(っ゜Д゜)っ新聞

それでも出版社が「生き残る」としたら(COLUMN1)
 ついに噂のiPodの全貌が公開されて、ネットもマスコミも上を下への大騒ぎであります。ここに来て、すでに報道されているアマゾンのKindleをはじめ「電子出版」を普及させるための役者(インフラとデバイス)がいよいよ出揃った感があります。日本ではまだ普及以前の段階ですが、昨今の出版不況を脱出するための突破口は、もはや電子出版しかないというのは、衆目の一致するところではないでしょうか。
 さて、かねてから電子出版による「自主出版支援」に力を入れているアマゾンやアップル、ソニー(の米国法人)といった企業は、会社と出版契約を結んだ著者に対して、印税35%を支払うぞ、いやうちは50%支払う、それならうちは70%だ」という具合に、「印税率競争」をヒートアップさせて著者を引き込もうとしています。日本では印税率は通常8~10%なので、35%と聞いただけで耳がダンボ化する著者は多いでしょう。それが50%、70%ということになったら、「もう出版社は不要になった」と考える人が出たとしても不思議はないと思います。
 要するに、これまでは「紙の本」という物理的なパッケージとして著作を出版することしかできなかったので、著作の内容が完成したとしても、そこから製版→印刷→製本→取次→書店というプロセスを経なければ読者のもとへ届けることはできませんでした。特に重要なのが取次で、ここと取引することは素人にはとても敷居が高く、自分の本を書店に配本しようと思ったら、出版社が持つ書籍コードが必要でした。
 そうした出版プロセスの要に出版社(と社員編集者)が位置していたので、出版の窓口としてはどうしても必要な存在であったわけです(版元の編集者は、多くの場合は企画段階や執筆過程にもアドバイザーとして深く関与している。本によっては編集者が企画者そのものであって、執筆から完成まで編集者主導で制作される場合もある)。
 つまり「物理的な本」を作ろうとする限り、版元は必要でした。しかし電子出版になりますと、すべてがモニターに映る映像に過ぎませんので、物理的な実態がありません。すなわちネットに流して課金を回収するための窓口さえあれば、本の制作そのものは著者レベルでも十分可能なので、それなら出版社なんて不要だと考える人が出てきても不思議はないわけです。今流れている電子出版に関する記事の多くに、「もはや出版社は不要だ」という議論がくっついているのはそのためです。
 しかし、その場合「出版責任」は誰がとるのか、という問題が残ります。むろんそれは著者一人が背負えばよいと考える人もいるでしょうが、現実問題として、自分の書いた(描いた)ものに、本当の意味で最後まで責任を負える著者が、どれだけいるというのでしょうか。
「自分の発言や作品に責任を負う」ということは、生やさしいものではありません。ざっと考えても著作権問題や猥褻問題、名誉毀損、果ては「おまえの書いた●●という登場人物は俺だろう。おまえのパソコンで俺の脳波を毎日読み取って書いているんだろう」なんていう「電波」を受信する人の相手まで、場合によってはしなければならないということです。
 日本は言論の自由が憲法で保障されてはいますが、多くの場合それはタテマエに過ぎないことは、本を書いて出版したことのある人ならおわかりかと思います。たとえば普通に出版社が介在する本の場合、版元の編集者が、本の内容にうるさく口を出してきますが、これは、
(1) より売れる本にするため。
(2) 内容に出版社としての責任をとるため(そのことで出版責任を著者と分担する)。
という、主にふたつの理由で、そうしてくるわけです。特に重要なのが(2)でして、校正・校閲を含めた内容のクオリティ管理だけではなく、その内容に対するクレーム対応(著作権侵害、猥褻関係、名誉毀損その他)などのリスク管理も入ってきます。もちろん原理的には、著者がすべての責任を負う形で自由な内容の著作物を出版(公開)することは可能です。しかしその場合は「著者=編集者=出版社」ということになります。これの意味は、自分の著作を公開することによって生じるすべての責任(クレーム処理を含む)を負わなければならない、ということであります。
 アマゾンやアップルと著者がどのような出版契約を結ぶのか、まだ俺は具体的な契約書の内容を見ていないのでわからないんですが、アマゾンやアップルが、出版責任を著者と一緒に負うということは考えにくいです。もしそうする場合は、通常の版元と同様、内容に対する厳しいチェックが入ることは当然です。著者印税に35%から70%も支払うということは「当社では表現のリスク管理まではできませんから、何か問題が起きたら、当事者間で解決してね」ということではないかと思うのですが、実際のところどうなんでしょう。
 となると、出版物の内容からトラブルが発生した場合、普通に考えれば出版物のすべてにあらかじめ著者の連絡先表記を義務づけるか、またはクレーム元に連絡先を教えて「あとは当事者間で処理してくれ」と言ってくることになると思うのですが、どなたか詳しい方がいらっしゃいましたらご教授ください(英語が苦手なので、細かいニュアンスを読み取る自信がないのです)。
 つまり俺がいいたいことは、電子出版の時代になっても、出版責任の代行業としての出版社は生き残るのではないかということであります。
 日本で「自主出版」というと、コミケなど即売会向けのマンガ同人誌がまっさきに頭に浮かびますね。今回のキンドルやiPadの報道を見て「出版社死亡!」とはしゃいでいるのも、コミケの同人誌が念頭にあるんだと思います。実は俺も、出版社死亡?と頭の中で嬉しいような悲しいような複雑な思いが渦巻いたんですが、少し冷静になってから、上のようなことに思い立った次第です。
 実は、今回こういうエントリを書いたのは、友人のフリージャーナリストであるIさんとの会話がもとになっています。Iさんは昨年からキンドルやタブレットPCによる電子出版の時代が来ることを予見していて、たとえばキンドルの著者印税が35%だと発表されたときに、
「それでも自分は出版社と組みたい」
と言っていたわけです。なぜならIさんは在日朝鮮人問題や沖縄問題を取材している社会派のジャーナリストですので、取材の性質上裏社会の人間と接触することも多く、危険と常に隣り合わせだからです。
「俺の書いた記事で、人が死ぬかもしれない。反対に、こっちが殺される可能性だってある。出版社が防波堤になってくれなかったら、命がいくつあっても足りない」
というのが、Iさんが出版社と組みたい最大の理由です。つまり出版社には組織があり、法務部があって、フリーに危険な取材を任せるときは社としてのバックアップ体制をとりますからね。そういう体制がとれる出版社とでなくては、Iさんの仕事は成り立ちません。
そのためIさんは、キンドルで出版する場合も、著者(Iさん)が20%、出版社が15%の配分で出すことをいくつかの版元に打診しているそうです。つまり、出版社が窓口になって出版責任を分担するリスク代金が15%ということですね。(これ以外にも、取材や執筆のサポート料や、校閲料なども含んでいるらしい)。
 俺は、さんざんこのブログでも主張しているように、今ある出版界(紙出版)の枠組みは、遠からず崩壊すると思うんですよ。そして主流は電子出版に移行していくと思うんですが、その過程で、必ず「出版責任」を誰が担うのか、という問題が出てくると思うんですね。
 だから、俺が現時点で考えていることは、今ある出版社は一度解体して、編集者や営業マンがそれぞれ小さな「編集会社」や「営業会社」を作り、それぞれ看板を掲げて著者を顧客とした出版サポート業を営むという未来です。これまでは、出版社の編集者が著者に依頼して本を書いてもらっていましたが、
これからの出版は著者が編集者や営業マンを雇う時代になるかもしれない。
と俺は思うのです。クオリティの高い本を作って売ろうと思ったら、どうしても「本作りのプロ」の力は必要になるでしょうし、その中でも編集者は、弁護士や税理士のような役割になるかもしれません。いずれにせよ、版元や編集者抜きで出版するということは、弁護士抜きで裁判をしたり、税理士や会計士抜きで会社を経営するようなものだからです。
 これと同時に、これまで書いてきた出版責任を担うための出版社はおそらく残っていくのではないかと思います。



地上波テレビ局は3Dのトレンドにどう向き合うべきか(COLUMN2)
 今年の米家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)2010」は、3D(3次元)テレビが昨年以上に話題の中心だった。一般家庭向け製品の発売や3Dコンテンツの放送なども決まり、テレビの新たなトレンドとして消費者に印象付けるのに見事に成功した。しかし、テレビ局は、果たして3Dに本気で向き合う必要があるのか。
 今年のCESで見た各社の3Dテレビは、精度やリアリティーが昨年から一段と上がっていた。ハードウエアの進化だけでなく、実際に何を見るのかという課題に対して、ソニーは米ディスカバリーコミュニケーションズとカナダのIMAX、パナソニックは米ディレクTVとそれぞれ組んでコンテンツ分野まで含めた普及拡大策を示した。また、パナソニックは2眼式、すなわちレンズが2つあるフルHD(ハイビジョン)の3Dカメラも発表し、制作現場から家庭用ディスプレーまでの一貫した供給体制で3Dの本格展開を狙おうとしている。
■メガネをかけて見るのに向くコンテンツとは
 3Dテレビの映像は確かに臨場感溢れてすばらしかった。しかし、ほぼすべての3Dテレビは立体視を得るためにメガネをかけなければならない。偏光レンズだったりアクティブシャッター方式だったりタイプはいろいろだが、とにかくメガネが必要だ。普及段階に入れば、今のような無骨なメガネではなく、洗練されたデザインの製品や普段からメガネをかけている人向けのアダプターレンズなども登場するかもしれないが、それでも技術的にメガネなしで済ますわけにはいかない。
 ではメガネをかけてまで見る価値が3Dにあるのかと問われたら、私はちゅうちょなく、「ある」と答えるだろう。懸念される疲労感も慣れのせいもあるのか年々改善してきているし、多くの人が映画館などで3Dの良さを体験していることも普及には追い風だ。
 ただ、家庭で特別なメガネをかけるというのは、非日常である。襟を正すとまではいわないが、本気で画面と対峙することになる。映画やドラマ、ゲームといったコンテンツには合っているが、バラエティー番組やニュースを見たりするには明らかに向かないし必要がない。
 CESの会場で3Dテレビを見た際、個人的に関心があったのは、3Dコンテンツを裸眼で見るとどうなるかということだった。各社の製品を比べてもみたが、やはりどれも画像が二重になったりぼやけたりしてとても見られたものではない。ディスプレー側で3Dコンテンツを2Dで表示するような切り替え機能を搭載した製品は登場していないし、技術的に可能でもコストが見合わないのだろう。つまり2D、3Dはコンテンツごと、あるいはテレビ放送なら番組ごとに送り手側が選択せざるを得ないということである。
■テレビ局はあわてて3Dを追う必要なし
 テレビ局の姿勢を見ると、BS局やケーブルテレビ以外は積極的に3Dテレビを推進しているという印象があまりないが、それは当然だ。3Dテレビに関する筆者の見方は、ちょうど1年前の本コラム「夢の3Dテレビがテレビ局に突きつける悪夢のシナリオ」で指摘したときから基本的に変わっていないが、テレビ局、なかでも地上波テレビ局にとっては決して味方にならない。
 地上波テレビ局には3Dに向く番組がそもそも少ないし、コストをかけて3Dコンテンツを制作し、視聴率を無視して流すこともできない。3Dテレビが普及してもディスプレーは地上波テレビ番組以外の3Dコンテンツに徐々に浸食されていくだけだろう。
 冷静に考えれば、3Dテレビは、白黒、カラー、HDというディスプレーや放送の進化の延長線上にある。メーカーや業界にとっては、新たな市場開拓のネタという以上の話ではない。しかも3Dの次には、2K4Kという高解像度、さらなる大画面化が控えている。
 ディスプレーやコンテンツのもたらす少なからざる経済効果は当然否定すべきではないが、技術革新の加速は製品やサービス寿命をどんどん短命にしている。最終的には消費者が判断する問題であるが、テレビ局が必要以上に3Dのトレンドを追いかける理由はあまりないのではないか。
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(ll゜Д゜)ヒィィィ英字新聞

Toyota must regain public trust
The foundations of the public's trust in Toyota Motor Corp., a firm that takes great pride in the quality and safety of its vehicles, are being shaken.
The automaker recently announced the recall of 2.3 million cars following reports of malfunctioning accelerator pedals involving eight models made and sold in North America, including the Camry and Corolla.
The production and sale of these eight models have been suspended for the time being. A total of 1.9 million Toyota cars will also be recalled in China and certain European countries.
It was separately discovered last summer that the accelerator pedals of some Toyota models made and sold in North America could potentially fail to return to their original position due to the pedal becoming jammed between indentations on the cars' floor mats. The total number of cars subject to recalls, including those covered in the latest announcement, will exceed 7 million--more than Toyota's annual sales last year.
Criticism and distrust of Toyota cars are increasing in the United States. The U.S. Congress is planning to pursue matters related to the recall, including having senior officials of the company come to hearings next month.
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Toyota must act quickly
Toyota needs to take urgent measures. The automaker must tackle consumers' distrust at the root by repairing all of the cars with malfunctioning gas pedals as the first step to regaining the confidence of the public.
A U.S. auto parts company is reported to have produced the accelerator pedals found to malfunction. Toyota owners have been warned that wear and condensation can affect a pivot point at the top of the accelerator pedal arm, which may prevent the pedal from returning to its original position.
Toyota has admitted that the malfunction is the result of a design flaw. The auto parts maker could be held responsible for that flaw, but Toyota needs to closely examine itself to find out if there are any weak points in its quality control system, that resulted in the design flaw being overlooked.
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Insufficient focus on safety
Malfunctioning pedals have been found in Toyota cars manufactured and sold in Europe and other parts of the world, as well, because Toyota plants in nations outside of the United States have purchased auto parts from the same company.
In principle, each factory should procure the parts needed to build its cars from local manufacturers. However, auto parts makers have recently been setting up factories in countries where automakers have started operations. As a result, it has become common to see factories of an automaker in many different countries using parts manufactured by the same company.
Auto parts are increasingly becoming standardized, with the same part used in many different models. Cost-cutting achieved by streamlining the auto parts supply chain and bulk purchasing of parts has exacerbated the problem.
It is inevitable that Toyota will be seen as having been too focused on quickly streamlining its operations and expanding its global reach to pay sufficient attention to safety, the most important point for any automaker to be watchful of.
This problem does not only affect Toyota. Similar problems may hit other automobile companies, including Japanese makers. Japanese automakers should keep in mind that quality and safety form the foundations of public trust in the Japanese way of manufacturing.
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(屮゜Д゜)屮クレクレ新聞

ドコモ、iPad用「SIMカード」販売へ
 NTTドコモが、米アップルの新型情報端末「iPad(アイパッド)」の日本での発売に合わせ、「SIMカード」単体での販売を検討していることが30日、明らかになった。
 今後、海外で一般的なように、通信会社と携帯端末を利用者が自由に選ぶことができるきっかけになる可能性もある。
 国内の大手通信会社がSIMカードを単体で販売するのは初めて。ドコモは、アイパッド利用者の通信需要の取り込みを狙う。
 アイパッドは、電子書籍やゲームなどのコンテンツ(情報内容)を無線LANや携帯電話の通信機能を使って入手する仕組みだ。携帯電話の通信機能を使う機種は「SIMフリー」の仕様で、SIMカードを別途購入する必要がある。ドコモは、この機種が発売される6月以降に合わせてSIMカードを販売する方向だ。
 アイパッド向けSIMカードは、携帯電話用の半分程度の大きさで、携帯電話との互換性はない。だが、米グーグルもSIMカードを利用者が自由に差し替えて通信会社を選択できる携帯電話「ネクサス・ワン」の国内販売を予定している。このためドコモは、携帯電話向けのSIMカードの販売も検討している。今後、外国製の人気端末が普及すれば、端末と通信会社を利用者が自由に選択できるSIMフリーが、日本でも進む可能性がある。
 国内の携帯電話機は、例えば、ドコモの携帯電話機間ではSIMカードの差し替えが可能。しかし、ソフトバンクの電話機とは差し替えて使うことができない。
 ◆SIMカード=携帯電話番号や契約内容を識別する情報が記録された小型ICカード。これを携帯電話に差し込むことで初めて通信可能になる。日本の携帯電話機には、他の通信会社のSIMカードを差しても通信できない「SIMロック」がかけられている。海外の携帯電話機は、こうした制限がないものが一般的だ。複数の通信会社のSIMカードに対応した電話機は「SIMフリー」端末と呼ばれる。



音楽産業の失敗に何も学ばなかった日本の出版業界(ニューズウィークCOLUMN)

 話題を呼んでいたアップルのタブレット端末iPadが27日、発表された。ほぼ予想どおりで、iPhoneを4倍に拡大したような感じだ。ソフトウェアもiPhone用アプリケーションがすべて動くので、日本でもソフトバンクが対応するだろう。問題は端末ではなく、iPadで読める本が日本にほとんどないことだ。
 アメリカの出版社は、アマゾンの電子端末「キンドル」による配信を積極的に進めており、昨年はAmazon.comでの電子書籍の販売部数が紙の書籍を上回った。iPadにもNYタイムズ、マグロウヒル、サイモン&シュースターなど大手の新聞・出版社がコンテンツを提供する予定だ。ところが日本では、キンドルも端末(英語版)は発売されたが、本は(一部のマンガを除いて)読めない。アマゾンは日本の出版社と交渉しているといわれるが、難航しているようだ。
 iPadについても同様の交渉が行なわれているが、いつ話がまとまるかわからないという。「日本でやろうとすると、取次(出版の卸売業者)を通して出版社のコンセンサスを得なければならない。しかし電子出版が普及すると取次は必要なくなるので、彼らがそういう話を進めるはずがない」と、ある関係者は嘆いていた。かといって出版社と個別に話を進めようとすると、取次から圧力がかかるという。
 日本の出版業界は委託販売という特殊なシステムになっているため、取次が流通を支配している。取次にさからって取り扱い部数が減らされると、中小出版社は苦境に陥るため、独自には動けないのだ。大手出版社は21社でアマゾンに対抗するグループを結成するが、彼らが配信システムをもっているわけではなく、既存の本との「共食い」を恐れて大胆な戦略は打ち出せない。このままでは、日米の情報格差は致命的に開いてしまう。
 インターネットは、既存のアナログ的ビジネスモデルを破壊する。音楽業界は「著作権」を盾にとってインターネットを拒否した結果、業界の外からやってきたアップルにネット配信のビジネスを奪われてしまった。アメリカの出版社はその教訓に学んで、電子出版をチャンスとして生かそうとしているが、日本の出版業界は音楽業界の失敗を繰り返そうとしているようだ。愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶということわざがあるが、経験にも学ぶことのできない者を何と呼べばいいのだろうか。



上場企業10~12月期、経常益3期連続で拡大 日経集計
 企業業績の回復が一段と鮮明になってきた。日本経済新聞社の集計によると、上場企業の2009年10~12月期の経常利益(全産業ベース)は同7~9月期に比べ14%増と3四半期連続で拡大し、前年同期の2.2倍に達した。各国の景気刺激策などで息を吹き返した電機・自動車がけん引し、鉄鋼や化学など素材・部品にも増益業種のすそ野が広がっている。一方、建設・不動産など内需依存型の業種は不振が続き、業績の差が開いている。
 集計は29日までに決算発表した3月期決算企業438社(金融、新興3市場を除く)が対象。10年3月期通期の経常利益見通し額を合算すると全体の42%を占める。10~12月期に前年同期比で増益または黒字転換した企業は238社と7~9月期のほぼ2倍に増えた。



確定拠出年金、加入上限65歳に拡大へ
 政府は、企業年金の一種である企業型確定拠出年金について、加入資格の上限年齢を現行の60歳から65歳にまで引き上げることを決めた。
 加入者の老後の生活安定につなげるのが狙いで、資格年齢が上がれば拠出金の積立期間が延びて、将来受け取る年金額が増えることになる。政府は年齢制限引き上げのための確定拠出年金法改正案を通常国会に提出し、成立を目指す。
 定年延長や再雇用により、60歳以上の従業員を雇い続ける企業が増えている。企業に段階的に65歳までの雇用延長を義務づけた改正高年齢者雇用安定法が2006年度に施行されたためだ。ただ、現行では60歳を過ぎた従業員は企業年金から抜けなければならず、企業型確定拠出年金の上限年齢を65歳まで引き上げることが求められていた。



村田製作所、大容量コンデンサー参入 パソコン・家電向け開拓
 村田製作所は電気をためる電子部品、コンデンサーの大容量品に参入する。これまで小容量品を得意としていたため、コンデンサーの売上高に占める携帯電話向けの比率が4割と高かった。大容量品が使われるのはパソコンやデジタル家電などで、収益源を多様化する。2015年までに大容量品で200億円の売り上げを目指す。
 デジタルカメラのストロボなどに組み込む「電気二重層コンデンサー」を4月に発売する。容量は積層セラミックコンデンサーの数千倍。オーストラリアのベンチャー企業キャップ・エックスエックスと提携し、製品化した。



関電、愛知に風力発電所 新エネ導入、適地探し域外進出
 関西電力は電力供給域外の愛知県内に風力発電所を新設する。発電した電力は地元の中部電力に供給する見通し。電力会社は一定量の新エネルギー導入を義務付けられており、関電は域外でも発電に適した風が吹く場所を調査していた。風力発電所の建設では、東京電力が子会社を通じて全国展開中。限られた適地を巡り、競争が本格化しそうだ。
 関電は全額出資子会社の関電エネルギー開発(大阪市)を通じて風力発電所を開発・運営する。東京製鉄が昨年、愛知県田原市で稼働した工場敷地内の土地を借り受け、出力6000キロワットの発電所を建設する。発電した電力は全量を中部電力に売電する見込み。年間発電量は標準家庭4200軒の使用量にあたる1500万キロワット時程度。今春から建設を始め、2011年度後半に稼働させる予定。総工費は明らかにしていない。



中国「地域問題、協力に影響」 米、台湾へ武器売却
 【北京=佐藤賢、ワシントン=弟子丸幸子】米政府の台湾への武器売却計画は、中国が軍事交流の一時停止などを決定し、ネット規制や通商問題でぎくしゃくしていた米中関係の先行きに一段と不透明感を強めた。中国外務省は30日の談話で「重要な国際・地域問題での協力にも影響が避けられない」と指摘。米中政府はともに良好な関係の維持を基本方針にしているが、亀裂が深まれば国際情勢にも影を落としかねない。
 中国外務省が武器売却に「強烈な憤慨」を表明した談話を発表したのは30日午前3時(日本時間同4時)。事前通告があったとはいえ、未明に談話を出すのは異例だ。午後には国防省のほか全国人民代表大会(国会に相当)外事委員会や国務院台湾事務弁公室も非難談話を発表。複数の機関の相次ぐ反発からは、胡錦濤指導部が対米批判を明確にするよう指示を出した形跡がうかがえる。



日経社説 危機の突破力を試す海外企業決算(1/31)
 米国をはじめとする世界の主要企業が、2009年10~12月期の業績を改善させている。リーマン・ショックが本格的に響いた08年10~12月期から1年後の決算は、企業が危機を突破する力を試している。
 09年10~12月期の米実質国内総生産(GDP)速報値(季節調整済み)は、前期比年率5.7%の高い伸びを示した。しかし、10%の失業率を考えれば、個人消費を中心に、景気の持続的な回復は疑問だ。
 それだけに、大企業が回復の軌道を固め、投資と雇用を増やすことが、マクロの観点からも欠かせない。
 米トムソン・ロイターの先週末の集計では、米主要500社の10~12月期の最終損益は前年同期の3倍になった。公的支援を受けた金融を除いても15%増えた。なかでもIT(情報技術)企業の復調が目を引く。
 グーグル、アップル、マイクロソフトなどが、10~12月期に最高益を更新した。新たに投入した新製品やサービスが、好調な業績を支えている。マイクロソフトは、昨年10月に発売したパソコン用の新しい基本ソフトが、増収に寄与した。
 人員を抑え気味だったグーグルは、昨年12月末の従業員数を1万9835人と、3カ月前より170人増やした。こうした例が広がれば、企業が人員を減らし業績を立て直す「雇用なき回復」から、利益と採用を同時に増やす「雇用を伴う回復」へと、転じる可能性も浮上する。
 素材産業は、新興国への展開力で明暗が分かれた。主力工場をアジアに配備し、現地の家電大手とテレビ生産で連携した、ガラス大手コーニングは大幅増益だった。対照的に国内市場に依存する鉄鋼大手USスチールは、赤字を4四半期続けた。
 そのアジアでは、韓国のサムスン電子が好調を保った。10~12月期を含む09年の営業利益は、約11兆ウォン(8500億円)と、08年に比べ90%強増えた。ウォン安の追い風に加え、不況期に設備投資を増やす戦略が、景気回復に向かう局面で実を結んだといえるだろう。
 景気の回復が鈍い欧州は、企業が事業構造の転換を急ぐ。オランダのフィリップスは、競争の激しい液晶パネル事業から撤退する一方、健康機器事業を広げた。これが奏功し、10~12月期は売上高が1年前に比べ5%減ったが、最終黒字に転じた。
 業績の好転は、各国の景気刺激策に助けられた面も大きい。世界的に対策の効果が薄れるとされる今年は、危機を突破した後の企業の実力が問われよう。日本企業にも、当てはまることである。
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