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バンダイナムコは子会社社長を降格、SCEは実質解 惨状を極めるゲーム業界の未来を考える(COLUMN)
 昨年末にゲーム業界をじわじわと覆い続けた暗雲は、今年2月激震となって業界を襲った。
あのSCEが実質的な解体
ひとつの時代が終わった
 その第1弾が、業界大手バンダイナムコゲームスの利益下方修正発表。200人におよぶリストラ特損の計上で、持ち株会社であるバンダイナムコホールディングスが、10年3月期の当期利益予想を85億円の黒字から310億円の赤字に修正した。同時に、ゲームスの鵜之澤伸社長が4月1日に副社長降格になる人事も発表されるなど、”和をもって尊しと為す”企業文化がモットーのバンダイナムコらしからぬ状況に業界中が震撼させられた 。
 第2弾は、ソニー。「プレイステーション(PS)シリーズ」を擁する子会社、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の実質上の解体だ。
 親会社のソニーはSCEをまず「SNEプラットフォーム」という名称に変更、ゲーム機やソフトの開発、販売部門を新SCEに引き継いだ後、残ったネットワーク部門を吸収合併するという。
 この残ったネットワーク部門は、ハワード・ストリンガー会長が目指していたコンテンツビジネスを担う。たとえば、同社のテレビ「3D対応ブラビア」や「PS3」などの端末を使った、「ソニーオンラインサービス」を展開する予定だという。
 実は今回の目的については、業界関係者の間でも判断が分かれており、「事実上の会社整理」、「会計上のテクニックの問題」という声もある。だが、プレイステーション3以降の赤字は、東芝に売却したセル工場の売却損4000億円を含めると、9000億円にも達している。「もはやこれ以上、親会社もSCEを放置できなかったのでは。今後は状況によっては解散も選択肢に入っているでしょう」というのが大勢だ。
 SCEといえば、”ソニー”グループの一員でありながら、「反ソニー」精神を掲げてきたことで知られている。その旗手が、”プレイステーションの父”として知られる、久夛良木(くたらぎ)健同社名誉会長だった。
 PS2が発売された1999年、不振にあえぐ本社の方針によって、SCEはソニーの完全子会社となったが、その時の久夛良木氏の「アルツハイマーの親(本社)を子(SCE)が面倒見ることになりました」という台詞(せりふ)が象徴的だった。当時を知るソニー関係者はこのSCEの顛末について複雑な思いでいるに違いない。
 だが、昨年秋には久夛良木氏自身をのぞいて、社内では久夛良木色も一掃された。現在は親会社の副社長でもある平井一夫氏が、SCE社長も兼任する完全な平井体制であり、今回のSCEの出来事は、ひとつの時代が終わったことを告げているのかもしれない。
中小のソフトハウスがバタバタ倒産
今のゲーム業界は最悪の状況 
 大手が悲惨なら、中小も当然無事では済まない。事実、福岡のソフトハウス、シングは3月1日、負債総額2億5600万円で破産手続きに入っている。シングは、任天堂発売「アナザーコード:記憶の扉」(ニンテンドーDS用) などの開発元として知られ、業界内でも”勝ち組ソフトハウス”と見られていた。それだけに、「あのシングまでが」と絶句した業界人は少なくない。 
この倒産は、カプコンの常務執行役員・稲船敬二氏によると、氷山の一角でしかないようだ。「今のゲーム業界は最悪な状態。年があけてから、中小のソフトハウスがバタバタと倒産している。私も最近よく泣きつかれますよ。カプコンさん、なんとかしてくださいよって」。
 この発言は、3月6日に福岡市で開催された「第2回ゲームフロンティアin福岡」(主催・福岡ゲーム産業振興機構)での基調講演のもの。人材育成を目的としたイベントでは、それなりに夢に包まれた話が語られるものだが、語られた内容といえば、「今のゲーム業界は最悪の状況」という言葉に象徴される悲惨な話ばかりだった。
 現在のゲーム業界の悲惨な状況の原因について、不景気を挙げる人は多い。確かに、現在の不況は、100年に1度の不景気の影響も受けてはいる。だが、今回の場合もそれは結局のところ外部要因でしかない。主要因はゲーム業界特有の構造にある。
 ゲーム業界の景気と、家庭用ゲーム機、いわゆるハードの盛衰には密接な関係がある。程度の差こそあれ、ハードの盛衰とともに、 業界は栄え そして不景気になった。この状況を、任天堂が1983年に「ファミリーコンピュータ(ファミコン)」を発売して以降、ゲーム業界はずっと繰り返してきたといっていい。
 業界の不景気をニューディール(新規巻き直し)するかのように、ファミコンに続いて次々と新ハードは発売されてきた。任天堂のスーパーファミコン、ソニーのプレイステーションシリーズ、そして現在はニンテンドーDSと、それぞれの大ヒットとともに業界は潤い、そして衰退した。その繰り返しを業界の歴史としてとらえることは、あながち間違ってはいないだろう。
 なぜ、ハードメーカーだけが業界の景気をニューディールできたのか。そのヒントを旧大蔵省の金融業界に対する護送船団方式から得ることができる。
かつての日本の金融界と同じ
ゲーム業界の護送船団方式が崩壊
 日本の金融業界は1996年の金融ビッグバンを迎えるまで、旧大蔵省による護送船団方式の下に置かれていた。つまり、旧大蔵省によって金融機関は破たんから守られていたわけだが、旧大蔵省をハードメーカー、金融機関をソフトメーカーと置き換えると、そのままゲーム業界の話になる。
 ハードメーカーは市場拡大を目指すために、有力ソフトメーカーに自分たちのハード用にソフトを作ってもらうようお願いする。だが、一方のソフトメーカーはハードに参入する際、ロイヤリティーを支払わねばならないため、様々な見返りを要求する。すると結果的に、ハードメーカーがソフトメーカーを守る護送船団が誕生する。
この護送船団方式の好例が、ソニーのPS、PS2期(1997年~2004年)で、この時期にソニーとともに業績を飛躍的に伸ばした日本のソフトメーカー、ソフトハウスは多い。いわば、”プレイステーション”というエコシステムの下で業界各社は潤っていた。そのため、PS2の後継機「PS3」でも、同じようなビジネスモデルを望んだソフトメーカーは多かったのだが、残念ながらそれはうまくはいかなかった。
 それでは、任天堂の家庭用ゲーム機「Wii」でがんばればいいかというと、話はそう簡単ではない。Wiiで儲かっている日本のソフトメーカーの話は聞こえてこないからだ。
 たとえば「モンスターハンター3」を投入したカプコンですら、実質売上が100万枚も超えていない。この状態は、PS3の護送船団が壊滅状況のソフトメーカーからすれば、死活問題である。
 一方、任天堂は 10年3月期決算内で、全世界で1000万枚級のヒットを3本飛ばしている。その3本とは「Wii Sports Resort」(1358万本)、「Wii Fit Plus」(1016万本)、「New スーパーマリオブラザーズ Wii」(1055万本)だ。
 任天堂はもはや自社ハードにおける護送船団を形成する必要がなく、最悪、任天堂1社になってもやっていける状況だ。もちろん、有力ソフトメーカーとはケース・バイ・ケースで付き合ってはいくだろうが、業界全体を抱え込むような、コストのかかる護送船団方式はもはやとらないだろう。
 それだけに、SCEに対する期待は高まっている。今秋SCEは、任天堂のwiiリモコンと同じように、振って遊ぶモーションコントローラ「プレイステーション ムーブ」を発売予定だが、それに伴って「夢よもう一度」ということで、SCEによるPS3護送船団の復活を望む声は強い。今後のSCEの行方を、業界全体が見守っている。
「ゲームのハリウッドを目指す」
新勢力「福岡」興隆の秘密
 だが、ハードメーカーによる護送船団方式の復活は、本当に現在のゲーム業界の不況を救う手段になるのだろうか。たしかに、それは対症療法にはなるだろうが、抜本的な解決策にはなり得ないだろう。
 それを実感させるのが、現在の福岡の状況だ。たしかに、シングの倒産という悲劇的な出来事はあったものの、福岡には「レベルファイブ」を筆頭に、「サイバーコネクトツー」、「ガンバリオン」といったソフトハウス、および関連企業が10社以上集積している。
 特にレベルファイブの成長は著しい。起業10年あまりで、ソフトハウスからパブリッシャーにまで成長し、ナゾときアドベンチャーゲーム「レイトン教授」シリーズは全世界で900万本 以上の売上を達成している。この売上はコーエーなどパブリッシャーと呼ばれる大手ソフト メーカーも顔負けの数字だ。
 それだけではない。レベルファイブは地元のサッカークラブJ2「アビスパ福岡」のホームグラウンドのネーミングライツも購入するなど、地元貢献度も高い。
 レベルファイブを始めとする、ゲーム関連企業が福岡で成功している理由のひとつに、官(福岡市)と学(九州大学)の強力なバックアップが挙げられる。
 福岡市は2006年、経済振興局産業制作部に福岡ゲーム産業振興機構を設置した。経済振興局産業制作部の関係者は、「レベルファイブがネーミングライツを購入し、地元に貢献できるほど成功してくれたことは、支援サイドとしては本当にうれしい」と喜びを隠さない。
  「福岡は昔から新しい文化に寛容な土地のためか、ゲーム文化もすんなりと受け入れられている。ゲーム脳なんていうマイナスなイメージは全くない。ゲーム系企業が福岡の経済に寄与してくれるよう、市長も議会も、そして我々も前向きに支援してきたが、成功した一番の理由はゲーム業界人自身の熱意があったから。我々官は支援は出来るが、ゼロから何かを生み出すのは彼らの仕事。その熱意があったことが一番大きかった」(福岡市経済振興局)。
 筆者は、大手でなくてもがんばり次第で中小のソフトハウスも成り上がれるのが、ゲーム業界の一番いいところだと考えている。つまり、階層が固定しない可塑性の高さこそがゲーム業界を活性化させるのだ。現在の福岡の状況は、その業界の可塑性の高さを証明していると言えるだろう。不況の影響で業界関係者は足がすくんでいる状況になっているようだが、この福岡の状況から学べることは多いはずだ。
苦境にあえぐゲーム業界
復活に向けた未来への処方箋
 以上のまとめとして、ソフトメーカー、およびソフトハウスのための未来への処方箋を考えてみたい。
◆処方箋その1:大ヒットハードに依存しすぎない。
 どんなにあるハードが大ヒットしていても、ひとつのハードに依存しすぎるのは大変危険だ。ハードメーカーによる護送船団に慣れきってしまうと、ハードのエコシステムが消滅したときに経営体力が持たない。
 バンダイナムコホールディングスの石川祝男社長は、以前ゲームスの社長だった時に「儲かるのであれば、どんなハードとでも組む」と話しており、実際マイクロソフトの家庭用ゲーム機「Xbox360」で「アイドルマスター」をヒットさせている実績がある。それぞれのハードが持つ市場の特徴を捉えて、ハードメーカーと付き合う能力が求められる。そのためには、日々の研さんを積み、オンリーワンの開発力向上にいそしむことが不可欠だ。
◆処方箋その2:儲かっているときこそ内部留保の充実を
 会社経営にも、開発力アップにも欠かせないのが、お金だ。任天堂は毎年経営戦略説明会で内部留保の多さを指摘されるが、昨今の大不況でもびくともしない現在の任天堂の状況が、その方針の正しさを証明している。
 ゲームビジネスはいつもうまくいくとは限らず、近年のような不景気に襲われることもある。さすがの任天堂も不景気の影響を受けて、10年3月期末決算は下方修正に追い込まれたが、それでも純利益で2300億円という高水準を維持できているのは、潤沢な内部留保が企業活動を支えている結果と言えるだろう。
 また、資金調達ルートを持つソフトメーカー(パブリッシャー)はともかく、中小のソフトハウスは特に経営体力をつけることを第1に考えた方がよい。ある関係者の話によれば「あるハードメーカーは、ソフトハウスにはスキルと同じくらい、経営能力を求めている。いくら腕がよくても、お金の使い方が甘い会社とは付き合いたくないと話していた」という。シングの倒産から、ソフトハウスが得る教訓は多いはずだ。
◆処方箋その3:ニッチ産業としての誇りを持つ
「最近10年のゲーム産業は変な期待を背負いすぎ」と指摘するのは、小山友介芝浦工業大准教授だ。ゲーム業界はハイテク、マルチメディア、IT、ネットベンチャーなどの旗手として世の中が寄せる期待を、受け止めすぎているという。確かに、業界に対する今までの世間のイメージが悪すぎたので、なんとかイメージアップを図ろうと背伸びしていたのは事実だ。
 小山准教授は「ゲーム産業はもともとニッチ産業だった。ニッチでいいじゃないですか」と語る。オールマイティな能力ではなく、ひとつだけは誰よりも上手にできる。そのような能力形成が求められている時代なのだろう。
 そのためには、福岡の関係者が目指してきた「自立と共存」が不可欠だ。それぞれが自立しつつ、共存できるような関係性の構築を目指していくべきだと考えられる。
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ハドソンなどゲーム大手、高機能携帯向け配信拡大
 ハドソンなどゲーム大手がスマートフォン(高機能携帯電話)へのソフト配信を相次ぎ拡大する。ソフトの開発体制を整備し、タッチパネル式の画面などを生かした臨場感の高いゲームを増やす。スマートフォンはNTTドコモの新機種投入などで普及が加速しつつある。端末を使って楽しむソフトが充実すれば、端末自体の販売にも弾みがつきそうだ。
 ハドソンはスマートフォン向けのゲームを年内に現在より4割多い約50種類に増やす。マージャンやパズルを新たに投入。指で画面にタッチして操作する方式で、実際にカードなどを動かしているようにして臨場感を高める。価格は600~1000円程度の予定。
 ゲーム機用では機種別にソフトを作ってきたが、スマートフォンでは同じソフトを米アップルのiPhoneやグーグルの基本ソフト搭載端末など複数の機種に展開し、開発を効率化する。
 バンダイナムコゲームスはiPhone向けだけで年内に10タイトルを新たに発売し、ソフトを計60種類に増やす。4月には専門部署を新設し開発体制も強化する。携帯より高精細で大きな画面を生かし、今後はゲーム機用の人気作品の転用を進める。
 カプコンは日米欧の地域別にソフトを開発・配信していた体制を改め、各拠点で開発したソフトを世界で販売する。マイクロソフトが年内にも投入を予定している新型基本ソフトを搭載した端末への配信も始める計画。クイズ、パズルなどで簡単な操作を売り物にしたソフトの種類を増やす。
 スマートフォンはiPhoneのヒットでネットやゲームを利用する「2台目の携帯」として需要が急拡大。NTTドコモが英ソニー・エリクソン製の端末を1日に発売するなど、相次ぐ新機種投入で市場はさらに広がりつつある。ミック経済研究所(東京・港)によると国内販売台数は2014年度に09年度見込みの2.6倍の797万台に増える見通しだ。
 スマートフォン用のゲームは販売がネット経由のダウンロード方式のため、海外でも手軽に販売できるのが特徴。開発費も1作あたり数千万円で、数十億円かかるゲーム機用に比べ失敗した際のリスクも少ない。ゲーム会社の売上高に占める比率はまだわずかだが、ゲーム機用が伸び悩むなか、各社とも今後の成長市場として強化を急ぐ。



「クラウド」普及へ特区
総務省、建設規制緩和でデータセンター誘致
 総務省はネットワーク経由でソフトや情報サービスを利用する「クラウドコンピューティングの普及に向け、2011年春にも北海道か東北に特区を創設する。国内最大級のデータセンターの構築を目指し、建築基準法や消防法の適用除外などで設置コストを軽減する。投資額は最大で500億円程度を想定している。国内への情報関連投資を増やす狙いに加え、機密保持の観点からも国内でのデータセンター構築が重要だと判断した。
 日本企業は情報を集中管理するデータセンターへの投資競争で米国勢に後れを取った。米グーグルや米マイクロソフトは建造費や電力代を抑えられるサーバーを格納したコンテナを並べる方式をいち早く採用し、米欧やアジアに次々とデータセンターを建設した。
 一方、NECや富士通など日本企業のデータセンターは国内中心だが、コストがかかり、低価格サービスを打ち出しづらかった。日本ではコンテナ型サーバーが建築基準法の対象になり、消防設備などが必要だ。データセンターの構築・運営費用は米国の2倍に上るとの試算もある。
 総務省はこうした規制を緩和する必要があるとみて、特区創設の方針を固めた。巨大な施設になるため、冷却に必要なエネルギーを節約できる北海道か東北を候補地にする。国内外の事業者を誘致し、最大でサーバー約10万台分のデータセンター構築を想定。将来的に特区に政府や自治体の情報システムを格納することも検討する。
 通信機器などを更新しやすくするため、11年度の税制改正でサーバーや通信機器の法定耐用年数の短縮も要望する。現在はサーバーなどが5年、通信機器などは10年程度で、3年程度の実利用年数とかけ離れている。法定耐用年数が短くなれば企業が減価償却で損金算入できる金額が増える。
 総務省の調査では日本のネット経由の通信量の半分近くが海外のデータセンターを使っている。調査会社のIDCジャパンによると、08年の国内のデータセンターの利用額は7612億円。これに匹敵する利用額が海外に流出した計算になる。
 日本の企業や官公庁の間では「機密データは日本のデータセンターに置きたい」とのニーズが強い。海外で情報漏れなどの問題が起きた場合は外国法が適用されるなど、対処に時間や手間がかかる可能性がある。「クラウド特区」で構築コストが下がれば、国内の投資に勢いがつき、低価格サービスを実現できる可能性がある。



ブルーレイ旧作ソフト値下げ 店頭で2千円割れも
 映像ソフト大手のワーナー・ホーム・ビデオ(東京・港)とソニー・ピクチャーズエンタテインメント(同、SPE)は月内にブルーレイ・ディスク(BD)ソフトを値下げする。人気映画ソフトなどの希望小売価格をほぼ半額の2500円に設定。このため家電量販店などでは2千円割れの商品も出てくる見通しで、普及に弾みがつきそうだ。
 対象となるのは発売から6カ月以上経過する旧作のBDソフト。SPEは16日から「ターミネーター4」など全作品の約45%に当たる85作品で、ワーナーは21日から年末にかけて「ハリー・ポッター」など約200作品の価格を引き下げる。今後、対象作品を段階的に広げていく考えだ。
 現在のBDソフトは希望小売価格が4980円で、店頭価格は新作で4980円、旧作で3千円前後。今回値下げするソフトは店頭価格で「2千円を下回ることになる」(東京都内の大手家電量販店)見通しで、他社商品の値下げ圧力になりそうだ。
 BDソフトは通常のDVDより割高だが、画質の面で優れている。映像ソフト市場自体は縮んでいるが、2009年のBDソフト市場は来年7月の地上デジタル放送の完全移行やエコポイント効果に伴う大型テレビの販売増を受け、約240億円と前年の2.5倍に拡大した。
 消費者の高画質志向が強まる中、ソフト各社が低価格化を進めることでさらに購入しやすくなると判断した。



郵政改革法案「日本経済はがけっぷちに」 元郵政公社総裁が批判
 日本郵政公社の初代総裁として民営化の準備に取り組んだ生田正治・商船三井最高顧問(75)は9日、産経新聞のインタビューにこたえ、20日にも閣議決定される見通しの郵政改革法案について、「ものすごい民業圧迫につながる。日本経済は深刻ながけっぷちに立たされる」と強く批判した。また、郵政事業の規模縮小を主張していた民主党の豹変(ひょうへん)に対して、「責任感を欠いた姿勢」だと断じた。
 鳩山政権の郵政民営化見直しは、「小泉政権と逆のことをやる」(亀井静香郵政改革担当相)という言葉が示すように、民営化政策自体を検証することなく見直し政策に突き進んだ経緯がある。生田氏は「政策論議を避けた情緒論」だけで政策転換したことを問題視した。
 また、郵便貯金や簡易保険の限度額引き上げによって巨額の資金が政府に還流することで、実質的な財政投融資が復活すると指摘。日本郵政に運用ノウハウが少ないことから、「国民の虎の子を使うべきではない」とくぎを刺した。



経団連「消費税、最低10%に」 民主への提言案、法人税下げも訴え
 民主党が6月に「新成長戦略」の具体策をまとめるのに合わせ日本経団連が作成した提言案が9日、明らかになった。財政健全化に向け歳出・歳入の一体改革が必要と指摘。安定財源を確保するため消費税率を2011年度以降、段階的に最低10%まで引き上げるべきだとした。成長戦略では「環境・エネルギー」など6分野で、国際競争力の強化策を盛り込んだ。
 12日の正副会長会議で正式決定する。小泉政権時代に掲げられた基礎的財政収支の黒字化目標が重要とし、「歳出歳入改革法」(仮称)の制定を提案。社会保障給付の増加に備え、消費税率を2%ずつ引き上げるなどで最終的には10%台後半にすることも視野に入れるべきだとした。税率引き上げの際には逆進性の緩和で低所得層に配慮することも必要とした。
 一方、法人税は実効税率を現行の約40%から国際水準の30%まで引き下げる必要があるとした。



大阪の消費者金融利用者、半数が「総量規制」対象
 消費者金融などへの規制を強化する改正貸金業法の完全施行を6月に控え、大阪府が利用者500人を対象に調査したところ、ほぼ半数が、貸し付け総額を年収で制限する「総量規制」の対象になる借入額に達していることが9日、わかった。
 全体の7人に1人は「ヤミ金融の利用は仕方がない」と答えており、府は消費者金融で借りられなくなる人がヤミ金に流れるケースが増えないよう市町村と連携して相談窓口の充実などを図る。
 調査は昨年12月~今年3月、消費者金融を利用したことがある府民500人を対象にインターネットを通じて実施した。
 平均の借入額は1人あたり82万7000円、毎月の返済額は2万9200円。借り入れの理由は生活費の補てん(47%)が最も多く、次いで物品購入(41%)、旅行(20%)、医療費(13%)、ギャンブル(8%)。
 改正貸金業法では、借り手の年収の3分の1を超える新規融資を原則禁じる「総量規制」を導入する。アンケート調査では、利用者の65%が総量規制を含む改正貸金業法の内容を「知らない」と回答しており、今後、登録業者から融資を断られた利用者の中から、新たにヤミ金融に手を出す人が増える恐れもある。



日経社説
〈「元気な経済」考〉 負けない税制で企業の活躍を引き出せ  鉛の上着を羽織ってライバルと競わなければならない。税制を見る限り、日本企業はそんな境遇にある。
 「コストだけを考えれば、バンコクに脱出したい」。自動車メーカーの経営者から経済官庁幹部はこう告げられた。タイでは一定の条件を満たした環境対応車を生産する工場で当初8年間は法人税が免税になる。日本で地方法人税の一部が損金に算入されるのも考慮した法人実効税率は、主要国で最高水準の40.69%(東京都の場合)。差は明らかだ。
法人税率を早く下げよ
 国際競争が激烈な外航海運。欧州や韓国は船の大きさに応じた課税を全面適用し、一般の法人所得課税より税負担は大幅に低くなる傾向がある。日本でこの方式の対象となる船は5%程度に限られ、大半の所得には約40%の税率がかかる。日本郵船の宮原耕治会長は「本社を日本に置けなくなる」という。
 スイスの製薬大手ノバルティスは日本の研究所を閉鎖して上海に新薬の開発拠点を移した。損失を次の期以降に繰り越して税負担を抑えられる期間が7年に限られるなど、海外に比べ窮屈な制度が一因という。
 欧州やアジアは法人実効税率の下げを競う。今や中国、韓国はざっと25%、香港は16.5%。38%台だったドイツも2008年に税率を約9%近く下げ、30%を割った。
 税率が高く、不利な競争条件が続けば、国内企業が日本から逃げ出すばかりでなく、外国企業も日本で活動しようとしなくなる。海外からの直接投資残高の国内総生産(GDP)比は、08年末時点で4%弱どまり。英国の47%はいうに及ばず、韓国の10%さえ下回る。
 世界に通用する技術や経営資源を得て、雇用を創出する。そんな元気な経済を築くうえで、外国からの投資は欠かせないが、実際には日本を素通りしているのだ。「富」がやって来なければ税収も増えない。
 「税と社会保険料の合計で比べれば、日本の企業負担はそれほど高くない」との指摘は政府内にもある。確かに欧州は社会保険料の企業負担が重い。ただ日本は世界で最も急速に高齢化が進みつつあることを忘れてはならない。今後は高齢化の結果、保険料負担が上昇しかねない。
 財政悪化が著しい中で大幅な税率引き下げは容易ではないという主張はあろう。国の法人税収は企業業績の悪化で、10年度予算では6兆円弱と1970年代以来の低水準に落ち込む。だが国際競争で圧倒的に不利な現状を放置しては元も子もない。
 実際の税負担率は10.5%対36.4%。経済産業省が、08年12月期の韓国・サムスン電子と08年3月期のシャープを比較した数字だ。税負担の軽いサムスンには、シャープ亀山第2工場の投資額を上回る1600億円の余裕資金が生じる計算だ。
 アジアの近隣国・地域や欧州などに比べて「負けない税制」を一刻も早く整える必要がある。国税の法人税と法人事業税、法人住民税など地方課税を並行して見直すべきだ。「法人実効税率を10%低い30%前後まで下げる」といった道筋を極力早く示し、実行に移してほしい。
 法人税率の1%分は、現時点では2000億円程度。5%下げなら1兆円に相当する。財政が苦しいなか減収幅を抑えるには、税に対する特例である租税特別措置を整理・統合するなどの工夫が求められる。
税収は長い目で伸ばせ
 企業向けの租税特別措置は合計1兆1000億円近い。企業が投資した際に研究開発費の一部を法人税から差し引く研究開発減税や、中小企業向けの軽減税率などがある。これらの中から優先順位の低い特別措置はやめ、仕分けして重要度が高いものは恒久化すべきだろう。
 減価償却制度も見直しの候補となりうる。工場を建て機械を備えた段階で大幅な損金算入が可能な仕組みは、大型の設備が必要な重厚長大型の産業には有利に働いている。
 租税特別措置や減価償却制度を洗い直し、効果が薄れたような従来型産業向けの優遇策を圧縮していって税率下げの余地をつくる。そうすることでサービスやソフトなどの新産業や、外国から参入する企業の活躍も後押ししたい。
 歳出の工夫で財源を出すことも必要だろう。所得水準に関係なく配る子ども手当の増額や高校無償化などといった予定した政策を後回ししてでも、税率下げを急いだ方がいい。
 グローバル化の中でどう企業の競争力を高めるか。国全体が所得と富を増やし、税収を拡大する観点が欠かせない。
 民主党政権からも法人税率の引き下げに前向きな声が聞かれだした。歓迎したいが、中途半端な改革に終わらせないでほしい。
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