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ソーシャルゲーム、ブームの次に起きること(COLUMN1)
 ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)や携帯サイトで手軽に遊べるソーシャルゲームが世界的に急成長している。ソーシャルゲームをいち早く展開して成功した企業や開発者は、ソーシャルゲームが成功した理由やブームの今後をどのようにみているのだろうか。
 今年3月に米サンフランシスコで開催された世界最大のゲーム開発者向けカンファレンス「ゲーム開発者会議(GDC)2010」。米大手ゲーム会社エレクトロニックアーツ(EA)のゼネラルマネジャーであるベン・コーシンズ氏は、歴史的なイノベーション(革新)のパターンから、ソーシャルゲームがなぜ市場に受け入れられたかを分析した。
的中したゲーム産業についての予測
 コーシンズ氏は、07年にゲーム産業の未来について、いくつかの予測を公表している。そのうち、「任天堂のWiiが大失敗する」との予測はまったくはずれたが、それ以外はすべて現実になっているという。主な予測とは、次のようなものである。
・「ユーザー生成コンテンツ」が一般化する。
・ユーザーのローカルな機器ではなく、インターネット上のクラウド・コンピューティング環境にユーザーのデータを置くことが普通になる。
・シンプルなインターフェースが求められるようになる。
・これまでのゲーマー以外の大衆市場に広がりが生まれる。
・SNSが重要になる。
・ハイパーリンクの手法が多様化する(つまり、ブラウザーゲームが重要になる)。
・低スペックのパソコンで動くことが前提になる。
 これらの要素をすべて満たす代表例が、6000万人以上のユーザーを集める米ソーシャルゲーム大手Zyngaの農場系ゲーム「FarmVille」だという。コーシンズ氏の予測は、いまやソーシャルゲームの定義そのものといっていいほどだ。一方、家庭用ゲーム機向けゲームでは、これらの条件は一部しか実現されていない。
ウォルマートの歴史とゲームの関係
 では、なぜソーシャルゲームがこれほどユーザーの支持を集めているのか。コーシンズ氏は、米小売り最大手ウォルマート・ストアーズの成長を例に、今のソーシャルゲームブームを歴史的な必然だと説明した。
 自動車が普及する前の20世紀初頭の米国では、移動は徒歩や馬車であり、小麦や砂糖などを扱う商店では、店員と顧客が話しながら一品一品、量り売りで販売するのが一般的だった。それが1930年代になって大きく変わり始める。自動車の登場とともに1920年代には平らな道路が整備され、1940年代になると舗装が一般化する。1916年に今の「スーパーマーケット」に続く業態がテネシー州メンフィスに出現し、より多くの品揃えと巨大な駐車場を持つウォルマートや現代のショッピングモール方式へと発展していく。
 一方、街の小さな小売店は対面サービスの質は高いが、価格競争についていけず年々減少していった。この歴史のパターンは、「既存の家庭用ゲームと台頭するソーシャルゲームにそのまま当てはめることができる」とコーシンズ氏は指摘する。ゲーム業界にとっての自動車は安価なコンピューター環境であり、道路はブロードバンド回線というわけだ。
 既存の家庭用ゲームは質が高いが、ゲーム機を店舗で購入したり新作ゲームの情報を集めたりといった手間がかかる。一方、ソーシャルゲームという新しいジャンルは質では劣るが、価格が安いため気軽に始められる。「質が高いが不便」から「安くて便利」へ。ソーシャルゲームは誕生からまだ3年程度だが、すでに家庭用ゲームを上回る膨大な品揃えを整えつつある。
iPhone用ゲームの顔ぶれに変化
 昨年11月にEAに買収された「Facebook」向けソーシャルゲーム大手の英Playfish。共同設立者のクリスチャン・セーゲルストローレ氏は、別の観点からソーシャルゲームの将来を予測する。
 セーゲルストローレ氏は、ソーシャルゲームが誕生から約2年間で2億人のユーザーを集めるようになった現象を、動画サイト「YouTube」がオンライン動画の市場を創出した例になぞらえ、「YouTube効果」と呼んだ。そのうえで、これによって何が起きたかに着目する。
 YouTubeが出現しても「ヤフーのようなポータルサイトはなくなっていない」、家庭用ゲームも「モダン・ウォーフェア2」のような「高額な予算を投じた大ヒットタイトルは死んでいない」、無料ゲームが中心となったからといって「(ゲーム産業全体の)利益が消し飛んだわけでもない」――。つまり、新興ベンチャーと既存のゲーム企業との共存・競争がソーシャルゲームにも起きると、セーゲルストローレ氏は指摘する。
 実際、先行するアップル「iPhone」向けゲーム市場では、その現象が起こり始めている。08年にアップルのアプリケーション販売サービス「App Store」がスタートした直後は、ビールを飲む「iBeer」のようなアイデア一発のアプリが大ヒットした。
 ところが現在、ランキング上位にいるのは「ロックバンド」「グランドセプトオート」「シムズ3」「Madden NFL 10」「アサシンクリード2」などで、上位10位のうち8タイトルは家庭用ゲーム機向けなどでブランドが確立されたタイトルだ。
 この傾向は、「ソーシャルゲームにも広がるだろう」とセーゲルストローレ氏は予測する。今後、多くの企業が既存タイトルをベースとしたソーシャルゲームを強化していくだろう。ソーシャルゲーム市場は一見多様な選択肢があるようだが、すでに最初の混沌期を終え、次の競争段階に入ろうとしている。



注目の新サービス「エバーノート」はここが便利(COLUMN2)
 モバイルパソコンやスマートフォン(高機能携帯電話)を駆使するビジネスパーソンが増えているが、仕事に必要な書類や資料を社外からチェックするのは意外に難しい。そんなニーズに応えようと、あらゆる形式のデジタルデータを様々な端末から閲覧・更新できるようにしたのが、米国発のオンラインサービス「Evernote(エバーノート)」だ。日本でも先進ユーザーの間では知られていたが、今年3月に日本語版が始まり、多くの人にとって使いやすくなった。
 会社のパソコンに保存した文書や表計算、画像などのファイルを自宅や外出先、通勤途中で見るには、USBメモリーにコピーして持ち歩いたりメールで送ったりする必要がある。しかし、すべてをコピーしている暇はないし、そもそも携帯電話やスマートフォンなどでは、表示するのが難しい形式のファイルもある。
 エバーノートは、こうした異なる形式の電子データをネット上で一元的に管理して、パソコンやモバイル機器で共有できるようにするサービスだ。2006年8月設立の米エバーノート(カリフォルニア州)が08年6月に一般向けのベータ版サービスを開始し、09年11月時点で約200万人が利用しているという。
 エバーノートには、アップロードできるデータ上限が月間40メガバイト(MB)までの無料版、月額5ドル(または年間45ドル)で上限が500MBまでの有料版の2種類があり、どちらも日本から登録できる。近く日本法人を設立し、日本語への対応などを強化していく予定という。
一般的な「ネットストレージ」とどこが違う?
 エバーノートの基本的な仕組みは、パソコンに取り込んだ専用ソフトを使ってテキストや画像の電子ファイルをインターネット上のサーバーに送り、自動保存するというもの。外出先などでは、同じく専用ソフトを載せたノートパソコンやスマートフォンをネット接続すれば、保存したファイルをいつでもどこでも閲覧したり編集したりすることができる。
 こうした機能を持つ「ネットストレージ」のサービスはすでに数多くあり、各種ファイルを保存したり、パソコン上のデータと同期させたりすることができる。エバーノートがこれらと違うのは、保存したファイルをほぼ自動できめ細かく分類管理し、検索できるようにする機能を豊富に備える点にある。ネットストレージがファイルの保管を目的としたサービスであるのに対し、エバーノートはさまざまなデータを系統立てて整理するデータベース的サービスと考えるとわかりやすいだろう。
左のウインドウ(赤で囲んだ部分)に並ぶ属性情報をクリックすると、その属性にマッチしたデータを中央のウインドウに表示する
 エバーノートでは日付や更新日はもちろん、画像やテキストなどファイルの種類、データを作成した機器といった属性情報を細かく把握し、それを基にファイルを自動で分類して、整理している。また、ユーザー自身が「タグ」という整理用のキーワードを付けることもできる。緊急で素早く処理しなければならない案件を記したファイルに「至急」というタグを付けて保存すれば、「至急」と検索窓に入力するだけで探し出せるようになる。
 もう一つの特徴が、画像データをOCR(光学式文字読み取り装置)にかけ、画像内の文字をテキストデータとして管理する機能だ。このテキストデータは検索に使用する。例えば保存した画像を「調理」というキーワードで検索すると、「調理」という文字を含む画像ファイルとともに、「調理」の文字を強調した画像を表示する。名刺を交換したらすぐにスマートフォンのデジタルカメラ機能で撮影し、エバーノートに保存して検索できるようにしておく、というビジネスユーザーも多いという。
 使い方は簡単だ。エバーノートのサイトで無料会員または有料会員の登録をしたうえで、専用ソフトをパソコンにダウンロードしてインストールする。米アップルの「iPhone」やグーグルの携帯電話向けOS「Android(アンドロイド)」を搭載するスマートフォンで使う場合は、それぞれのアプリケーション配信サービスからダウンロードする。専用ソフトはいずれも無料だ。
 なお、専用ソフトを使わずにエバーノートのサイトにログインするだけでも、専用ソフトと同じ機能を利用することができる。フルブラウザーが使える携帯電話なら、専用ソフトが用意されていない機種でもエバーノートの機能を使える可能性がある。
 無料版の「スタンダード」アカウントで扱えるのは、各種画像ファイルやテキストファイル、PDFファイル、音声ファイルなど。有料版の「プレミアム」アカウントでは、マイクロソフト「オフィス」の「ワード」や「エクセル」をはじめ、すべてのファイル形式に対応する。検索の範囲も広がる。
 画像に写った名刺などの文字の読み取りは、斜めになっていたり手書き文字でない限りは、精度が高い。保存できる容量がひと月あたり40MBの無料登録では、画像1枚の容量を大きくできないが、解像度を800×600ドット、色数を256色まで落とした名刺のデータ(224キロバイト)でも、住所や名前、電話番号などをほぼ間違いなく認識できた。
 ウェブページを保存する「Webクリップ」という機能もある。ただ、フレームやプルダウンメニューを使用するウェブサイトは、取り込んでも表示が崩れてしまうことが多かった。便利な機能ではあるが、インターネットエクスプローラーやファイアフォックスなどのブラウザーで利用できる同じような追加ツールの方が、表示は正確だ。
ソフトを標準搭載する機器も登場
 3月3日に日本語サービスが始まり、パソコンでは「ウィンドウズ」と「マックOS X」、スマートフォン向けでは、iPhoneやアンドロイド携帯、Windows Mobile搭載端末などの日本語版専用ソフトが公開された。ソニーのパソコン「VAIO」シリーズ、NTTドコモが4月1日に発売したアンドロイド携帯「エクスペリア」など、エバーノートの専用ソフトを標準搭載する機器も増え始めている。まずは無料登録で主な機能を試してみるといいだろう。
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(屮゜Д゜)屮クレクレ英字新聞

New auto alliance result of fuel efficiency needs
The worldwide reorganization of the automobile industry based on green technology is continuing with the creation of yet another large-scale alliance.
The Nissan Motor Co.-Renault SA alliance and Germany's Daimler AG have announced that they plan to form a capital and business tie-up.
Under the deal, the Nissan-Renault alliance and Daimler would hold a stake of about 3 percent in each other and cooperate broadly in various areas, including the development of small and compact cars and environmental technology.
This alliance indicates that even the world's leading automaker may not be able to survive on its own if it lags behind in the development of green technology and eco-friendly vehicles. Similar reorganizations are expected in the months ahead.
We hope Japanese automakers manage to steer along this bumpy road by improving their development capability and technological prowess.
Renault and Daimler, which vied with each other over forming a capital tie-up with Nissan 11 years ago, have long been rivals. The reason these two European automakers united is to grapple with increasingly tighter fuel efficiency requirements to help tackle global warming on a worldwide scale.
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Tough European regulations
In Europe, the world's toughest fuel efficiency requirements will be introduced in stages, starting in 2012. To meet these requirements, automakers will have to improve the average gas mileage of new vehicles by about 20 percent from current levels.
Daimler, which makes Mercedes-Benz and other large luxury cars as its core products, needs to increase the sales ratio of its fuel-efficient small and compact cars as quickly as possible.
On the other hand, Renault, which relies mainly on small cars, had been studying the possibility of supplying small cars to other automakers to offset sluggish sales in the wake of the worldwide economic recession.
The latest alliance has been realized in a form of an alliance between Renault and Daimler in the small and compact car segment, with Nissan joining in.
Nissan is reportedly interested in Daimler's diesel engine technology and cost-cutting effects through the standardization of chassis and parts with the German firm.
The combined global sales of the three automakers last year exceeded 7 million units, following sales of the Suzuki-Volkswagen alliance and those of Toyota Motor Corp.
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Complementing weaknesses
However, the primary aim of the latest alliance lies in complementing each other's weaknesses, rather than expanding their scale.
Under the Suzuki-Volkswagen alliance, which was formed late last year centering around the development of small and compact cars, the cross-holding ratio of the two automakers is less than 20 percent.
The PSA Peugeot Citroen Group, which had been studying the possibility of taking a stake in Mitsubishi Motors Corp., has ultimately opted for a business tie-up with MMC in electric vehicles.
The automobile industry is entering a transitional period characterized by an accelerating trend to depend less on gasoline as a means of operating automobiles, the fast-growing automobile market of emerging economies, and the decline of the U.S. Big Three automakers.
The latest alliance, whereby automakers will join hands in their respective fields of expertise, while respecting each other's corporate management independence, seems to be aimed at flexibly responding to these changes as well.
If the expected results do not emerge, however, the partnership will not last long. The three automakers' management capabilities will be tested by how they make use of their respective strengths and what sort of strategies they work out.
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携帯電話事業者には敵か味方か 無線LANの逆襲(COLUMN)
 携帯電話業界の2010年度は、スマートフォン(高機能携帯電話)で幕を開けた。NTTドコモが4月1日に英ソニー・エリクソン製の「Xperia」を発売し、ソフトバンクモバイルが台湾HTC製の「HTC Desire」、KDDIがシャープ製の「IS01」と東芝製の「IS02」で追いかける。これらの機種にはすべて、無線LAN機能が搭載されている。
ユーザーが3Gと無線LANを使い分け
 ネット接続を前提としたスマートフォンは、音楽、画像、動画などを扱うアプリケーションを内蔵する。アプリを後からダウンロードして追加する仕組みも備える。大容量のデータを使う頻度が多いため、第3世代携帯電話(3G)のデータ通信網よりも安価で高速な無線LANは必須の機能となる。
 実際、スマートフォンユーザーには、無線LANの活用が浸透しているようだ。NTTドコモで無線LAN事業を担当する後藤義徳ユビキタスサービス部サービス運用担当部長は、「公衆無線LANサービスに接続するアクセス数の3分の1は、スマートフォンとその関連機器」という。
 米アップルの「iPhone」のヒットを受け、日本でもスマートフォン市場への期待が急速に高まり始めた。NTTドコモの山田隆持社長は「スマートフォンは09年度は200万台程度売れたようだ。まだ全携帯電話の1割にも満たないが、米国のように2割程度売れる時代が日本にもそう遅くなく来る」と期待する。携帯各社の力の入れ方から見てもスマートフォンが今年のトレンドとなるのは間違いないだろう。
「無線LANに逃がさないと3G網がパンク」
 携帯電話事業者の中でもソフトバンクモバイルは、特に無線LANの活用に積極的だ。09年11月の発表会で無線LAN機能搭載の携帯電話を8機種発表。孫正義社長は「Wi-Fiのついていない携帯電話は携帯電話ではないといわれる時代が来るだろう」と述べ、以後も携帯電話機に無線LANの搭載を広げていく方針を示した。
 今年3月には、無線LAN基地局(アクセスポイント)の開設を希望する企業や店舗に無線LANルーターを無償で提供すると発表。ブロードバンド回線を持たない場合には専用のADSLサービスも無料で提供するという。これは携帯電話機が無線LAN経由で接続する経路を増やす後方支援策だ。
 ソフトバンクモバイルがここまで無線LANに傾倒する裏には「トラフィックを無線LANに逃がさないと携帯のネットワークがパンクする」(松本徹三副社長)という事情がある。割り当てられた周波数帯域がNTTドコモやKDDIに比べて狭く、一部のユーザーからつながりにくいと指摘されることが多い同社は、「無線LANを(トラフィックの)緩衝地帯として使い、3Gと合わせて全体としてバランスを取る」(松本副社長)という考えだ。
ドコモもKDDIもまだ様子見
 一方、NTTドコモとKDDIはここまで積極的な姿勢を見せていない。
スマートフォン2機種を発表するKDDIの高橋誠執行役員常務
 スマートフォンではない携帯電話では、NTTドコモは3機種、KDDIは2機種に無線LAN機能を搭載する。さらにNTTドコモは「ホームU」、KDDIは「Wi-Fi WIN」と呼ぶ携帯電話機から無線LAN回線経由でインターネットへの接続や大容量データのダウンロードなどができるサービスを展開している。それでも無線LAN機能を搭載する端末の拡大については「ユーザーの様子を見ながら検討する」と口をそろえる。
 無線LAN事業に詳しい関係者は「携帯電話事業者はネットワークに負荷がかからない程度にトラフィックを逃がしたいが、トラフィックの大半が無線LANに流れるのは困るのだろう」とその理由を推測する。携帯電話網で上げる収益とネットワークにかかる負荷のバランスを取りながら、無線LANの扱いを見極める考えのようだ。
 移動体通信事業者としては後発のイー・モバイルとUQコミュニケーションズは、前の3社とは考えがやや異なる。イー・モバイル経営戦略本部商品企画部移動機グループの加藤一郎課長は「無線LANインフラがエリア面や速度面で当社の3Gサービスを補完する存在となる」と期待する。
 UQコミュニケーションズは、現在の無線LAN機能と同じようにモバイルWiMAX機能がノートパソコンに標準搭載される状況を待つ。現時点ではWiMAXのモジュールが高価なため、標準搭載には至っていないが、「いずれモジュールは無線LANと一体化する」(田中孝司社長)。現在はWiMAXの契約者に無線LANサービスを無料オプションとして提供し、WiMAXで届かないエリアを無線LANで補いながら、WiMAXのエリア拡大を進めている。
モバイル・トラフィックは毎年2倍増に
 スマートフォンの普及や大容量データを扱うサービスの増加に伴い、携帯電話網のトラフィックが今後さらに伸びることは間違いない。スウェーデンのエリクソンは今年3月、「世界のモバイルデータのトラフィックは過去2年間に年率280%の勢いで増加しており、今後5年間は毎年2倍のペースで伸びる」との予測を公開した。
 こうした事態に備え、携帯電話事業者は新規周波数帯の獲得や次世代技術「LTE(long term evolution)」の導入を急ぐが、トラフィックの伸びに対応できるかは予測がつかない。ソフトバンクモバイルは現時点では極端な例かもしれないが、トラフィックの変化次第では他の事業者もなんらかの対策を迫られる可能性がある。
端末と通信サービスの分離が始まった
 アップルが3G機能を搭載しない多機能端末「iPadを発売したように、携帯電話事業者から端末を引き離す動きが広がり始めた。この状況に対して、携帯電話のMVNO(仮想移動体通信事業者)である日本通信の福田尚久専務・最高執行責任者(COO)は「サービスと通信のハードウエアの分離が始まった」と表現する。
 端末メーカーからすると、クラウドとデータをやり取りする通信を絡めたサービスでも、携帯電話ネットワークは必須のものではなくなったという意味だ。通信事業者を特定し端末に制約をかけるのではなく、ユーザーに通信事業者を選ばせるというモデルが現実のものになっている。そして端末と端末から分離した通信事業者のハードウエアをつなぐのが無線LANである。イー・モバイルの「PocketWifi」はこのモデルを小型の専用端末で実現したことが受け、ヒットにつながった。
 総務省は、携帯電話端末を特定の通信会社でしか使えないようにする「SIMロック」の解除についてガイドラインを6月末にもまとめる。これも携帯電話機と通信事業者の回線を分離する施策にほかならない。
 端末やそれと連動するネットワーク上のクラウドサービスの魅力が高まるなか、両者をつなぐ通信サービスでユーザーの選択肢が広がってきた。この新しいエコシステムを形成する上で、無線LANがひっそりとしかし着実にその地位を確保しつつある。



ブロードバンド網「全家庭に毎秒100メガ回線を」 原口総務相
 原口一博総務相は10日に福岡市で記者会見し、2015年にすべての家庭でブロードバンドサービスを利用できるようにする構想に関し「(毎秒)100メガビット以上の回線を敷きたい」との意向を語った。現在でも光回線を使った毎秒100メガビット以上のサービスはあるが、全家庭で実際に使う速度としては高いハードルといえそうだ。
 ブロードバンドサービスを巡っては、米オバマ政権が20年までに毎秒100メガビットのサービスを利用できるようにする目標を打ち出している。



生活関連企業、中東・中南米を開拓
バンダイナムコや良品計画、成長市場へ布石
 生活関連の大手企業が中東・アフリカや中南米市場を開拓する。玩具大手のバンダイナムコホールディングスはメキシコに販売会社を設立、「無印良品」の良品計画は年内からイスラエルで出店を始める。ユニ・チャームは2012年度、エジプトにアフリカ初の紙おむつ工場を稼働させる。内需型企業は海外戦略の中核にアジアを据えてきたが、同じ成長市場の中南米や中東にも布石を打ち、将来の柱に育てる。
 バンダイナムコはこのほどメキシコ市に販社を設立。キャラクター玩具といった男児向け製品を生産地の中国などから中南米に輸出する。海外事業の大半は欧米とアジアだが、3年後に中南米で売上高20億円を計画。玩具メーカーの中南米への本格進出は初めて。
 良品計画はテルアビブに家具や文具の店を開業し、イスラエルで当面5店に増やす。製品は主に中国で生産する。欧州・アジアを中心に海外118店を運営するが、中東は初めて。日本の小売りの中東進出は珍しい。
 国際通貨基金(IMFによると、10年の経済成長率見通しは日本や米国が2%前後にとどまる一方、アフリカは4.3%、中東は4.5%。ブラジルは4.7%、メキシコも4.0%で、東南アジア諸国連合主要5カ国地域とほぼ同じ高い伸び。人口が増加するこれら地域は生活関連産業にとり有望市場だけに、生産拠点整備も本格化している。
 紙おむつ世界3位のユニ・チャームは数十億円かけてエジプト工場を建設し、アフリカ・中東に低価格品を供給する。今回で海外12カ国・地域での世界生産体制が整う。



政府、企業の水ビジネス一括受注を支援
新興国市場に照準、25年までに1.8兆円めざす
 政府は民間のプラントや化学、商社などの企業と連携し、海外で水関連ビジネスの獲得に力を入れる。政策金融を拡充して官民連携を促進し、上下水道の整備などで設備設計から部品調達、運営・管理まで一括して日本企業が受注できる体制を整える。フランス企業などに比べて出遅れている水ビジネスで巻き返し、日本勢の獲得額を2025年までに現在の10倍以上に増やすことを目指す。
 経済産業省の「水ビジネス国際展開研究会」(座長・伊丹敬之東京理科大大学院教授)が12日に報告書をまとめる。研究会には三井物産や日東電工、東レなど水ビジネスを展開する民間企業も参加している。研究会は報告書で国際的な大型受注を獲得する具体策を打ち出し、政府が6月にも決める新成長戦略の重点項目に盛り込む。
 報告書は上下水道の整備や海水の淡水化などの分野で、世界の水ビジネスの市場規模が急拡大すると予測。現在、年間で1千数百億円にとどまる日本勢の獲得額を、25年までに1兆8千億円に増やすという目標を掲げる。



たちあがれ日本 政界再編の種火になれるか(4月11日付・読売社説)
 民主、自民の2大政党が招いた政治の閉塞(へいそく)感に対する危機意識を、前面に打ち出した新党だ。
 平沼赳夫・元経済産業相や与謝野馨・元財務相らが、新党「たちあがれ日本」を結成した。
 結党の「使命」として、「打倒民主党」「日本復活」「政界再編」の三つの柱を掲げた。
 平沼代表と与謝野共同代表は記者会見で、民主党に政権を任せていれば、「日本が没落する」と批判した。同時に、政権奪還の気迫に欠けると、自民党にも不満を表明し、「反民主・非自民」の立場で活動する考えを強調した。
 当面は、今夏の参院選での与党過半数獲得阻止に全力を挙げるとし、比例選のほか、東京など改選数3以上の選挙区選に候補者を擁立する方針という。
 基本政策では、税制抜本改革を筆頭に挙げた。与謝野氏は月刊誌の論文で、消費税率の引き上げに取り組むとしている。あえて国民に負担を求める増税に言及したのは、責任ある態度といえる。
 民主党は、子ども手当の支給をはじめ、恒久財源なき恒久政策を進めている。社会保障分野の財源確保や財政再建のための方途について、民主党との間で議論を戦わせてもらいたい。
 超党派による自主憲法制定や、外国人への参政権付与反対なども掲げた。民主党内は、いずれの問題も推進論と慎重論が混在している。こうした国の基本にかかわる諸問題についても、論争を深めていく必要があろう。
 一方、山田宏・東京都杉並区長ら自治体の首長や首長経験者が、「コスト意識のない民主党の政治を傍観できない」として、近く新しい党を結成する予定だ。
 「反民主」の姿勢で共通する新党の相次ぐ旗揚げは、参院選での民主批判票を分散させ、民主党を利するだけではないか、という見方も出ている。
 自民党の若手・中堅議員が、谷垣総裁ら現執行部への批判では与謝野氏らに同調しながら、新党参加を見送ったのは、こうした懸念もあったものとみられる。
 ベテラン議員だけのスタートとなったが、与謝野氏らは、今回の新党結成を政界再編に向けた「最後のご奉公」としている。
 政界再編の端緒をひらくことができるか。
 そのためには、再編の対立軸となり得る国家ビジョンや、それを実現するための具体的な政策を提示して、論戦をリードすることが求められる。
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