(゜Д゜ノ)ノェェ新聞

ひろゆき&夏野コンビが語る「日本のITよ、自信を持て」
 「日本のITは、アメリカに負けていない。自信を持って海外に出て行ってほしい」――ネットワーク関連イベント「Interop Tokyo 2009」で6月12日、ニワンゴ取締役の西村博之(ひろゆき)氏とドワンゴ取締役の夏野剛氏が基調講演し、IT業界関係者にこう呼び掛けた。
 テーマは「インターネットの未来像:ポストインターネット」。2人は、ニコニコ動画などで起きているできごとの紹介を織り交ぜながら、ネットと政治や、テレビとネットの関係、日本のITやコンテンツについて語り合った。話は時に大きく脱線していたが、2人の息の合った掛け合いに、2000人近い聴衆は笑いながら聴き入っていた。

夏野 最近ね、ITとかインターネットとかつまんないよね、特に携帯がつまら……(自主規制)
ひろゆき 一応、iモード作ってやめた夏野さんと、2ちゃんねる作ってやめた西村博之の基調講演という。
夏野 2ちゃんねるやめたの?
ひろゆき 一応そういう体(てい)になってるんですけど。
 まぁでも、「インターネットの未来」っていわれてもねぇ。
夏野 これはすみません、お題作りは僕も関わってなくて、与えられたものです。
●オバマ大統領とTwitter 政治家とネット
夏野 インターネットと政治の話題をしましょう。バラク・オバマさんは、インターネットの力で大統領になったの?
ひろゆき 支持母体がほとんどない状態で出てきて、別のニーズをつかんで上ったということなので。
夏野 これは恐ろしいことが起きたということ。政治の潮流ががらっと変わったと僕は思ってる。
ひろゆき 韓国も盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領がネットで大統領になったと言われていましたよね。先進国でも、インターネットを選挙に使うのは結構当たり前になってきているのでは。
夏野 面白いのは、日本の政治家がネットをすごく使っていること。政治家先生本人は忙しくてネットはほとんど触ったことがないけれど、ブログやWebサイトはみんな持っている。ニコ動にも積極的に出演していただいている。一体どうなってるんでしょう。
 オバマ大統領の場合、メールとかWebサイトを使っていたということは報道でよく知られているでしょうが、そういう“普通の”インターネットだけでなく、Twitterも使ってるんです。Twitterを政治家が使うのはけっこう難度が高いと思う。
●名の売れた政治家は、ほとんどニコ動で生放送をしている
夏野  あと、ちょっと名前の売れた日本の政治家さんは、ほとんどニコ動で生放送やってらっしゃるんです。この状況は、日本の産業界にきちんと理解してもらいたいなと思う。政治ってITに最も疎い、最も遅れているはずなのに、日本の大企業のトップの人よりは政治家の方がよっぽど進んでいるという状況なんです。
ひろゆき 多分、分からな過ぎたのが良かったんでしょうね。多少分かっていたら、炎上がどうこうという話になるじゃないですか。恐さを知らないから。「オバマが使ったインターネット、あ、俺も使う」みたいな。
夏野 炎上しても多分、政治家本人は気付かないしね。
ひろゆき 見てもいないですよ。
夏野 ただ、みんなが名を知っているようなある政治家さんがおっしゃってたんですけど、選挙区に帰るといろんな人に会って寝る間を惜しんで握手してるのに、よく考えると若者はあまりそこにいなかった。自分としては精一杯だったのに若者には届いてなかったのを、ニコ動で埋められたと。
 その方、最初はニコ動のコメントにかなり怒っていたんですけど、そのうちコメントがないと寂しがるようになっちゃった。その方は元首相で、漢字1文字の。
ひろゆき “イット”じゃない、と。
夏野 一方で大企業の社長さんは、例えば孫さん(ソフトバンクの孫正義社長)は、携帯電話の端末発表会をニコ動に生中継していて、コメントがガンガン入ってくるのを見て「この端末やべぇ」と言っているらしいんですが、僕の古巣(NTTドコモ)は絶対にやらないね。原稿あるからね。「原稿読むなよ」と思うけど。
●紙と本、テレビとネット
夏野 大変なことが最近、起きていると思っていて。紙媒体の市場規模が減っている。新聞は06年から2%ずつ減っているし、出版も市場が3%ずつ減ってる。
夏野 出版業界も、ネット生かさないと、縮小していっちゃうんだよね。テレビ業界の営業収入もあんまり変わってないけど、広告収入だけピックアップすると年5%くらい減ってます。ローカル局はほとんど赤字状態。
ひろゆき 新聞はもともと、最新の情報が来るものだったじゃないですか。でも今は1日遅れだったりするわけで。テレビもあまり生放送とかやってなくて、本当にリアルタイムの情報を知りたい人はネットに来ちゃってる。
 リアルタイムの情報に人は集まりがちなのかなという気が、最近しているんですけど。リアルタイムじゃない雑誌や新聞の売り上げが下がってて、テレビも売り上げが下がっているし。
夏野 テレビはこれからどうなるのかな。
ひろゆき 予算もないし、生放送ばっかりやってればいいんじゃないすか。
夏野 でもTBSが4月から番組改編して、60%を生放送番組にしたら、視聴率が激落ちだったって。
ひろゆき びっくりしますよね。TBSがある日、1日の番組の中で一番視聴率が高かったのが、再放送の水戸黄門。えーっていう。
●生放送という「逆説的な」流れ
夏野 最近のものすごく楽しい流れとして生放送があるんですけど。ニコニコ生放送を見たことある人? ……3分の1ぐらいが挙がりましたね。
ひろゆき へー。
夏野 ニコニコ動画でまさに生放送がブレイクしている。宣伝するわけじゃないんですが、100万人以上が視聴していて、政治家の方がガンガンやってます。
 日本共産党の志位さん(志位和夫委員長)が、ニコ動でブレイクしまして。ニートの国会答弁がすごい若者の支持を受けて、入党者にいきなり若者が増えたそうです。
ひろゆき 思った以上にユルいですよね、政治家の方々。新聞とかテレビとかだと偉い人が対応を考えちゃうんですけど、ネットだと対応するのが若手だったりするので、面白い企画がそのまま通っちゃう。
夏野 野球中継も。ソフトバンク対オリックスっていうのを生放送したんですが、カードとしては最高に面白くない消化試合だったのが、ものすごい盛り上がった。
 何が面白かったというと、広島球場のようなヤジがコメントとして流れる。「ピッチャー替えろ」とか「何やってんだ監督」とか。まるで球場にいるみたいな雰囲気で。言葉はわりときれいですよ。書き文字だから。「おんどりゃー」書けないから。
ひろゆき 夏野さん、会議中に見てましたよねぇ。今日は夏野さん静かだなーと思ったら野球見てて。何やってんすか。
夏野 俺、コメント打ち込んでたんだよ。そのうち解説する人が出てきて、投げた瞬間に「スライダー!」とか書いてくるの。すげー。
 ちなみに公式生番組は、1番組当たり8万ぐらいのコメントが付いてて、1万3500人ぐらいが同時に見るんです。
 昔インターネットはオンデマンドで、都合の良い時間にバラバラに見るもので、テレビ放送が生というイメージがあったんですが、ここに来て逆になっている。日本はブロードバンドが進んでいるので、動画が流しやすいというのと、ネットワーク的に1万人同時に見るのができるようになってきたという。
夏野 さらに一般ユーザーが、素人が投稿するという新しい潮流が。昔だとWeb 2.0とかブログで起きていたことの動画版が、今すごいんです。ニコ動の「ユーザー生放送」では、素人が月間41万番組、生放送しているんです。放送者は1万人ぐらいなので、1人当たり40本やってる。
ひろゆき ユーザー生放送って、ユーザーが外に行って、イーモバイルやFOMAを使って、それをそのまま1000人に伝えることができちゃうんで、民主党の小沢一郎代表の秘書が逮捕される時に、マンションの下でずっと、「マスコミの○○社来ました」と生放送している人がいたり、香取慎吾さんが捕まったときの……
夏野 ちがうよ慎吾くんじゃないよ、草なぎくんだよ!
ひろゆき 草なぎくんがつかまった時、公園とか警察署にユーザーが生放送しに行ってということが起きてたりするんですよね。
夏野 インターネットで個人が情報発信すると既存メディアがいらなくなるんじゃないか、と昔から言われていたのを、地で行ってますね。
●日本はIT先進国 「日本ダメだ論」を超えて
夏野 日本のプレゼンスを上げよう。
 “日本ダメだ論”がすごいんですよね。「日本がダメだ」と言いたい人がすごく多いんですよね、日本って。
ひろゆき 日本をダメって言うのが好きですからね、日本人が。
夏野 日本がダメだとすごくうれしそうにする日本人、いっぱいいるよね。普通はうれしくないと思うんですけど、「やっぱ日本ダメだ、だから俺もダメなんだ」という感じだよね。自分の会社がダメだとうれしい人がいるよね。なんでだろう。
 でも日本はITに関して言うと、大先進国なんですよね。海外に出張すると、海外の状況がすごく遅れているというのが分かるんです。光回線がこんなに普通に引かれている国はないし、ブロードバンドもこんなにない。アメリカではいまだに1Mbpsをブロードバンドと言ってますから。
 携帯でネットにアクセスするというのも。Googleケータイのどこが何が新しいかさっぱり分からない。全部ほとんど日本の携帯でできることですから。
ひろゆき 世界中でiPhoneすげーと言ってたとき、いまの携帯でだいたいできるよね、と日本だけ冷めてたってのもありましたよね。
夏野 ところが「日本は遅れてる遅れてる、ガラパゴス」と言われるんだよね。
ひろゆき 独自進化をしやすいので、日本は。
夏野 そんなこと言ったらWiiは独自進化じゃない。プリウスなんかめちゃめちゃ独自進化。日本メーカーしか作ってないのに。
ひろゆき 海外にちゃんと受ける形で、文化に合わせた形でフォーマットやコンセプト変えて出すと、結構受けたりするんですよね、日本で流行ってるものって。
夏野 日本語のブログって、世界最大規模らしいよ。英語になると、ブログではなくてFacebookとかSNS系で代替していくんだけど、日本のネットユーザーの方が、よりきちんと主張を出したいとか、そういう意識があるらしいんです。捨てたもんじゃないよね。
●シリコンバレーにゃ負けないぞ
夏野 ネット系のものっていうと、アメリカでまずできて、それが世界に広がって、その1つが日本というような、タイムマシンとおっしゃっている人もいましたが、日本からのものもたくさんあるし、みなさんがやってること自体が、世界競争力を秘めているのに、日本はダメだと思っていたら、そのうちほかの国がやり始めた、とかいうことがこれからもたくさんあると思うんですよね。
 シリコンバレーからいっぱい人が来て探りに来るような、そういう場にしてほしいよね。
ひろゆき ネット自体はツールなわけじゃないですか。ネット使ってモノが売れたらいいよね、というのは誰もが思い付くわけじゃないですか。それを大規模にやれば世界中で売れますよね、じゃあ検索必要だよね、というのを、誰でも思い付くものを資本の規模でやるというのが、Amazonとか。
 それはインフラとしてはありだと思うんですが、その上に来るのは結局コンテンツになると思うんですよね。コンテンツのセンス勝負。そうなると、日本ってゲームとかアニメとか、ハリウッド的な映画以外のコンテンツを作る能力は世界的に高いと思うんです。ネット上のコンテンツでもそれが出せていると思うんですが、それを世界に持っていくという方向をあまりやらないせいで、ガラパゴス的なコンテンツを作り続けている。
夏野 特にITに関しては自動車以上に日本は向いているし、潜在競争力もあると思うので、ここにいらっしゃるみなさんは、ネットの未来をこんなアホ2人に聞くんじゃなくて……
ひろゆき こんなの聞いたって、未来は明るくならないわけですから。
夏野 インターネットの未来を、まず日本から作るというくらいの気概で、ぜひですねぇ。
ひろゆき でも、メインカルチャーじゃないと評価しないっていう文化圏の問題もあると思うんですよね。
夏野 それを言っちゃおしまいだ! 今、締めに入ってるのに!
ひろゆき そうやって外貨を稼いでいる日本人はそれなりにいるんですよ。でもそこってメインカルチャーではないし、マスメディアも「すごい」と評価しない。ずっと裏の方でやっているという感じになって、たまに取り上げられると陵辱モノのアダルトゲームだったというような話になっちゃって。
 表の人たちが「これはすごい」と言えないようなものでも細々とやってる人たちがいて、そういう人たちを支援することで全体の底上げをする手はあると思うんです。
夏野 それもいいし、大きな仕掛けをやってる人たちも、もっと自信を持ってほしいなぁと思うね。シリコンバレー行くとね、うまいもんもないし、一生懸命働いている雰囲気もしないし、金曜日の午後3時とかになると誰もいませんよ。
 あんなんに負けたらしょうがないがな。みなさん、頑張りましょう。
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「私が眠ると、みんな死んじゃう」 「ネトゲ廃人」その悲惨な実態(COLUMN)
ネットゲームにはまり過ぎて、リアル(現実)での生活が破綻してしまった人たちのことを「ネトゲ廃人」という。韓国や中国、ロシアでは2000年代初頭から、ネトゲを連続でプレイしすぎて死者が出るなどすでに社会問題化していたが、09年5月に発売された『ネトゲ廃人』(リーダーズノート発行)によると近年日本でも問題になりつつあるという。
一度始めるとやめられない
この本で、著者のジャーナリスト芦崎治氏は、全国25名のネットゲーマーに綿密な聞き取り取材を実施。ネトゲで、「友達。おしゃれする心。出かける探求心」を失ったという若い女性や、「1日12時間交代でゲームに没頭。マンションで2人暮らしする高校生兄弟」「ゲームのし過ぎで倒れ、運ばれた病院で医者に呆れられた女子高生」など、常人には理解しがたい数々の悲惨な例も登場する。が、彼らの多くに共通するのは、ゲームが楽しくてやり過ぎてしまうのではなく、義務感や強迫観念からやってしまっていることだった。
例えば、ネットゲーマーの中で一時絶大な人気を持った「ファイナルファンタジーXI」は、6人1組での行動が原則なのだという。1人でも抜けるとパーティが全滅しそうになるくらい不利になるので、「私が眠ると、みんな死んじゃう」と、なかなか中断できない。
また、多くのネットゲームでは、経験値稼ぎやレアアイテムの入手など、より長時間プレイしたプレイヤーが有利になる仕組みになっているので、「他のプレイヤーより強くなるには、引きこもるしかない」というワケだ。当然リアルの生活にも影響があり、会社を遅刻したり、それでクビになったケースもあるという。一度やり始めるとやめられない。ネトゲ廃人経験者たちの「自分が親だったら、子どもには、やらせない」という言葉が印象的だ。
芦崎氏が取材した韓国では、ネトゲ廃人の未成年を対象にした寄宿型治療施設の運営などを政府が主導して行っているというが、日本ではこれといった対策がまだなされていない。そんな中、これまであまり注目のされることのなかったネトゲ廃人の書籍が登場したことは意義あることと言えるだろう。実際に、発売後1か月で5刷りとなっている。版元には、親、教育者だけでなく、ゲーマーからも「自分も廃人だった。よく書いてくれた」といった感想が寄せられているとのことだ。



「マイルド」「ライト」表示禁止 米たばこ規制法案可決
 【ワシントン=渡辺浩生】米上下両院で13日までに、たばこの製造・販売・広告に対する大幅な規制権限を食品医薬品局(FDA)に付与するたばこ規制法案が可決された。オバマ大統領が近く署名し成立する。健康被害が指摘されて以来、数十年にわたり、政府による強力な規制は業界の反対に遭ってきたが、今回の規制法案成立により、米社会におけるたばこの地位が決定的に変わるのは間違いなさそうだ。
 法案は上院で11日に賛成79、反対17で通過した。12日には下院で賛成307、反対97の圧倒的多数で可決された。
 新規制はメーカーと喫煙者に変化を迫る。たばこの表示に「マイルド」や「ライト」、「低タール」といった健康被害が軽減されるような表現が禁止され、名称が変わるたばこもでてくる。
 FDAは、たばこの常習性を減退させて、禁煙をしやすくする水準までニコチンの含有量を減らす権限を持つようになる。若者を喫煙に引き付けるような風味の添加も禁じられ、たばこの風味は変わる。メントールの添加は健康への影響を調査した後判断する。
 また、パッケージの50%は健康被害を警告する表示で覆われ、メーカーがFDAに支払う手数料の転嫁でたばこの価格は値上がりする。主な読者が18歳未満の雑誌への広告を制限、学校や遊び場周辺での屋外広告も禁止する。
 米国では成人の喫煙率が約2割で、年間40万人がガンなど喫煙が関連した病気で死亡している。議会予算局(CBO)は今回の規制導入により、今後10年間で若者の喫煙を11%、成人を2%減らすと試算する。
 自らは禁煙に苦闘しているオバマ大統領だが、法案の可決を「われわれの子供を喫煙から守り、公衆衛生を改善する」と歓迎、近く署名する考えを示した。
 米国では1964年、公衆衛生局長官が、喫煙とがんの関連性を報告書で初めて指摘。71年にテレビとラジオのたばこ広告が法律で禁止され、88年には旅客機内の喫煙に関する規制が導入された。しかし、業界は強力なロビー活動で規制強化に抵抗を続けてきた。
 今回の法案について、大手メーカーの中で唯一、最大手フィリップモリスの親会社アルトリア・グループが支持を表明している。「新製品を出すことがほぼ不可能になる」と業界関係者が見る中、規制に適合することで市場を独占できると判断したとみられる。



G8閉幕 危機克服との両立が課題
  日米欧、ロシアの主要8カ国(G8)財務相会合は13日、世界経済に安定化の兆しが出ているとの見解を盛り込んだ共同声明を採択し、閉幕した。
 声明は世界同時不況の「非常事態」を受けて各国が実施した政策協調の効果をアピールする内容となったが、欧州では金融不安が懸念がくすぶり、本格的な回復にはなお、不安材料は多い。「平時」の経済財政運営に戻す出口戦略は、鮮明さに欠ける形になった。
 昨年秋以降の米国発の金融危機と実体経済への悪影響の拡大を食い止めるため、各国は積極的な財政政策で協調してきた。
 そうした対策で日本経済は東京株式市場の平均株価が今月11日、約8カ月ぶりとなる一時、1万円の大台を回復。「ようやく最悪期を脱した」( 与謝野財務・金融・経済財政担当相」の見方が広がり、震源地の米国でも、金融部門が落ち着きを取り戻してきた。共同声明はそんな世界経済の底打ち感を反映したものだ。だが、世界経済全体は09年で戦後初のマイナス成長が見込まれ、依然として厳しい状況にあるのが現実だ。
 景気対策に伴う大量の国債発行で、財政悪化や長期金利の上昇懸念が強まる中、出口戦略が長期的な回復の課題と位置付けられた声明には「二番底」の可能性が否定できない世界経済の先行きをうかがわせた。
 一方で、G8会合に先立ち、与謝野財務相とガイトナー米財務長官は、北朝鮮への制裁強化に向けた連携の継続を確認した。外貨獲得の機会に乏しい北朝鮮にとって、金融市場からの締め出しが最も痛手となる。
 特に貿易などの決済に必要となるドル資金の調達を難しくすることが重要だ。
 今後制裁の実効性を上げるために、中国が日米と足並みをそろえるかがカギになる。制裁で金融分野を柱に据えているのは、物資の取引に不可欠な資金を絞って、“兵糧攻め”にする狙いがあるからだ。
 米国はすでに中国の金融機関や企業が北朝鮮との取引を制限するよう中国当局に働きかけているが、中国がどこまで協力するかは不透明だ。具体策について、来月の「米中戦略・経済対話」が焦点となりそうだ。



ネット口座が1500万突破 金融危機下でもシニアが“支える”
 金融危機でもシニアの個人投資家が活発に「参戦」-。インターネットを通じた証券取引に関するそんな実態が日本証券業協会の調査から明らかになった。取引口座数も初めて1500万を突破、高年齢層の押し上げ効果が大きかったとみられる。
 日証協会員の証券会社321社を対象に、平成20年10月から21年3月までのネット取引の状況を調べた。
 口座数は21年3月末時点で1501万口座に達し、昨年9月末から87万増えた。この時期は、米証券大手リーマン・ブラザーズの破綻に伴う株式市場の低迷とちょうど重なる。ネット取引口座の増減は株価の上下に沿って推移する傾向がみられたが、今回は逆の結果となった形だ。
 残高が1円以上の口座の前回調査(半年前)時点との比較の内訳を年代別に見ると、60歳代が34.0%増加とトップで、40歳代の21.7%、70歳以上の19.3%、50歳代の15.9%と、シニア層の増加が目立つ。
 第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミストは「株価下落で、団塊世代など高年齢の投資家が新しく口座を設ける動きが増えたのだろう」と指摘する。
 ただ、現金取引と信用取引のこの半年間の合計売買代金は73兆1268億円で、前回調査から21.8%減少。とくに50~歳代は3割近くまで減った。
 熊野氏は「若年層は株価の急落局面でも機敏に損切りを行い、次の取引へと向かうが、50歳以上の長期投資家は損切りが間に合わず、取引の停滞を余儀なくされた」とみている。



独VW、日本でカーシェア参入 アウディ車を用意
 独フォルクスワーゲン(VW)グループは住友不動産と組み、車を複数の会員が共同利用する「カーシェアリング」事業に参入する。住友不動産の都心部の高級マンションに住む人などが、VW傘下の高級車メーカー、アウディの車を利用できるようにする。景気低迷で富裕層にも高級輸入車を買い控える動きが広がっている。都心に住んだり勤めたりする外国人などの需要を開拓する。
 金融関連事業を手がける独フォルクスワーゲンファイナンシャルサービスの日本法人が、アウディジャパン(東京・世田谷)から車を調達して始める。外資系自動車メーカーのカーシェア事業参入は初めて。



【産経主張】イラン大統領選 米国との対話に舵を切れ
 30年を迎えたイラン・イスラム革命の進路を占うイラン大統領選で、強硬保守派の現職、アフマディネジャド大統領が改革派のムサビ元首相ら対立候補を引き離し、再選された。
 予想外の圧勝だが、欧米との協調外交を唱えるムサビ氏との白熱したテレビ討論など前例のない盛り上がりを見せた選挙戦からは、多くのイラン国民が「変化」を求めていることも読み取れる。アフマディネジャド大統領には現実を見据えた対話路線への転換を強く求めたい。
 イランでは国家元首の最高指導者が国政全般にわたる最終決定権をもつ。しかし、国民の直接選挙で選ばれる大統領の対外的な影響力は小さくない。その意味で、再選されたアフマディネジャド大統領は国際世論にもっと耳を傾けねばなるまい。
 ホロコースト(ナチス・ドイツによるユダヤ人大虐殺)否定や「イスラエルは地図から抹消されなければならない」といった大統領の過激な発言は、欧米との無用の軋轢(あつれき)を生んだだけだった。国内的にも知識層を中心に「イランの国際的威信を傷つけた」(ムサビ氏)とする批判が少なくない。
 アフマディネジャド大統領が打ち出す2期目の外交方針のうち、最も注目されるのは、核兵器開発疑惑への対応だ。「平和目的の原子力開発の権利」を盾に、ウラン濃縮の停止を求める国連安全保障理事会の決議を拒んだりするこれまでの方針を続けては、国際的孤立は深まるだろう。
 イラン国内に目を向けると、対外強硬路線が行き詰まりを見せていることがわかる。原油の高値にあぐらをかいた「ばらまき政策」の結果、昨年には30%もの物価高騰をみたインフレが依然続き、失業率も上昇中という。
 原油、天然ガスとも確認埋蔵量が世界2位という豊富な資源を生かすには外国企業が安心して投資できる環境が必要だ。そのためにも孤立は解消する必要がある。
 オバマ米大統領は今月4日にカイロでイスラム世界に向けておこなった演説で、イランの核武装は拒否しつつも「核拡散防止条約の義務を順守すれば、イランを含むすべての国に原子力平和利用の権利がある」と明言した。
 イランがこれに呼応する対話路線に舵(かじ)を切るかどうか。機会を逃せば、北朝鮮と同様の立場に追い込まれかねない。
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