ヾ(゜Д゜)ノ"新聞

「PSP2」はダウンロード専用のスマートフォンに SCEのMichael氏が発言
 SCEオーストラリアのマネージングディレクターを務めるMichael Ephraim氏がGametpotのインタビューに登場、E3で発表予定ともまことしやかに噂されるPSPの後継機について言及し、後継機がUMDドライブを用いないデジタル流通のみを利用するデバイスとなり、スマートフォンの様な物に”なるかもしれない”事を明かした。
 また、Ephraim氏はインタビューでPSPGoが将来への道を切り開いたと述べ、これから登場する様々な携帯コンソールがスマートフォン市場と直接競合する事になると、今後の市場の動向について示唆した。なお、気になる発表や登場時期に関する発言は見られなかったが、近いうちにプロモーション展開も始められる事が示唆した。
 PSP2がCellのQuadコアで動作しタッチスクリーンを有し、3G通信機能を持つなど、様々な憶測が飛び交っているPSP2の事前情報だが、SCEのMichael Ephraim氏による今回の発言で、E3に向けてさらなる盛り上がりを見せる事になりそうだ。
 また、今年2月にはアースワーム・ジムを手掛けたShiny EntertainmentのDavid Perry氏がPSP2がUMDドライブを全て廃する事になるとTwitしていた。



Apple、WWDCでのスティーブ・ジョブズCEO登壇を正式発表
 米Appleは5月24日(現地時間)、6月7~11日にサンフランシスコで開催の年次開発者会議「Worldwide Developers Conference(WWDC)」の基調講演を同社CEOのスティーブ・ジョブズ氏が行うと正式に発表した。基調講演は7日午前10時(日本時間の8日午前2時)に開始する。
 Appleによると、WWDCのチケットは過去最短の8日間で売り切れ、5000人以上の開発者が参加するという。
 今年は、iPad、iPhone OS 4、Mac OS Xなどに関する100以上のセッションを提供する予定。Appleは4月8日にiPhone向け次期OS「iPhone OS 4」を発表しており、また例年iPhoneの新モデルの発表をWWDCで行っていることから、今年のWWDCでも次期iPhoneを発表するとの期待が高まっている。



見えてきた新型iPhone登場の“前兆”
 Appleが6月7日に開発者会議WWDCでiPhone新モデルを発表するとうわさされているが、その予兆が見えている。Wal-Martでは5月25日から既存モデルのiPhone 3GS(16Gバイト)を半額の97ドルで販売することを明らかにしており、新モデル発売前の在庫処分の可能性がある。
 また、Appleが1世代前のモデルであるiPhone 3GのAT&Tショップへの出荷を停止したとも伝えられている。英国やオーストラリアでも同モデルを注文できなくなっているようだ。これを受け、iPhone 3Gの販売が終了するのではないかとの憶測が流れている。同モデルは近くリリースのiPhone OS 4.0の機能の一部をサポートしていないため、販売終了となっても意外ではない。
 新型iPhoneはApple独自設計のプロセッサを搭載し、解像度が縦横2倍でカメラを搭載するとうわさされている。



イー・モバイル、2年契約で料金を安くする「にねん得割」を提供
 イー・モバイルが5月25日、契約種別「ベーシック」のユーザー向けに新たな割引サービス「にねん得割」を導入すると発表した。6月24日から提供する。
 にねん得割は、ベーシックプランの利用者が、2年間の継続利用を約束することで、基本使用料の割り引きが受けられるサービス。対象となる料金プランはデータプラン、スーパーライトデータプラン、データプラン21、スーパーライトデータプラン21。
 ベーシックプランには、これまで1年間の継続利用によって基本料金を割引する「年とく割」「年とく割2」といった割引サービスが用意されていたが、新たに2年間の利用期間と、9975円というより高い契約解除料を設定することで、基本料金のさらなる値下げを実現した。にねん得割を適用すると、データプランは月額4280円、スーパーライトデータプランなら、月額料金は280円~4680円になる。データプラン21は5280円、スーパーライトデータプラン21なら月額280円~5680円。



東京株終値298円安の9459円 半年ぶり9500円割れ
 欧州危機による日本株の下げが止まらない。25日の東京株式市場は、午後に入って、さらに下げを強め、日経平均株価の終値は前日比298円51銭安の9459円89銭となり、昨年11月30日以来半年ぶりに終値で9500円割り込んだ。下落は5営業日連続で、3営業日連続で年初来安値を更新した。中国などアジアの株式市場も軒並み下落し、株安が連鎖している。
 東証1部の全銘柄の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)の終値は20・19ポイント安の859・82。
 この日の東京市場では、前日のニューヨーク市場が3カ月半ぶりの安値水準となったことを受け、100円以上の値下がりでスタート。外国為替市場の円高ユーロ安傾向が続いていることから、採算悪化懸念で欧州での売上高比率が高い精密機器株や電機株などが大きく値下がりした。
 さらにスペインの中央銀行が経営難に陥った地方銀行救済に乗り出したことで金融システムへの不安が広がり、銀行株も売り込まれた。午後に入ると、アジア市場が軒並み下落して始まり、下げ幅がさらに広がり、一時は326円安の9432円まで下げた。
 市場では「世界景気に対する先行き不透明感が広がっており、特に外需依存の日本経済の足腰の弱さが意識されている」(アナリスト)との指摘が出ている。また、「投資家心理の冷え込みで割安感による下値への買いも限定的にとどまっている」(別のアナリスト)という。



緊急特集
日本株、朝鮮半島情勢が新たな重荷に(10/5/25)
 25日の東京株式市場では日経平均株価が後場入り後に一段安となった。終値は心理的な節目である9500円を割り込み、298円51銭安の9459円89銭。下げ幅は取引時間中300円を超える場面もあった。欧州の金融機関への不安再燃がベースにあるが、朝鮮半島情勢の緊迫化も売り材料になった。
 韓国の哨戒艦沈没事件に端を発した朝鮮半島情勢は、ここにきて一段と緊迫の度を強めている。25日も午前中から朝鮮半島情勢をめぐる関係国の動きが活発化。昼休み時間中には韓国メディアなどによる「北朝鮮の金正日総書記が軍に対し戦闘準備に入るよう命令した」との情報が転電され、午後の日本株を押し下げた。
 韓国株式市場では指標となる韓国総合株価指数(KOSPI)が下げ幅を広げ、下落幅は一時4%を超えた。
 みずほ証券の瀬川剛エクイティストラテジストは「戦闘準備報道は北朝鮮特有の瀬戸際外交ともとれるが、韓国側によると沈没原因が北朝鮮製魚雷と結論づけられており、過去の緊張状態よりも情勢は深刻ではないか」と話す。
 北朝鮮に対する制裁の強化などによる物理的な影響は小さいとみられるが、情勢の先行きが不透明なだけに心理的な影響はありそう。
 リスク資産を回避する動きが一段と強まり、国内債券市場では長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが1.21%まで低下した。
 日本では、韓国ウォンの相場を注視する向きもある。ウォンが下落すれば、結果的に韓国企業の輸出競争力が増し、電機など日本の輸出企業の相対的競争力にも影響しかねないためだ。



【サッカー日本代表】日韓戦の視聴率は17・9%
 24日夜にテレビ朝日系で中継されたサッカーのキリンチャレンジカップ2010、日本対韓国戦の平均世帯視聴率が関東地区で17・9%、関西地区で13・8%だったことが25日、ビデオリサーチの調べで分かった。
 日韓戦はワールドカップ前の国内での最終壮行試合として行われ、日本は前半6分に失点、後半ロスタイムにもPKを与え、0-2で敗れた。



【サッカー日本代表】「日本撃沈」「日本沈没」 韓国スポーツ各紙1面飾る
 【ソウル=水沼啓子】埼玉スタジアムで24日行われたワールドカップ(W杯)南アフリカ大会壮行試合の日韓戦で、日本代表に2-0で完勝した韓国では、25日のスポーツ各紙が1面に日韓戦の写真を大きく掲げ、「日本撃沈」「日本沈没」などの見出しとともに大々的に報じた。
 宿敵日本戦とあって韓国での注目度は試合前から高く、聯合ニュースによると24日夜、韓国「KBS2」の生中継の視聴率は25・3%。最高視聴率は、後半ロスタイムに朴主永がPKを決めた瞬間で37・2%だった。
 スポーツ各紙は、日韓戦での韓国代表チームを詳細に分析する記事が目立ち、日韓戦でけがから復帰し、ワントップに起用された朴主永を称賛。「朴主永、初のワントップで完璧(かんぺき)成功」「ツートップでないときはいつでもワントップにすることができる自信を得た」(スポーツ朝鮮)などと報じた。
 一方、日韓戦の勝敗を分析した「スポーツ東亜」によると、これまで72回行われた日韓戦で、韓国は40勝12敗20引き分け。このうち先制ゴールを決めた11試合では7勝4引き分けで、1度も負けていない。「日韓戦の勝利は先制ゴールによると言っても過言ではない」とした上で、W杯でも「先決条件」とし、重要な鍵を握るとしている。



地デジ普及率、80%突破 エコポイント貢献、政府目標上回る 
 総務省が25日発表した今年3月時点での地上デジタルテレビ放送の世帯普及率(速報値)は83・8%となり、初めて8割を突破した。同時点での目標である81・6%も上回った。エコポイント制度で、地デジ対応の薄型テレビの販売が大きく伸びたことが貢献した。
 昨年9月時点の前回調査の69・5%から、半年で大幅に上昇した。前回は目標の72・0%を下回っていたが、今回は一転して目標を上回る結果になった。
 3月時点での47都道府県別の世帯普及率では、トップ3が(1)富山県(88・8%)(2)埼玉県(88・4%)(3)岐阜県(88・3%)で、9割に迫った。
 一方、ワースト3は(1)沖縄県(65・9%)(2)岩手県(66・7%)(3)長崎県(72・9%)の順となり、離島や山間地域をかかえる地方での普及の遅れが目立った。
 逆に、大都市圏は全国平均より普及率が高い傾向が出た。首都圏の1都3県は全国2位の埼玉県のほか、千葉県が6位の86・7%、神奈川県が85・1%、東京都が84・5%といずれも全国平均を上回った。このほか、大阪府が85・4%、愛知県が84・3%と普及率は平均より高い。
 原口一博総務相は同日の閣議後会見で、今回の調査結果について「計画目標を上回るうれしい結果だが、都市部の一部のビル陰や離島・山間地域で普及に課題もある。来年7月の地デジ完全移行へ、対策に全力を挙げたい」と話した。



Twitterがタイムライン内広告を禁止 つあどなど広告サービスに影響
 Twitterは5月25日、サードパーティーがタイムラインに宣伝ツイートを表示することを禁止すると発表した。プラットフォームの長期的な健全性を保つためとしている。
 Twitterが先に立ち上げた「Promoted Tweets」による広告を除き、「Twitter APIを使ったあらゆるサービスにおいて、サードパーティーがタイムラインに広告ツイートを挿入することを認めない」としている。同社はこれに合わせてAPIの利用規約も変更している。
 規約では、「ツイートを表示するアプリやサイトの上あるいは周辺に広告を表示することは認められるが、タイムライン内に広告を置いてはいけない」とされている。また広告とTwitterコンテンツの間にははっきりと分かる区切りを置く必要があり、ツイートと混同される広告は不可としている。また「Twitterコンテンツが広告販売の基盤(全部あるいは一部)となる場合は支払いを要求する」とも規約には記されている。
 Twitterはこのような決定を下した理由として、長期的なユーザー体験を守るためとしている。例えば、サードパーティーの広告ネットワークが広告インプレッションやクリックスルー率を最大化しようとしたら、ユーザーが不満を持ちTwitterの利用を減らす可能性があるという。
 Twitterに広告を配信するサービスはAd.ly、Twad.lyなど既に複数あり、国内ではオプトなど3社が「つあど」をスタートしたばかり。つあどは今回の変更を受け、利用規約の変更に準拠すべくサービスを改修するかどうか検討するとしている。広告サービス140proofも「Twitterと協議中」としている。
 またこの日、新しいTwitter広告サービスTweetUpがスタートしたが、同サービスはTwitter APIに依存していないので影響はないとコメントしているという。また米メディアは、Twitterが「マーケティング業者が著名Twitterユーザーに直接依頼して広告ツイートを投稿してもらうようなケースは可」と認めたと報じており、Twitter APIを利用しない手動での投稿であれば、タイムライン内広告でも認められるようだ。企業や店舗がTwitterアカウントを取得してプロモーション情報をつぶやくといった使い方も(APIを使わなければ)問題ないとみられる。



スペシャルリポート
サムスン強さの秘密 「世界人」育てる巨大施設
 韓国サムスン電子の李健熙(イ・ゴンヒ)会長が復帰し、同社の攻めの経営が復活した。「ビジョン2020」の経営計画では、10年後の売上高を現在の3.5倍の4千億ドル(約37兆5千億円)にする目標を掲げる。快進撃を支える同社の経営の内側に迫った。
 ソウル市から車で南に約50分。韓国最大級のテーマパーク「サムスン・エバーランド」のすぐ隣の敷地にあるのが、サムスングループの人材研修施設「人力開発院」だ。
 「企業は人なり」という人材第一主義を掲げ、1982年に同施設を開館。創業者の李秉チョル(イ・ビョンチョル)の雅号を冠した「湖巖(ホアム)館」など、3つの巨大な建物を持つ。
 韓国内には全部で13の研修施設があり、1日に宿泊できる収容人数は約4千人。ここで「核心価値共有」と呼ぶ理念教育や幹部教育、海外要員教育などを実施。「サムスン人」としてグローバルに戦える気構えをたたき込むことで、今日の急成長を維持している。
 サムスンはグループ全体で27万人の社員を抱え、年間売上高は約190兆ウォン(約16兆円)。サムスン電子は売上高でその7割近くを占め、海外売上高比率は9割近い。そうした海外戦略を支えているのが、「地域専門家」という海外研修制度だ。
2万人に語学研修
 対象は入社4年から10年ほどの若手社員で、海外に1年間生活し、外国語の習得と現地での人脈作りに励む。「将来の海外赴任要員の育成が狙い」と同院の劉煥チョル(ユ・ファンチョル)コンサルティングチーム長は話す。90年の制度開始から、すでに約4200人が中東や東欧など世界の様々な国に派遣された。
 昨年春から1年間、サンパウロに滞在したという人事部門の課長(37)は語学研修に9カ月通い、残り3カ月で色々な人に会った。「最初は掃除のおばさんにも名刺を配り、人脈を広げるうち、最後は大企業の幹部とも知り合いになれた」と研修の成果を語る。
 国内での語学教育にも力を入れている。英語、中国語、日本語を中心に毎年1100人が10週間の語学合宿に参加。「牛でも話せるようになる」という徹底教育で、これまでに約2万人が受講した。一連の研修にかかる費用は、社員の機会費用を別として、年間約2500億ウォンにも上るという。
採用前から教育
 人材育成という面では採用の前の段階から「サムスン流」を教え込んでいるのも同社の特徴だ。
 人力開発院から車で15分ほどのところにサムスン電子で一番古い水原(スウォン)事業場がある。水原市には600年の歴史を誇る大学、成均館大学校があるが、同社はそこにも年間1200億ウォンを投じ、将来の社員を育成している。
 提携関係は半導体から始まったが、世界的にも珍しい「携帯電話学科」を新たに設置。授業料はサムスンが全額持ち、月額80万ウォンの奨学金を各学生に支給している。卒業後はサムスンへの就職が約束されているため、ソウル大学を辞退して入学してくる学生もいるほどだ。
 入学試験は大学とサムスンが共同で実施。将来のサムスン社員にふさわしいどうか大学入学前に判断する。博士課程に進む学生もいるが、奨学金を返す必要はない。「就職競争が厳しい韓国では、大学の人気の向上にもつながる」と学科長の崔炯辰(チェ・ヒョンジン)氏は指摘する。
 サムスンは93年の経営改革戦略「新経営」で世界的飛躍のきっかけをつかんだ。「妻と子供以外は変えろ」という強力なトップダウンの指導で、社員一人ひとりの参画意欲を高めた。一昔前の日本の「モーレツ社員」を思い起こさせるが、合理的な人事基準でグローバル感覚を養っているところが、サムスンの大きな違いだといえよう。



京都新聞社説
今を生きる考える  財政再建、道筋を早く描けこっちも見て 
 遠く離れた欧州のギリシャで、労働組合員らがデモやストライキを繰り返す映像が、頻繁に伝えられている。
 国家破産の危機に直面し、ギリシャ政府は公務員給与の削減、年金の減額、日本の消費税に当たる付加価値税の増税などの財政再建策を打ち出した。どれをとっても生活水準が低下するので、労組員らは反対している。
 さて、これを見たギリシャ以外の国の投資家たちはどういう気持ちを抱くのかというと、「財政再建は難しい」「債務不履行(デフォルト)が起きかねない」と不安を募らせている。
 すると、ギリシャ国債の金利は上昇する。債務は一向に減らず、財政再建策が強化され、国民生活はさらに困窮を極める。負の循環が止まらない。
 こうしたソブリンリスク(政府債務の信認危機)が、現実のものとなりつつある。
 円や日本国債は買われているので、日本はまだ信用されている。大丈夫だ、と考える人もいる。
 しかし、今はマネーの逃避先に選ばれているだけで、将来はどうなるのか分からない。
 欧州の単一通貨ユーロの導入国は、年間の財政赤字を国内総生産(GDP)の3%以内、政府債務残高をGDPの60%以下にするよう協定で義務づけられている。
 ギリシャは、財政赤字が13%を超えていることが最近、判明した。債務残高は115%。国債の格付けは投機レベルにまで低下し、不安が起きた。
 一方、日本の財政赤字はギリシャほどではないが、国債の発行残高はGDPの189%で、2倍に達しようかという勢いだ。先進国の中でも群を抜いて多い。
 対岸の火事ではない
 この話になると、日本は国債のほとんどを国内の投資家が保有しているので、ギリシャとは事情が異なる。国民の金融資産が約1400兆円あり、国債を受け入れる余地はまだ残っている、との反論が出てくる。
 だが、国債残高が遠からず1千兆円の大台に乗るのは確実だ。少子高齢化と昨今の雇用情勢をみると、国民の金融資産が目減りするのは避けられない。何かの拍子に信用不安が高まり、金利の上昇する事態が起きれば、債務は雪だるま式に膨らんでいく。
 ギリシャの危機を、対岸の火事だと言っておれない。実効性のある対策を講じなければならない。
 そこで、民主党を中心とする政権が初めて手掛けた本年度予算を振り返ると、一般会計が過去最大の92兆円。不況の影響で税収が2割近く落ち込んで37兆円にとどまるのに対し、新規国債発行額は44兆円を超えた。実入りを上回る借金をしている。
 内閣の中枢にいる仙谷由人国家戦略担当相さえも「どなたが見ても、この国が続くのだろうかとの不安心理を醸し出す」と酷評した。よその国や投資家らが、日本は借金を返すつもりがない、と思いはしないか。
 増税も議論されだす
 スイスの国際経営開発研究所が先ごろ発表した競争力ランキングで、日本の順位は前年の17位から27位に急落した。評価が下がった要因の一つに、「放漫財政」が挙げられている。
 鳩山由紀夫首相は昨年の衆院選マニフェスト(政権公約)に掲げた子ども手当などの満額実現と消費税率の4年間凍結について方針転換していない。
 だがこれには、カネがないのにモノを欲しがる児戯に等しい、との批判もある。バラマキをやめるか、実入りを増やすか、あるいは両方を選ぶしかないだろう。
 民主党内では、今夏の参院選マニフェストに財政規律をどう書くかをめぐって、対立が続いている。財政健全化法案の今国会提出は、微妙な情勢となった。政府が来月中にまとめる予定の中期財政フレームで財政再建の道筋を描けるのか、心もとない状況だ。
 ここにきて菅直人財務相が、国債の発行抑制など財政規律に言及し始めた。「増税分を財政支出に回せば、雇用が増えて景気がよくなる」と、増税による成長論まで唱えている。
 とにかく、議論をもっと加速すべきである。そうしないと、ギリシャ悲劇を日本で再演することになる。
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NTT東、公衆無線LANを業界最安値の月200円に
 NTT東日本は6月にも飲食店や駅で高速インターネットに接続できる公衆無線LAN(構内情報通信網)サービスの価格を大幅に引き下げる。これまで光ファイバー回線「フレッツ光」契約者に月800円で提供してきたが、業界最安値の200円にする。28日に発売される米アップル製「iPad(アイパッド)」など、高機能携帯端末の需要拡大を取り込む。
 25日に発表する。値下げするのは公衆無線LANサービス「フレッツ・スポット」で全国9100カ所に接続拠点を持つ国内最大級のサービス。小型モバイルルーターをレンタルする場合に200円で提供する。ルーターのレンタル料は300円とする。
 公衆無線LANを利用できるエリアも拡大する。これまで飲食店や地下鉄の駅など9100カ所で接続できたが、JR東海の東海道新幹線「N700系」の車内でも利用できるようにする。
 ipadやスマートフォン(高機能携帯電話)などの普及で、大容量データ通信の需要が高まっており、通信各社は公衆無線LANの利用が急増するとみている。KDDIは6月2日からデータ通信の利用者向けに公衆無線LANの利用料を月1500円から300円に値下げする。
 ソフトバンクは「iPhone(アイフォーン)」利用者向けに、月490円で提供していた公衆無線LANサービスを現在は無料で提供。接続できる場所も1、2年後に現在の約4倍の1万8000カ所に拡大する計画。NTT東が価格を大幅に引き下げることで、通信各社の価格とエリア拡大競争は一気に激化しそうだ。



キヤノン、家庭用SEDテレビ開発凍結 業務用に照準
 キヤノンは新型の薄型表示装置、SED(表面電界ディスプレー)を搭載した家庭用テレビの開発を凍結する方針を固めた。液晶やプラズマに対抗する薄型テレビとして商品化を目指していたが、テレビ市場の価格下落の勢いに製造コスト低減が追いつかないと判断した。今後は、高精細で消費電力が低いSEDの特長を生かし、業務用の開発に力を入れる。
 SEDはブラウン管と同じ原理で画面に映像を表示する。ブラウン管は1本の電子銃で映像を映すが、SEDは無数の微細な電子銃を平面に配置する。消費電力を抑えつつ高画質を実現できるが、低コストの量産技術の確立が困難とされていた。
 キヤノンは1999年に東芝とSEDの共同開発に着手。2004年に両社の折半出資でSEDの開発・生産会社を設立し、薄型テレビ市場への参入を表明した。
 しかし、量産技術の開発が難航。SED技術を持つ米国企業から特許関連訴訟も起こされ、商品化時期を何度も延期してきた経緯がある。キヤノンは東芝との折半出資会社を完全子会社化してSEDテレビの商品化の道を探っていたが、競争が激しい家庭用テレビでは採算がとれないと判断した。
 SEDの量産技術開発は継続し、画像診断機器や教育向け機器など業務用ディスプレーとしての用途開発を目指す。



サムスンなど、曲がる大型ディスプレー
炭素素材で開発、ポスターやパソコンに
 韓国サムスングループと名城大学の飯島澄男教授などは薄く、折り曲げられる大型のディスプレー材料を開発した。材料は入手が容易な炭素で、液晶テレビの軽量化、太陽電池の発電性能の向上や新たなディスプレーの商品化など幅広い用途が見込める。飯島教授はナノテクの権威でノーベル賞候補者。サムスンが日本の最先端の研究成果を活用し、日本の電機大手との競争力の差を広げる可能性がある。
 飯島教授とサムスングループのサムスンテックウィン、韓国・成均館大学は炭素素材「グラフェン」を使い透明で折り曲げ可能な大型ディスプレー材料の開発に成功した。大きさが30インチ(対角線長が約76センチメートル)と世界最大級の透明導電性フィルムで、タッチパネルにできる。



韓国勢、日本の研究成果をいち早く吸収
 安くて折り曲げ可能な大型ディスプレーの商品化が近い将来、韓国勢によって実現しそうだ。成功の背景には、日本の有望な成果や研究者を積極的に取り込む韓国の戦略がある。
 共同研究グループを束ねる飯島澄男・名城大学教授はナノテクの権威で、韓国側はその研究成果に注目した。成均館大学は先端炭素材料の実用化を急ぐため、飯島教授を2005年から学内のナノテクノロジー先端技術研究所長に招へいした。研究費の一部は、高機能機器への応用を狙うサムスングループが負担している。
 韓国は日本の研究成果に広く注目している。東京工業大学の細野秀雄教授らが発見し、04年に英科学誌ネイチャーで紹介した透明な酸化物半導体に注目したのはサムスン電子。この半導体はシリコンよりも電子が早く流れる特徴があり、同社は細野教授らに接触。高精細な次世代の液晶テレビや有機ELテレビへの応用を目指している。
 サムスンはこのほか、九州大学の菊池裕嗣教授が02年に開発した液晶材料にも注目。動画を鮮明に再生する基盤部品になるとみて、菊池教授の成果をヒントに研究を続けているという。菊池教授は「日本の研究成果に注目して製品に結びつけようとするのは日本企業よりもサムスンなど韓国企業が早い」と語る。



ノキア、ヤフーと提携 ネットサービスを実質統合
グーグルやアップルに対抗
 【シリコンバレー=岡田信行】携帯電話機最大手であるフィンランドのノキアと、インターネット検索大手の米ヤフーは24日、インターネットメールなどの事業で提携し、今年後半からネットサービスを実質的に統合すると発表した。老舗2社の連合で、同分野に強い検索最大手の米グーグルや米アップルに対抗する。
 ノキアとヤフーは今年後半から共同ブランドでネットメールや地図などの提供を始める。提供する地域や分野を順次広げて、2011年には全世界で共同展開する体制に移行する。ノキアの携帯電話ユーザーとヤフーの利用者はどちらかのネットサービスに登録していれば、もう一方の会社のサービスも同じ登録IDで利用可能になる見通しだ。



朝日新聞社、初の営業赤字 10年3月期
 朝日新聞社が24日発表した2010年3月期連結決算は、営業損益が41億円の赤字(前の期は34億円の黒字)となった。営業赤字は連結決算の公表を始めた00年3月期以降で初めて。新聞の広告収入減少が響いた。最終損益は33億円の赤字(前の期は139億円の赤字)となり、2期連続の赤字だった。
 売上高は前の期比12%減の4703億円。5期連続の減収となった。連結子会社数の減少が主因という。



電子マネー決済シェア、流通系が5割超え ポイント還元策効く
 流通系の電子マネーが決済件数のシェアを伸ばしている。4月の主要6電子マネー(前払い式)の決済件数では、セブン&アイ・ホールディングスの「ナナコ」とイオンの「ワオン」の合計シェアが初めて5割を超えた。消費者の節約志向が強まるなか、メーカーなどと組んだポイント還元策が利用者の囲い込みにつながっている。
 4月の総決済件数は前年同月比38.6%増。ナナコは同44.8%増、ワオンは同76.1%増と平均を上回った。ナナコとワオンの決済件数の合計は7810万件で6電子マネーの総決済件数(1億5515万件)の50.3%を占めた。鉄道系の「スイカ」や「パスモ」からシェアを奪った。
 ナナコとワオンに共通するのは、消費者へのポイント還元に力を入れている点。傘下のスーパーやコンビニエンスストアでの買い物でポイントを還元するだけでなく、入会時や入金時にはボーナスポイントを付ける期間限定サービスを行う。
 さらに食品メーカーなどと組み、特定の商品を購入した際にボーナスポイントを付与。電子マネーで購入すると、実質値下げとなる。
 生活防衛志向を強める消費者はポイント還元への関心が高い。ナナコは4月、セブンイレブンなどで新規入会すると200円分のポイント(通常なら買い物2万円で付与)を与えるキャンペーンを実施したところ、会員が1カ月で1割以上に当たる122万人増えた。




ソフトバンクモバイルがフェムトセル受付開始も、総務省はBB回線事業者との協議を要請
 ソフトバンクモバイルは2010年5月21日、全ブロードバンド回線を対象としたフェムトセル利用の申し込み受け付けを開始した。これまでフェムトセルを申し込むには、Yahoo! BB ADSLやNTT東日本のフレッツ光ネクストなど、同社が指定するブロードバンド回線を利用している必要があったが、対象を拡大した。
 その一方で、ブロードバンド回線を提供する事業者から、協議が不足しているという声が上がっている。フェムトセルについては総務省および次世代IPネットワーク推進フォーラムが定めたガイドラインが二つある。総務省ガイドラインは「携帯電話事業者とブロードバンド回線事業者との間の契約などにおいて、通信品質の確保、緊急通報の確保への対応、障害発生時の対応などについて規定することが求められ」との記述があり、総務省は「契約など」には事前の協議が含まれるという立場である。フォーラムのガイドラインも「あらかじめ関係事業者間で技術的条件や費用負担などを含めて協議を行い、合意を得た上でサービスを提供すること」としている。
 ソフトバンクモバイルは2010年5月19日、回線事業者に対して21日から受け付けを開始するという旨の電子メールを送付した。そこには緊急通報時に誤った位置情報を通知しないための措置(位置固定)や、通話品質の確保、保守の一次対応をソフトバンクモバイルが担当することを明言した上で、「二つのガイドラインの要件をソフトバンクモバイルで確保することが可能なため、回線事業者で対応いただく事項はない」と記載していた。
 この電子メールを受け取ったある回線事業者は、「これは一方的な通知であり、技術的検証を含む協議がなければ実際に緊急通報時に携帯電話の通話が確保できるか分からない。このままだと利用者に不利益が生じる可能性がある」と指摘している。
 ガイドラインを定めた立場である総務省は、複数の回線事業者からソフトバンクモバイルの電子メールの内容について問い合わせを受け、内容を知ることになった。総務省は電子メールの内容について、「一方的な通知であり協議ではない。ガイドラインに適合しているとはいえない」と判断した。そこで2010年5月20日にソフトバンクモバイルに対して、回線事業者と協議を実施するように要請した。さらに技術的条件を満たしたとする具体的内容について報告を求めた。
 ソフトバンクモバイルは当初の予定通りに申し込み受け付けを開始した。ただし、これまで指定していたブロードバンド回線を推奨と位置づけ、推奨以外のブロードバンド回線で申し込む場合は2010年9月以降の提供になること、および接続機器や利用環境によって利用できない場合があるとのただし書きを付けた。ソフトバンクモバイルは本誌の取材に対し、「回線事業者との協議は継続する」と回答した。



音楽配信件数、初の減少 09年度国内販売
 音楽配信サービスの成長にブレーキがかかってきた。日本レコード協会が24日発表した2009年度の音楽配信の販売件数は前年比3%減の約4億6187万件で、統計をとり始めた05年度以来、初のマイナスとなった。販売額はほぼ横ばいの約906億円にとどまった。他の配信サービスとの競合が激しく、配信を受ける携帯電話端末の出荷減少も響いた。
 09年度の販売実績の内訳をみると、件数の9割を占める「着うた」など携帯向けは4%減の約4億1451万件で、金額も1%減の約787億円だった。
 パソコン向けは堅調で件数が9%増の約4726万件、金額が11%増の約104億円に上った。携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」など米アップルの携帯機器での利用が増えているとみられる。
 音楽配信は05年度以来、毎年2ケタ成長を記録してきた。1曲から購入できる手軽さが受け、若者を中心に普及している。生産額が右肩下がりで縮小しているCD市場とは対照的に、レコード各社も配信コンテンツの拡充を進めてきた。



放送法改正、与野党合意は決裂の見通し
 衆院総務委員会で審議中の放送法改正案をめぐり、与党3党は24日、改正案のうち総務相の諮問機関「電波監理審議会」(電監審)の権限強化に関する条文を削除する修正案を固めた。
 与党3党は、25日午後の衆院本会議で、同案の通過を目指す。
 自民党と公明党も、電監審の権限強化に反発していた。だが、野党側が求めていたNHK会長の権限強化に関する条文の削除に与党側が応じなかったため、放送法改正案を巡る与野党協議は決裂する見通しだ。



点検 注目材料株◇レナウン、中国企業出資報道で再建期待高まる
 24日の東京株式市場で、大手アパレルメーカーのレナウンの株価が逆行高を演じた。寄り付きから商いを伴って買われ、終値では制限値幅の上限(ストップ高)となる前週末比50円高の191円で引けた。第三者割当増資により中国の繊維大手、山東如意科技集団(山東省)の傘下に入るとの報道が手掛かり。レナウンは同日夕に山東如意との提携を正式発表した。百貨店販売などの低迷で経営再建が急務となっているだけに、中国における山東如意の販売網の活用や資本増強による財務改善が期待されているようだ。
 「国内だけでは変わり切れなかった。海外成長を通して変革を進める」。レナウンの北畑稔社長は、記者会見の場で資本提携を通した経営再建の意義を強調した。「今後も高い成長が見込まれる中国を重点マーケットと位置付け、市場の成長を取り込む」(北畑社長)のが狙いだ。
 中国企業による日本企業への資本参加は増加傾向にある。M&A(合併・買収)助言のレコフによると、2009年の中国企業が日本企業に対して行ったM&Aは20件と、前年から5割強増えた。昨年8月には中国の蘇寧電器集団が家電量販店のラオックスに出資するなど、経営再建中の企業を市場拡大を狙う中国企業が傘下に収める事例も出てきた。ラオックスの傘下入りが報道された昨年6月には、同社の株価が急騰するなど、中国勢の資本参加が注目されつつある。
 市場には「第2のラオックス」として山東如意のレナウンへの資本参加を好感する見方が多い。レナウンとラオックスは業態こそ違うものの共通点が多く「中国企業との提携効果を連想しやすい」(アルフェックス・インベストメンツの高松一郎代表取締役)ためだ。
 第1の共通点は、業界のなかでは老舗に属し、商品販売のノウハウを持った業態であるという点。急激な経済成長を背景に中国人の購買意欲は高まっており、ノウハウを生かした中国市場での市場拡大が望みやすい。レナウンは「ダーバン」など高級ブランドが主力。提携発表の記者会見で、山東如意の邱亜夫董事長は「高級品中心に中国でのレナウンのブランドは知名度が高い」と販売拡大に自信を見せた。
 近年、業績低迷が続いていたのも同じだ。レナウンは現在の筆頭株主の投資ファンド、ネオラインホールディングス(東京・港)のもとで経営再建に取り組んでいる。しかし、消費不振で英高級ブランド「アクアスキュータム」などの主力ブランドの売却を余儀なくされ、11年2月期では5期連続の最終赤字となる見込みだ。国内百貨店向け店舗への依存度が高く、収益改善への道筋が立ちにくいことが課題となっていた。
 ラオックスも10年3月期まで9期連続の最終赤字と低迷していたが、今期は10期ぶりに黒字に転換する見通し。蘇寧電器との提携をテコにした赤字店舗の閉鎖や中国への新規出店を進める効果が出るという。海外成長への道が開け、市場には「(ニューマネーが入ることで)レナウンも当面の危機は脱することができそう」(いちよし投資顧問の秋野充成運用部長)との安心感が広がっている。PBR(株価純資産倍率)は1倍を大きく割り込んでおり、割安感に着目した買いも入りやすい状況だ。
 ただ、このまま提携が投資家に歓迎されるかは微妙だ。第三者割当増資に伴い、発行済み株式数は約7割も増える見通し。北畑社長は「(資本提携は)筆頭株主のネオラインに歓迎されるものと信じている」と強調するものの、1株当たり利益の希薄化は大きく不透明感も漂う。
 提携効果で希薄化を上回るだけの利益が出せるかが、市場の評価のカギを握ることになりそうだ。ラオックスの場合、中国人観光客の多い秋葉原に旗艦店舗があるため、そこに経営資源を集中して業績を回復させる余地があった。一方、レナウンの主力ブランドは売り上げ低迷が続く百貨店向け。成長のためには中国への新規出店が不可欠だが、現在はユニクロなど低価格帯の商品が中心となっている中国市場で、どこまで高価格帯が主力のレナウンが伸びるか。復活へのハードルは決して低くはなく、買い一巡後は経営再建の先行き懸念が再燃する可能性もある。



増税は景気を良くしない
 増税することで、むしろ景気が良くなるという議論が出始めた。菅財務大臣はこうした趣旨のことを述べて、消費税引き上げを正当化したいようだ。しかしこうした奇妙な議論は、健全な政策論議をあまりに逸脱している。
 日本の財政状況は深刻であり、いずれ消費税の引き上げが避けられないことは多くの人が認識していよう。財政健全化努力がいまの政府に不足していることは明確だし、そうした努力不足が今後も続けば、経済に破滅的な混乱が起きることだろう。したがって、こうした混乱を避けることによって経済を良くできる、という議論は成り立つ。
 しかし、財政再建に根本的に重要な道筋は、まず成長をいかに確保して税の増収を実現するか、歳出をいかに抑制するか、そのうえで税収をどう確保するか、である。成長戦略がないままに、歳出の膨張を抑えることなく、増税するだけで経済が良くなることはあり得ない。増税とは、民間部門から公的部門への資源の移動であり、その過程で国民の生活水準を引き下げる。
 考えられるひとつのケースは、民間部門が支出を増やさない状況では、公的部門に資源を移し支出することで経済は拡大する、という場合だ。これは、需要不足が存在する場合には正しいし、まさしくケインズが指摘していることでもある。しかし、あくまで短期の限定的な議論だ。
 もうひとつは、社会保障制度などが整備されることで将来への不確実性が低下し、結果的に消費・投資が促進される、という理屈だ。しかし、もし将来への不確実性が本当に家計の障害になっているのなら、個人年金などがもっと拡大しているはずだ。国民が感じる不安の本質は社会保障ではなく、日本経済の競争力低下、さらには自分の所得獲得能力低下への不安である。
 安易な増税理論を振りかざし、安易な増税を実行すれば、大きくて非効率な政府のままで、中長期の成長力はさらに低下する。それは結果的に、国民の将来不安を一層高めることになろう。
 気になるのは、財政制度等審議会でも菅大臣と同様の議論がなされ「増税=景気回復」が示唆されていることだ。役所の隠れみのと言ってしまえばそれまでだが、審議会の有識者たちが成長戦略、歳出削減を十分論じることなく権力にすり寄っているのなら、この国の将来への不安はますます募ってくる。



【産経主張】郵政法案 民営化つぶせば禍根残す
 日本社会の将来に禍根を残しかねない郵政法案に対し、民主党の小沢一郎幹事長が全国郵便局長会の総会で今国会での成立を約束した。
 法案は民営化を通じた経営効率化と規模縮小というあるべき改革の姿からほど遠く、公社時代に逆戻りさせる内容だ。こうした「改悪」をめぐる影響は深刻だ。国会では問題点の徹底的な審議が求められる。
 まず民業圧迫で民間金融をゆがめかねない点が問題だ。亀井静香郵政改革・金融相は「郵政事業がじり貧だから、金融事業で収益を拡大する」と説明する。そのために、郵貯の預入限度額と簡保の保障限度額をそれぞれ倍に引き上げる。がん保険などの新規業務についても金融庁への届け出制にして、経営の自由度を高める。
 しかし、政府が関与したまま限度額を引き上げれば、国民は「暗黙の政府保証」と受け取り、郵貯に預金を移すことが予想される。全国銀行協会など金融機関8団体は今月20日、「競争条件の公平性を阻害する」との声明を発表し、法案の抜本修正を求めた。
 これに対して亀井氏は「競争相手が強くなりそうだから、ギャーギャー言うのはみっともない」などと切り捨てた。金融担当相が業界の懸念を一顧だにしないことに唖然(あぜん)とする。非効率な経営の見直しにはまったく触れず、局長会や郵政労組の権益擁護に腐心しているようにみえる。明確な経営計画を示さないまま、非正規社員の正社員化を打ち出したのは将来の民営化阻止への布石といえる。
 国債以外に運用ノウハウのない郵貯がいま以上に国民の資産を預かることは、それだけリスクが大きくなることを意味する。逆ざやが生じれば、将来、大きな損失が発生するかもしれない。鳩山政権はそうしたリスクがあることも何ら説明していない。
 国際的な信用問題もある。日本と米国、欧州連合(EU)は21日にジュネーブで世界貿易機関(WTO)大使級協議を行った。米欧は郵貯と簡保にこうした経営の自由度を認めることが民間との公平な競争を阻害し、「外国企業に不利な条件を課さない」とのWTOの内国民待遇義務に違反していると主張した。米欧ともWTO提訴も辞さない構えだ。今後、通商摩擦に発展しかねない情勢だ。
 時計の針を逆戻りさせようとしている。官業化と肥大化を急ぐ郵政法案に強く疑問を呈したい。
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