( ´゜д゜`)新聞

NTTドコモ、iPhone追撃で「和洋折衷」の勝算は(COLUMN)
 「300万台のうち、100万台を取りたい」。28日の決算発表会見の席上、NTTドコモの山田隆持社長はスマートフォン(高機能携帯電話)で米アップルの「iPhone」(アイフォーン)追撃に並々ならぬ決意を表した。300万台というのはドコモが見込む2010年度のスマートフォン市場全体の売り上げ台数。プレゼンテーション資料には、やや小さめの活字ながら、「2012年度スマートフォン市場 販売シェア50%」という意欲的な文言まで踊る。
 現状、iPhoneはシェアが「7割を超えている」(ソフトバンクの孫正義社長)という絶対的存在。ドコモの目標には、今夏にも登場する次世代iPhoneの販売権をソフトバンクから奪うというシナリオは織り込んでいないとみられることから、山田社長の言葉はiPhoneに対する真っ向勝負の宣戦布告とみていい。
 勝算がないわけではない。4月1日に投入したばかりの新製品「Xperia(エクスペリア)」は「20日を待たずに10万台以上売れた」(山田社長)という異例の売れ行きをみせている。ドコモの加入者は5600万人強。「スマートフォンは使ってみたいが、ソフトバンクに乗り換えるのは気が進まない」という潜在需要を掘り起こせば、伸びしろは大きい。
 iPhone追撃の成否は、営業利益を8400億円と前期比で約60億円上積みする増益見通しにとってもカギになる。
 端末価格を高く設定する代わりに通信料金を割安にする「バリュープラン」の浸透もあり、音声の通信料収入は今期も2000億円減る見込み。ドコモが描くのは、この落ち込みの半分強をデータ通信収入の増加1100億円で跳ね返し、コストダウンとの合わせ技で増益に持って行くというシナリオだ。それにはデータ通信のARPU(契約当たり月間収入)の向上が前提になる。今期はデータARPUを2560円と110円上乗せし、初めて音声(2550円)と逆転させるという思い切った目標を打ち出した。「そのうち20~30円をスマートフォンで持ち上げたい」(坪内和人取締役常務執行役員)という。
 問題は右肩上がりで売れ続ける怪物、iPhoneにどうキャッチアップするかだ。ドコモの描く戦略はどうやら「ガラパゴス」との融合のようだ。今後、iモードメールへの対応や「おサイフ」機能の搭載など、日本独特の「ガラパゴス・ケータイ」の機能を兼ねそろえた商品・サービスに力を入れる。使い慣れた機能を引き継げるなら、買い替えのタイミングでスマートフォンに手を伸ばすユーザーは増えるだろう。
 無論、独自サービスの付加には「囲い込み」の狙いもある。ドコモの解約率は前期実績でわずか0.46%。直接開かれたインターネットにつながり、iモードなど通信各社の独自サービスに縛られないのがスマートフォンの特徴。コンテンツ・サービスの供給者のすそ野が広がるのは魅力だが、契約者の流動性が高まるというネックがある。“和洋折衷”ともいえるドコモの路線は、トップ企業ゆえの守りと攻めのバランスを取ったアプローチと言える。
 山田社長は会見で、アップルの多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」が通信会社の縛りの効かない「SIMフリー」で発売された場合、iPad用の「ミニSIM」を発売してドコモの回線利用を促す方針も示した。SIMとは契約者識別モジュールのことで、iPadユーザーにドコモの回線を利用してもらうことを狙う。「アップル=ソフトバンク」のタッグにくさびを入れ、iPhoneの勢いに多少なりともブレーキをかけてスマートフォン商戦を側面支援する効果が期待できるかもしれない。
 ドコモ自身が12年3月期とみていた「ARPUの音声とデータの逆転」の時期を1年前倒しに修正したように、スマートフォンやパソコン用データカード、電子書籍などモバイル(移動体通信)ビジネスの環境変化は予想以上に早い。ドコモが誇る「速くてつながりやすい」という通信インフラの優位性は、スマートフォン時代にこそ生きるはず。通信の「質」と和洋折衷作戦でiPhoneの牙城を崩せるかが、今後数年のドコモの「伸びしろ」を決めるだろう。



[FT]インドと中国、ケータイ貿易に摩擦
(2010年04月30日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
 インドが安全保障上の理由から中国製通信機器に対する輸入規制を強めており、アジアで急成長を続ける両国間の貿易摩擦が激化の様相を示している。
携帯電話業者は混乱
 この措置は中国政府の反発を招くとともに、1カ月に2000万人の割合で増える携帯電話の新規加入者に対応するため大量の機器を必要とするインドの携帯電話業者に混乱をもたらしている。
 フィナンシャル・タイムズ紙が確認したインド通信・情報技術省から首相府にあてた今週の書簡によると、「中国の業者から携帯電話機器を調達する計画は安保上の観点から好ましくなく、国内事業者のそのような購入計画は却下する」という内容となっている。
 インドの携帯電話市場は中国企業の主要な収益源となっており、通信機器の世界的大手で広東省深センに拠点がある華為技術では2008年の売上高の11%を占めた。
 一方、中国の対インド貿易黒字は昨年度、160億ドルに達し、インド市場には安価な中国製携帯電話があふれかえっているとの国内業者からの訴えが貿易摩擦に発展しつつある。
 インド政府に対しては、これまでも、中国政府によるスパイ装置の通信ネットワークへの組み込みを警戒して、一部の中国製携帯機器の輸入を阻止しているとの指摘が長期にわたり寄せられていた。
 以前はこうした規制は、主に領土紛争を抱えるパキスタンや中国との国境地帯に限定されていると見られたが、昨年12月、通信・情報技術省は携帯電話事業者への免許交付条件を変更し、「安全保障上の観点から」審査を行うため、外国業者からの携帯機器調達計画はすべて提出するよう求めるようになった。
 12月の改正措置は中国を名指しするものではなかったが、治安当局は中国が関係する業者からの免許交付申請を却下してきた。同省は29日夜、この件についてコメントを拒否した。
困惑する中国メーカー
 中国当局もコメントを拒否しているが、フィナンシャル・タイムズ紙が確認したインド通信・情報技術省の書簡には、在ニューデリーの中国大使館がインド政府に制度改正の情報提供を求めたことが記されている。
 インド市場で7億5000万ドルを売り上げる中国2位、世界5位の中国の通信機器大手、中興通訊(ZTE)は29日、状況を調査中とし、「明らかに通常の商行為ではなく、政治的要因が絡んだものだ。コメントは適切ではない」と述べた。
 5億8400万人の携帯電話加入者を抱えるインドは、中国に次ぐ世界第二の携帯電話大国だ。



【プロ野球】天候不順で低調? セ・リーグ観客動員数7%減
 セ・リーグは30日、ホームとビジターの対戦が一回りした29日までの観客動員数を発表し、前年比で1試合平均7・3%減の2万7240人だった。
 球団別では巨人と阪神が昨年を上回る4万人を集めるなど好調だったが、前年と違い、集客の多いゴールデンウイーク中の試合が含まれていないこともあり、全体的には低調だった。マツダスタジアムが開場した昨年は大幅増だった広島は25・6%減。横浜は天候不順の影響もあり16・2%減。中日は8%減だった。
 平均試合時間は3時間13分で前年比で5分長くなった。九回終了試合も3時間10分と6分長くなっており、12球団が目標としている3時間以内に届いていない。



危機根絶 最後の手段選ぶ時 ユーロ圏、費用最大74兆円の試算
 ゴールドマン・サックス・グループ、JPモルガン・チェースおよびロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループのエコノミストによると、ユーロ圏に広がる財政危機を根絶するには、欧州当局者は最大6000億ユーロ(約74兆円)の資金拠出あるいは国債購入を迫られる可能性がある。
 ギリシャ債務危機がイタリアやアイルランドに広がるなか、エコノミストは、ドイツのメルケル首相やトリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁ら当局者は前例のない手段を講じるべきだと主張している。こうした手段として、政府による債務保証やECBによる担保ルール撤廃、 銀行への無制限の融資再開などを挙げた。
 ドイツ政権のギリシャ支援合意が遅れるなか、過去1週間に欧州全域で債券相場および株価が急落。経済協力開発機構(OECD)のグリア事務総長はギリシャの債務危機を「エボラ熱」に例えた。欧州は、リーマン破たん後に米政府が講じた7000億ドルの金融安定化プログラムと同規模の策を強いられる可能性がある。
 JPモルガン・チェースの欧州担当チーフエコノミスト、デービッド・マッキー氏(ロンドン在勤)は「現在のソブリン危機を解決するために、最後の手段を選択すべき時が来たようだ」と指摘。「ユーロ圏では、リセッション(景気後退)再発を引き起こすような金融危機を防ぐために、これまでよりはるかに劇的な手段を講じるべき時期が来たのかもしれない」と続けた。
 同氏はスペイン、ポルトガル、アイルランド、ギリシャを支援するという最悪の波及シナリオが現実化した場合、これら以外のユーロ圏諸国の国内総生産(GDPの8%に値する支援が必要になると試算しており、それが約6000億ユーロに相当する。



サムスン電子、主力部門いずれも堅調 1~3月営業益前期比28%増 半導体がけん引
 【ソウル=尾島島雄】韓国のサムスン電子は30日、2010年1~3月期の連結営業利益が09年10~12月期に比べ28%増の4兆4100億ウォン(約3750億円)だったと発表した。半導体が高水準の利益をあげて全体をけん引し、液晶パネルと薄型テレビ、携帯電話の主力部門は堅調に推移。業績が回復し始めた日本の電機大手を引き離す勢いを持続している。
 1~3月期から国際会計基準(IFRS)を適用し、過去の実績は09年1~3月期までさかのぼって公表した。それ以前との正確な比較はできないが営業利益は過去最高水準となった。
 連結売上高は10~12月期比12%減の34兆6400億ウォン。デジタル家電のクリスマス商戦が明けた後の下げ幅を最小限に抑えた。金融危機の影響が残った前年同期に比べると売上高で同21%増、営業利益は同7.4倍の大幅増となった。売上高は減少したものの、マーケティング費用が減少し増益につなげた。純利益は前四半期比31%増の3兆9900億ウォンだった。
 利益に最も貢献したのは半導体。堅調なメモリー市況でパソコンなどに使うDRAMの販売が大幅に拡大した。新型の「DDR3」に加え、大手メーカーの生産設備のシフトで品薄となった「DDR2」も取引価格が上昇した。半導体部門の営業利益は前四半期比46%増の1兆9600億ウォンにのぼり、スマートフォン(高機能携帯電話)などに搭載するNAND型フラッシュメモリーでも収益増につなげた。



DeNA、「モバゲー」で過去最高の売り上げと利益を計上 
 携帯電話向けのポータル(玄関)サイト「モバゲータウン」を展開するDeNA(ディー・エヌ・エー)が30日発表した2010年3月期連結決算によると、売上高は前期比27.9%増の481億円、最終利益は同42.9%増の113億円でそれぞれ過去最高の業績だった。「モバゲー」の会員数増加に加え、ソーシャルゲームにヒット作が出たことで、事業が好調に推移した。
 続く11年3月期の業績見通しは、新規事業の分野が多いため「信頼性の高い通期の業績予想値を算出するのが困難」として、公表していない。ただ、今期からNTTドコモやヤフー・ジャパンとの提携策などの新たな取り組みから増収増益が見込まれている。



日経社説
上海万博が映す中国近代化の光と影
 上海国際博覧会が5月1日に開幕する。40代半ば以上の日本人なら、何時間も行列して月の石を見た1970年の大阪万博を思い出すかもしれない。確かに、当時の日本と今の中国はよく似ている。
 日本から3つのパビリオンが出展する。人々がありのままの日本の姿に親しみ、環境などの技術力を知ってもらう場になると期待したい。
 今の中国は10%前後の高い経済成長が続き、世界で2番目の経済大国になろうとしている。米ドルに固定した為替相場の下で膨らんだ貿易黒字が国際的な摩擦を招いている。
 五輪に続く万博の開催、豊かな生活を目指す人々の熱気、上海など都市部でのビルの林立、高まる公害問題への国民の関心。いずれもかつての日本をほうふつさせる。
 中国にとって万博は近代化の成果と未来の展望を示す場だ。上海万博の開催は、1911年の辛亥革命を出発点とする近代化のひとつの大きな成果といえる。共産党政権には49年に建国して以来の、特に78年に改革・開放政策を打ち出してからの実績を誇示する好機だろう。
 共産党政権が追い求めてきたのは工業、農業、国防、科学技術の「4つの近代化」だ。改革・開放が始まる際に民主活動家の魏京生氏が唱えた「5番目の近代化」、つまり政治の民主化は置いてきぼりである。
 共産党による一党独裁の下で、国民は自分の意見を政治に反映する手立てを制約されている。法の下の平等や法の支配が徹底せず、言論の自由への制限はなお厳しい。
 その影響は経済にも及ぶ。高度成長期の日本では「一億総中流」といわれるほど格差が縮小したが、今の中国では格差は広がる一方だ。住民を無視して開発を進め、都市と農村を別に扱っている結果である。
 急速な発展の陰には、わずかな補償で住居の立ち退きを余儀なくされる市民も多い。約5平方キロと東京ドーム100個分以上の万博会場も、半ば強制的な住民移転で造られた。万博のPRソングの盗作問題は、法の支配、知的財産権の保護が徹底していないことを改めて示した。
 中国では暴動ないしそれに近いデモが9万件を超える年もある。国内の民族紛争も絶えない。国民の声が政治に反映されないことが、社会の不安定要因となっている。
 来年は辛亥革命から100年。中国の近代化はどこへ向かうべきか、共産党の指導者を含め中国の人々は問い直すときだろう。民主化が経済発展に伴う姿こそ、日本や世界が中国に望むものである。
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…(゜Д゜;)英字新聞

Businesses may be obliged to ban smoking

The health ministry is expected to oblige business enterprises to enforce a total ban on smoking in workplaces, it was learned Wednesday.
A Health, Labor and Welfare Ministry committee, which discusses how to prevent health hazards caused by secondhand smoke, drew up a draft report that incorporated the total ban.
The Labor Policy Council, an advisory panel to Health, Labor and Welfare Minister Akira Nagatsuma, will work out details of the smoking ban and submit a bill to revise the Industrial Safety and Health Law to the ordinary Diet session, probably next year.
In February, the ministry issued an instruction under the name of the Health Service Bureau chief, encouraging prefectural governments to ban smoking in public places such as schools and restaurants in line with the Health Promotion Law. The instruction was nonbinding.
The draft report goes a step further by proposing that businesses ban smoking in workplaces and obliges them to set aside enclosed rooms for smoking.
It also proposes to set emission and other standards to ensure smoke does not escape from smoking rooms. Labor standards inspection offices would instruct and supervise the businesses, it said.
The report also touches on service industries, such as restaurants and inns, which cannot force customers to stop smoking.
To prevent people from being exposed to passive smoking, the report wants business operators to study such measures as separate smoking areas, the use of masks and proper ventilation.
As industry associations of restaurants and inns fiercely opposed the instruction issued in February, what kind of measures should be taken will become a focal point, observers said.
According to a survey conducted by the ministry in 2007, 54 percent of business enterprises do not take any measures to ban smoking or provide separate smoking areas.
Small and medium-sized companies, in particular, have been slow in taking up such issues, the survey said.
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(#゜Д゜)/新聞

楽天、ネット通販即日配送 アマゾンに対抗
全国の主要都市で3年後メド
 インターネット通販サイト最大手の楽天は、今秋から自社の物流拠点整備に乗り出す。3万2千以上の店舗が出店する仮想商店街楽天市場」の商品を即日配送できる体制を全国の主要都市できる体制を目指す。サーバーだけを持ち、出店企業を束ねるネット通販企業の身軽な事業モデルを転換。自社で物流インフラを抱え、消費者や出店企業向けサービスの利便性を高める。ネット通販世界最大手の米アマゾン・ドット・コムに対抗する。
 まず千葉県市川市の物流センターを米系倉庫会社から賃借して、今秋に稼働させる。すでに拠点を運営する子会社の「楽天物流」を設立。賃借面積は倉庫スペースが2万3千平方メートル以上。1日あたり最大10万件の出荷能力を目指す。
 3年後をめどに全国5カ所以上に大規模物流センターを開設し、全店舗の商品配送を主要都市でカバーできる体制を構築する。投資額は1拠点あたり十数億円規模になる見通し。
 当初は楽天が自社で販売する書籍やDVDなどを取り扱う。年内にも首都圏を対象に、注文を受けたその日に商品を届ける当日配達サービスを15万点で始める。楽天は商品の保管・仕分けなどを担当し、商品配送ではヤマトホールディングスなど物流大手と組む。
 楽天はこれまで各店舗の通販サイトを束ねる役割に集中し、在庫管理や商品配送は店舗側に任せていた。自社で物流インフラを抱えることで、配送時間短縮や、異なる店舗の商品をまとめて配送する新サービスにもつなげる。大手配送会社への価格交渉力を高めて運賃引き下げを狙う。
 さらに「楽天市場」での買い物を容易にする小型の端末も独自に開発した。商品を識別するバーコードを読み込んで端末に保存。パソコンにつなぐと楽天市場のサイトから、該当する商品を最安値で売る店舗を見つけて購入できる仕組み。試作品は完成済みで、今年秋にも最大で1千台程度を試験的に配布する。
 買い物の「入り口」から配送まで一貫して手掛けることで利便性を高める狙い。利用者の反応をみて、事業化を判断する。端末は無償提供するか低価格で販売する可能性が高い。
 アマゾンは日本に3カ所の物流センターを持ち、当日配達サービスなどで楽天に先行していた。
 09年の「楽天市場」の流通総額は8千億円を超え、08年に比べ2割伸びた。野村総合研究所の予測によると、2009年度に6兆5700億円だった国内消費者向け電子商取引市場は、14年度に11兆9500億円を突破する。楽天は物流効率化などでネット通販の利便性を高めて一段の成長を目指す。



楽天、アマゾンへの挑戦状
 インターネット商店街「楽天市場」で日本を代表するネット企業にのし上がった楽天が新たな成長を目指すプロジェクトを始動させた。ネットの仮想空間から飛び出し、商品の受注から配送までのインフラを丸抱えする試み。狙うのはネット小売りで世界最大の米アマゾン・ドット・コムの攻略だ。
 4月23日夕。ソフトバンク社長の孫正義が代表理事を務めるブロードバンド推進協議会が「IT(情報技術)による日本復活」をテーマに都内でシンポジウムを開いた。集まった聴衆は約1000人。この日、ゲストスピーカーに招かれたのは楽天の社長、三木谷浩史だった。
ネット企業の枠越える
 壇上、孫が隣の三木谷に語りかけた。「国民全体が元気で明るくなれる。そういう日本にしたい」。三木谷も応じる。「世界に例のないビジネスを生むことが重要だ」
 日本のIT業界を代表する2人の起業家の出会いはおよそ15年前。孫は世界最大のコンピューター見本市「コムデックス」の買収や、ヤフーの設立など勢力拡大に奔走していた。当時、三木谷は日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)の銀行員。担当する最大の顧客が孫だった。脱サラで楽天を設立したのは1997年。ネット普及の波に乗り、三木谷は一介のサラリーマンから同じ舞台で孫と肩を並べるところまで駆け上ってきた。
 楽天の2009年12月期連結決算は最終損益が535億円の黒字と過去最高を更新。楽天市場での取引総額は8000億円と前年より2割増えた。
 楽天の躍進とともに、三木谷の存在感が膨らんでいる。
 2月22日に発足した「eビジネス推進連合会」。ネット関連企業約1800社を会員に、医薬品の通信販売規制の見直しや選挙でのネット利用などを求めて政策提言する。中心的な役割を担う三木谷はその会長に選ばれた。
 発足会見と時を同じくして、日本経団連では新会長に決まった住友化学会長の米倉弘昌が記者会見に臨んでいた。三木谷は「既存の経済団体とどこが違うのか」との記者の質問に「レガシーなシステムを引きずる団体とは違う。未来志向だ」と答えた。もはや経団連も絶対的な存在ではないと言わんばかりだった。
  楽天は「閉店が目立つシャッター商店街を救済する」との目標を持つ。経営体力のない無名の中小の小売店でも顧客に直に結びつけられる点が楽天市場の革新性だった。さらに、ネットを核にリアルな物流機能と受発注機能を持つことにより、ビジネスモデルの模倣が容易なネットビジネスを脱し、顧客を囲い込む――。それが今回のプロジェクトだ。
 将来的には、中小の小売店だけでなく、流通業界そのものを変えるポテンシャルを持つ。いつでもバーコードで最安値品を発注し、即日配送してくれる仕組みがあれば、リアルな店舗は商品を見比べるショールームとして活用するなど、「購買」という活動を変えてしまう可能性を秘める。
 今の三木谷には優秀な人材を吸い寄せる求心力もある。世界に通用するプログラミング言語と言われる「Ruby(ルビー)」の開発者、まつもとゆきひろは3週間に1度、本拠地の島根県松江市から東京の楽天本社にやってくる。技術開発の方向性などについて助言するためだ。顧客の購買履歴など膨大なデータを持つ楽天は、コンピューターの未来を考える技術者には魅力的という。携帯電話向けのデータ通信サービス「iモード」の生みの親の夏野剛、家庭用ゲーム機「プレイステーション」を世に送り出した久多良木健も助言役に名を連ねる。
アマゾンの脅威
 経営者として順風満帆にみえる三木谷。だが、足元を見ると危うさも漂う。楽天を追い落としかねない勢いで力を増すアマゾンの存在が楽天の先行きに影を落とす。
 楽天よりも3年早く米国で生まれたアマゾン。いまや年間2兆円を超える売上高のうち、北米以外が5割に迫り、日本でも存在感が急速に高まっている。書籍では日本の雄、楽天をしのぎ、取り扱い品目は書籍以外にじわじわと広がり、楽天の存在を脅かす。
 楽天とアマゾンとの違いは、ビジネスモデルを革新するダイナミズムにある。アマゾンはネット企業という枠にとどまらず、巨大な物流センターを駆使したリアルの配送体制をいち早く構築、さらに電子書籍端末「キンドル」を投入して新たなネットサービスのあり方を示し、メディア業界をも揺さぶる。
 一方の楽天はネット商店街の楽天市場に依存したビジネスモデルがベース。物流センターや個人向け端末を用意する新プロジェクトはアマゾン追随ともいえ、ようやく挑戦者の立場に立つとの見方もできる。
 アマゾンは物流インフラやキンドルを武器に、今もなお国境を越えた巨大な総合小売業へと進化を続ける。日本で抜群の存在感を誇る楽天も、世界に目を向ければ、限られた市場に安住する小さなガリバーでしかない。手をこまぬいていては、日本での牙城も切り崩されかねない。
 アマゾンだけではない。楽天設立と同時期にアップルに復帰した最高経営責任者(CEO)のスティーブ・ジョブズはその後、「iTunes」を世に送り出して、音楽配信の標準を握り、携帯電話でも一大ブームを起こした。今度はさらに「iPad」で電子書籍の販売なども巻き込む勢いだ。
競争は国境を越えて
 ネットビジネスの巨人たちは革新を繰り返し、世界の覇権を争っている。三木谷も楽天市場依存からの脱却にもがいてきた。
 例えば、東京放送(TBS)ホールディングスへの出資。メディアを傘下におさめることで、巷のネットベンチャーとは一線を画す戦略に打って出た。
 ここ数年、三木谷はTBS問題にのめり込んで来た。2005年にTBS株式の15%を取得し、経営統合を提案した。しかし、20%弱まで買い進めながら交渉したが、結局、決裂。最近は、この案件について三木谷が発言する機会はめっきり減った。3月30日の株主総会でも株主から質問が出たが、自らは回答せず、他の幹部に任せ、TBSへの興味を急速に失っていることを示した。
 同世代で、家族ぐるみの付き合いをする夏野は三木谷の心情を代弁する。「(TBS問題は)完全に区切りがついた。メディアはいらないと思っている」。関心は今、海外市場の開拓に向いているという。「アジアを中心とする海外に楽天のビジネスモデルを本気で持っていこうとしている」
 三木谷は取締役会など主要な会議の公用語を英語に切り替えた。取締役の中からは「メンバーは日本人ばかり。わざわざ英語を使う意味があるのか」と冷ややかな声も漏れるが、三木谷は気にしない。10万人のフォロワーを持つミニブログ「ツイッター」も英語でのつぶやきが増えた。
 国境のないネットビジネス。世界の巨人たちとの競争に敗れれば、国内での生き残りもおぼつかない。自前の物流センター、個人向け端末を柱にすえる今回の新プロジェクトはアマゾンに対抗し、世界競争に踏み出す第一歩と位置づけられる。
 新プロジェクトと同時に進める海外戦略も今後を占う試金石となる。その代表が中国。検索大手の百度(バイドゥ)と組み、電子商取引に乗り出す。検閲を巡って政府と対立したグーグルがサービス撤退を迫られるなど中国にはリスクもある。だが、三木谷は「政府とも良好な関係を築けている」と世界の巨人が二の足を踏む中国市場の開拓に自信をみせる。
 日本ではネット企業の主役の一つに躍り出た楽天。さらなる飛躍に向け、グローバル競争の舞台に乗れるのか。三木谷が真価を問われるのはむしろこれからだ。



JVCケンウッド、ビクター創業の地を売却へ
 経営再建中のJVC・ケンウッド・ホールディングスは傘下の日本ビクターの創業地である「本社・横浜工場」(横浜市)を売却する方針を固めた。大手運送会社に60億円前後で売却する方向で最終調整している。JVCケンウッドは2008年10月の経営統合後も業績が低迷しており、財務体質が悪化している。聖域を設けず資産リストラを加速し手元資金を確保する。
 本社・横浜工場はJR新子安駅の近くにあり、戦前からのビクター創業地で、家庭用ビデオ「VHS」の生産などを手掛けた。現在は倉庫などに活用している。JVCケンウッドの本社ビルもあるが、売却後については移転も含め検討中だ。
 同社はこれまでも八王子工場(東京都八王子市)や新橋ビル(東京・港)などビクターの資産を相次いで売却してきたが、業績の回復にはつながっておらず、従業員の士気が一段と低下する可能性もある。今回の売却で得た資金も人員削減などリストラに充てるとみられる。
 一方、ビクター傘下の音楽子会社「ビクターエンタテインメント」を売却するためソフトバンクと進めていた交渉は、破談になった。売却額で折り合わなかったうえ、所属アーティストがソフトバンク傘下に入ることに反発したため。過去にもユニバーサルミュージックやコナミなどと売却交渉を進めたが、いずれも破談に終わっている。



家具のイケア、全国に出店拡大
ネット通販も参入
 スウェーデンを本拠とする世界最大の家具専門店、イケアが日本で全国展開に乗り出す。九州地区や名古屋市周辺に初進出するほか平均年1店のペースで主要都市に出店する。今秋にはインターネット通販にも参入する方針。消費者の節約志向が高まる中、外資系小売りは世界規模の調達網を生かした低価格戦略や独特の販売手法で存在感を高めている。イケアも価格競争力を武器に攻勢をかける。
 イケアグループのミカエル・オルソン最高経営責任者(CEO)が日本経済新聞の取材に対し明らかにした。イケアの店舗は現在、港北店(横浜市)やポートアイランド店(神戸市)など、首都圏と関西地区を合わせて5店舗にとどまる。今後は九州や名古屋地区を皮切りに全国に店舗網を広げる。東京近郊にも出店し、首都圏でもシェア拡大を狙う。
 イケアの店舗は売り場が4万平方メートル前後と大規模なのが特徴。オルソンCEOは「いろいろな商品を触ることで購買意欲が刺激される」と話し、今後も大型店にこだわる考えを示した。
 今年10月にはネット通販にも参入する。まず専用サイトを開設し、法人向けの家具販売を本格的に始める。オルソンCEOは「法人需要を掘り起して低価格の家具を広げたい」と語る。イケアは世界10カ国でネット通販を手掛けているが、日本では初めて。




中国、ネット管理強化 事業者に情報提供義務付け
 中国の全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会は29日、急拡大するインターネット情報の管理強化のため、ネット業者に記録保存や情報提供などで当局の調査に協力するよう義務付ける国家秘密保護法改正案を可決した。10月1日から施行する。
 中国は米検索大手グーグルの撤退問題で国際的な批判を受けた検閲などを通じネット情報の管理を強化してきたが、今回の法改正で、当局が「国家秘密」と判断した情報については事業者に削除や情報提供を求める権限を一段と明確にした。
 従来の法律は1989年に施行。国家秘密の定義や対象があいまいだとの批判が出ていたため、秘密指定や解除の手続きについても規定を整備したが「当局の恣意的な運用が抑えられるかどうか疑問」(中国メディア関係者)との懸念が強い。(共同)



たばこの箱「商標ダメ」 豪政権法案、業界は猛反発
 【シンガポール=宮野弘之】オーストラリアのラッド政権は29日、世界で初めてタバコの箱にブランド名や商標、さらに宣伝文句などの印刷を禁じる新たな法律を導入すると発表した。2012年7月からの施行を目指す。AP通信などが伝えた。タバコ業界は「無地の箱では、消費者は商品を見分けられない。企業価値にかかわる」として、多額の損失は避けられないと猛反発。施行されれば補償を求めるとしている。また、スーパーなど小売業界からも「安易な政策だ」と反対の声があがっている。
 これに対し、ラッド首相は「タバコは格好がいいものではない。タバコは人を殺すもの。だから政府は、何をしても謝る必要などない」と涼しい顔。もっとも試算では新法が施行された場合、タバコ業界に支払う補償だけで、年に30億オーストラリアドル(約2059億円)に上るとされる。
 首相は先に環境政策の目玉としていた排出権取引制度導入を産業界などの反発で延期に追い込まれたばかりだが、今回も、首相の思惑通り、新法が成立するのかは微妙だ。



鳩山首相が6位!?最も影響力のある指導者
 【ワシントン=佐々木類】米誌タイムは29日、2010年の「世界でもっとも影響力のある100人」を発表、日本人では「リーダー」部門で鳩山由紀夫首相が6位に選ばれた。トップはブラジルのルラ大統領で、オバマ米大統領はマレン米統合参謀本部議長に次いで4位だった。
 タイムは鳩山首相を選んだ理由について、昨年の総選挙で政権を取り、「日本が事実上の一党支配から、機能する民主主義に変わるのに貢献した」からだとした。
 また、同誌は鳩山首相について、「政治家一家の跡取りでおよそ革命的にはみえない」としながら、「自民党時代から将来を嘱望され、今や革命的な指導者となった」と評した。鳩山首相はワシントン・ポスト紙で「ルーピー」(現実から変に遊離した人)と厳しい評価を受けたばかり。同盟国・米国での評価が大きく揺れている現状を図らずも露呈した格好だ。



児童ポルノ誘導サイトも「有害」、削除要請へ
 インターネット上で児童ポルノサイトを紹介している「ランキングサイト」が児童ポルノの温床となっているとして、警視庁は30日にも、サイト管理会社4社に削除要請を行う。
 ランキングサイト自体には違法画像は掲載されていないが、リンクによって誘導されるサイトに約3万点の児童ポルノ画像が掲載されており、「有害サイト」と判断した。
 児童ポルノに絡み、警察当局がランキングサイトに削除要請するのは初めて。誘導先の違法サイトについても、順次、児童買春・児童ポルノ禁止法違反容疑などで摘発していく方針。
 削除要請の対象は、東京、神奈川、兵庫に本社のあるサイト管理会社4社が設置する14のランキングサイト。計835の児童ポルノサイトのタイトルが張り付けられ、クリックするとそのサイトに誘導される。誘導先には、小学生以下とみられる児童の無修整画像が少なくとも計1万4500点、中学生や高校生とみられる画像も計約1万4000点が掲載されていた。
 同庁では、今後も有害なサイトを確認し次第、削除要請を続ける方針。



米金融大手提訴 規制強化に弾みがつくか(4月30日付・読売社説)
 米証券取引委員会(SEC)が、米金融大手のゴールドマン・サックス(GS)を、証券詐欺の疑いで民事提訴した。
 ルービン元財務長官やポールソン前財務長官を輩出した名門企業と、米当局がぶつかる異例の事態である。
 この件に関して開かれた米議会上院の公聴会では、GS首脳が疑惑を真っ向から否定した。
 だが、米政府はGS追及を金融機関全体に対する規制強化の突破口にする考えだ。法廷での争いは長引くことが予想される。
 その結果次第で、世界の金融界は大きな影響を受けるだけに、日本の金融庁や金融機関も今後の展開を注視する必要があろう。
 SECが問題視したのは、金融危機前の2007年に、GSが販売したサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)に関連した証券化商品だ。
 GSは有力ファンドと共同で、複数のローン債権を組み合わせて証券化商品を作り、投資家に売り込んだ。一方でファンドはこの商品の価格下落を見込んで空売りしたのに、GSはこの重要情報を開示しなかった――。
 SECは、GSのこうした動きが詐欺に当たる、としている。
 事実ならば、金融危機の発端となったサブプライムローン問題で、投資家を欺き、荒稼ぎしていたことになる。GSの責任は極めて重いと言わざるを得まい。
 金融危機の際、巨額の公的資金で救済されたにもかかわらず、高額報酬を支払い続けるウォール街への批判は根強いものがある。
 金融界に対するこうした厳しい世論を追い風に、攻勢をかけているのがオバマ大統領である。
 大統領は昨年、「ウォール街の改革が不可欠」として、規制強化策を打ち出した。
 これを受け、下院は12月に金融監督・規制改革法案を可決したが、上院では共和党などの抵抗が激しく、審議は難航している。
 焦点は、ボルカー元連邦準備制度理事会(FRB)議長が提案した「ボルカー・ルール」と呼ばれる規制強化策の扱いだ。銀行に、リスクの高い証券の取引や、ファンドへの投資を禁じる内容だ。
 金融危機の再発を防止するためには、無秩序な金融取引に歯止めをかけるのが当然であろう。一方で、過度な規制は金融機関の活力をそぎ、景気回復にも水を差すとの声もある。
 米国がバランスの取れた金融規制をどう実現するか。大統領の手腕が今こそ問われている。
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