲーム機をセット販売し需要喚起を狙う。3次元(3D)対応の新型ゲーム機の発売が来年2月にずれ込んだことを受け、既存のゲーム事業をテコ入れして年末商戦を乗り切る構えだ。
 11日からWii対応の新しいコントローラー「Wiiリモコンプラス」を投入する。角度などを検出するセンサーを搭載しており、通常より精度の高い操作が可能になる。価格は税込みで3800円。Wii本体や人気ソフト「Wiiスポーツリゾート」などとのセット販売も始める。
 テレビゲームソフト「スーパーマリオブラザーズ」の発売から25年が経過したのにちなみ、マリオのソフトを内蔵したWii本体の販売も11日から期間限定で始める。本体の色はマリオを象徴する赤を採用する。携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」も人気ソフト「ポケットモンスター」新作とのセット販売で購入を促す。
 年末商戦のある10~12月期の売上高は、同社の年間売上高の約4割を占める書き入れ時。任天堂は3D対応の携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」の年内発売を目指していたが、開発の遅れなどから来年にずれ込む。



GyaO、ミクシィと提携 日記に映像埋め込み
 ヤフー子会社でインターネット映像配信大手のGyaO(東京・港)は、交流サイト(SNS)最大手のミクシィと提携した。ミクシィのサイトにGyaOの一部動画を埋め込める仕組みを月内に導入。視聴者を増やし、広告効果の向上をねらう。
 GyaOの画像を他社サイトに埋め込むためのアプリケーションを開発。まずミクシィに提供する。ミクシィ利用者は日記を作成する際に、簡単な操作で映像を検索、埋め込むことができる。
 今後はほかのSNSサイトや、高機能携帯電話(スマートフォン)向けなど供給先を広める。
 GyaOの配信映像はテレビ局などコンテンツ会社が制作した公式動画。一般のネット利用者による投稿動画が中心の米ユーチューブなどに比べ、広告媒体としての信頼や収益性が高いという。
 GyaOは今年9月、ヤフーグループ内の別サイトへの映像の埋め込みを順次開始。利用者が増加しているSNS向けを皮切りに、提供先の拡大を加速することにした。



エルピーダ、大容量32ギガバイトのDRAM複合部品開発
 エルピーダメモリは、記憶容量が32ギガ(ギガは10億)バイトと世界最大となるサーバー向けDRAM複合部品を開発した。ネットワーク経由でソフトや情報サービスを利用する「クラウドコンピューティング」の普及で、サーバーの大容量化が進んでいるのに対応した。台湾の複合部品メーカーなどと組み、2011年1~3月期に量産を始める。
 複合部品はDRAM2枚を組み合わせた記憶容量8ギガビットのパッケージを36個内蔵する。サーバー内部のブレード(刀身)に組み込んでメモリーとして使う。
 ブレードに搭載できる複合部品の枚数を従来より増やし、容量も従来の1.5倍の768ギガバイトになった。同じサイズのサーバーであれば記憶容量を1.5倍にできる。
 1台のサーバーを複数台のように扱う仮想化技術が普及。1台で数テラ(テラは1兆)バイトの大容量サーバーが登場している。こうした動きを主導する米ヒューレット・パッカード(HP)やデル、IBMや、グーグル、マイクロソフトなど海外勢に幅広く売り込む。



新聞代、控除対象に 政府税調方針、「特定支出」拡充
 政府税制調査会は、会社員の給与収入から特定の必要経費を差し引いて所得税、住民税を抑えられる「特定支出控除制度」で、経費と認める支出に新聞代などを加える方針を固めた。政府税調は高所得者に有利な給与所得控除に上限を設ける方向で調整しており、その見返りとして控除対象を拡充する。
 特定支出控除は通勤費のほか、一定の転勤費用や資格取得費用などの合計額が、収入額に応じて認められる給与所得控除額(最低年65万円)を超える場合、超える額を収入から差し引くことができる制度。利用には確定申告が必要になる。
 ただ給与所得控除が厚めに設定されているうえ、対象となる経費の範囲が極めて狭いため、特定支出控除はほとんど利用されていない。新聞代などを加えることで幅広い層に利用を促すほか、会社員が仕事に必要な情報などを入手するのを後押しする狙いもある。
 政府税調は昨年12月に決めた税制改正大綱で、給与所得控除の見直しとあわせ、特定支出控除の対象範囲を拡大する方針を示していた。



海保職員聴取 流出の動機と経路解明を急げ(11月11日付・読売社説)
 やはり身内の犯行だったのか。
 海上保安庁が尖閣諸島沖で撮影した、中国漁船衝突事件の映像ビデオについて、神戸海上保安部の職員が上司に対し「自分がインターネット上に投稿した」と流出を告白した。
 警視庁が、国家公務員法の守秘義務違反の疑いで、この職員を慎重に取り調べている。
 投稿した動機は何だったのか。石垣海保が保管しているビデオを、遠い神戸にいた海保職員がどうやって入手したのか。他に関与した人間はいなかったのか。法に触れる行為があれば、捜査当局は厳正に捜査すべきである。
 漁船衝突事件は、日中間の外交問題が絡み、当初から国民の注目度は高かった。レアアース輸出規制や日本企業の社員拘束など、次々と圧力をかける中国に対し、政府の対応は後手に回った。
 ビデオの公開をめぐっても、政府・民主党の判断は終始、後ろ向きだった。
 那覇地検が中国人船長を処分保留で釈放し、捜査は事実上終結した。刑事訴訟法上の非公開理由は失われたにもかかわらず、一般公開をなおためらっている。
 中国を刺激したくないというのであれば、無用の配慮ではないか。本来公開すべき情報を公開しなかったことが、今回、ビデオの流出という新たな過ちにつながったことは否定できないだろう。
 海上保安庁には、「犯人捜しは望まない」といった意見とともに「映像が見られてよかった」などの声も寄せられているという。
 政府は国民へのビデオの全面公開を改めて検討すべきだ。
 大事なのは、今度こそ政府が対応を誤らないことだ。
 菅首相は機密保全対策を検討する委員会の設置を指示した。情報管理を見直すこと自体はいい。
 石垣海保の捜査資料映像のずさんな管理だけではない。警視庁の国際テロ捜査資料の流出問題も起きたばかりだ。
 捜査機関の情報管理に緩みが出ているのは問題だ。電子データの管理態勢などを総点検し、再発防止策を探る必要がある。
 ただ、仙谷官房長官が言及している国家公務員法の守秘義務違反の罰則強化は短絡的だ。
 公務員を過度に萎(い)縮(しゅく)させ、行政の抱える問題を内部告発する動きまで封じることになれば、国民の「知る権利」が脅かされる。
 まず、今回のビデオ流出事件の全容を国民の前に明らかにすることが急務である。
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