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加速する若者のスキー離れ ゲレンデの主役は中高年(COLUMN)
 国内のスキー人口はピーク時の3分の1近くまで減り、スキー場の数も約2割減少。当時、ゲレンデの主役は若者だったが、近年はめっきり減り、中高年の姿が目立つようになった。
 「新しくスキーを始める若者がいなくなり、この10年でゲレンデの雰囲気ががらっと変わった」。スキー歴35年の大阪府高槻市スキー連盟理事、尾口良八さん(58)の実感だ。
 同連盟は年3、4回、長野県などでスキー教室を開いており、バブル期には同市からバス3台を連ねたが、「最近の参加者は約20人。60~70歳代が中心」という。
 ◆五十の手習いも◆
 子育てが一段落したり、定年退職したりした友達に誘われ、58歳でスキーを始めたという同市西町の田口京子さん(67)。年5、6回、長野県や北海道などのスキー場に出かける。「他のスポーツに比べて体力がいらないから、中高年でも始められる。旅行気分も味わえるし。平日、スキー場で周囲を見ると、ほとんどが中高年」と話す。神戸市灘区の六甲山人工スキー場でも中高年が増えており、今シーズンのシニア向けスキー教室を昨シーズンの2倍にあたる6日間にした。
 若者にとってネックになっているとみられるのが費用。2008年のレジャー白書によると、スキーに行った回数や費用の平均は年3・8回で計8万9000円。1回当たり約2万3000円と、ゴルフの約2倍かかる計算だ。
 ◆割高感もネック◆
 こうした負担が若者には重いようだ。関西外大1年の鬼束悠さん(19)は「関西からスキー場までは遠く、交通費も高い。スキー板などにかけるお金も、暇もない」と話す。
 大学のスキーサークルも低調で、立命館大の公認団体は5サークル約130人。同大学学生部は「かつて夏はテニス、冬はスキーというサークルが数えきれないほどあったが、最近は大幅に減っている」という。
 高校生にもウケがあまりよくない。95年度、近畿の公立高校の修学旅行は72%がスキー合宿だったが、08年度は30%に低下。日本修学旅行協会は「スキー漬けが生徒に敬遠されるようになり、旅行先は海外や沖縄などに変わった」とする。
 割高感を打ち消そうと、スキー場側も対策に乗り出している。鳥取県の大山スキー場では、今シーズンから1日リフト券を平日は900円割り引き、3900円にした。担当者は「割引をPRしてもっと若者を呼び込みたい」と話す。
 橋爪紳也・大阪府立大観光産業戦略研究所長の話「最近の若者は一人で自由な時間を過ごすのを好み、グループ旅行を嫌う傾向がある。金銭面の問題に加え、グループで行くことが多く、時間のかかるスキーは、若者のセンスに合わないのだろう」
 ◆スノボも頭打ちに◆
 財団法人日本生産性本部によると、国内のスキー人口は1993年の1860万人をピークに、2008年は690万人まで激減。若者に人気のスノーボードも02年の540万人を最高に、減少傾向に転じた。スキー場の数は02年の673か所から、08年は547か所になった。



全国最大規模の大型古書店閉店へ 神戸 
 神戸・三宮の再開発ビル「サンパル」内で、古書店としては全国でも最大級の売り場面積を誇る大型古書店「万陽書房」が、近く閉店することを決めた。
 2001年開店。930平方メートルの売り場で約300万冊を販売し、1日平均500~1000人が利用した。しかし、活字離れや不況などが影響。同社の楠井正徳社長(62)は「三宮で古書文化を担ってきた自負もあり、残念」と話している。
 ビル所有者との退店交渉などもあり、閉店日は未定。書籍の大半を30円にするセールを開催中。「商品搬出の手間と費用を減らすとともに、地域貢献のため」(同社長)という。



衆院選で消費税上げ提起を 仙谷氏「財政持たない」
 仙谷由人行政刷新担当相は27日のNHK番組で、次期衆院選で消費税率の引き上げを提起すべきとの認識を示した。「議論を始め、3年後か4年後か分からないが、選挙のときにお願いすべきはお願いするという立場じゃないと(財政が)持たない」と述べた。
 同時に「産業構造が転換し、所得が10年で100万円も下がる時代には財源をどう調達するか、財政規律をどう守るかという展望が必要だ。部分を議論しても太刀打ちできない」と指摘。消費税の税率引き上げを含め税制全体の抜本改革に向けた議論を急ぐべきだと強調した。



財源・具体策見えず 政府の成長戦略基本方針
 鳩山由紀夫政権が初めてまとめる経済成長戦略の基本方針が判明した。400万人強の雇用創出など、2020年に向けた経済成長の姿を描くが、環境や医療・介護分野のてこ入れは自民党政権の方針と同じで、目新しさに欠ける。財源をどう確保するのか、規制緩和への抵抗にどう対処するかなど具体策づくりもこれからで、政権の実行力が問われる。
 成長戦略の柱は医療・介護分野での雇用創出。もともと治療やサービスを受けたいという利用者は多く、課題は供給力のアップだ。ただそれには抜本的は規制緩和が欠かせず、業界団体などの抵抗も予想される。



高速料金上限制の採用を表明 国交相、車種別に設定
 前原誠司国土交通相は27日午前、2010年度予算案に盛り込まれた高速道路無料化に向けた社会実験の実施に合わせて、走行距離が長くなっても料金が同じになる上限料金制を採用する意向を明らかにした。
 テレビ番組出演後、記者団に答えた。
 地域や曜日を限定せず、普通車、軽自動車、トラックなど車種別に上限を設定して、来年6月をめどに実施する考え。ただ、首都高速と阪神高速については、上限制の対象外とする方針。
 また前原氏は、羽田空港の利便性向上に向けて新幹線を乗り入れる構想に言及したが、JR東海はダイヤの混雑状況などを理由に検討の申し入れを断ったという。



「FF13」の衣装、仮想空間で販売 SCE、PS3向け
 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)3」向けの仮想空間サービスを拡充する。スクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジー(FF)13」など人気ゲームに登場する衣装などを販売。アバター(ネット上の分身)に身に着けることができるようにし、利用者数の拡大につなげる。
 仮想空間「プレイステーション ホーム」ではテレビ画面でアバターを動かし、知らない人とゲームや会話を楽しめる。新サービスは、ゲーム内の場面をモチーフにしたスペースを仮想空間内に設置できるほか、キャラクターの衣装などのアイテムを100~600円程度で販売する。来年1月7日までに20アイテムを配信する。



アップル、2010年1月2日より7店舗のアップルストアで限定福袋「Lucky Bag」発売
 アップルは、アップルストアの初売りを2010年1月2日より全国7店舗で開催することを明らかにした。目玉となるのは、毎年即完売の福袋「Lucky Bag」だ。価格は3万5000円。
 昨年はiPodやMacBook Proが入っているものもあったという。2010年はオンラインのアップルストアでは販売ぜず、初めてのアップルストアのみの限定発売となる。
 なお、名古屋と心斎橋、福岡天神のアップルストアのみ1月2日9時よりスタートで、その他の店舗は8時より販売する。



富士通、IT機器・ソフト一体提供 「クラウド」活用
 富士通はオフィスで使うIT(情報技術)機器と必要なソフトウエアを一体で提供する新サービスを2010年1月に始める。ネットワーク経由でソフトや情報サービスを利用する「クラウドコンピューティング」を応用、顧客企業側は月決め料金を払えば機器、ソフトなどを自前で確保する必要はないという。機器の運用コストを約2割削減できるとしており、ITサービスの中核事業に育てる考えだ。
 パソコンや複合機のほか、プリンター、サーバー、スマートフォン(高機能携帯電話)などネットワーク化が可能なIT機器全般が対象。パソコンは記憶機能を持たないシンクライアント端末に置き換えるほか、要望に応じて他社製の機器も組み込む。



有馬記念、ドリームジャーニーが制覇
 第54回有馬記念(27日・中山10R2500メートル芝16頭、G1)2番人気のドリームジャーニー(池添謙一騎乗)が2分30秒0で勝ち、ことしの宝塚記念に続くG13勝目を挙げるとともに、1着賞金1億8千万円を獲得した。
 2着は1番人気の3歳牝馬ブエナビスタ、3着には11番人気のエアシェイディが入った。



神戸新聞社説
世界人口白書/女性を苦しめる気候変動 
 国連人口基金が発表した2009年版の世界人口白書は、地球温暖化などの気候変動に初めて焦点を当てた。とりわけ途上国の女性が、気候変動の深刻な影響を受けている実態を明らかにしている。
 貧困や男女間の格差、不十分な医療・保健サービスに加え、気候変動によって女性をますます苦しめることがあってはならない。白書は、そう指摘する。
 増え続ける世界の人口は、今年、68億2940万人になった。このうち先進国に住む人は2割にも満たない。残る56億の人々は、途上国や開発が遅れる後発開発途上国で暮らしている。気候変動は、途上国で干ばつや海面上昇などをもたらすことが多いだけに、十分な対策が必要だ。
 コペンハーゲンで開かれた気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)は、京都議定書以降の枠組みづくりに合意できなかった。温室効果ガスの削減とそのコストの責任分担を明確にし、対策の実行を急がなければならない。加えて、温暖化によって途上国の人々がどんな影響を受け、被害を抑えるために何が必要か、多角的に検討していくことが重要だろう。
 貧しい女性が気候変動の直撃を受けるのは、多くの国で農作業に就き、家計のきりもりや家族の世話を担っているのが女性だからだ。干ばつなどに見舞われれば、食料や水の確保のために一層の重労働を強いられる。少女たちも手伝いのために学校に行けなくなるケースが増える。そうした悪循環が続けば、男女間の不平等が増幅され、気候変動への対処はますます難しくなる。
 白書は、南米ボリビアの山地に住む女性の例を挙げている。彼女は遠く離れた谷間へ何時間もかけて水くみに行かなければならない。温暖化で氷河が急速に減少し、近くにあった小川が枯れたのだ。
 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、十分な対策を講じなければ今世紀末には気温が最大で6・4度上昇すると予測する。そうなれば、海面の上昇や干ばつ、洪水などが深刻になり、被災や食料不足の問題はさらに厳しさを増す。
 途上国の女性を、気候変動によってさらに困難な状況に追いやらないためには、経済や社会の持続的な発展を促し、女性の能力を高める教育が欠かせない。
 日本をはじめとする先進国は、地球温暖化に大きな責任がある。途上国の人々が気候変動と向き合い、自らの力で困難を克服できるよう支援を強めていきたい。

……(゜Д゜;)新聞

NTT加入電話契約、初の4000万件割れ
 総務省が発表した固定電話などに関する調査によると、NTTの加入電話の契約数は9月末時点で3977万件となり、1993年度の調査開始以来、初めて4000万件を下回った。
 前回調査(6月末時点)よりも2・2%減少した。NTTの加入電話の契約数はピーク時の約6200万件から、4割近く減少した。
 一方、インターネットを使ったIP(インターネット・プロトコル)電話の契約数は3・2%増の2158万件となり、加入電話からIP電話への移行が進んでいることを改めて示した。



世界の株価26%上昇 09年は10年ぶり高い伸び、政策協調を好感
 世界の株価が急回復している。全世界の動向を示す株価指数の年初からの上昇率は先週末で約26%に達し、IT(情報技術)バブルに沸いた1999年以来、10年ぶりの高い伸びになった。昨年秋の金融危機に対して各国が協調して財政・金融政策に乗り出し、景気や企業収益が上向くとの期待が高まった。ただ、先行き不透明感は残っており、主要20市場の中で日米欧など約半数は昨秋の危機直前の株価を下回ったままだ。
 株価の上昇基調は足元で鮮明で、先週は米、英、仏、台湾など年初来高値を更新する市場が相次いだ。年初来の上昇率は米欧が2割前後、ブラジル、インド、中国・上海は7割を超す。



LEDで動画通信 NEC、病院など需要開拓
 NECは発光ダイオード(LED)の照明を人間にはわからないほど高速に点滅させてデータを送る「可視光通信技術」を使い、動画を送受信する実験に成功した。これまで静止画しか送れなかった。電波による無線通信が難しい病院や工場などで病状や作業手順を示す動画を流したり、映画を上映したりできる新タイプのシステムとして需要開拓を目指す。
 室内照明用の白色LEDを毎秒500万回点滅させてデータを送信し、光検出装置で受け取る仕組み。実験では広告用動画を送信し、受信側で正確に再生できた。受信部をLED照明から1.5メートル以内に設置したが、技術的には数メートル離しても可能という。



防衛省「サイバー空間防衛隊」11年度設置 機密情報保護を強化
 防衛省はインターネットを通じた攻撃から機密情報を守る「サイバー空間防衛隊」を2011年度に発足させる。ネットでハッカーが政府機関の情報網へ侵入し機密情報を盗んだり、ネットワークを破壊したりする事例が多発しており、機密の保護強化策が不可欠と判断した。10年度に企画調整官が統括する準備室を設置する。
 サイバー空間防衛隊は自衛隊の指揮通信システム隊の下に設置し、60人規模を想定している。来年度予算案に約70億円を計上しており、コンピューターウイルスへの対処方法の研究や専門知識を持った隊員の育成などを進める。



「コピペ」見破るソフトを開発 金沢工大など、年内に発売
 金沢工業大学とソフト開発のアンク(東京・新宿)は、インターネット上の文書を複写して別のファイルに張り付けるいわゆる「コピペ」を見破るソフトを共同開発した。大学など教育機関向けに年内に発売する。
 学生らがネット上の他人の文書を丸写ししてリポートを作成する行為が横行、教育関係者を悩ましている。開発したソフトは判定したい文書を読み込み、コピー元の文献などをネット上で検索し表示する。



中国、カラオケ検閲を本格導入 「違法な歌」を自動遮断
 【北京=共同】中国中央テレビは26日、文化省が昨年から進めてきたカラオケ検閲システムの導入が本格的に始まり、これまでに全国で約3千カ所のカラオケ店に配備されたと伝えた。同システムの「ブラックリスト」に登録されている「違法な歌」を客が注文すると、自動的に遮断、削除されるという。
 インターネットや携帯電話を対象とした中国当局の情報統制強化の一環とみられる。どのような歌が削除対象になるか不明だが、共産党批判につながったり、性的な内容の歌詞がリストに登録されている可能性が高い。
 中国メディアによると、システムはインターネットを使ったカラオケに接続。当初は重慶市などで試験的に導入し、今年になって各地で配備を推進してきた。



テロ未遂の容疑者「米本土上空での爆破試みた」 対策の不備露呈
 【ワシントン=御調昌邦、弟子丸幸子】米ミシガン州デトロイトの空港に着陸しようとした米デルタ航空機でテロ未遂事件が25日発生し、2001年の同時多発テロを経て強化したはずの米国の安全対策にもろさがあることを露呈した。米本土へのテロが再発する懸念から米国内では衝撃が広がっている。オバマ大統領は休暇先のハワイから対応を指示。米政府は容疑者が滞在していたという英国など関係国との情報交換も急いで全容の解明に乗り出す構えだ。
 事件を起こしたのはナイジェリア国籍の男で、アブドルムタラブ容疑者(23)。AP通信は容疑者が使用した爆発物は粉末と液体の混合物と伝えた。威力は不明だが、事実だとすれば、機内への持ち込みが厳しく禁じられている火薬などが空港のセキュリティーチェックを通過したことになる。
 米メディアによると、捜査当局に拘束された男は「米本土の上空で航空機を爆破することを試みた」と供述し「アルカイダの元工作員」と自称。米国の本土での爆破は「アルカイダの指示」と主張しているとの情報もある。



インドのインフラ整備、日本は環境技術を支援 首相訪問時に覚書
 日本、インド両政府はインドの首都ニューデリーと西部の商業都市ムンバイの間でインフラ整備と産業集積を進める「産業大動脈構想」について、日本の環境技術を導入し、温暖化ガスの排出を抑えた開発を目指すことで合意した。日本は支援をテコにインドとの経済関係の強化を狙う。27日からの鳩山由紀夫首相の訪印時に政府間で覚書に署名する。
 計画ではまず、産業大動脈構想の対象地域に「モデル地区」を設定。電力需要を太陽光や風力、バイオ燃料など再生可能なエネルギーで賄う仕組みを導入する。廃棄物の再利用や水資源の有効活用、都市交通のシステムを日本から持ち込み、一部の費用に円借款を充てることも検討する。自治体や企業向けの「環境ガイドライン」もつくり、温暖化ガスの排出などで新基準を採用する。



核搭載の米空母、母港停泊認める密約 事前協議の対象外
 1973年に米軍の空母ミッドウェーが横須賀港を母港とする際、同空母が核兵器を搭載して入港・停泊する場合にも、日米安全保障条約の事前協議の対象外とする密約を日米両国が交わしていたことが26日、明らかになった。密約問題に関する外務省の内部調査で記録文書が見つかった。核持ち込みは本来、同協議の対象になるが、秘密裏に日本への停泊が認められていた格好だ。
 核搭載艦船の寄港・領海通過については、同様の密約が同じ内部調査で確認されている。日本を母港とし、停泊する米空母の核持ち込みを認める密約の存在が、日本側文書によって確認されたのは初めて。



09回顧・日本 越年となる政権迷走と不況(12月27日付・読売社説)
 年末恒例の、読者が選んだ本紙の「日本10大ニュース」の1位は「衆院選で民主308議席の圧勝、歴史的政権交代で鳩山内閣発足」だった。
 新政権は連日、様々な話題をお茶の間に提供した。だが、変革を旗印に政権が発足して3か月余、当初の期待感も薄れ、連立内閣への危うさや不安を感じ始めた国民も多いのではないか。
 ◆政治ドラマに高い関心◆
 民主党が政権公約として掲げた子ども手当、暫定税率廃止、高校無償化などの行方に関心が集中した。年の瀬も押し迫り、同党の小沢幹事長が公約の大幅修正を政府に求めるなど、ドラマを見るような展開をたどった。
 予算の無駄を見直す行政刷新会議の事業仕分けは、華々しさに比して削減額は少なかった。米軍普天間飛行場移設問題では、鳩山首相が結論を先送りし、日米関係は危機的な状況に陥っている。
 政治資金収支報告書の虚偽記入事件で鳩山首相の元秘書2人がそれぞれ在宅起訴、略式起訴され、小沢氏の秘書の公判も始まった。「政治とカネ」をめぐる問題が再燃した年でもあった。
 7位には「高速道『上限1000円』スタート」が入った。車を運転する人などには、それだけ関心事なのだろう。
 前の麻生内閣の施策だが、新政権はさらに進めて無料化を打ち出した。地方の公共交通の足が奪われると懸念されている。
 「天皇陛下即位20年」が6位である。「国民と苦楽を共にする」という考えを貫かれ、「象徴として望ましい天皇の在り方」を求め続けられた20年だった。
 天皇、皇后両陛下のご成婚50年の年でもあり、即位20年と併せて様々な祝賀行事が行われた。
 そんな中で、鳩山内閣が、天皇陛下と中国の習近平国家副主席との会見を特別に設定したことの是非が論議を呼んだ。
 2位に入ったのは「日本でも新型インフルエンザ流行」だ。春にメキシコから火の手が上がった感染拡大の波は日本にも押し寄せ、いまも沈静化していない。マスク姿が目立つのも社会現象だ。
 ◆国民が決める刑の重さ◆
 続いて3位には、「『裁判員制度』スタート」が入った。国民が刑事裁判に参加し、裁判官とともに、有罪か無罪か、さらに有罪の場合の刑の重さを決定する。
 「参加したくない」という声もある中で始まった。課題が浮かび上がれば、柔軟に運用方法を見直していく必要があるだろう。
 検察・警察は、裁判員裁判で被告の自白が強制されたものでないことを立証するため、取り調べの一部録音・録画を始めたが、全面可視化を求める声も多い。
 それというのも、10位に入った「『足利事件』の菅家さん釈放 DNA鑑定に誤り」など、冤罪(えんざい)事件が絶えないからだ。
 足利事件では、最新技術を使ったDNAの再鑑定で、精度が低かった捜査段階での鑑定が否定される結果となった。今月に入り、茨城県で42年前に起きた布川事件の再審開始も決まった。
 検察・警察は、これら事件の問題点を検証するとともに、適正捜査を徹底しなければならない。
 5位は「酒井法子容疑者、覚せい剤所持で逮捕」だった。人気女優の逮捕は、テレビのワイドショーなどの格好の題材となった。芸能界の薬物汚染、若者の大麻汚染などが懸念されている。
 1年を通して「不況」の文字が社会を覆った。経済関連は「トヨタが71年ぶり営業赤字 自動車、電機など大手赤字相次ぐ」が16位、「『円』急騰、約14年ぶり1ドル=84円台」が19位、「失業率5・7%、求人倍率0・42倍 過去最悪を更新」が20位だ。
 就職先が決まらない来春卒業予定の高校生や大学生も多い。「就職氷河期」の再来である。
 「デフレ危機」や「ボーナスカット」の言葉も飛び交い、「二番底」の到来が心配されている。産業界などには、政府の成長戦略のなさに対する批判も強い。
 ◆感動を与え続けた野球◆
 上位10位までに野球関連が3本も入った。4位に「日本がWBC連覇」、8位に「イチロー選手が大リーグ史上初の9年連続200安打」、そして「巨人が7年ぶり21度目日本一」が9位だ。
 「ヤンキース松井選手、日本人初のWシリーズMVP」も14位に入っている。野球が国民的スポーツであることの証しでもある。
 暮らしの先が見えない時代にあって、WBCの「侍ジャパン」の活躍などから勇気や感動をもらった人も多かったことだろう。
 問題は新政権である。再ブームとなっている司馬遼太郎の「坂の上の雲」ではないが、この国と国民に、坂の上の雲を目指すような活力を蘇(よみがえ)らせることこそ、来年の課題ではないか。

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